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2012年8月24日 (金)

沖縄に渡って初めて出会ったのは

039

沖縄に惚れ抜いて、とうとう勤め人を辞めて渡ったのが、ちょうど30の時だった。ザックひとつを背負って泊港に着いた時に、靴の紐を締めるふりをして、桟橋にキスをした。

ようやく来た!ついに来た!すべてを捨ててきた、よろしくオキナワ!という気分だ。しかし、地面にキスまですることはない。まったくバカである。第一バッチイではないか。

そして、亜熱帯の夕暮れ時、紫色に染った長い日没のなかを那覇に向って歩き始めた。気分は高揚。足どりは大股、そこら中のウチナンチュー(沖縄人)に抱きつきたいような幸福な一体感があった。 

と、電信柱の陰から色黒く、怪しげなアロハを着たオジサンが、ニコニコ笑って声をかけてくるではないか。「オニィさん、これいらないかねぇ」、そして小指を立てた仕種は、なにか沖縄の手話のようなものであるのか。そして「二枚、二枚」と、いっそう訳のワカラナイことを言う。私を二枚目だと言いたいことはよく分かるが、いきなりそう言われてもねぇ、照れるな。

 ところで、私は最初に出会ったウチナンチューに、ある宣言をすることを心に誓っていた。そこでこのオジサンにこう厳かに言った。きっと鼻の穴が開いていたことであろう。

「私はこの島に農業をしに来たのだ。沖縄繁栄のための捨て石になる覚悟です!」なんたる感動、なんたる崇高な歴史のひとこま!

ところがオジサン、グエっという顔をして「アキシャビヨォ~」などと言いながらさっさと逃げてしまった。なんだあの顔は、農業をしにきてどこが悪い、と少々腹を立てながら、電柱の地番を見ると「辻」とあった。後に知るが、オキナワで一番の大歓楽街だそうである。私の沖縄移住の最初の出迎えは、ポン引きオジサンだったのである。

ちなみに、「アキシャビヨー」(アキサミヨ)は「びっくり仰天」、「あきれた~」ていどの意味であることも、これも後に知った。

思えば、マヌケな幕開けであった。

■明日明後日は定休日です。月曜日にお会いしましょう。

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コメント

なんとも「アキシャビヨォ〜」なお出迎えでしたね。
(^_^;)

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