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2012年9月27日 (木)

ドイツ電力自由化の明と暗

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ドイツの電力システムでスゴイなというか、異質だなと思うのは、日本と違って電力供給会社を消費者が選べることです。 

実に電力供給会社は1000社超もあるそうですから、大口重要者以外は9電力会社以外の電気を買えない私たち日本人にはため息が出ます。 

これはドイツがEUの指令に従って1998年に電力の自由化をおこなったからで、そのために電力会社の地域独占が消滅しました。 

たとえば、バイエルン州に住む人はいままで地元の電気会社からしか買うことができなかったのに、今は北ドイツの電力会社を選択することも出来るようになりました。いわば、東京都民が九州の電力が気に入ったから買うことができるようなものです。 

電力の自由化と共に、いままでひとつだった電力料金はバラエティに富んだものになり、化石燃料や原子力を電源とする会社は料金が低く、再生可能エネルギーを取り入れる会社は高いという価格差が生じました 

その電源の内訳は開示が義務づけられており、電力料金票をみると使用電力量と料金以外ズラズラとさまざまな情報開示されています。これは連邦法で定められた情報開示義務です。 

情報開示はこんな具合です。
電力がどの電源から作られているのかの内訳
・1キロワット時に要したCO2排出量
・同じく核廃棄物の排出量
 

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上図は、現実のドイツの料金プランですが、一目でお好みの電源を供給する会社を選択できます。これはインターネットで選択でき、劇場のチケットを取るより簡単に電力会社を選ぶことができます。 

下図は、電力料金プランです。電源内訳によって大きく電力価格が違うことが分かります。

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ドイツ国内で安い電力価格で有名な「イエロー」という会社は、ヴェルテンベルク州の大手電力会社の子会社であり、その会社は半分以上を原子力によっていました。だから安いのです。 

このイエローも福島第1原発事故以後、再生可能エネルギーを拡大する方針をとったそうで、電力料金は値上がりの傾向にあります。 

下図はドイツの電力料金の1998年から2012年までの推移を見た表です。

このグラフの紺色の部分が発電・発送電コストです。この紺色の部分だけ見てください。1998年とさほど変わらないか、むしろ下がっているのがわかります。 

発電・発送電コストといういわば「実費」が変わらないのにかかわらず、電力料金を大きく押し上げているのは、その上に積み上がっている税金や再生可能エネルギー導入に関わるコストが大きくなったからです

2012年では家庭用では45%が、産業用では39%が税金・賦課金という異常な税負担が重い構造となっており、これが国民の大きな負担となっているのが分かります。家庭用では電気料金の半分が税負担なのです。

電力の自由化は脱原発政策と一体でした。結果、国民は情報開示と電源選択の自由という大きなプラスを得て、それに引き換えるようにして年々増える税負担と電力料金の値上げという重い荷を背負い込めばならなくなりました

脱原発の道は避けて通れないのが電力自由化問題です。これをどう評価するのか悩ましいことです。まずはドイツの先行例をケーススタディすることから始めたいと思います。

■写真 真夏の空に蓮の花。タイの人がわざわざ遠くから見に来るほどありがたい光景です(笑)。

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

MA米の価格高騰(なぜか加州より福建が高い)ような事態を見てると、
残念ながら、現在の我が国の貧富2極化が現れていると思います。

すき家の朝定食のような200円定食には、沢山のオッチャンが群がってますし。
今年の初め頃に『自分は食わないが(笑)、底辺の労働者に、すき家の100円の牛丼を食べさせて上げたい』なんていう、しつこい偽善者のコメントがありましたが(笑)
米がタダになっても無理だってのが分からん無知の馬鹿でしたね(懐かしい。最初にラーメン食いながら見て、ホントに噴いた)。


話が脱線しちまいましたが、電力自由化でドイツやスウェーデンのようになれば…金持ちは高い自然エネルギーを大量消費しながら、そんな一方で、マジョリティである貧困層は、とにかく安ければ何でもいい!
に走るのは当然予想できます。

日本で同様なことが起こればどうなるのか?
いったい何を考えているやら。

MA米の価格高騰の理由は、せんべい加工業などが、米トレサ法が、無かった時代は、輸入米、などの原料表示義務が、無かったのが、製品の袋に、印刷しないと、販売できなくなり、外食産業も含め、安価な短粒米の需要が、一時的に、需要が、伸びているためと、伺ってます。
福建米は、総輸入量は、カルフォルニア米より少ないので、そのうち落ち着くのでは、ないでしょうか?

まあ、今まで、国産米使用と書かれたせんべいも、昨年までは、輸入加工米がブレンドされていたのでしょうね。

やぱり、中国産では、高値で、せんべいは売れないしね。

もともと、農水のMA米担当が、もっとしっかりしてれば、無駄な保管料など、使わずに、主食用、飼料米、加工米、など、きちんと、作付けコントロールすれば、無駄は、減らせるはずなんだけどね。

長粒米を加工して、おいしい食品が出来れば、MA米も、もっと生きた使い方になるような気もしないではないけど。。

まあ、米加工品の不当表示が減ったそうだから、それだけは、良かったかもしれないけど。

自分は、福島事故後の作付け面積だけで、考えれば、本当は、過剰生産で、主食用米価は、下がると思ってたのに、外れてしまいました。結構、都市部の主食米は、高値小売値推移ですね。

りぼん。さん。

私は主題から脱線しているのを分かっていながら、価格と貧富の差による消費者心理に繋げた発言をしたのですが…。
脱線部分に突撃してくるのは止めていただけませんか?

あなたの解説が参考になる方はいるでしょうから、複雑な思いですが、先日「馬鹿か!」と暴言を吐いてしまったように、大変ウザったいです。

ちなみにMA米の管理の杜撰さは農水省の怠慢そのものですが、その保管に実質破綻状態のカネミ倉庫に高い金を払って、カネミ油症の補償に充当しているといった国家レベルの複雑な事情とかはご存知での発言ですか?

脱線話については、管理人さまに、お詫び申し上げます。

国家レベルの複雑な事情とかはご存知での発言ですか?>>>>できれば、都会に住み、現在の国内農家さんの恩恵を、受けている立場上、農家さんや農水省さんだけで、解りあって、進んでいる農業行政については、消費税値上げ、TPP参加問題が、進んでいくことが、決定的になるつつある現状では、管理人さまの正論記事に、何のコメントも付かないで、農家さんだけが、ROMするだけのブログには、なってほしくはないとの個人的な気持ちで、コメントさせていただきました。
お題以外のコメント行為については、反省し、申し訳なく思います。
選挙等においても、都市部の方が、人口が多く、基本的にみて、産業界、都市居住者優先の行政、政治に、向かっているように、(大阪維新の会などの意見を聞くと)感じますから、今、戦後、ほとんど、情報発信されてこられなかった農家さんの実情を、都市部のROMの方に知っていただけるこちらのブログは、非常に、私には、ありがたい存在であります。

昔の自民党時代ですと、族議員さんにより、農家さんの現状も、伝わって、国政に反映してきたのでしょうが、未来が不透明な政治の方向性を見ると、複雑に成り過ぎた各政策を、生産者、消費者共に、農業を知らないレベルの国民も含めて、正しく理解しながら、もっと、簡便な政策フレームになって行く事が、私の期待することです。

農家さん以外のコメントを削除されるか否かは、管理人さまにお任せいたします。

私自身は、適当な名目で、予算を使って、正しい使い方だから、別の費用に当てると言う事情を、常態化することで、よろしいとは、言えないので、やはり、修正していく努力は、必要だと思います。

個人的には、カネミ問題は、国費融資とか、別な形で、支援するのが、ベターだと思います。

いかに、米トレサ以前は、100%国産米と言うPRに、うそがあったかと言う点でもあり、本来、消費者に、正しい表示をして、空気のような安全、安心にも、コストを消費者が、支払うと言う概念を、共有したいと思ってます。

ただ、流通のミスも、すべて農家タタキに、なりやすい現状は、心配であり、風評被害の一部になっているのが、残念であります。

以上、これ以上、書きたくないし、書くべきではないので、辞めます。

りぼん。さん。

私もブログ主に迷惑がかかるので、あなたとやりあいたくはないのですが、

脱線と自己の知識披露は、イチイチ私にのコメントに絡めないで下さい。何度も申し上げていますが、大変迷惑です。

主張があるなら自らテーマに沿ってやればいいだけのことです。
それが出来ないのは、あなたの深い(と私は思ってましたが)知識の無駄な披露パフォーマンスにすぎませんね。

もう、こっちも止めときますわ。

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