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山田正彦元農相離党 民主党政権はTPP反対ならば公認せずの踏み絵を踏ませた!

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民主党政権でただひとりの傑出した農相だった山田正彦氏が離党しました。理由は言うまでもなくTPPです。 (資料1) 

山田元農相は、「党がTPPに反対すると公認しないという縛りをかけてきた」から離党に踏み切ったそうです。

これは聞き捨てなりません。民主党執行部はTPPを政権公約に掲げ、それに反対する党員には公認しないとなると、いままで党内にいた反TPPグループは今後公認されるためにはTPPの踏み絵を踏まされることになります。 

野田首相はプノンペンで19日夜このように発言しています。

野田佳彦首相(民主党代表)は19日夜、環太平洋経済連携協定(TPP)の対応について「私の所信表明演説、(9月の)代表選の公約に掲げたことが基本。きちんと守っていただくことが公認の基準だ」と述べ、TPP推進方針に賛同しなければ、総選挙で公認しない考えを示した。」(朝日新聞11月19日 資料1追加)

民主党PT(プロジェクト・チーム)は、執行部に対して「交渉参加の是非について慎重に判断することを求める」というかぎりなく反対の答申をしています。(資料2)

民主党PTの内部議論は詳細まで伝わってきませんが、党内には相当大量のTPP反対者がいるはずで、少なくとも歴代農相、副大臣、政務官クラス、あるいは1人区選出議員までは一致して反対なはずです。

現職の郡司大臣は参院なので、とりあえずは踏み絵を踏まなくともいいようですが、本来ならばこれらのおそらくは数十人規模のTPP慎重派の民主党議員は山田氏について離党するか、節を曲げて公認をもらって選挙資金を頂戴するしかないことになります。 

しかし、国会議決でもないのに党議拘束まがいの縛りをかけたわけで、いかに民主党執行部がTPPに前のめりになっているかが分かります。

私は新自由主義のリトマス試験紙はTPPだと思っています。各党が新自由主義に脳内汚染されているほど強くTPPを推すことになります。

ですから現在、竹中平蔵氏が経済政策の指導をする維新の会が、もっとも強いTPP推進派なのです。(資料3)

同じ自民党でも、竹中氏が経済政策の舵を握った小泉政権時代だったら、TPPにあっさりと参加してしまったでしょう。 しかし今幸いにも、安倍総裁率いる自民党は明瞭に反対姿勢を貫いています。(資料4)

もちろん個々の議員にはそれぞれ考えがあるでしょうが、民主党と自民党が決定的に違うのは部会で検討され、それが政調会でまとめられ党の方針として集約された段階で、基本的にこの線から逸脱しないことです。

これはいつまでたっても党内をまとめきらないどこぞの政権党とは大違いです。民主党は、いわば自民党の部会に当たる経済連携PTで慎重な意見が答申されたにもかかわらず、執行部・政府はそれをまったく無視してしまいました。

どこに党内民主主義があるのかと思わせる光景です。こんなことならば初めからPTなんぞ作らねばよかったのです。かつての小沢幹事長時代のように、政調会も部会もつくらずに議員はただの賛成挙手要員で十分ではありませんか。

そして今回は前農相の離党という異常事態を、選挙という決戦前に招いてしまいました。これは重大なことです。

私には山田氏に沢山の記憶があります。言うまでもなく口蹄疫の時のことです。山田前大臣は牛飼の心を持つ農相として口蹄疫との戦いに尽力しました。

彼にとってこれは戦争のようなものだったでしょう。そして彼はこの指揮官でした。

よくネット界では民主党が口蹄疫を阻止できなかったという情報が出回っていますが、それは正確ではありません。

無能だったのは赤松農相と東国原知事のふたりであって、それを救ったのが山田大臣と篠原副大臣の二人でした。

その働きは、東国原前知事のパーフォーマンス政治と違って理にかなったものでした。彼は農家に家畜の殺処分を命じるというもっともダーティな、誰もやりたがらない指揮を執ったのです。

当時、私は発生当初は彼の方針(ワクチン接種-殺処分)に反対でしたが、後に彼のとった方法が現実的であったことを知ります。

ただし、そのことによって彼は農家からの称賛より、強い怒りを買ってしまいました。

殺処分命令を下した種牛農家に詫びに出向こうとした山田氏が、農家から拒否されて空港で哀しくうつむく姿が今でも私の記憶に焼きついています。

農業全体を救うためには、時には汚れ役にもなれる政治家、それが山田正彦氏でした。

山田氏は沈む泥舟から逃げるネズミではありません。しかし民主党政権は、このような逸材を更迭まがいに遇し、そして今、党を去らしてしまいました。・・・民主党政権の絶望の闇はこのように深いのです。

さぁ、決戦です!この選挙はTPPというグローバリズムの妖怪との戦いです。

新自由主義が指揮を取るTPPが勝つか、日本の風土と農業、そして国柄を守る私たちが勝つのか、最後の勝負が始まりました。

 

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 

■資料1 山田元農相が離党届を提出
読売新聞11月19日
 

民主党の山田正彦元農相は19日、無所属で前国民新党代表の亀井静香元金融相と新党結成を目指す意向を表明した。 

 山田氏は同日午前、民主党に離党届を提出した。 

 山田氏は離党届提出後、国会内で記者団に「亀井氏と2人で新党を結成する」と述べた。ただ、政党要件を満たす5人の国会議員(前衆院議員含む)がそろっているかどうかは明らかにしなかった。山田氏は先週、亀井氏と断続的に会談したほか、民主党に離党届を提出した議員や、離党を検討中の議員ら数人と新党結成について協議していた。

■資料1追加 野田首相「TPPが公認の基準」 推進への賛成が前提
朝日新聞11月19日

 【プノンペン=稲垣直人】野田佳彦首相(民主党代表)は19日夜、環太平洋経済連携協定(TPP)の対応について「私の所信表明演説、(9月の)代表選の公約に掲げたことが基本。きちんと守っていただくことが公認の基準だ」と述べ、TPP推進方針に賛同しなければ、総選挙で公認しない考えを示した。プノンペン市内で記者団に語った。

 首相は所信表明演説などで、TPPを日中韓自由貿易協定(FTA)などと同時並行的に進める方針を表明しており、「(党の公認候補が)大きく逸脱することは同じ党としておかしい」と指摘した。党内にはTPP推進方針に反発する声も根強いが首相は「離党者が出ることは残念だが、政策の一致できる人と覚悟を持って戦いに挑戦する」と強調。さらに離党者が増えても争点を明確に打ち出す狙いがあるようだ。

 また、首相は「焦点はエネルギー。脱原発で日本のかじ取りを行うのか、従来の政策を惰性で続けるのか、脱原発と原発維持が混ざった方向感のない政治をやるのか」と強調し、自民党や日本維新の会を牽制(けんせい)した。

                  これがTPP踏み絵の実物です。

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■資料2 「懸念事項」で政府に回答求める  民主経済連携PT 

民主党の経済連携PT(プロジェクトチーム)は7月25日の総会でTPP(環太平洋連携協定)に対する懸念事項をまとめ、議論を始めた。PTが示した懸念事項に対する政府の回答も求め検証していく。 

◆政府説明に納得せず 

 経済連携PTは前回の総会でTPPに対する懸念事項を整理することで合意し、この日の総会で別掲の内容を了承した。
 懸念事項は総論と分野別に3つの個別論点として整理した。ただし、投資家が国家を訴えることのできるISDS条項について櫻井充座長は「ISDSは別に扱うかもしれない」と話し、今後、この問題だけで集中的に議論する可能性も示した。
 この懸念事項についてPTでは「議員間議論に加えて政府の対応も示すほうが議論がかみ合う」(吉良州司事務局長・衆議院議員)として、政府の説明をもとに議論する方針だ。
 この日は「総論」について政府が説明。懸念事項は「TPP交渉参加には何らかの前払い条件を求められるのではないか」、「100%関税撤廃が原則なのか」、「合意済みの事項については再協議できないのではないか」など6項目。ただし、政府はいずれもあいまいな説明に終始。たとえば、交渉参加に際して、米国はすでに自動車分野で6項目の関心を示していることから、「求められている、と明確に回答すべきではないか」などの批判が続出し、次回総会で再度回答するよう求めた。
 ただ、総会で合意したとはいえ、推進派の議員からはこの懸念事項そのものに否定的な意見も出た。
 たとえば「100%関税撤廃が原則か。例外はまったく認められないのか」という事項について、議員からは「そもそもWTO(世界貿易機関)交渉でも100%関税撤廃を原則としてめざすもの。ただし、それぞれ実情があるからいろいろな妥協点がある。TPPに限らず自由貿易とは100%撤廃を原則として追求している。原則があり例外があるというのは当然なのではないか」との意見もあった。
 

◆議論に注視が必要 

 農業分野の論点では○内外価格差が大きい米、特定地域の主要産業である砂糖等、実現可能な対策が困難な品目があるのではないか、○食料自給率が大幅に低下し食料安保上問題が生じるのではないか、○センシティブ品目の除外は認められるのか、など5項目に整理した。
 これらの項目について政府がPTの場でどう説明するかも大きな焦点になる。
 総会では推進派議員から「米はやはり守らなければいけない」との意見が出されたのに対し、慎重・反対派議員からは「米だけではない」との異論も出されたという。この議論を受けて櫻井座長は農林水産分野の懸念事項に政府がどう対応するのか、明確な説明を用意するよう求めたという。こうした経過から、今後の政府の説明とPTの議論の行方によっては、今回の懸念事項の整理そのものが「どの品目をどう守るのか」という先走った議論に進みかねない、という懸念も出てきかねない。当面、政府がこの問題にどう説明を用意するかが焦点だが、PTの議論には一層注視が必要になってきた。
 

●民主党経済連携PTがまとめたTPPの懸念事項 

1:総論
(1)TPP交渉参加に際し、米国等から何らかの条件(前払い)を求められるのか。
(2)ハイスタンダードの定義は何か。100%関税撤廃が原則なのか。例外はまったく認められないのか。
(3)参加国で合意済みのルールについて再協議できるのか。
(4)TPPは米国中心の枠組みであり、他の経済連携に悪影響を与えるのではないか。(5)交渉内容は非公表であり、十分な事前の情報収集はできないのではないか。
(6)TPPに参加すると、環境基準、食品安全、労働法規等の分野において、米国側につくことになり、今後のマルチのルールメイキングで手足を縛られる可能性があるのではないか。
 

2.個別論点 その1(農林水産業関係、食品安全等)
(1)農林水産業への悪影響が甚大ではないか。特に、内外価格差が大きいコメ、特定地域の主要産業である砂糖等、実現可能な対策が困難な品目があるのではないか。
(2)食料自給率が大幅に低下し、食糧安全保障上問題が生じるのではないか。
(3)センシティブ品目の除外は認められるのか。
(4)戸別所得補償制度、漁業所得補償制度、漁業補助金等が否定されるのではないか。
(5)GMO表示、農薬の安全基準等について緩和を求められるなど、食の安全が損なわれるのではないか。
 

3.個別論点 その2(TBT(各国の法令による規格などの貿易の技術的障害)、政府調達、知財、医療等)
(1)自動車の安全基準・環境基準の緩和、自動車税制の変更を求められるのではないか。(2)公共事業等において外国企業が参入し、地元企業の受注機会が減少するのではないか。(3)保護期間変更によって、医薬品業界、とりわけジェネリック薬品への打撃が大きいのではないが。
(4)米国の医薬品業界が薬価決定プロセスに参加し、薬価の高騰を招くのではないか。(5)日本文化の一部として海外でも受け入れられているアニメ、コスプレなどのサブカルチャーが保護の強化によって競争力を失う可能性がある。
(6)混合診療の解禁等、国民皆保険制度が影響を受けるのではないか。
(7)郵便、水道などの公的セクターに海外の営利企業が参入し、公共性が保てなくなるのではないか。
(8)医師、薬剤師、税理士等の免許・資格の相互承認が求められるのではないか。
 

4.個別論点 その3(商用関係者の移動、金融サービス、ISDS等)
(1)外国人労働者の流入により、日本人の雇用機会や賃金が減少するのではないか。
(2)労働法規について統一基準・仕組みを設けると、労働紛争解決について問題が生じるのではないか。
(3)日本郵政におけるユニバーサル・サービスが担保できなくなるのではないか。簡保の新商品販売が認められなくなるのではないか。
(4)共済の税制・規制上の優遇措置がなくなるのではないか。
(5)ISDS条項(投資家対国家の紛争解決条項)により我が国の主権を害されるのではないか。
(6)国営企業への規制、電力会社などの地域独占企業を民間とイコールフッティングにしなければならいこと、電波オークション、新聞再販制度についてもデメリットになるのではないか。
 

資料3 主要各党のTPP公約
日本農業新聞11月19日
 

Photo

 

■資料4 『安倍晋三総裁 ぶら下がり会見 平成24年11月15日(木)
http://www.jimin.jp/activity/press/president/119200.html  

記者:総裁すいません。朝の日本商工会議所との会合の総裁の発言から波及して、一部報道の中では総裁がTPP交渉参加に前向きな姿勢を示したという報道がされますけど、(これは)今までの総裁の姿勢とは違うかと思いますが、この点についてもう一度改めてお伺いしたいのですが。 

安倍総裁:朝の日本商工会議所との懇談の中の挨拶、まあ(ここに居る記者の)皆さんはTPPについて私の言いぶりを何回も聞いておられるでしょうから、それと全く変わらなかったと、基本的な姿勢がですね、ということでおそらく受け止められたんではないのかなぁ、と思いますが、交渉参加に前向きというのはあくまでミスリードだと思います 

あとで伺ったところによりますと、あそこには経済部の方々もおられて、経済部の方々にとっては私のTPPについての発言というのはあまり今まで聞いてこられなかった。また、バックグラウンド、ブリーフィング的なことも聞いてこられなかったので、全体のコンテキストではなくて一部の発言に対して、いわばミスリードしたのではないのかなぁ、と思います。その私の挨拶の中でも述べたように、例外、聖域なき関税撤廃、これを交渉の条件とする限り、交渉参加については私は反対する姿勢は全く変わってはいません。

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コメント

山形1区
鹿野道彦さんは辞める気も離党する気もないようです。典型的な古い農水族なんですが。
といって、有効な選挙対策も打てず困っているようです。
前に1度落選して比例復活してますが、今度こそ危ないかも…。

2区は対抗馬が自民の無名新人なので、民主党近藤洋介で固そうです。

3区は加藤紘一の牙城ですが引退するつもりがなさそうで…同じ自民系の酒田市長が立候補のために辞職したので、ちょっと荒れそうです。

投稿: 山形 | 2012年11月20日 (火) 07時24分

個人的には、アセアン+3も、TPPも、詳しい内容を、存じ上げておりません。しかしながら、実務レベルでは、アセアン+3や日中韓FTAなどは、国民に内容が、詳しく説明されないまま、現在進行形です。

TPPは駄目で、アセアン+3は、OKと言う、官僚の判断は、理解出来ません。

日中韓FTAも、米韓FTAが締結されてしまった今、同じような内容になるのではと、思ってしまいます。

日本の政治の世界は、なぜ、秘密主義なんでしょうか?

アセアン+3は、日本にとって、経済的に、未来が見える国際契約なんでしょうか?

内容が、理解できないまま、TPPとか、日中韓FTAとか、言葉だけが、あふれているような気がします。

投稿: りぼん。 | 2012年11月20日 (火) 09時00分

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