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再生可能エネルギー推進派は初心に還れ!

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コメントの「化石燃料がドカンとなくなる」というのを読んで、ああそう言えばチャーチルがこんなことを言っていたことを思い出しました。 

当時、時代は第1次世界大戦前夜、チャーチルは首相ではなく海軍大臣でした。このポストは首相に次ぐくらい強力なポストだったのですが、その理由は、世界覇権だけではなく島国の英国が海洋封鎖に会えばお手上げだからてす。 

だから国産の石炭だろうという大方の意見を押し切ってチャーチル海軍大臣は、より機動力が高くなる石油に内燃機関を変更しました。 

その時彼が言った台詞が、「供給安定保障の要諦は、一に多様化、二に多様化、三に多様化」というものです。この言葉はいまでも、エネルギー専門家の教科書の1ページめに書かれているそうです。 

これは現代のわが国にも共通します。エネルギー源の調達先を分散させる、ということです。ひとつがコケても、次がそれをフォローできるようにしておく、それがコケても・・・という二枚腰、三枚腰を作っておくことです。 

現在の日本において、化石燃料の輸入がゼロになるということは現実的にほとんど考えられませんが、常に化石燃料の産地・中東が政治的に不安定であることはたしかです。 

ですから、石油に過度に頼るのは危険です。調達先を分散せねばなりません。天然ガスやシェールガスのように、豪州、カナダ、パプアニューギニア、ロシア、米国など多角的に輸入できるエネルギー源が望ましいのです。

第2に、かつての政府のエネルギー政策では原子力を5割ちかい比率まで伸ばして、原子力を「国産エネルギー源の柱」として位置づけました。そして核燃料までプルトニウム・リサイクルで循環させることを考えました。

たしかに「国産エネルギー源の柱」というのは魅力的な響きですが、虚妄でした。なぜなら、原子力は大規模な発電をするために耐用年数が過ぎた原子炉を使ったり、危険を承知で欠陥炉を使っていたからです。その結果としての3.11です。

また当初のエネルギー政策のままに5割を原発依存してしまえば、フランスのようにもはや引き返し不能だったでしょう。

エネルギー源をひとつに固定してしまうことは非常に不安定であり、分散させておかねばなりません。その時に国産か、輸入であるとかを絶対基準にしてはかえって危険です。

さて第3に、原子力にとって替わろうとしている再生可能エネルギーはどのようにあったらいいのでしょうか。コミュニティ分散型か、あるいは原子力のような国策的コストがかかるものなのでしょうか。

今や再生可能エネルギー推進派は、時代の追い風にうかれて大きな構想を描きたがります。現在の原子力の全エネルギー源に対する比率3割に替わろうということをしばしば言います。

しかし、よく考えて下さい。もともと再生可能エネルギーはそんなごたいそうな性格の電源ではなかったはずです。かつて再生可能エネルギーは「市民エネルギー」や「自然エネルギー」という言い方がされていたほど市民の生活の中に密着したものでした。

実は私は80年代初期に「市民エネルギー」の活動にかかわったことがあります。就農前後のことでした。

それは実に楽しい経験でした。生ビールの樽缶にプロペラをつけて小型風力発電を作ってみる。米国から自作の太陽光印発電のキットを取り寄せて組んでみる。小川に小型水車をとりつけてみる。その流れでシャープの初期の太陽光パネルを設置したわけです。

私はこの経験から、再生可能エネルギーの本質は大規模な全国向け発電ではなく市民が、自宅や小規模コミュニティ向けに知恵を絞ってみるようなエネルギー耕作型電源だ思っています

かつての「市民エネルギー」に関わった人々は、メガソーラーや集光型太陽光発電基地、あるいは大型風車は環境破壊であると批判していたではないですか。忘れたのですか。

それが3.11以降追い風が吹くと、メガソーラー基地や全国的に送電するために巨大スマートグリッド網や超伝導スーパーグリッドの建設が必須などというふうに大きく変質してしまいました。

再生可能エネルギー推進派のみなさんにお聞きしたい。発電は巨額投資が必要なメガソーラー、送電は同じく巨額投資が必要なスマートグリッド、その上に税金の収奪であるFIT・・・自然エネルギーの初心をどこかで忘れてはいませんか

スマートグリッドひとつとっても2兆円、いや最終的にはそれを数倍する国費がかかかるでしょう。もし、このような莫大な国費が再生可能エネルギーのインフラに必要なら、再生可能エネルギーには電気料金以外に見えないバックエンド・コストがずっしりと上乗せされてしまいますね。

その上に欲張りにも、再生可能エネルギー推進派は起爆剤が必要だとしてのFIT実現のために孫さんを使ってロビー活動までしました。そして42円という法外な額で20年間固定買い取りという成果を得ました。

私は、再生可能エネルギーは、合理的な買い取り水準で取引されるべきだと思っています。ヨーロッパのFITによらない相場では、再生エネルギーはせいぜい7円~11円/キロワットです。

金に糸目はつけない、できただけ買ってやる、しかも20年先まで固定価格だ、と政府が言っているのですから空恐ろしい。少なくとも財政破綻しそうだから消費税を倍にしてくれと言う国に頼むようなことでありません。

私は苦々しい気分でこれを見ていました。これではまるでかつての原子力保護政策と同じ光景ではないですか。こんな過保護な体たらくだと、再生可能エネルギーは原子力のように国がないとひとり立ちできない肥満児になってしまいます。

そんなふうに再生可能エネルギーを中央供給型で考えないで、分散型スマート・コミュニティの一角で多様な電源と共存し合えばいいのです。そうすれば大規模施設投資もバックエンド・コストもかかりません

天然ガス、風力発電、太陽光発電、小型水力発電などを、地形風土にあわせて選択し、それを電力・ガス地域ネットワークで結んでいく分散型スマートコミュニティは十分に実現可能なのです。

再生可能エネルギーは、原子力の代替などという迷妄から覚めないと本来のよさを発揮できないのではないでしょうか。原子力の「代替」である限り、かならず原子力の負のシッポもついて回るのです。

それを断ち切って初めて再生可能エネルギーは自立したエネルギー源となるのではないかと私は思うのです。

私は再生可能エネルギー推進派、かつての友人たちに言いたいのです。再生可能エネルギー、いや市民エネルギーは自分たちが知恵を絞ってコミュニティの中で回すものじゃなかったのか、と。

自然エネルギーの初心に還りましょう!

■写真 刈り取り前の黄金の稲穂と水神様の祠

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

2週間も前の記事に、また変なのが闖入してきたようで…。
無礼千万。

私は「福島第一原子力発電所」が実際にドカンと行った昨年の出来事を引き合いにだしたのですが…「化石燃料の輸入がドカンと止まったら」って、カウンターにも揚げ足取りにもなっていないですね。意味不明です。自分の言葉が無いのでしょう。

南の島さんに対しても、ただただ批判して「不公平だ!不公平だ!」さらには「意図的隠蔽だ!」などと喚くばかりの醜態。幼稚すぎて正気を疑います。

せめて原発推進なのか違うのかすら意見が無い。言えないか。

第二次石油危機?
79年にすでに経験してますけど。
その後、石油に関しては中東依存がより高まりましたが、他のエネルギー(天然ガスと石炭)輸入先は分散化が進んでいるんですがねえ。

まあ、明らかなコミュニケーション障害としか思えないのを相手にするだけ無駄でしょう。馬鹿馬鹿しい。

とにかく、わざわざ丁寧なお相手をした皆さんと、わざわざ記事に繋げて反論されたブログ主様、お疲れさまです!

投稿: 山形 | 2012年9月19日 (水) 07時19分

どうして、80年代の骨董品の自然エネルギーシステムを引き合いに出されるのでしょうか?
現在の自然エネルギーシステムはそれよりも遥かに効率的です。

グリッドパリティをお調べ下さい。
自然エネルギーの価格は火力にすら並ぶ所に来ています。

ただ、あなたの仰る通り太陽光発電の買い取り価格は異常です。
これは、単に行政が原発よりも遥かに太陽光発電が高コストである事を国民に印象付けたいが為の愚策と思います。

スマートグリッドなど導入せずとも電力の自由化で多くの資本家が参入する事であなたのご心配は無くなるでしょう。

投稿: | 2012年9月19日 (水) 11時24分

おっと失礼しました。

上記投稿は私です

投稿: JAXAの資料 | 2012年9月19日 (水) 11時25分

八戸の老朽火力が昨日トラブルで停止。
たかが28万kwだろうとも思いますが、なんせ例年に無い残暑が明日辺りまで続く(9月だってのに連日35℃)とかで、東北電力からは「今しばらく節電のお願い」CMと、
ちょっと悔しいが、東電からの電力融通やるそうです。


つまり、重厚長大な電力会社の掌にあるわけです。

かつてのドラマ「北の国から」で、純がジャンク品から手作りの小さな発電風車(ありゃ風力計ですな)を作って、電灯を灯した。
あんなのがやはり自然エネルギー活用の原点だと思います。

つくば市に納入した早稲田理工学部の風車がまわらねぇ!裁判は笑わせていただきました。
ネットワークやらスマートシティ云々以前の泥試合やってら…(笑)

最近では低風速でも発電できるベンチャーもありますし、以前も申し上げた福岡大学の小型レンズ風車で個別や田舎の集落レベルで最低限の電力確保が可能になることには、大いに期待しています。
ここまでだと、三陸で長いこと電力無しで生き延びた方々のバックアップ程度になるだけかも知れませんが、
これに高性能バッテリーを組み合わせて、キャパシタ(パワーコンデイショナー)を導入すれば…地方の小都市レベルなら、あっと言う間にスマートシティ実現です。

しかし長期となると、やはりバックアップとしての新規大型発電所の存在と送電網維持は欠かせないのが現実ですね。

投稿: 山形 | 2012年9月19日 (水) 11時43分

あらら、JAXAの資料さんまた来たの?
2回も追い出されたのに(笑)居てはいけないハズですが。

今回は多少まともな日本語でやんわり語ってるようですが、肝心なところで「〇〇をご参照下さい」 ではねえ。せめて概要くらい説明しないと。
ただの独り善がりの粘着バカがまた来た。無視もしくはまた削除対象でしょう。

知識の無駄ですね。

投稿: 山形 | 2012年9月19日 (水) 11時55分

山形さま
どうぞお好きにご判断なさって下さい。
私としてはバカでもアホでも一向に構いません。

投稿: JAXAの資料 | 2012年9月19日 (水) 13時21分

JAXAの資料さん。

言われるまでもありません。とっくにそうしてます。あなたはバカとかアホとか言う前にコミュニケーション障害で叩き出されながら、執拗に粘着し続ける異常な方だと認識してますから。

何故そうなったのか、自分のコメントを読んで反省できる方ならよいですがね。まあ、それも今更知ったこっちゃないですが。

投稿: 山形 | 2012年9月19日 (水) 13時47分

はい、罵り合いはそのくらいに(笑)。明日の記事でこの人には書きます。

投稿: 管理人 | 2012年9月19日 (水) 15時24分

青空です。

管理人様のご呈示される案、
長年この問題に向き合った人だから見据えられる、
自然エネルギー系の弱点と現実なのだと感じます。同意するところ多くいつも感服しています。

大自然からエネルギーを継続的、安定して抽出することができれば枯渇問題に悩まされない、誰しも夢見る究極の形態です。
しかし調べれば調べるほど、やってみればやってみるほど膨大な体力とコスト、時間の割に得られる物が驚くほど小さいことにがっくりきます。

消費地と生産地との距離の問題やエネルギー密度、安定性の問題も容易ではない。
我々の世代でどうこうなる水準にするのは荷が勝ちすぎるのかもしれません。

ただメガソーラーなど除いても小さいながらも年間数百万キロワットの設備導入があり(稼働率を考えれば数十万キロワットの供給力でしょうが)、ありとあらゆる地域、特に地方で地道に導入が進んでいます。
毎年相応の規模で導入が継続されていけば年間数百万キロワット前後の供給力もしくは節電になるのではないかと期待はしています。

自然エネルギーに過大に期待し、拙速な安定力を求めるのは愚かだと思います。しかし徐々にで有れば効率的な運用が成り立つのではないでしょうか。

現在街灯の多くは太陽電池と蓄電池で稼働し消費電力を押さえることに一定の成果を上げています。
導入当初はおまけのような運用でしたが、
いまでは結構な成果をしめしているのではないでしょうか。
そういった運用実績をもっと検証することが今後必要になるのではと思います。

投稿: 青空 | 2012年9月19日 (水) 23時52分

管理人さんは太陽光発電に反対なのだと思っていました。
基本的な考え方は、一緒だったんですね。

私は太陽光発電(または、他の、家庭ごとに自立できる発電)を理想にしていました。足りないぶんを集中的に作ればよい、導入できない家計のためにはレンタルの会社があれば、と。

生活に必要な資源を押さえられて、それをたてに好き勝手されているいまの状況が、悔しくて……
最低限の電気を個々の地域や家庭が作れれば、と思って太陽光支持でした。

集中して作る部分を太陽光でというのは、本当に変ですよね。すでに建物が建っている部分ならともかく、地面に住む生き物たちの太陽光を奪うわりには、広さにたいしての効率が悪いですね。

投稿: りんご | 2012年9月20日 (木) 18時35分

補足で。

上の意見は家庭用の話です。
産業用は、どのように発電と貯電(と言うのか知りませんが)、配電したらよいのか思いつかないのですが。

投稿: りんご | 2012年9月20日 (木) 20時09分

りんごさん。

「蓄電」ですね。

私も必要なエネルギー(電力)を大手独占企業に握られている事実は、正直苦々しく思っています。
なんせ昨年の震災では、直接的被害は軽微だったものの、1日電気が止まるだけで大変だということを実感しましたから。

蓄電には蓄電池が必要で、これは家庭用でも企業用でも規模の違い以外は同様です。配電はパワコン(パワーコンディショナー)によります。

現在といいますか数十年前から、自動車用バッテリーは鉛蓄電池のままです。
最近はハイブリッド車用や小型家電などにはニッケル水素・リチウムイオンといったものが利用されるようになりましたが、大変お高いのです。
NaS(ナトリウム硫黄)電池など、有力な大容量電池も最近は現れていますが、まだまだ技術的ブレイクスルーが無いと…安くて安全で長寿命のバッテリーの普及はなかなか難しいってところが現状ですね。

パワコンにしてもロスがあります。家電用のAC/DCアダプターが熱を持つのと同様だと考えて下さって結構です。
三菱電機が変換効率97.5%を達成して、ウリにしはじめたところです。

投稿: 山形 | 2012年9月21日 (金) 07時23分

りんごさん。
長くなったので、分けました。

管理人さんは10数年前から自家用太陽光発電を導入されています。
原発なんか大反対で、地域でも真っ先に導入された方です。

また、99年のJCO事故の際にも状況把握と風評被害対策で走り回った経験者です。

だからこそ「原発のたたみ方」シリーズの記事や、その他の過去記事からもその言葉には極めて重いものがあるのだと思います。

投稿: 山形 | 2012年9月21日 (金) 07時33分

山形さん、
いろいろと書いたのですが、文章が長かったためか書き込めず……
お礼だけ。
いつも詳しく状況を説明してくださり、ありがとうございます。

投稿: | 2012年9月25日 (火) 09時05分

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