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2012年8月14日 (火)

加害者呼ばわりはやめていただこう

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いったん誤解を受けるといつまでも消えないものになるらしい。下のような名無しコメントを読むとつくづく脱力感に似た感情に襲われる。

(以下引用)
「生産者と消費者は対決ではなく「協調・共闘」では無いでしょうか?
そうなんです。それに尽きると思うんです。
しかしながら、食品の暫定基準値が500ベクレルであった際にも、農・漁・畜に携わる生産者のみなさんは、自ら販売する商品に関する商品の危険性を一切担保することなく、あろうことか、汚染食品の安全性を主張し、自らの生計を保つべく、汚染食品を出荷流通させ、結果たくさんの消費者を被ばくさせました。
それが消費者にとっては、これから長きにわたってその信用を失う理由であり続けることが、無責任な生産者には理解できないようです。
もどかしいというか、あきれます。」
(引用終了)

この人は一体いつの話をしているのだろうか。おそらくは去年の事故後半年間のことを言っているに違いない。

そしてこう言う。「(農業者は)自らの生計を保つべく、汚染食品を出荷流通させ、結果たくさんの消費者を被ばくさせた」としている。要するに、ゼニカネのために私たちを被曝の危険にさらしたでしょう、この悪者どもめ、と言いたいわけだ。

まるで一段高い座からを被告席に座る私たち農家を責める審問官のようだ。消費者はいつから自由気ままに私たち農業者を糾弾できる特権を持つようになったのか?

「商品の危険性を担保しないで」というが、あの3.11直後の北関東の状況を少しでも知っているのだろうか。

政府は情報隠匿に走り、地方行政は不作為でなにもしないに等しかった。そんな中で一体誰が農業者に正しい情報を伝えたのか?神ならぬ私たちは自分の頭上に降った放射性物質の量、土中の線量すら知らなかったのだ。

農産物の検査をしようにも、検査場は満杯。長期に待たされたあげく、一検体2~3万円の費用がかかった。

そしてベクレル、シーベルトの意味すらも分からなかった。たしかに私たちは放射能に無知だったが、私たちの無知を当時の国民のどれだけが笑えるのだろうか。

私たちだけが実は正しい情報を知りながら、「生計のために」隠匿していたとでも言うのか。

冗談も休み休み言え。私たちが自分のカネ欲しさのために、真実を知りながら消費者を犠牲にしたとでも!?

私たちも一般の国民とまったく同様に情報空白地帯に置かれていただけだ。消費者と同様になにが起きているのかも分らず、噂に振り回され、無我夢中の闇の中で行政の壁を虚しく叩いては慇懃無礼に拒否された。

そして自主的に高価な測定器を(それも散々待たされて)買い込み、まさに地べたを這うようにして計測して回った。

ベクレル、シーベルトの意味を知ろうと専門書も買い込み、専門家を呼んで勉強会を重ねた。消費者より情報過疎の農村に住む私たちにとってそれがどれだけ大変だったか分かって言っているのだろうか。

3.11から1年5か月たった「今」ならなんとでも言える。事故調報告書も出揃い、あの時なにが起きたのかも詳細に分るようになってきた。放射線量分布の情報も遅ればせで国家機関から提供されるようになった。

でも、それは「今」の話だ。結果が分かってからの話だ。あのカオスのような3.11以降の半年間の中で、私たち農業者も消費者も皆なにもわからずに恐れおののいた、それが真実ではないのか。

そして「今」になって、「あの時農家はカネに目が眩んで危険な汚染食品を出荷して私たちを被曝させた」などとわかったような言い方をする。

早川由紀夫氏に至っては「社会に毒をばらまくテロリスト」とまで私たちを攻撃した。武田邦彦氏は「東日本のものを食べてはいてない」としたり顔で主婦層に説いてまわった。

私たち農家は神ではない。消費者と同じく悩み、苦しみ、壁に頭をぶち当てていた国民のひとりに過ぎない。

朝令暮改のように毎日のように変化する出荷制限区域、制限品目に翻弄されたどこにでもいる国民のひとりに過ぎない。私たちが原発を経営していたのならともかく、私たちは福島第1原発事故に関して、国民と同じ全面的被害者なのだ。

そんな私たちに対して加害者呼ばわりはやめていただこう。

もういいかげんにあのとき農業がどんな状況にいたのか、知ってもよい頃ではないのか。それを知ろうともしないで、「あきれる」という言葉は、私の方からこの「名無し」さんや「元茨城人」さんなどに進呈したい言葉だ。

あきれた人たちだ。1年半以上もたつというのに、まだ目が醒めずに加害者と被害者の区別もつかないのか、と。

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原子力事故」カテゴリの記事

コメント

全面的に同感です。
どうして、この当然な話が受け入れられないのか、
もどかしいを通り越して悲しいです。

全く…わざわざのご対応記事お疲れ様です。


放射性物質降下初期に、千葉のホウレン草が出回ったとか、宮城県北部の汚染稲藁を給餌した牛肉が出回った。
これは事実であり痛恨事でした。すべては生産者側の無知によるものです。
政府も都道府県ごと纏めての品目別出荷停止という措置でしたし、農家を一方的に責められる話でも無かったのですが…。

某大先生の言うことを真に受けてテレビに踊らされたり、火山学者の想定マップ(そこまでは偉大な学者でした)と、その後のキチガイじみたツイートにまた踊らされるバカ多数。

すでに1年経っているというのに…
それで消費者は生産者に寄り添うべきなどと、どの口が言うんだか。

ここ最近の一見好意的に表現しながら、結局は自分への批判に対しての、揚げ足取りばかりのコメントを見ていて、もはや呆れるばかりです。
だから「ゼロベクレル信者」などと揶揄されるわけです。
結局、何Bqなら納得するのかには答えられないじゃないか。

管理人様

いつも記事拝見しております。
まだ震度5クラスの余震(神奈川なのでこちらは4くらい)が日に何度もあった時期にこちらのサイトにたどり着き
「余震でブログ更新どころじゃない!」と更新されているのを見て、うまくいえないのですがいろいろがんばれました。

線量計を購入し周辺地域の現状確認したり、いろいろ調べたりする事でデマかどうかを自分なりに判断するようになり、以前は行っていなかった自治体や国への要望書もだすようになりました。
おこがましいですが管理人さんと共にこの問題に立ち向かっているつもりです。

「生産者と消費者は対決ではなく「協調・共闘」では無いでしょうか?・・・
と、短いコメントをしてしまいご迷惑おかけしました。申し訳ありません。

数日前の記事に沖縄に住んでいる人からのコメントが余りにも気になり、ついついコメントしてしまいました。
こんな思い込みをしている人に何をどうやって説明しても無駄なんだろうな・・・と、短文に気持ちを込めたつもりです。
消費者は「偉く」、且つ「聖人君子」如き人たちなんですね。
農林漁業者者も、国の基準を基に真面目に生産出荷に
取り組んでいるのですが、理解がされていないと言うか、理解しようとしない人がいるのでしょうね?
一部の人達であるとは思いますが・・・
「安心・安全を担保する」為に、国の基準を遵守する事しかできませんが、それを信頼できないなら、輸入食料(糧)品に頼るしかないですね。
輸入食料(食品)と言ったって、結局のところ国の基準を満たしたものでないと、入ってきませんから同じだと思うのですが、国内の生産者は信じられないけど、どこかの国の生産者は信じられるのでしょうか?
何回も言っていますが、選択の自由は消費者の手にあるので、好きなものを買い、食すればよいのであって、わざわざ犯罪者扱いのコメントをする必要はありません。

誠心誠意コメントに応えている管理人様に敬意を表する次第です。

ほんとうに、現状の農家を責められる訳がないと思います。

ただ、読んでみて、これってそれぞれのコメントを書いた人の意見と、管理人さんへの意見がごっちゃになっているなと、思いました。

「農家はテロリスト」というのは初めて聞いたのですが、ひどい言い草です。そのように攻撃してくるひとが増えたんですね……
それでコメントする方たちは、そういう人相手のつもりで書く。

茨城から逃げた人は、安全宣言のなかで、かなりの危機感を持っていた人ですね。逆に、なんでも安全扱いするかたから、かなり責められたんだと思います。その方たちと管理人さんを守ろうとする方たちが重なって見えているのでは、ないですか?

元茨城県人さん、ほんとうに、農家の人のせいだと、自業自得だと、思っているのでしょうか?
なんで、ここに書き込んでいるのですか?なにを伝えたいんでしょう。売り言葉に買い言葉とは思いますが、これでは、ただのはたからの批判です……嫌がらせにしかなってないと思います……

何を言われても汚染されたものは買いません

>> 名無しさん

おはようございます。

ええと……本来、人のブログで口をだすことではないかもしれませんが、これは余りにも対立にしかならないコメントだと、おもって……

「買え」と書いてあるところは、ないです……

「消費者が買わないせいで農家が困る」というのが、テレビなどで宣伝されている偽物のメッセージなのではないかと、私は思います。

「東電の事故と、人を大切にしない国の行動の数々によって、買えない消費者が多く、農家が困る」んです。

だから、名無しさん個人が買わない場合にも罪悪感を持つ必要はないし、農家に責任をもとうとしても多数のなかの1消費者では、無理です。

なんのために、わざわざ宣言しているのか、考えてみませんか?
私は、「消費者が悪い」というようなプレッシャーをこのブログからはうけませんでした。
買えないことに罪悪感を持たせているのは個々の農家のかたではないでしょう?
農家のかたは、より汚染が少なくなるように、度合いが見えるように努力しているだけですよね。
食品の安全性を決めたのも、個々の農家ではないですね。

 濱田さんの被災直後からの奮闘にこころから敬意を表します。その内容および得たる知見は当ブログにて公開されています。濱田さんを含む被災地生産者への「加害者呼ばわり」は的違いであり、それはまっとうにこの事態に立ち向かってきた「にんげんへの侮辱」だと考えます。

 今日流布する「放射能怖さの東北バッシング(or「関東以北バッシング」)」。これらの心なさに愕然とします。なにが心ないかって?原発事故以降の事態についての恐怖、それにたいするいろいろな判断や行動はありうるとしても、数々の東北バッシングの言動には他人(にんげんというもの)へのリスペクトや、被災者や遺族への思いやり、そして生産者の置かれた状況と奮闘への想像(イマージン)がないからです。立ち向かうべき相手が違うことは勿論のこと、私には軽佻浮薄、ときには卑怯さ・えげつなさ、己が可愛さのみが見て取れて暗い気持ちにさせられます。己が被害者であることを嘆きながら、その矛先をより深刻な被害者に向け罪なき人々を絶望と卑屈のどん底へ突き落している行為に思えてなりません。3・11の直後から起きて増幅しているように思えます。

 濱田さんは心労と困憊にもめげず、事実をみつめ立ち向かいともに生きていこうとメッセージを送っています。生き方が問われる事態です。濱田さんが完璧なわけではない。異見も批判もあってよし、生身のにんげんだもの。ただし、フェアに考えていきたいですね。

(あっ、濱田さん、このように描いちゃったけれども、息抜きしてね、つらいときは。私は濱田さんが悲鳴を挙げているとき助けにならなくてつらい…。)

りんごさんのコメントには共感できることがたくさんありますね。


因みに「東日本の農家はオウムと同じテロリスト」というツイートを1年前にやらかしたのは、よりによって群馬大学の早川先生です。
火山学者ですので、火山灰飛散を応用した汚染シミュレーションマップを公表した時点までは「偉人」だったんですが…。
その後のツイートでは暴言連発でした。いやいや、自分のマップで群馬かなりヤバいだろ!そんなに騒ぐなら何故逃げない?とは思いましたが。
そしてこれぞスクープとばかりにU-ストリームインタビューで飯の種にしたのは、自由報道協会の上杉隆です。


以前こちらのコメント欄で書かせて頂きましたが、
群馬大学の津波防災の専門家で、釜石で小中学校の避難教育徹底で全員無事だったという実績がある先生が昨年末だったか、当県での講演に来られました。
ところが、「あー、群馬大ってあの早川とかいうおかしなヤローんとこだろ…」
と、特に農民・漁民は冷ややかな反応になってしまって残念でした。

早川・上杉の話では、インタビューの部屋貸さないとか大学当局から邪魔されたー!不当な嫌がらせだー!とかツイートしまくってましたが(家なりファミレスなりでやりゃよかろう)…首が飛ばないだけでも大学側は寛容だとおもいます。
それほどの迷惑をかけてるんだから、一杯企業だったら…どんだけ嫌がらせの嵐になっていたやら。

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