コリ(古里)原発1号炉事故・全電源停止原発がわずか4カ月で再稼働
プサン(釜山)でも福島第1原発級の事故が起きかけていました。
2012年2月12日、釜山機張(プサン・キジャン)の古里(コリ)原子力発電所1号機でのことです。
コリ原発は韓国でもっとも古い原発として78年に運転を開始し、2010年までに127回の事故と故障が発生し、特にこの3年間で、1~4号機合わせて8件もの事故を起こしていまた。
韓国 古里原発 電源喪失していた 12年03月13日 - YouTube
今年の2月12日、なんと全交流電源喪失という最悪事態すら起きています。下請け企業の作業員が規則どおりに作業をせず外部電源が切断され、非常用電源も作動せず、福島事故と同じ全電源喪失状態となりました。
その時、原子炉、使用済み燃料プールの冷却系が機能しない事態となりましたが、点検・稼働中であったためにかろうじて福島事故の事態は避けられました。
もし稼働していたら、100%の確率で福島第1原発事故と同じレベル7事故になったことでしょう。身の毛がよだちます。
この事故の後、所長は箝口令をしいて口止め工作を行ったことがわかっています。
1カ月後の3月12日になってようやく隠蔽が発覚し、ようやく運転を停止しました。実に丸1カ月間後になって全電源喪失、冷却系作動不能だったことが分かったわけです。
ところがこのコリ原発はわずか4カ月後の7月4日には再稼働しているのですから、凄まじいとしかいいようがありません。この原発は即時廃炉にすべきであるのが常識なはずです。
おまけに、コリ原発に隣接する新古里原発では3月23日に、蒸気発生器の給水ポンプ異常により稼働を停止し。コリ原発の北に位置するウォルソン(月城)原発も今年1月12日に原子炉事故で運転停止をしています。
稼働していなかったとはいえ、全電源停止した原発がわずか4カ月で再稼働。そして隣接する原発が次々に事故!この国の原子力安全管理はどうなっているのでしょうか。
この事故を追求した韓国の議員はこう述べています。
「保安施設を口実に情報を政府と韓国水力原子力だけが共有する閉鎖的な運営が問題だ。 こうした運営体系では、自分たちが勝手に事実を操作しても誰も分からない。」
まさにどこかで見た構図です。わが国の「原子力村」の構図そのものです。
この「コリア原子力村」が生き続ける限り、このコリ原発1号炉のような、事故が連続して起きようが、偽造部品が使われていようが、職員が捕まろうが、韓国政府は原発の増設を推進します。
韓国政府は、福島第1原発事故など素知らぬ顔で、2011年32・7%から20030年には59%にまで増やそうと意欲を燃やしています。
私は潜在的にもっとも原発事故を起こしやすい体質の国はこの燐国ではないかと考えています。
一昨年の口蹄疫の全土感染の時にも思いましたが、韓国の危機管理体制は想像を絶する甘さがあります。これがこの原発事故で露になりました。
今、韓国原発はきわめて危険な状態にあり、韓国政府はそれを国内ばかりか、国際社会にも隠蔽し、改善する努力を放棄しています。これではまたいつコリ原発のような重大事故が起きても不思議ではないと私は断言します。
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■※コリ原発事故
発電所の工事は1971年11月に着工し、1972年5月10日に完工した[1]。最初の原子炉である1号機は1972年3月に起工、1977年に竣工し、1978年4月に運転を開始した。その後、1980年代に2号機から4号機まで建設されている。
■新古里原発2号機、試運転中に停止
朝鮮日報3月24日(土)9時0分配信
試験稼働中だった新古里原子力発電所2号機が、部品の故障で23日に稼働をストップした。
韓国水力原子力(韓水原)は
「今年下半期に稼働を控えている新古里原発2号機が
23日午後8時19分、蒸気発生器の給水ポンプ異常により停止した」と発表した。
新古里原発2号機は昨年12月2日から試験稼働に入り、故障は3月4日に続いて2度目だという。
給水ポンプは蒸気発生器に水を送る装置で、水が原子炉の熱を受け蒸気になり、発電用タービンを回す。
韓水原は
「主給水ポンプは停止したが、補助給水ポンプが動いており、原子炉を冷やしているため、安全性には問題ない」
と発表した。
ユ・グクヒ原子力安全委員会安全政策局長は
「原子炉が停止してから4分後の8時23分に、
韓国原子力安全技術院(KINS)の関係者に対し、携帯電話の文字メッセージで通報があった。
すぐに点検要員が現場に向かった」と語った。
韓水原は
「新古里原発2号機はすぐに外部の電力網と接続され、冷却装置は正常に稼働している」と発表した。
朴潤遠(パク・ユンウォン)KINS院長は
「先月9日に起きた古里原発1号機の事故では、内部・外部電源が全て絶たれたが、
今回は部品の異常を受けて安全システムが正常に作動した」と語った。
新古里原発2号機は8-12カ月の試験運転の後、原子力安全委員会の承認を受けて稼働する。
■<韓国・古里原発事故>閉鎖的な運営が問題…「過去にもっと危険なことがあったかも」
(中央日報2012年3月16日)
永遠に埋もれてしまうところだった古里(コリ)原発1号機の完全停電(Black out)事故を世間に知らせたキム・スグン釜山(プサン)市議員(52、セヌリ党、機張郡)は、これまでの不満を語った。
キム議員は先月20日午後7時、釜山市機張郡日光面(キジャングン・イルグァンミョン)の食堂で、「古里原発で電気が止まり、非常発電機も動かなかったというが、大丈夫なのか」という声を聞いた。 古里原発1号機の定期点検に参加した協力業者の職員(4人)と見られる人たちが酒の席でしていた対話だった。
キム議員はこの対話の事実を確認するため、古里原発側に3度も確認を試みたが、黙殺された。 結局、13日の報道で当時の話が事実であることを知った。
--聞き流すこともできる対話の内容をなぜ疑ったか。
「昨年の福島原発事故後、釜山市議会で古里原発を訪問し、原発には外部からの電源供給が中断しても、非常ディーゼル発電機など非常電源供給システムがあるから問題はないという説明を聞いた。 それで対話の内容に疑問を感じた。 古里原発で小さな事故が発生すれば、これまでは携帯電話の文字メッセージが送られてきたが、今回は送られていない点もおかしかった」
--何を質問したのか。
「3度目の試みでキム・ギホン古里原発経営支援処長にようやく会えて、10分間ほどのブラックアウトがあったかどうか、非常発電機が作動したかどうか確認してほしいと次げた。 キム処長の最初の返答は『それは何の話ですか』だった」
--何が事故隠蔽の原因と思うか。
「保安施設を口実に情報を政府と韓国水力原子力だけが共有する閉鎖的な運営が問題だ。 こうした運営体系では、自分たちが勝手に事実を操作しても誰も分からない。 今後は政府、韓国水力原子力、機張郡、釜山市民の間の監視機構など、5つの機関・団体が一部の情報を共有しなければならない。 古里原発の影響圏である釜山・蔚山・慶尚南道(キョンサンナムド)には約500万人が暮らしている。 国民の命を担保に嘘をつくことがあってはならない」
--今回の事件が与える教訓は。
「福島原発事故の後、韓国の原発は安全だとどれほど騒いでいただろうか。 防波堤を高めて、安全対策を立てると言った。 国民は誰を信じればいいのか。 職員の安全意識を変える必要がある。 着実に再発防止対策を立てなければならない。 昨夜、建設中の新古里3号機で蒸気を抜く音に驚き、住民が睡れないほど敏感になっていた」
■大丈夫か? 韓国、古里原発の再稼働を許可 事故と隠蔽で停止
産経新聞7月4日
韓国政府機関の原子力安全委員会は4日、運転停止中の釜山郊外にある古里原発1号機(加圧水型軽水炉、出力58万7千キロワット)の再稼働を許可したことを明らかにした。同機は2月に全電源喪失事故を起こし、幹部職員が事故を1カ月以上隠蔽したことが3月に発覚し運転を止めていた。
同機は1978年に運転を始め、約30年の設計寿命を延長して運転が認められており、事故と隠蔽の発覚を機に周辺自治体から廃炉要求が相次いでいる。最大野党、民主統合党も廃炉を求めており、再稼働は政治問題になる可能性もある。
再稼働への反対を受け、原発運営会社の「韓国水力原子力」(韓水原)は国際原子力機関(IAEA)に同機の安全点検を依頼し、IAEAは6月に「設備の状態は良好」との結果を明らかにしていた。(共同)
■【原発事故】韓国・釜山 古里原発、全電源喪失、1カ月隠す
東京新聞
韓国の国家機関、原子力安全委員会は十三日、韓国南部・釜山にある古里(コリ)原発1号機で定期点検期間中に 外部電源が供給されず、非常発電機も作動しない事故が発生しながら、電力事業者の韓国水力原子力株式会社が 一カ月以上報告しなかったと明らかにした。同委は十二日夜、事態を重視して今月四日から再稼働していた同機の停止を緊急指示した。
同委によると、事故は二月九日午後八時ごろ発生。外部電源の供給は十二分後に復旧した。ただ、原子炉の稼働を停止した状態の点検中だったとはいえ、給電が途絶して原子炉や使用済み燃料プールの冷却に支障が出かねない 事故だった。
同委は事故が今月十二日まで隠蔽(いんぺい)され報告されなかった点も問題視。韓国の原子力安全法は 原発施設の故障などの事実は遅滞なく同委に報告するよう定めており、同法違反の可能性もある。稼働停止の 緊急指示を受け、同機は十三日午後十時ごろに完全停止する見込み。同委は原因究明のため、調査団を急きょ派遣した。
古里1号機は二〇〇七年に三十年の設計寿命を終え、翌年から十年の運転延長に入った韓国で最も古い原発。
九州・福岡まで約二百キロの距離にある。今回は十二~十五カ月ごとの定期点検で、核燃料棒交換とともに、同委は特に施設の経年劣化などを重点確認すると事前発表していた。
地元釜山では、福島第一原発事故の発生から一年に合わせ、古里1号機の危険性を訴え、廃炉を求める集会やデモも 開かれた。
■韓国原発2基が同じ日に連続で故障…今年7回目
2012年10月03日09時39分
[中央日報/中央日報日本語版]
韓国水力原子力(韓水原)は2日午前8時10分ごろ、釜山市機張郡の新古里(シンゴリ)1号機の原発(100万キロワット容量)が発電を停止したと明らかにした。韓水原側は「原子炉の出力を調節する制御系統に故障が発生し、原子炉とタービン発電機が自動で停止した」と明らかにした。
続いて10時45分には全羅南道霊光郡の霊光5号機(100万キロワット級)が停止した。発電機タービンに必要な蒸気を供給する装備に水を送るポンプが故障した。2時間30分の間に2基の原発が連続で故障したことで、韓水原は現地に本部長を派遣した。現在、古里にはイ・テホ発電本部長が、霊光にはパク・ヒョンテク安全技術本部長が派遣され、正確な故障の原因を把握している。
今年に入って部品の故障で原発が停止したのは計7回。原発の停止は2010年2回、2011年7回で、今年はすでに昨年と同じ回数となった。
韓水原は原発の故障を事前に防ぐため、毎年「予防整備」を実施している。しかし霊光5号機は整備から4カ月目、新古里1号機も7カ月目で稼働が停止し、「原発管理に問題がある」という指摘が出ている。現在、予防整備は部品群を3つに分けた後、1年に1つずつ順に行っている。原発全体を点検するのに3年かかるため、部品の異常などがすぐに見つからない可能性もあるということだ。
韓水原はこの日の原発の停止について、国際原子力機関(IAEA)の事故・故障段階では「0等級」に該当し、「発電所の安全性および放射能漏出などとは関係がない」と明らかにした。しかし光州(クァンジュ)環境運動連合は「最近、原子炉の核分裂を調節する核心設備の制御棒に異常が多い」とし、根本的な原因究明を求めた。
新古里1号機の場合、昨年の稼働開始前の試験運転当時、8回の故障があったが、うち2回が制御棒の問題だった。霊光5号機も09年に制御棒の問題が発生している。特に霊光5号機は昨年2月に発電が停止し、原因を調査したところ、冷却材ポンプのモーターから30センチのドライバーが見つかり、整備がずさんだという非難を受けた。
2012年08月07日10時59分
[中央日報/中央日報日本語版]
古里1号機の再稼働は容易ではなかった。先月4日に原子力安全委員会がこれまでの調査結果を基に古里1号機の再稼働を承認した。だが、政府は待った。「安全性は確認されたが住民がまだ安心していない」(洪錫禹知識経済部長官)という理由からだ。
政府は地域住民推薦の専門家7人を含め10人で構成された「古里1号機原子炉圧力容器健全性専門家検討タスクフォース」を1~6日に稼動した。タスクフォースは6日午前、「古里1号機原子炉圧力容器の健全性が確保されたと判断する」という結論を出した。洪長官はこの日、「政府は地域住民が十分に古里1号機の安全性に理解をされたと信じ再稼働することに決めた」と発表した。しかし一部住民の反応は違った。長安邑(チャンアンウプ)発展委員会のキム・ミョンウク事務処長は、「住民が出した報道資料は既存の安全性評価のデータを認めるというものであり、住民が再稼働を承認するということではない」と話した。
環境団体は強く反発した。「核のない社会のための共同行動」はこの日の声明で、「到底納得できない決定であり、安全性の問題が全く解消されていない状態で決定された悪手中の悪手」と明らかにした。これら団体は、「古里住民と韓国水力原子力が推薦した専門家がわずか6日で密室で古里1号機原子炉点検を通じ何の問題もないと結論付けた」と批判した。
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