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国は原発を国有化しろ

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民主党政権は「原発ゼロ」を打ち出しました。まだ党内調整が残っていますが、選挙前に国会が開店休業なのをいいことに駆け込み閣議決定くらいはするつもりでしょう。 

こういうのをなんとかの最後っ屁というのでしょうな(笑)。確率100%であと数カ月の余命しかない末期政権が、こんな重大事をすんなりと決定すること自体お笑いです。 

だいたい事故処理に失敗した政権がどの口でゼロを言うのでしょうか。少なくとも枝野経産相からだけは聞きたくない。 

問題は山のようにあります。「原発ゼロ」ニした場合に3割を占める原子力の代替エネルギー問題はこれまでこのブログでも幾度となく書いてきましたので今回はふれません。 

もうひとつの大きな問題は、「今ある原発をどう処分するのか」です。 

「今ある原発を処分する」には、再稼働を認めねばいいという単純な問題ではなく、東電処分や、賠償責任問題、あるいは廃炉にともなって大量に出る使用済み燃料なとのバックエンド問題というような複雑な問題をかたづけねばなりません 

たとえば、私なども「被曝地」住民のひとりとして関わっている賠償などで、東電は頑として原賠法第3条ただし書きにある「異常に巨大な天変地異」を事故原因として無限責任を拒んできました。 

事故直後の東電社長会見から今年の東電事故調報告書まで、一貫してその主題は貫かれています。 

東電からすればこのように主張することで、おそらくは10兆円以上にのぼると思われる賠償の無限責任から免責されたいと考えており、連帯責任の当事者として国を引っ張り込むことを狙っているからでしょう。 

福島第1原発事故により壊滅的打撃を食った私としては実に不愉快ですが、私企業としては当然と言えばいえないこともありません。 

というのは、今の国は原賠法を楯に資金の貸しつけだけで済ましてしまいたいわけで、どこまでも口は突っ込むが責任は負わないという図々しいスタンスのままいたいというのが本音だがらです。 

国策民営方式で「原子力ムラ」とまで言われる隠微なもたれあい構造を作っておき、両者間で責任の所在を明らかにしないまま3.11の悪夢を迎えてしまいました。 

「いい時にはなぁなぁでおだて上げ、過酷事故が起きれば縁切り。そりゃあないだろう。お国の政策を誠実に実行しただけだぜ」というのが東電さんの言い分です。 

次期政権がどのような決断をするのかわかりませんが、国は責任を回避すべきではありません。 

国策民営という方式では責任の所在があいまいになり、被災者は誰に対して要求をしていくのかすらあいまいになってしまいます。 

国は今回の事故が積年の縮図であることを認めて賠償の矢面に立つべきで、ここをあいまいにし、資金注入だけで逃げようとするからおかしくなるのです。 

事故処理の一級戦犯である枝野氏までが、電気料金の値上げは許さないなどとチャラ顔をするからおかしくなるので、東電さんと一緒に、あんたにだけは言われたくよねぇ、と言いたい。 

国策によって作られた原子力政策により起きた事故の賠償は、正しく国が受け止めるべきで、それだけにとどまらず国策支援が不可欠な原子力発電事業総体を国営化すべき時期に入ったと思います。

これは電力会社の雄である東電ですら、いったん過酷事故の被害を起こせば経営破綻することが明らかになった以上、リスクマネージメントの上からも必要なことです。

9電力会社すべての原発を一括して経営から切り離し、新たに作られる国営原子力発電会社に移管すべきです。

このことによって従来の宿痾であった国と電力会社のもたれ合いを解消し、国の責任を明確にできると思います。

特に、加圧水型よりも事故が頻発している沸騰水型原子炉を所有する東電、東北電、中部電、北陸電、中国電などの電力会社原子炉を、先行して経営切り離しを実施する必要があるかしれません。

■写真 地方から東京に伸びる高圧線

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民意・総選挙を考慮…政府・民主「原発ゼロへ」
2012年9月4日  読売新聞
 

政府・民主党は3日、将来の原子力発電の比率について「ゼロの社会を目指す」とする方向で調整に入った。

 同日開かれた民主党エネルギー・環境調査会(前原誠司会長)の役員会で、「原発ゼロ」を目標とする素案が提示された。 

 ただ、政府内や党内には「原発ゼロ」への反対論も根強い。政府は4日、関係閣僚によるエネルギー・環境会議を開いて、原発比率に関する国民の議論を分析する。さらに、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルや、原子力を巡る日米関係への影響を検証し、民主党の議論なども踏まえ、10日にも原発比率目標を盛り込んだ新たなエネルギー政策をとりまとめる方針だ。 

 3日示された素案は、〈1〉40年運転制限制を厳格に適用する〈2〉新規建設を認めない――との原則に従い、原発ゼロを実現するとした。原発ゼロの達成時期は明示せず、2015年に詳細を詰めるとした。ただ、出席した調査会役員からは「30年代のゼロ達成を目指すべきだ」との意見も出た。 

 一方、2日に行われた枝野経済産業相、古川国家戦略相、細野原発相らによる非公式協議では、「30年の原発比率を最大15%」とし、最終的にはゼロを目指す案が協議されたという。 

 政府・民主党が「原発ゼロ」で調整に入ったのは、世論調査や意見聴取会などで、国民の多くが原発ゼロを求めているという結果が出たことを考慮し、「ゼロ」目標が近く実施されるとみられる次期衆院選で有利に働くと判断したためと見られる。ただ、首相公邸で2日開かれた閣僚によるエネルギー政策の勉強会では、複数の閣僚から「ゼロ」に対する慎重論が出た。

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コメント

原発依存ゼロにした時の様々な問題を考えれば、原発国有化は至極当然の帰結である気がします。
いつの時代も総論賛成、各論反対となりますが、原発も、いざ廃炉にするなら、代替エネルギーの議論は当然ですが、一番の問題は、使用済み燃料を含む高濃度核廃棄物の最終処分場を日本のどこにするのかが重要な気がします。恐らく、少しでもその候補地の情報が出たら、天地をひっくり返すほどの騒動が起きるのは間違いないでしょう。その時、今すぐにでも原発を停めて廃炉にしろと言っている人たちはどう行動するのでしょうか?それが、自分の住む地域でなければ良い?やっぱり、反対のための反対をする?人間のエゴ、地域のエゴが、今の原発停止運動以上にあらわになる気がします。

投稿: 一宮崎人 | 2012年9月 5日 (水) 12時56分

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