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2012年8月10日 (金)

金城次郎のヤチムン

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沖縄の民窯をヤチムンいう。そもそも完全な日用品として始まった。

戦後、焼け野原になった沖縄ですっかり什器が焼けてしまったんで、せっせと日常使いの皿やお碗を作ったのが、金城次郎さんたち戦争から返ってきた沖縄の陶工たちだっだ。

彼を知る島の人たちは彼のことを親しみを込めて「次郎さん」、あるいは「ジルー」という。

ジルーの陶器を特徴づけるのは、そのスピードと勢いだ。
アートを作っている気なんか作る方も使う方もさらさらないから、スピードが第一。
一日何個が出来るのかが大事だったのだろう。そして当時はガス窯なんかないから、登り窯だ。
製品としてばらつきなんてのは当然なわけだ。それが次郎さんの勢いのある線彫りの面白さとなって生きてくる。手工業ではあるが、量産が次郎さんを生んだともいえる。
彼の作品はたまに抱瓶(ダチビン)の注ぎ口が歪んでいたりする。上の写真を見ていただきたい。注ぎ口が歪んでいる。たぶん大手の陶芸工房ならハネ品だ。
しかし、この海老の線彫りの見事さはどうだ。ダチビンから生きて踊りだそうとしているようだ。
このダチビンも実際にジルーの工房で買ったものだ。まだ彼が存命だった時だ。たぶん彼が50代後半のバリバリの時だ。まだ私が29の時くらいだったか。
その時のことは今でも鮮明に覚えている。8月の沖縄。ご想像くれ、12時半くらいに、迷い迷って彼の読谷の工房にたどり着き汗だくで木陰にへたり込んでいた。
1時頃に工房の人たちがぞろぞろ出てきて、その中に次郎さんもいて、冷たいお茶をごちそうになり、ちょっとだけ話が出来た。
こっちも汗だくだが、次郎さんもヨレヨレの汗くさいTシャツを着て、グローブみたいな「使える手」を持つ働く男だった。まるで農民みたいだった。
町工場のような工房の横で直販していたヤチムンをいくつか買った。
そのときに彼はいくつかあるダチビンの中で、いかにも金のない私を見てとったのか、「これがいいよ。口が曲がっているが。色がいい」と言って譲ってもらったのが、藍色のグルクン踊るダチビンだった。それは今、若い陶芸作家の元にある。
すばらしいあの藍色、線刻の勢い!グルクンがあの狭い空間が足りなくて、飛び出しそうだ。そして私はあの藍色がたまらなく好きだ。あれは豊穣の沖縄の海の色だと思う。
その深い藍色はお孫さんの金城吉彦さんにも受け継がれている。しかしスピード、つまり勢いまでは遺伝しなかったが。なぜなら、今孫が作ろうとしているのは工芸であり、偽悪的にいえばみやげ物だからだ。
次郎さんは人間国宝なんてものになりたくもなくてなってしまい、自分のたかだか一個のマーカイ(お茶碗)がウン万円の値がつけられた時に、「ちゃーならんさ」(訳す必要はないだろうが、「しょうがないね」)と言ったそうだ。
ある時、県のエライさんが人間国宝を訪れたそうだが、彼はシラっとしてあらぬ方角を指して「アッチ、アッチ」と言ったそうだ。

生涯一陶工で何が悪い。ゲージュツ家になんかなるものか、それが次郎さんの陶工としての心意気だったのではないか。

今や金城一門なんて大相撲みたいな存在に成長し、大勢の陶芸作家を排出している。泉下の次郎さんはやや迷惑げな顔をして、今も泥だらけの手でヤチムンを捏ね続けているのではないか。 土日は更新の定休日です。また月曜日にお目にかかりましょう。

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コメント

管理人さまへ

いつも、中身の濃いブログ記事を、ありがとうございます。
管理人さまの記事に、関係のないコメントをすることを、お許しくださいませ。また、管理人さまの判断で、このコメント削除していただいても、構いません。

実は、前回の新型弱毒性季節性インフルエンザと非常に似ている、遺伝子構造の豚を中間媒体とした、今のところ、豚インフルエンザ(豚>人感染ではなく、人>人感染が、確認されれば、新たな新型インフルエンザになりえる状況だと、思える状況になりつつあります。

以下、ニュース記事より一部引用。

「8月3日以降、豚インフルエンザウイルス「H3N2v」に中西部のインディアナ州やオハイオ州などで新たに116人が感染したことが確認されました。
「H3N2v」は、去年8月にアメリカで確認された新しいタイプの豚インフルエンザウイルスで、今回の116人を含め、これまでに4つの州で合わせて145人が感染しています」

残念ながら、農林水産省も、厚生労働省も、過去のインフルエンザや、口蹄疫禍についても、きっちりとした、科学的検証結果を公表せず、メキシコ発の新型インフルエンザも、成田空港はじめとする窓際作戦の失敗、口蹄疫禍の感染拡大防止対策の不備、新型インフルエンザの作りすぎたワクチンの製造と輸入薬品、廃棄処分料金など、膨大な税金の無駄使いなど、原因や、地域ごとの多様な防疫方法の確立などに対して、きちんと、国が、情報発信できないまま、「H3N2v」が、国内に侵入する危険性を持っている状態です。豚>人感染者が、米国で、145人以上、発見されている以上、国立感染症研究所などが、早期に正しい情報を、海外ニュースより早く、国民に知らせて、豚や人の感染者を減らす努力が、必要と思います。

管理人さまは、こちらの分野にも、詳しい方ですので、是非、畜産関係者や医療関係者にも、実態を知っていただいて、過去の有効だった防疫方法については、国として、早急に対策を願いたいですし、こういう面でも、米国覇権型TPPに突入していく現状を、指を咥えて、放置している、政府や各省庁に、しっかり対策をしていただいて、2度と、無用な鶏、豚、牛などの殺生をしなくて済むような、状況にしていただきたいと思ってます。

記事に無関係なコメントで、済みませんが、いち早く、消石灰などでの消毒や、第3者の家畜舎への立ち入り制限など、出来る範囲の防疫策で、新型、「H3N2v」の国内侵入を止められるなら、ありがたいことだと思ってます。

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