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規制委拡散シミュレーションは孫請けに丸投げしていた 嗚呼、情けない・・・

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原子力規制庁が10月に公表した原子炉が重大事故を起こした場合の放射能拡散予想図が、実に3回も訂正せねばならない体たらくだったことはお伝えしました。 

そして今回その原因が孫請けまで存在する二重の丸投げであったことが発覚しました。(欄外資料1図表参照) 

「規制委の前身、経済産業省の旧原子力安全・保安院が、原子力安全基盤機構(JNES)に作業を丸投げし、JNESはさらに孫請けのコンサルタント会社に随意契約で、ほぼ丸投げしていた。」(資料2 東京新聞11月14日) 

この実際の計算をした孫請け会社は、日本原子力研究開発機構の出身者が設立したシー・エス・エー・ジャパンという小規模な会社です。 

この会社は、売上高の半分をJNESに依存する典型的な外郭団体、おそらくは保安院や資源エネ庁の天下り先だったのではないでしょうか。 

今回の予測シミュレーションは、旧保安院が依頼していたものでシー・エス・エー・ジャパンの社員か、JNESのコンピュータ室で計算していたようです。 

考えてみればこれも奇妙な話で、元請けのJNESのコンピュータ室に、孫請け社員が入り込んで「緊急性のある仕事だから急いで仕上げてミスった」というのですから分からない

「緊急性がある」ならば、元請けがそれなりの人数をかけてすればいいではないですか。それを孫請けまで丸投げして、ろくに検算もしないで納品する悪習があるから、チェックが効かないのです。わかりきった話です。 

今回は孫請け社員が、電力会社のデータをそのまま入力して、しかもそれを間違えてしまって、逆に規制する側が規制される立場の電力会社から指摘をうけるという赤恥をかいています。アルバイトにでもやらせたのでしょうか。 

民間でこれをやったら、事が重大なミスなだけに担当者の首の二つ三つは飛んでいるはずです。 お役人さんはのん気でいい。

それはさておき、規制委員会はこんなことを述べています。
「田中俊一規制委委員長は外部頼みの姿勢を問題視し、「自らデータを検証できるような仕組みが必要だ」と規制庁に指示。同庁は今後、電力会社の気象データに頼らず、気象庁のデータを使った拡散予測のソフトウエアを独自に開発していく方針という。」
 

問題はここです。原子力規制委員会は自らの中に「電力会社の気象データに頼らず、気象庁のデータを使った拡散予測のソフトウエアを独自に開発していく」能力がそもそもなかったのです。 

だったら規制庁などという、各省庁からの寄せ集めで作った親方日の丸組織などはじめから作らねばいい。そもそもそのようてな目的で規制庁を作ったのではありませんか。

このような安全規制機関を作る時に、付属の安全調査・研究機関を付属させない事自体が間違っていたのです。これは規制委員会の責任ではなく、政府の問題です。

私はフランスかぶれではないので、またフランスを引き合いに出してもうしわけないのですが、フランスの原子力安全・監視機関もまたふたつの組織を持っています。

ひとつは、今までこのブログで何回か取り上げた「原子力安全院」(ANS)と「放射線防護原子力安全研究所」(IRSN)です。

双方とも、あらゆる政府省庁から独立した機関です。一方わが旧保安院は経産省、今の規制委員会(規制庁)は環境省の下にあって独立機関ではありません。

IRSNはANSの外部補佐機関で、その菜のとおり1700名の研究者・職員を擁する巨大な研究組織です。

このような独自の研究組織がないところで、最後は孫請けの社員が元請けのコンピータで仕事をしていたなどいういじましい大パカをするどこかの国と、同じ原子力発電所を50数基保有といってもえらい違いです。

フランスIRSNについては長くなりましたので、詳細は別回に譲ります。

■写真 早朝の田園風景 

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■資料1 東京新聞11月14日よりPhoto

拡散予測図 孫請け業者が計算
東京新聞11月14日
 

原子力規制委員会が先月公表した原発事故時の放射性物質の拡散予測図に相次いで誤りがあった問題で、規制委の前身、経済産業省の旧原子力安全・保安院が、原子力安全基盤機構(JNES)に作業を丸投げし、JNESはさらに孫請けのコンサルタント会社に随意契約で、ほぼ丸投げしていた。

原発周辺の気象データは規制される側の電力会社頼み、予測も外部頼みでは、規制委の能力が疑われそうだ。 

 規制委事務局の原子力規制庁によると、孫請けの会社は、日本原子力研究開発機構の出身者が設立したシー・エス・エー・ジャパン(東京都港区)。民間信用調査機関によると、売上高の半分をJNESに依存している。 

 旧保安院から指示を受けたJNESは今年四月、「作業の緊急性がある」などとして、シー社と九百七十六万円で随意契約。シー社の社員がJNESのコンピューター室に出向き、予測作業を行っていたという。 

 今回の予測では、放射性物質が拡散する方位がずれていたり、風向きが正反対になっていたりする誤りが続出。規制委は総点検をJNESに指示した。 

 電力会社によって気象データを記録する様式が異なるのに、様式を整えずに予測したのがミスの大きな原因の一つ。シー社へ丸投げしたことで意思疎通がうまくいかなかった可能性もある。 

 田中俊一規制委委員長は外部頼みの姿勢を問題視し、「自らデータを検証できるような仕組みが必要だ」と規制庁に指示。同庁は今後、電力会社の気象データに頼らず、気象庁のデータを使った拡散予測のソフトウエアを独自に開発していく方針という。 

 ただ、規制庁にプログラムを開発する能力はなく、また外部頼みになる可能性が高い。 

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コメント

夏や冬といった季節ごとの典型的な気象データを入れて、SPEEDIに計算させればいいだけのような…
あれは文部科学省管轄だから、縄張り的に使えない(使わない)んでしょうかね…なんて、邪推したくもなります。

投稿: 山形 | 2012年11月15日 (木) 07時16分

福島第1原発時のスピーディの気象データーは、国土交通省気象庁データーと地形データーを使い、事故時のデーターを入れるだけで、すぐに、2次元、3次元データーが、得られるように、国内第2位の計算速度の地球シュミレータースーパーコンピューターに、メインプログラムが、入っていたものと思ってます。
(確認を完全には、しておりませんが)

後日の現地測量での空間放射線量とは、ほぼ一致しており、さすが、良く出来たシステムだと思いました。

それなのに、なぜ、JNESの旧式コンピューターで、わざわざプログラミングをして、拡散予想図を作る必要があったのかが、自分には、解りません。

気象庁のデーターは、フリーで使えるはずなので、民間気象予報会社が、使っています。
地形データーにしても、スーパーコンピューターにしても、国民のために、緊急に拡散予想図を作る訳ですから、先行使用もできるはずだと思います。

また、日本のように、四季があり、海岸部は、海風、山風、なぎ、があるのに、年間平均データーを基にして、計算したら、1日の中で、時間的にもっとも短い、なぎ状態での拡散予報になってしまいます。

もともと、30km圏内に、拡散を抑える図を作るには、どうすべきかを考えた、作為的図表だとしか、思えませんが、なぜ、すでに、メインプログラムが存在するスーパーコンピューターを使わず、JNESの旧式コンピューターを使ったのか、四季や地形を無視するような入力方法を採用したのか、不明です。
科学者のやることではない所業ですね。

投稿: りぼん。 | 2012年11月16日 (金) 12時06分

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