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« 原発再稼働の前提に最大限安全基準と更新基準をおくべきだ | トップページ | 「脱原発」を精神論で終わらせてはならない »

2012年9月 3日 (月)

石炭と再生可能エネホルギーのネバーエンディングストーリーの悪夢

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皮肉な話ですが、脱原発をめざして再生可能エネルギー(自然エネルギー)を増やそうとするとそのバックアップとして化石発電が増えていきます。

それは再生可能エネルギーがそのときの天候に左右される宿命にあるからで、常に供給過少に備えてバックアップ電源を準備しなければなりません。

ドイツでは、東欧圏から系統電力を分けてもらっています。

発電量が多ければ多いで、余剰電力をどうするのかの方法も考えておかねばなりません。スペインなどは長年その問題で悩まされてきており、その都度、外国に緊急輸出することをやっているようです。

外国の系統電力に助けてもらう以外には、国内の化石発電の発電量を飛躍的に伸ばしていくしか方法はありません。

日本の場合はEU圏のような系統電力に融通してもらういうわけにはいきませんから、自前でエネルギー源を探すとすれば今のところ化石燃料しかないことになります。

現時点では、具体的に候補となるのは、LNG(液化天然ガス)か石油、そして石炭です。火力発電所の再稼働や、新設にはかなり厳しい環境アセスメント法がありますが、一時的に緩和する措置を政府はとっているようです。

この火力発電所で原発を代替すると、2011年度実績で2.3兆円のコスト増となりました。13年度には更に増えて3.1兆円となると見られています。

さて、わが国のように既に国内の炭鉱部門が消滅した国と違ってドイツでは石炭部門が健在です。

これは炭鉱部門の雇用維持が目的で支払われたもので、1958年から2002年まで1580億ユーロ(18兆円)もの補助金を出してきました。

2006年現在でも年間3500億円という政府支出中最大の補助金枠をもっており、国内でも厳しい批判にさらされています。

この補助金上げ底をしてもなお、ドイツ産石炭価格はロシア、東欧からの輸入石炭の3倍以上であり、徐々に輸入石炭の比率を増やしていく措置が取られています。

このような国産石炭か輸入に頼るのかという内部のゴタゴタをかかえながらも、ドイツは再生可能エネルギーのFIT(フィード・イン・タリフ/固定全量買い取り制度)を始めたあたりから、みるみるうちに石炭火力発電所の比率を大きくしていきました。

現在のドイツのエネルギーの比率の第1位はこの石炭の42%が最大です。(下図参照)

Photo_2              (朝野賢司「再生可能エネルギー政策論 」より)

ドイツは徐々に石炭の補助金をカットしてて輸入石炭に代替する予定ですが、これと反比例して増加しているのが、再生可能エネルギーです。

この再生可能エネルギーへの補助金は増加は特にFIT(固定全量買い取り制度)の導入とともに急激に増加しました。(下図参照)

Photo_3                      (同)

すでに2006年時点でFITに対する補助金は石炭を上回り、しかも急激に増加していることがお分かりでしょう。

これは今もなお上昇し続けており、2010年時のドイツ政府のFITに対する政府支出は88億ユーロで、2030年までに数十億ユーロに達すると見られています。

原発型政府補助金は開発と設置まででが多くの比率を占めますが、石炭や再生可能エネルギーはどこまでも存在し続ける限り続く「ネバーエンディングストーリー」なのです。

■写真 筑波山と稲刈り間際の田んぼ

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

難しいことですよねえ。
再生可能エネルギーを増やすこと自体は良いと思うのですが、FIT制の推進(とくに太陽光の価格突出)が明示されてから…うちにもどんだけセールスマン来るんだか…。
みんな夢見すぎな気がします。
また、やるにしても20年早く少しずつ進めときゃ…とはいっても後の祭りですが。
今では美談とされてる立川町の風力導入の時も、電力や県がなんやかんやと難癖付けてきてずいぶんおくれましたからねえ。


ともあれ、島国である我が国はドイツ以上に化石燃料とプラントを確保する必要がありますね。
エネルギー安全保障にも関わる話です。

少し論点がずれるコメントですが・・・


原発無しで何とか乗り切れることが明らかになった以上、再生可能エネルギー推進の位置づけも変わらねばならないことに、私達は気付くべきです。

つまり、原発の代替として再生可能エネルギーを推進することが喫緊の課題ではなくなったということです。ドイツなどの失敗を分析して、どっしりと腰を据えて冷静に推進する余裕ができました。

現在、日本は火力と水力発電で乗りきれている以上、再生可能エネルギー推進は、発電における化石燃料の節減の為のものと位置づけるべきです。老朽化している火力発電所も含めてフル稼働している現状を改善するためのものだということです。


しかし、このように考えると、老朽化している火力発電所を最新のものに建て替えるほうが、有効ではないかとも思えます。
南海トラフ地震なども考慮して、各地に最新の火力発電所を建設して老朽発電所の代替することによって、かなりの量の化石燃料が節減できます。


再生可能エネルギーの推進のは、この様な現実的な策と並行して進めるべきではないでしょうか?再生可能エネルギーに国家予算を重点的に注ぎ込むことは愚策だと思います。

南の島さん。

こちら東北では比較的大規模な、秋田県玉川ダム・宮城県鳴子ダムなど大規模な水力発電所が、渇水で停止しました…。

渇水=カンカン照り
とも取れますので、水力がダメなら太陽光や太陽熱といった、バーターできる発電方法をバランスよく配置することを考慮に入れて、ある程度余力のあるシステムの構築を考えるのが良いかと考えます。

当面、老朽火力の更新には賛成です。
すでにあちこちでトラブル起きてますし、効率が段違いですから…。

但し、電気料金に直結するコスト計算は全くしておりません。
まあ、それでも万一原発がドカンといった場合の処理コストや社会的影響を考えたらマシかと…。

南の島の意見
「原発無しで何とか乗り切れることが明らかになった以上」
「日本は火力と水力発電で乗りきれている以上」
に意図的な情報隠しがある。

第二次石油危機、化石燃料危機が無ければ乗りきれることが、すでにわかっていた。
1973 年の石油危機から約四十年間が経過してきた。
それがまさに M9 の地震が毎年のように起きるのかどうかと同じだ。
短期的な 「乗り切れる」 と中長期的な 「乗り切れる」 を混同させた意見だ。
原子力発電が、その 「乗りきれている」 で事故を起こして、きびしく批判されている。
したがって、化石燃料依存についても、同じ批判が、されなければ不公正だ。

山形の書いた
「万一原発がドカンといった場合の処理コストや社会的影響」 についても同じことが言える。
万一化石燃料が、ドカンと入手できなくなった場合の、あるいは急騰した場合の社会的費用と影響を考慮しなかった不公正な意見だ。

とや ひろし8057さん。その挑発的言い方はなんとかなりませんかね。

 お久しぶりでございます。以前なんどかお邪魔しました仙姫19代目宮下與五右衛門です。クイアなコメントが最近多いですね。お疲れさんです。
 ところで、とや ひろし8057 さんにお伺いしたいのですが、”万一化石燃料が、ドカンと入手できなくなった場合”とは、どのような場合を御想定していらっしゃるのでしょうか?その想定下でも皆さんは多大な電力を必要とする経済活動を維持できるのでしょうか?
 我が方では明日から稲刈りをはじめますが、化石燃料が無かったら稲刈りは止めます。コンバインも乾燥機もトラックも動きませんから。手狩りで自然乾燥させた自家米を確保しているうちに雪が降ってくるでしょう。仕事がなくなった友達が手伝ってくれたら、なんとか収穫はできるかな。でも消費地に運ぶ手段が乏しいでしょうね。友人に分けて今年は終了となるでしょう。
 化石燃料が手に入らないということを想定してみるのは凄い事ですが、”急騰した場合の社会的費用と影響”などという言葉で収まる程度の影響ではないでしょう。
 ほとんど「文明の崩壊」に近い影響があるのじゃないでしょうか。

 では、皆さんまたよろしくお願いします。

 読み返してみたら、誤字がありますね。手狩りじゃなくて手刈りですね。
 それから”万一化石燃料が、ドカンと入手できなくなった場合の、あるいは急騰した場合の社会的費用と影響”とは、入手できなくなった場合と急騰した場合における”社会的費用と影響”なのですね。変なところで区切ってすみなせんでした。
 それぞれ、どのように想定していらっしゃるのでしょうか?
 では。

とや ひろし8057さん。わたしのコメントから、「原発無しで何とか乗り切れることが明らかになった以上」「日本は火力と水力発電で乗りきれている以上」という部分を削除して読んでください。私が主張したい事はそちらですから。

とや ひろし8057さんのコメントに対しても直接言及したいのですが、長くなりそうなので又の機会ということでお許し下さい。

とや ひろし8057様へ

文章の内容はともかく、例えネット上とは言え、初対面で呼び捨てはないでしょう!!
最低限のマナーでは無いでしょうか?
呼び捨てと決め付けた意見は、見ていて気持ちが良いものではありません。

記事とは関係ない事を書きましたが、ご容赦を。
お互い気をつけたいものです。

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