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ドイツが「脱原発」をできたわけ

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今年の夏のピーク時電力をしのぎ切ってしまったために、原発護持派の旗色は急速に悪くなりました。

そりゃそうだ、あれだけ大停電を喧伝されていたのに「実質原発ゼロ」でこともなく乗り切ってしまい、電力会社間の貸し借りもなかったのですから。

では、今後この「実質原発ゼロ」のまま脱原発社会に突入するのでしょうか?

それを考える時に参考になるのがドイツです。ドイツは世界に先駆けて「脱原発」を宣言しました。

ドイツは福島第1原発の事故を受けて、2022年までに国内の全原発2000万キロワットを停止することを決定しました。

ドイツは漫然と「脱原発」に突入しようとしたわけではありません。ドイツのような工業を基幹産業とし、しかもGDPに占める輸出の比率が非常に高い国がエネルギー危機に陥ってはシャレになりません。

ちなみにドイツのGDPに対する輸出依存度は34.2%、日本は10.7%です。このような国で工業のエネルギーが不安定になることは死の宣告に等しいといえます。

ドイツのエネルギー源の割合は以下です。ベース電力のうち原子力は23%です。これは、日本の24%とほぼ一緒の比率です。

よくわが国を「原発大国」などと言う人がいますが、それは間違いで、わが国のエネルギーミックスは先進国としては標準的な比率です。(下図参照)

Photo_2 それはさておき、ドイツがとった「脱原発」の方針は二つです。ひとつは火力発電所の大増設計画です。

ドイツ環境諮問委員会の資料によれば、現在計画中の石炭火力発電所により1000万キロワット、そして天然ガスによる火力発電所で更に1000万キロワットを補填する計画です。

このうち石炭火力発電所は2013年までに早期完成させ、天然ガスのほうも2020年までに竣工させるという計画をもっています。

つまりドイツは、「脱原発」というカードを選んだ代償としてCO2の排出削減という環境政策を捨てたことになります。

そして、この化石燃料依存にシフトするまでの10年ていどの期間は、ドイツは電力を燐国フランスからの電力輸入に頼ることにしました。

このように書くとかならずドイツは脱原発をしても電力輸出国だという人がいますがそれはあくまで一時的なことで、ドイツのエネルギー・ネットワーク庁の責任者はこう明解に言い切っています。

「今多くの人は、ドイツが数週間フランスに電力を輸出したと喜んでいます。しかし2011年全体でみれば、ドイツはフランスに対してかつての電力輸出国から輸入国へと転落しています。都合のいい数字ばかりではなく、事実を見つめるべきです。」(フランクフルター・アルゲマイネ紙)
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-6147.html

ドイツは大きなヨーロッパ送電網の中に位置しており、電力が余剰の時は旧東欧諸国に輸出し、不足した場合は火力発電所を調整してもらっています。

このおかげで東欧はドイツの電力事情の尻ぬぐいをさせられていると年中文句を言っているようです。 

つまりヨーロッパは地域全体で国を超えた電力需給をしており、その中で得意方面をいかしているのだと思えばいいでしょう。スペインは風力であり、ノルウェーやスウェーデンは水力という具合です。

その中でドイツの燐国のフランスは原発大国であり、ドイツは系統調整の一環として燐国から原子力の電気を融通してもらったというだけの話です。(下図参照)

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このような裏付けがあってドイツは初めて「脱原発」を叫ぶ事ができました。

この二つの要素、すなわち、ひとつは火力発電所のCO2削減を捨てた大増設計画、そしてもうひとつは国を超えた電力需給という条件がわが国にあるのでしょうか。

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

ドイツは、
http://www.iae.or.jp/publish/tenbou/1996-TEIHINITAN/3shou.html

自国で、石炭の露天掘りができる国です。
ある意味、エネルギーミックスポートフォリオの1部ですが、輸入に一切頼らない電力を持っています。

このことが、外交的にも、非常に、重要で、日本が、太平洋戦争に至った経緯も、結局、資源エネルギー問題を、自国の意思で、コントロールできないとGDPの発展がないのではとの思いから、軍部が暴走した訳で、植民地支配型ヨーロッパや奴隷制度型米国は、植民地の独立や奴隷から移民政策に、変換しつつあるところへ、植民地拡大は、世界的合法戦略と思い込んでいった政治構造が、当時は、あったのでしょう。
ベトナム戦争時も、朝鮮半島型から、社会主義政治+自由経済圏であれば、経済問題は、貿易黒字になるなら構わないことと、ベトナム型社会主義政治のように、独裁政治で無ければ、グローバル経済での覇権を握れば、米国は、負けたとしても、戦争経費を取り戻せて、困らないとの判断なのだと、思います。

ある意味、日本も、自国完結型エネルギーの比率が上がれば、ドイツ的発想は、出来なくもないと思いますが、日本での原発立地は、世界の20%の地震が起きている日本のプレート構造での原因での撤退であり、核=危険とかコントロールできないとか、正論を言い出すと、日米関係は、急速に悪化するかもしれないですね。

ある意味、核保有国=国連常任委員国ですから、当面の国際社会を、渡り歩くには、日本独自の事情での政策変換をしていくと言う、うそでも、外交がうまくいく対応が、必須だと思います。

当面、中国や日本の輸入化石燃料依存は、続くと思っているからこそ、アジアでの化石燃料単価が、世界一、高いのでしょう。

日本の官僚機構は、米国のような長期的資源構想とか、戦略を持たない国で、民主党国家戦略室も、割と頑張っている割には、立法や行政上の立ち位置が、長期的明確性に欠けていますから、ある意味、長期ビジョンが、日本にあれば、未来に、期待が持てるはずです。

この1年間に、放射能問題に、民間が取り組んで、開発したものは、世界一のスピードだと思います。
満足は、いかない部分もありますが、もっとも長期的研究をしてきたはずの、原子力発電所関係者以外の企業の成果は、チェルノブイリ時代よりスピードも内容もすごいと思えます。何とか、もう少し、そういう研究を国家が支援していただいて、責めて、東北が、安心して、居住し、農林水産林業が出来る地域に、なってほしいと期待してます。

マスコミは、3.11当時の放射線被害ではなく、現在の実態を、天気予報のごとく、しっかり伝えていただければ、医療被曝より食品被曝の方が、相対的には、少ないと理解できるような情報発信も出来るはずだとも思います。

風評被害って、消費者への実害のないのに、生産者が、被害を受け持つってことですよね?
これだけでも、無くなれば、助かりますから、真剣に、マスコミ(特に、東京キー局、全国紙など)が、頑張ってほしいのですが。。

投稿: りぼん。 | 2012年8月30日 (木) 11時09分

りぼん。さんが言ってることは間違ってはいませんが、時代がずいぶん違います。ドイツは当時国家社会主義でヨーロッパ中に喧嘩売りましたから。
現在では、徹底的な反省と自前で良質な無煙炭を露天掘りできる環境と、EU域内で友好的に電力融通もできますから。

一方、資源もなくアメリカに締め上げられて…ついには勝てない戦争の開戦へと至って焦土と化した我が国とは決定的に違いますね。

今後の原子力政策でも、「もんじゅ」があの有り様ですからねえ。
かつてフランスが事故多発で放棄した技術ですが、ナトリウム冷却高速増殖炉は、それまでは「夢の原子炉」でした。

こんなことを言い出すと、バカか!SFか!と騒がれそうですが、日本は核融合研究に関して先端を走ってます。
トカマク・ヘリカル・レーザー型のすべてをやってるのは我が国くらいでしょう。
まだまだ実用化には長い道のりでしょうが、真剣にエネルギー問題を捉えている証拠だと思います。(核アレルギーどうこう言う前に予算つけてやって!)
実験炉レベルでは300秒程度の性能に達しています。

ちなみに、報道は小さかったですが、東日本(50Hz)と西日本(60Hz)の融通をするための元々細い幹線の変換所がぶっこわれましたね。
現在それだけ危ういバランスで成り立っているのが、我が国の電力です。


また、もう1年前からブログ主がやってきたテーマですが、時の首相菅直人が薄笑いを浮かべながら最後に無理矢理通した「再生エネルギー買い取り法」
ありゃ孫さんに言いくるめられたんでしょう。
なぜか太陽光ばかりが異常に突出して高い!

ちなみに、日本のモデルはドイツですが、先週のNHKでさえ後れ馳せながら「自然エネルギーの夢と誤算」をレポートしていました(1年遅いよ!)。
正にこちらで1年かけてやってきた内容そのまんまでしたよ。
電力買い取り増えて、電気代上がった→下げようとしたらパネル設置した連中がデモ連発。
パネルはあっという間に安い中国サンテックパワー製ばかりになって、雇用も生まれず。

でした。正に孫正義プランですね。
呆れたもんです。

投稿: 山形 | 2012年8月30日 (木) 12時55分

長くなったので分けて投稿しますが、
アカガエルですね。山によくいて、捕まえるとものすごいジャンプ力で逃走します。

やっぱり昨日のアマガエルが可愛いくて好きだなあ。まあ、両生類全般好きですが。

食用カエル(ウシガエル)は、見た目はアレですが…メキシコ料理店などで開いた串焼きを食べると、鶏肉っぽくて美味いです。塩とレモンかけて。

宮城県丸森町あたりでは、ヤモリの姿黒焼きを出す店もありますが…いかにも身体に良さそうな(漢方ですね)お味で…決して美味くはなかったっす。

投稿: 山形 | 2012年8月30日 (木) 13時17分

台風15号のおかげで3日間程、電気・インターネット・携帯電話のない生活を堪能していました。

電気・電力はエネルギーの利用形態のひとつに過ぎません。石油、石炭、天然ガス、太陽光、水力、風力から直接エネルギーを取り出して利用する割合の方が多いので、日本では一次エネルギー源のうち9割近くが化石燃料であり、3.11以前でも原子力の割合は1割も占めていませんでした。ですので、原発廃止による化石燃料依存増やCO2排出増の影響は実際には微々たるものだと私は思います。
既存の科学技術によりエネルギー効率の改善、省エネやCO2の回収をさらに進めたら、たやすく解消できるでしょう。

現政権が原発廃止に踏み切れない理由は、別にあるのではないでしょうか?
例えば・・・、
廃炉技術がない。
放射性廃棄物の処理ができない。
原発が存在している以上、克服しなければならない課題ですが、電力会社も政府も先送りして曖昧にし、自分の代で責任を負わずに済まそうとしているのではないのでしょうか。
放射性廃棄物・使用済み核燃料の処理に関しては、直ちに解決策を国民的に議論をする責務が私達にはあると思います。

投稿: 南の島 | 2012年8月30日 (木) 20時35分

南の島さん。
大変でしたね。
こちらも土曜日に家の前の電柱に落雷して光ルータぶっ飛ぶわで大変でした。
それでいて雨はさほど降らず、近年に無い渇水で農業がピンチです。
農協では雨乞いの神事をやってました。

CO2の地中固定に関しては私も技術的に可能だと思ってますが、名古屋大学の先生が地震爆発の原因だと唱えていたり(YouTube映像あり。幸福実現党ですが…)、アメリカでもシェールガス採掘現場で小規模な地震が続発しているとの報告もありますので、ちょっとオカルト的ではありますが、無視はせずに慎重に考える必要があるかもしれません。

投稿: 山形 | 2012年8月30日 (木) 23時05分

山形さん、お気遣いありがとうございます。

元々、地下にあった資源ですから地下に戻すのが筋でしょうが、私は次のような技術にも期待しています。
「CO2を汎用樹脂の原料に - 東大、住友精化」http://www.insightnow.jp/article/6380

核のサイクルよりも炭素のサイクルの方が科学技術での実現性は圧倒的に高いでしょう。まあ、自然界が当たり前に行なっているサイクルですが、この手の技術は日本は得意ではないでしょうか?少なくとも太陽光パネルのように、簡単に廉価なもので中国に取って代わられはしないでしょう。

私の考え方の基本は、核廃棄物とCO2のどちらが人類にとって取り扱いやすいかということです。

投稿: 南の島 | 2012年8月31日 (金) 12時49分

何の根拠もないので、空論かもしれませんが
、少なくとも、現在の日本での温暖化を感じる要素は、個人的には、アスファルトジャングルと化した、都市構造での、熱のコンクリート建物や道路での吸収熱と、エアコン等の廃熱などが、体感的に、問題であって、CO2の濃度による温暖化という感覚は、僕には、ありません。

日陰で、風通しが良く、適当な雑木林や竹林、水を張った田んぼが周りにあれば、気温何度でしたと、気象予想士が言っても、人工的構造物と人工廃熱が、無ければ、予報された気温より、低く感じます。

何も対策していない中国本土と異なり、日本国内であれば、アスファルトジャングルの都市部以外では、日陰、水分補給など、あれば、問題ないのでは、と、思ってしまいます。

グリーンランドの氷が、今年、全部溶けてしまったようですが、確かに、毎日、暑くて、困ってますが、こどものころのように、周りが、水田に囲まれていれば、かえるの合唱でうるさいのと、自家用車が、蛙を踏みつけてしまうことを除けば、生きていけない暑さでは、無いように思えます。

駐車中の車内が、60度を超えるように、問題は、都市計画法に、あるのではとなんとなく、思って居ます。

今の日本のCO2排出量は、世界的にも、非常に少ない国であると思ってますから、おぼっちゃまの民主党元「はと」総理大臣が、何の外交戦術もなく、CO2半減宣言をしたり、トラスト ミーとか、言っちゃって、日米安保を揺るがせたことが、無ければ、核燃料の安全処理を優先研究するのが、先だと思えます。多少、今までより、CO2を出したとしても、高値でLNGを当面購入するのか、アフリカなどから、CO2排出権、売買をするのか、の戦略変更で、済む話だし、中国人が、アフリカや東南アジアに、喰いこむより、CO2排出権の買取での、アフリカや南米での、日本のイメージアップの方が、ましだと思うのです。


http://taiwaning.zening.info/taidon/Orchid_Island.htm

台湾では、蘭嶼島(Orchid Island)に、低レベル放射線廃棄物を1995年まで、埋めてました。

具体的な埋却方法は、存じておりませんが、1982年から、13年間、放射性廃棄物を埋めていたことは、確かですので、ある意味、蘭嶼島(Orchid Island)の現状を、きちんと調べることで、除染した土をどうすべきかも、解るはずだと、思いますが。。。

投稿: りぼん。 | 2012年8月31日 (金) 18時43分

廃止された李承晩ライン(りしょうばんライン)の外側、完全に日本領土の対馬は、韓国語の看板で溢れております。
第2の竹島になるのでしょうか?、

もちろん、現状の東南アジア情勢から見て、自衛隊が駐留すべき、場所だと思いますが。。

華僑というか、中国人(主に漢族)は、野心家が多いようですね。

投稿: りぼん。 | 2012年8月31日 (金) 23時26分

南の島さん。
とにかくご無事でなによりです!

こちらでは、少しは台風来てくれ~。雨降らせてくれ~な状態です。

CO2プラスチック化…なるほど~、それはいけそうな技術ですね。


あー、韓国やら竹島周辺漁業海域(共同とは名ばかり)からのゴミや漁具の台風漂流物が、庄内浜に山ほど漂着するのが目に見えてますね。
ゴミ処理大変だよ。


んー、なんというか、どっちが簡単かというより、CO2も核廃棄物も実際に存在しているので、とにかく廃棄技術の確立は必須だとおもうんですわ。

投稿: 山形 | 2012年9月 1日 (土) 16時19分

りぽん。さん
李承晩ラインは、サンフランシスコ平和条約の決議後の発効前でしたね。
まさに火事場泥棒であり、アメリカの失敗です。
それから60年近くたって、やられ放題。反日教育の象徴になってしまいました。(あれは「友情島」として交流の場にできないか!などという毎日新聞解説委員は笑止千万)

ヤンヤヤンヤと騒ぎ立てれば、日本は折れるだろうと、完全に舐められてますね。いまじゃ河野洋平の93年談話が合わせ技で利用されてますが…

尖閣諸島しかり、北方領土(ロシアにとっても大したメリットなさそうだけど)
『領土』に対して、今までの政府が世界情勢に対して甘すぎた感覚だったんですよ。

投稿: 山形 | 2012年9月 1日 (土) 16時41分

北方領土(ロシアにとっても大したメリットなさそうだけど)
>>>>>
いやあ。そうでもないと思いますよ。
つまり、日露シベリア再開発問題や北方4島問題は、冷戦時代のような対米外交戦略が使えなくなった今、いままで、モスクワ中心だったロシア政治も、シベリアやチェッチェンのように、ロシアから離れたところで、ロシア政府の人気を上げることが、内政上、良いのでしょうね。
つまり、中国もロシアも、モスクワから離れた地域の代議員を飴とムチで、コントロールするのが、広い国家の内政コントロール上、良いのだと思います。モスクワから観光で、国境近辺に、行ってもらい、いかに、現政権が、モスクワから離れた僻地であっても、みすぼらしくない生活をしているアピールが、とても、大事であると思えるのですが。。メドベージェフもプーチンも、そういう学習をしてきていて、多くの東欧諸国が、自由経済圏に行ってしまったのは、モスクワ以外は、経済的冷遇をしてきたからだと反省しているのでしょう。

投稿: りぼん。 | 2012年9月 3日 (月) 12時58分

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