世界同時異常気象 グローバルにそして毎年のように
近年の異常気象の影響は、その干ばつ・洪水が世界規模になることです。
1970年代以前ならば、北半球のどこか、たとえば米中西部はやられたが、南半球は変化なしというように限定的なのですが、1990年代から2000年代にかけてはグローバルにやられてしまうのです。
この原因はエルニーニョとラニーニョの同時発生です。その最初のケースが2002年でした。
欄外資料をご覧ください。北米、南米、欧州、アジア、インドと世界総なめ的に被害がでているのがわかります。
・北米・・・米中西部、カナダが干ばつ
・欧州・・ドイツ南部、チェコ、フランスで大洪水
・南半球・・・豪州大干ばつ
●アジア地域
・インド・・・120年ぶりの干ばつ
・ベトナム・・・北部デルタで洪水、中北部で干ばつ
・日本・・・7月に台風
・中国・・・南部大洪水、干ばつ
そしてもうひとつの特徴は、これが何年間も継続することです。翌2003年はどのような年だったでしょうか。
6月~8月にかけて広くユーラシア大陸から、北米にかけて異常気象が続く災厄の年となりました。
●欧州地域・・・6月から高温が続き8月にピークに
・フランス・・・最高気温40場。熱死5000人を記録。
・ドイツ、イギリスでも平年より8度高い38度。
・ポルトガル、ロシア東部、フランス南部・・・大規模森林火災発生
・北米・・・米国で高温乾燥
●アジア・アフリカ地域
・アフガニスタン・・・市場かつてない砂嵐発生
・インド・・・・大洪水
・アフリカ・・・東部で大洪水
・日本・・・東北・北海道で10年ぶりの冷夏・多雨
だんだん書くのが辛くなる思いですが、まだリストは続きます。その翌年の2004年から2007年はどうだったのか見てみます。
2005年はエルニーヨョ現象もラニーニョ現象もなかったにも関わらず全世界的異常気象はやみませんでした。
米国、南欧、豪州東部、北アフリカ、アルゼンチンなどの主要穀倉地帯で高温乾燥が続きました。
・米中西部コーンベルト地帯・・・高温乾燥
・スペイン、ポルトガル、フランス南部・・・60年来の干ばつ
そして翌2006年もまた豪州最大の小麦産地であるニューサウスウェーズル州が干ばつに見舞われ、昨年比率6割減という打撃を受けています。
国際稲作研究所(IRRIによれば、、調査地フィリピンの平均気温が1979年から200年までに0.75度上昇した結果、「生育期間中に1度温度が(平均気温より)上がるごとにコメの収量が10%減少する」といいます。
これはコメのみならず、大豆、大豆、トウモロコシ、小麦などの経験則である「平均気温を1度上回ると収量が10%減少する」という経験則にもつながるものです。
これは高温乾燥下では作物が葉を水分の蒸散からガードするためにきつく巻くために、光合成が阻害されて、生育が低下するためだと言われています。
このように、まさに毎年恒例のように世界各地が、そして02年~03年のように世界同時異常気象を迎えることがあたりまえのようになってきているのです。
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