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原子力大国フランスの現実

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フランスは隠れもしない原子力大国です。エネルギー源の実に76%までが原子力によっています。これは欧州平均の25%の3倍近い率で、文句なく世界一です。(下図参照)

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ちなみに各国のエネルギー源に対する原子力の比率は
・日本・・・24%
・米国・・・19
・イタリア・・0
・ドイツ・・・23
・韓国・・・34
・中国・・・2
・スロバキア・・54
・ウクライナ・・47

わが国のことを原子力大国という人がいますが、それは誤りで欧州平均だと分るでしょう。わが国は原子力の是非を無視すれば、バランスのいいエネルギーミックスをしています。

ウクライナなどの旧東欧諸国の原子力依存率が高いのは、ロシアに石油、天然ガスを依存しているために、独立を守るため原子力が必須だからです。

この事情は、今原発の是非を巡る国民投票で揺れるエストニアなども同じで、いったんロシアと外交的に緊張すれば、即座にパイプラインを切断されて干上がってしまいます。

現実に、反露政権がウクライナで政権についた時には、ロシアにエネルギー供給ストップをされたことがあります。

フランスが原子力という「自給エネルギー」に固執するのは、エネルギー問題がまさに国の自主独立と不可分だと考えているからです

さて、フランスは全土に19カ所、58基の原発を有しています。また現在、第3世代の欧州加圧水炉(EPR)を建造中です。(欄外図表1参照)

フランスの原発は、日本が沿岸部にあるのに対して、地図でお分かりのように内陸各地に点在しています。日本にとって海がその役割を果たしているように、冷却水の取水と、排水のために大きな河川に沿って展開しています。

フランスは地震が南部を除いてほとんどなく安定した地層に恵まれています。これは原発立地にとって非常に有利な条件で、日本のような大型地震と津波という二大脅威を考えることなく建設できます。

ただし、フランスは大部分が平野であるために、いったん放射性物質が排出されるとたちまちのうちに広範に拡散します。

わが国では、福島事故の時には安達太良山系が壁となって内陸部への拡散を防いでくれましたが、フランスで福島事故レベルの原発事故が起きた場合、西はピレネー山脈、南はアルプスでストップするまで全土を覆い尽くすことでしょう。

そしてヨーロッパの河川は長大で流量も豊富です。それは明治期に日本を訪れたヨーロッパ人が日本の川を「まるで滝だ」と評したことでも分かります。

欄外図表2は富山和子「川は生きている」に載せられたグラフですが、日本の河川を代表する信濃川と較べて、フランスを代表する河川のロアール川は、2倍近い高度から3倍近く長大に流れていることが分かります。

日本の場合、河川に放射性物質が排出された場合かなりの速度で海に達します。しかし、フランスの場合河底に長く滞留し続け、河川沿いに各国を汚染をバラ撒きます。

地図のフェッサンエーム原発(地図➆)はライン川沿いにあるフランス最古の第1世代原発ですが、ここで福島事故レベルの原子力事故が起きた場合、風による拡散を度外視しても、ライン川に沿った地域すべてに拡大する巨大被害をもたらすでしょう。

フェッサンエーム原発はその危険のために、ドイツの緑の党まで乗り出して脱原発運動の象徴と見なされるようになりました。

次回も、フランスの原発事情について見ていきたいと思います。

■明日明後日は定休日です。月曜日にお会いしましょう。

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図表1           Photo

              「原発大国フランスからの警鐘」山口昌子より

図表2 日本と欧州の河川の長さと勾配の比較  「川は生きている」富山和子より

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