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2012年12月

脱原発運動・こうなってほしくはない三つの将来

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年最後の記事となります。 

やはり「未来の党」ついて書いておくべきでしょう。私は衆院選での最大の敗者は民主党ではなく、「未来の党」などの脱原発派だったと思っています。 

民主党の敗北は、あの衆院選がこの3年3カ月の彼らの愚行に対しての審判だとするなら、ある意味当然すぎるほど当然の結果でした。 

私が意外な感をぬぐえなかったのは、「未来の党」のあまりの惨敗ぶりでした。あれだけの盛り上がりを示した脱原発運動を背景にして、なぜこのような結果になるのか、私なりに分析しようと思いました。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-9.html

私がこのような分析をしようと思ったのは、脱原発運動内部で内在的原因についての総括がなされなかったからでした。 

事実上の代表者である嘉田氏などは、「景気問題に押されて、脱原発問題が浸透しなかった」というようなことを言っていましたが、これなどつまりは、「自分たちの高尚な考えを愚かな有権者は理解していないから負けた」と言っているわけで、こういう目線がある限りまた負け続けるだろうな、と私は思いました。 

そもそも「卒原発」(なんたるネーミング)以外、旧小沢民主党のマニフェストを丸呑みしたわけで、あのようなシロモノに二度だまされるほど国民は甘くはありません。

そのことを問わず、選挙民に責任を転化するような言い方からは、この人が真の政治家ではないことが分かります。

選挙制度が悪いと言うのも一緒で、小選挙区制度に欠陥あるのは明白ですが、だからと言って中選挙区にしたら解決するのかといえば、中選挙区制度で半世紀政権を維持しつづけたのが自民党だったことを都合よく忘れています。 

このようなことを言う人に限って、前回の民主党が大勝した衆院選の時には「中選挙区に戻せ」などと一言も言っていないわけで、要するに結果が気に食わない、選挙民がバカだと言いたいだけなのです。 

もう一度言いますが、このような内在的な敗因分析をせずに、国民を愚民視した選挙総括をしているかぎり、脱原発運動には長い退潮の季節が待っているだけです。

私はあの記事の中で、「未来の党」は「小沢ミニ政党」に収縮して終わるだろうと書きましたが、その後にこうまで幼稚な「成田離婚」劇を見せられるとは思っていませんでした。 

嘉田由紀子、飯田哲也、阿部知子の三氏は、小沢一郎氏を「使いこなす」どころか、党を乗っ取られて、金を全部もっていかれた挙げ句、寒空の下に放りだされたわけです。

政治の素人があの男と組めば、利用するだけ利用されてこうなるのは目に見えていたわけで、嘉田氏たちに対してというより、脱原発運動にとって残念なことです。

小選挙区で299万票、比例区で342万票の得票から得られるはずだった4億7千万円の政党交付金は、阿部氏分以外はすべて小沢「生活」党に渡りました。 彼らはやり手男の「結婚詐欺」にあったようなものです。

嘉田氏に残ったのは、「未来の党」という泥にまみれたどうでもいいような看板のみです。無思想の小沢氏はこんな看板は欲しくもないでしょうし、脱原発の幟も遠からずひっそりと降ろすはずです。

小沢氏がこのような行動に出ることは、嘉田氏が鳩山氏にでも電話をすればすぐにわかったはずで、いまさらなにをやっているんだかというのが、多くの国民の思いでしょう。 

小沢氏の蓄財は、新進党、自由党と新党を作っては潰し、作っては潰し、そのつど解党時に党の金庫を持ち去ることによって作られました。 

そのためには解党ではなく、「分党」という形にする必要が法的にあり、年内に彼女たちを切り捨てる必要があったわけです。

すべては、小沢一郎氏ひとりが生き残るための延命術にすぎません。と言っても、小沢氏の長い政治人生にも終末が見えてきたようですが。

野田前首相が、この押し迫った時期に解散したのも、年を越すと小沢党に政治資金が渡ってしまう危機感がありました。大敗したとはいえ、野田氏のこの読みは的確で,小沢氏は地団駄踏んだはずです。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-fa0c-1.html 

さて、このような脱原発運動の今後ですが、私はこのままでは政党による囲い込みと硬直化、そして内部抗争の激化が進むだろうと思います。 

「政党」とは、衆院選後に金曜デモで大きく前面に出はじめた日本で最も由緒ある左翼政党や、市民運動の仮面を被った某過激セクトです。

老獪な彼らはしっかりとした党組織と方針を持ち、飯田氏ら「未来の党」の失速を奇貨として、今後運動の主導権を握っていくことでしょう。

それに連れて、左翼運動につきものの内部抗争が常態化します。

そして脱原発運動は、反安保、護憲、反自民の政治運動の亜種となります。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-ddfa.html

一方「硬直化」というのは、いっそう脱原発運動が硬直した「再稼働絶対反対」を先鋭に唱えるようになることです。 

このような「絶対安全」を掲げて反対運動をすると、それを受ける側もまた「安全です」と言わざるを得なくなるというパラドックスが生まれてしまいます。 

これは福島事故以前にもあったことで、原発安全神話なるものは「危険だと言うと。反対派につけ込まれる」という電力会社側の心理があったのは事実です。(欄外参照)
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-7217.html 

「安全神話」は、電力会社が一方的に主張した結果出来上がったというより、当事者とそれに反対する側が一緒になって作り出してしまっている側面があるのです。

具体的に、どこが危険だという具体論を巡っての議論をせずに、「絶対反対」というイデオロギーで脱原発運動が走れば、解決はかえって遠のきます。

よく東京新聞あたりは「脱原発が6割の民意だ」と言いますが、それは正確ではありません。アンケートの仕方に「原発ゼロ」と「原発容認」の中間項が設定されていなかったから、このような脱原発6割などという結果が出たのです。

その中間項とは、「化石燃料依存から脱却し、社会に十分なエネルギーを再生可能エネルギーで生産できるようになるにつれて徐々に原発廃止」というような、1980年にスウェーデンでなされた国民投票の選択肢です。

ちなみに、スウェーデンの国民投票結果は以下です。
①反原発開発、10年以内の原発全廃止・・・39.7%
②化石燃料依存から脱却し、社会に十分なエネルギーを再生可能エネルギーで生産できるようになるにつれて徐々に原発廃止  ・・・58%
③無記入                     ・・・3.3%

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6d50.html

我が国でもし現時点で世論調査するなら、このスウェーデンの結果とよく似た②の中間派が多数を占める結果が出ると予想できます。

今、原子力でなされなければならないことは、100%脱原発を実現せよという神のような要求ではなく、ひとつひとつ危険因子を取り除いていく地道な努力です。  

それは「原子力には大きなリスクがある」ということを大前提にして、危険度の高い原子炉から随時廃炉にしていき、その間に代替エネルギーを社会のエネルギー基盤の一翼を担えるまで成長させることです。

その置き換わっていくスピードに合わせて原子炉を永久に停止させていくべきで、その間に廃炉や使用済み核燃料の処分についてもいいアイデアが生まれてくるでしょう。

そしてそれには時間がかかるということを覚悟して下さい。

それが待ちきれず、立場が違う人を直ぐに「粉砕」してしまわねば気が済まない人たちだけに脱原発運動が支配されてほしくないものです。

そのようなことをすればするほど、脱原発派は少数派に転落していくからです。放射能禍の折の、一部の脱原発派の人たちの常識はずれの所業を直接に知っているだけに不安があります。

以上、あまりよくない予想をあえてしましたが、このようなことにならず、生き生きとした国民のうねりのまま成長していくことを願っています。

最後になりましたが、今年もご支援ありがとうございました。皆様に励まされながら、今年も年納めの日を迎えることかできました。本当にありがとうございました。

皆様にとってよい新年でありますように、心より祈念しております。 

 

■写真 霞ヶ浦の日の出。印象派風(笑)。

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「とんでもない。日本で(事故の可能性を少しでも示すような)そんなことをしたら原発は一基もできません。事故ゼロと言って周辺住民を説得し、納得してもらっているのだから」。(ソース・産経新聞山口昌子パリ支局局長) 

このフランス人原子力技術者がのけぞったのは言うまでもありません。これで分るのは、わが国には原子力の危機管理そのものが完全に意識もろともなかったという衝撃的事実です。たぶん「危機管理」と書かれたペーパーが後生大事に経済産業省の金庫に眠っているだけなのでしょう。 

日本原子力技術協会の前最高顧問石川迪夫氏がこんな話を述べています。 

1992年、IAEA(国際原子力機関)で原子力事故に備えて指針を改定し避難経路を策定すべきという提案があった時、それを持ち帰った石川氏に対して日本の原子力関係者の反応はこうでした。 

そんな弱気でどうする。原子力屋なら絶対に放射能が出ない原子炉を作れ。」 

とりようによっては強い安全への決意と取れないではありませんが、石川氏自身も認めるようにここには「安全」という言葉の影に隠れて「万が一に備える」という視点がすっぽりと抜け落ちています。(ソース「産経新聞10月8日)

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脱原発のための6のパラメータその3・原子力安全規制機関は経済と政治を超越する

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今日は私が考える脱原発の6つのパラメータのうち❻の「原子力規制機関のあり方」を考えてみます。 (※1)

発足当初はミスを連続した避難マップの丸投げで大いにミソを付けましたが、あれで事務局である規制庁のレベルが分かりました。予想に違わずまったくの原子力の素人集団です。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/6-fd4b.html 

もっとも規制委員会のほうは、東通り原発の活断層判定などで東北電力としっかりと学的判断を対置してやりあっており、意外にも(失礼)ちゃんとした仕事をしている印象です。このままがんばって欲しいものです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-397c.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6351.html

私は当初規制委員会が出来た時の問題点は、田中委員長が「原子力村」出身であることや、国会同意人事を経なかったことではなく、規制委員会自体の「独立性の確保とその担保」がなされていないことだと考えていました。 

なぜかそのことを指摘する人がほとんどいないので、逆に不思議に思ったほどです。 

規制委員会のキモは、推進部門と完全に分離された自立した「規制」機関でなければならないはずです。

今までのように、推進機関の経済産業省の外局に規制機関の安全・保安院があると、よく言えば推進部署と意志疎通がうまくいく、はっきり言って癒着と馴れ合いの温床になっていました。

さて、この規制機関の「独立性確保」というのはなかなか難しいと見えて、完全にそれを確立しているのは世界でもフランス原子力安全院(※ASN)と、米国原子力規制委員会 NRC)が代表として挙げられるくらいです。 

我が国の原子力規制委員会は、環境省の外局として作られています。それは、規制委員会の事務局の原子力規制庁の性格をみれば分かります。

役所が新たに作られる場合、要はいろいろな役所の寄せ集めになるわけですから、どこか何人送り込んだのかをみれば役所間の力関係が推測できます。

今回の規制庁は完全移籍ではなく、数年間の出向で来ていますから、背中には出身省の紐がしっかり付いているとみるべきでしょう。 

出身母体に帰って冷や飯を喰わされたくはないので、お役人さんたちは有形無形で出身官庁の意向に沿って動くようになります。

原子力規制庁の官僚出身内訳
・経済産業省・・・312名
・文科省   ・・・ 84
・警察庁   ・・・ 16
・環境省   ・・・ 10
 

大変に分かりやすい構成ですね。この規制庁は、ズバリ経済産業省の縄張りです。

7割を超える圧倒的人数を送り込んで来た経済産業省からの出向組は、原子力安全・保安院、資源エネルギー庁出身者です。

なんのことはない資源エネルギー庁とは、政-財-官-学にまたがる「原子力村」の司令塔のような所ではないですか。 

2番目は文科省ですが、これは技官が多いのではないでしょうか。文科省は旧科学技術庁系の技官を大勢擁しています。福島事故の時も地道な放射線量測定に活躍しました。

3番目に環境省ですが、環境省は原子力規制庁を外局として組織系列下にした上で、ナンバー2の次長ポストに森本氏を押し込んでいます。

つまりボスはコワモテの警察官僚、現場ボスが環境省、デスクワークは経済産業省、技官は文科省というのが、規制庁という内訳の官庁です。

この環境省はなかなかクセモノ役所で、CO2削減を旗印にして、「地球にやさしいクリーン電源・原子力」(爆笑)をエネルギー比率50%まで増やすという、今思えばトンデモの政策を作った当の官庁で、バリバリの原子力推進官庁です。

ある意味、環境省は経済産業省のように、電力会社に配慮したベスト ミックスなどを考える必要がないだけ、「純粋に」原子力推進派だったといえるくらいです。

「環境省」という美しいネーミングに騙されてはいけません。私も大いに期待して裏切られました。

福島事故の折に、私たち「被曝地」の住民が困ったのは、どのようにプルーム(放射能雲)が通過したのか発表がないために、自分の住む地域の汚染度が分からなかったことでした。

私たちが最も期待した環境省の動きは猛烈に鈍く、空間線量や土壌放射線量などの測定も文科省に遅れをとり続けてきました。当時私は、環境省に悪意のサボタージュを感じたほどです。

環境省が原発事故において有効な動きをしなかった理由は、環境省が定める環境基本法や土壌汚染防止法には、放射性物質が「特定有害物質」に指定されていなかったためにです。

私たち住民にすれば、放射性物質以上の汚染物質はないわけですが、環境省に言わせれば、放射性物質は法的には「汚染物質ではない」ということになります。

ですから、福島事故で大量に排出された放射性物質を除染する根拠法がなくなってしまったというわけです。

東電はこれを楯にして、二本松ゴルフ場裁判で降下した放射性物質は「無主」のものであり、除去せねばならない法律はないという弁護論理を編み出したほどです。やれやれ。 

福島事故以後、経済産業省は批判の矢面に立たされましたが、「原子力村」の助役格の環境省はぬくぬくと批判を免れたままです。 

つまり規制庁は、原子力安全対策を風当たりが強い経済産業省から、環境省という裏の司令塔の下に系統をすげ替えただけの組織なのです。

どうして完全にすべての省庁から独立させなかったのでしょうか?私は会計検査院のような政府から独立した地位を保障されている原子力監視機関を作るのだと思っていました。 

ちなみに会計検査院は、このような独立機関です。
「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。(日本国憲法第90条)。また、内閣に対し独立の地位を有する。(会計検査院法1条)」。
Wikipediaによる 

この「国の収入収支」の部分を原子力発電に読み替えて下さい。原子力の規制・監視もこの「内閣からの独立の地位」こそが肝心だったはずです。 

「内閣」、つまり政府から完全に独立して、いかなる政治的横槍からも自由である組織が原子力安全・監視機関であるべきなのです。

民主党政権時に、原発の再稼働は政府が決定するのか、それとも規制委員会が判断するのかという議論が、政府と規制委員会の間でありましたが、当然筋としては規制委員会です。

こんなことを出来上がった後に議論すること自体がアホです。

規制委員会が、「うちは専門的な判断をするだけだ」みたいなことを言ったのは、民主党政府が責任だけを規制委員会に被せて、いざとなると「脱原発」を言いかねないのを恐れたからです。

もし、政府がほんとうに規制委員会の判断で再稼働か否かを決定できるのならば、それの根拠法と権限が必要です。

現在、再稼働停止を命じられるのは「不正急迫」の場合、つまり核テロが迫っているとか、大地震が原発直下で起きそうだとかいう場合に限られています。この改正は来年7月にならないとできません。

しかし、どうやらこの間の島本委員長代理の動きを見ていると、規制委員会も地層調査してみてあまりの原発直下の活断層の多さに腹を括ったようですね。

東通原発における東北電力との議論では、法的権限があろうがなかろうが、言うことは言うという姿勢が見て取られます。

専門家として実に背筋が伸びた姿勢です。後は、政府が環境省から切り離し、独立した権限を与え、その根拠法も整備せねばなりません。

原発を失くすまでは、長い時間がかかります。来年再来年というわけにはいかないでしょう。

もちろん直下に活断層があるような、危険極まりない原発は即座に廃炉にされるべきです。今後くるであろう震災時に危険地帯にある原発も同様です。30年から40年たつ老朽炉は自動的に廃炉にすべきです。

問題は、それ以外の「安全な」原発をどう判断していくかです。原発だからすべて廃炉ならそもそも規制委員会などは要りません。初めからすべて廃炉なのですから。

現実には是々非々となるでしょう。その判断をするのが規制委員会です。規制委員会は、政治にも、経済にも影響されず、ただひたすら原子炉の安全性のみを判断する存在だからです。

すべての原子炉を廃炉にするか否かの判断は、規制委員会の仕事ではありません。それは国民の代表による議会と、政府が判断することです。

しかし、こと稼働に関する限り規制委員会は、圧倒的権限を持たねばならない機関なのです。

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■※関連記事 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-add7.html
          http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-4.html

■※1 私が考える脱原発の6つのパラメータ
➊環境問題
❷原発をなくした場合のエネルギーの安定供給源
❸代替エネルギーの普及・経済効果とその財源

❹使用済み核燃料の処分
❺国民生活・国民経済への影響
❻原子力規制機関のあり方

■※2 フランス原子力安全院の別訳/原子力安全機関/原子力安全局

東通原発 “活断層の可能性”最終判断
NHK 12月27日 5時13分
 

国の原子力規制委員会の専門家会議は、青森県の東通原子力発電所の断層を評価する会合を、26日開き、「活断層の可能性がある」という最終的な判断を示しました。
福井県の敦賀原発に次いで2例目で、専門家会議は、年明けに、科学的な根拠を盛り込んだ報告書をまとめることにしています。
 

原子力規制委員会の島崎邦彦委員と専門家の合わせて5人は、今月20日の会合で、東通原発の敷地を断層を評価した結果、「活断層の可能性がある」という見解をまとめています。
26日の会合で、東北電力は、「断層は、新しい時代にずれた痕が見つからず、活断層ではない」と主張したのに対し、専門家から、「東北電力の説明は、裏付けが弱く、活断層ではないとは言い切れない」といった指摘が相次ぎました。
そして島崎委員が、「活断層を否定できる根拠は無かった」と述べて、「活断層の可能性がある」という最終的な判断を示し、専門家会議は、年明けに、科学的な根拠を盛り込んだ報告書をまとめることになりました。
 

「活断層の可能性がある」という判断は、敦賀原発に次いで2例目で、東通原発は、今後、敷地の活断層を想定し、耐震対策の見直しを迫られることになり、当面、運転が再開できなくなる可能性があります。
規制委員会の島崎委員は、「東北電力の説明には、われわれの、『敷地内の断層が、全体として活断層としての活動をしている』という認識を否定できる根拠は、無かった」と述べました。
これに対し東北電力の梅田健夫副社長は、「活断層かどうかの議論を、いつまでやっても切りがないので、どれほど影響があるか調べたい」と述べ、施設への影響を調査する考えを示しました。
 

■明日明後日は定休日です。月曜日にお会いしましょう。今年も数日ですね。

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脱原発のための6のパラメータその2・北欧の理念を持ったリアリズム

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脱原発は、もつれた糸玉のようなものです。
焦らずに、ひとつひとつ丁寧に解いていかねばなりません。一見迂遠ですが、結局それが一番の近道ではないでしょうか。

とりあえず私は、脱原発を考えるための6ツの「糸」を挙げました。(※1)その4番目にある「使用済み燃料の処分」について、ひとつのユニークな実例があるのをご紹介します。

それはフィンランドです。似たような形はスウェーデンもとっているので、いわば、「北欧方式」とでもいえるでしょうか。 

この両国は、広大な砂漠などがある大陸国家と違って、面積的には小国なのにもかかわらず使用済み核燃料(※2)の最終処分場を持っています。 

フィンランドはオンカロと呼ばれています。フィンランド語で「隠された場所」を意味するそうです。 

この地下埋却施設の地層はなんと18億年変動していないそうです。ちなみにわが国の活断層の認定基準は10万年ですからケタが違います。正直言って、活断層国家の人間には、大変にうらやましい。 

この安定した地層を500m掘って二重のキャスクに入れて保管する計画です。 

「オンカロ」は2020年に操業を始め、2100年代にいっぱいになる予定で、いっぱいになったらコンクリートで蓋をしてしまいます。

さて、フィンランドでは一部で誤解されているような単純な「原発推進国」ではありません。 

確かに原子力は29.6%で、わが国の福島事故以前とほぼ同じですが、決定的に違うのは、フィンランドがオンカロのような核廃棄物最終処分地を持っていることです。 

最終処分場のキャパシティに合わせて原発を建設する政策をとっています。 

つまりエネルギー需要という入り口から発想するのではなく、逆に核廃棄物の出口問題を解決してから新規建設計画を立てるという「出口からの発想」です。 

わが国のように原発を建設し始めた時に、最終処分場はなんとかなるさで始めたツケが今になって抜き差しならないことになった無責任ぶりとは大きく違います。 

フインランドは既存の4基に加えて、新たに3基の原発を作る予定ですが、このオンカロに核廃棄物を2100年代まで埋設し、その間に再生可能エネルギーを代替エネルギーとして使えるエネルギー源にする計画です。 

つまり、再生可能エネルギーが代替エネルギーで大きな地位を占めるようになるまでまでには、おそらく50年以上の時間が必要だという認識に立って、そこまではCO2排出が少ない原子力を使おうという現実主義的方針です

これは同じEU域内のドイツがラジカルな脱原発政策をとって、結果として重い財政負担や国民経済や生活への打撃を与えてしまったことを見ているのでしょう。

フィンランドの原子力の発電量は、最終処分場のキャパで決められて、それが許す範囲内で増設を容認していく考えです。 

つまり、フィンランドはこの最終処分場の容量に合わせて原発を作っているわけで、何のあてもないまま54基も作ってしまったわが国は、一体なんだったんだと天を仰ぎたい気分です。 

フィンランドは、今でも世論調査をすれば原発反対が賛成を上回るそうですが、この最終処分場の地層が安定しており、国民にそれを丁寧に説明してきているために大きな反対運動は起きなかったそうです。 

一方スウェーデンでは、エストハンマル市・フォルスマルクに最終処分地が作られました。(※3) 

これについては、国民に対して徹底した周知と教育がなされていて自由に見学が許されています。ドイツについては、長くなりそうですから、別稿とします。 

ところで、フィンラドやスウェーデンの北欧人が、原子力発電を維持し続ける理由はなんでしょうか。 

まず第1に、北欧人が原発のリスクより地球温暖化によるリスクが大きいと考えたからです。フィンランドやスウェーデンは寒帯に属する国で、気候変動が起きた場合大きな破局を迎える可能性があります。

また北極圏にあるために化石燃料の増大によるオゾン層破壊が、そのまま紫外線の増大とつながってしまうことを恐れています。 

新規原発3基を建設することによって国内のCO2の3分の1にあたる3000万トンを削減する計画です。そして2020年までに石炭火力発電所をゼロにする予定です。

我が国ては長きに渡ってバックエンド問題は一種のタブーでした。

いままで政府がどうしていたのかと言えば、一言で言えば、「処分地を探すふりをしていた」のです。 

認可法人「原子力環境整備機構」(NUMO)という組織が、最終処分地に適した場所を探すというふれこみで、なにか「やっているふり」をしていました。 

最終処分地はおろか調査候補地すらないことはわかりきった話で、ある財政難の小さな自治体が村長の独断で応募したところ、発覚して村を上げての大騒ぎになりました。 

ですから、このご大層な名前のナンジャラ機構とやらは、なにも仕事がないのです。しかし、このようなナンジャラ機構があるというだけで、経済産業省は、国会での言い訳が出来たというお粗末の一席です。

つまり我が国では、最終処分を決めないまま、核燃料サイクルを中心に考えていたわけですが、六ヶ所村再処理施設で、活断層が認定される事態になった場合、根底からこれが崩れます。 

これに対して日本学術会議は、いままでの政府が固執してきた地層埋却処分を、「到底受け入れられないものをにしがみついて時間を無駄にした」と批判しました。

その上で、我が国で北欧のような億年単位で安定した地層を探すのは困難であり、当面は最終処分という迷妄にしがみついているのではなく、現実を直視して数十年から数百年ていどの「暫定保管」というモラトリアム処分に切り換えることを提案しました。

また日本学術会議は、このモラトリアム期間に新たな技術進歩があったり、社会的なコンセンサスが取れた場合、いつでもそれを取り出すことができる方式を提案しました。

この暫定保管の間に、処分地やそれに見合う新たな処分の技術進歩を期待しているわけです。

そしてもう一点きわめて重要な提言もしています。それは際限なく核のゴミが出続けるのではなく、この暫定保管できる許容量に合わせた核のゴミの総排出量を定め、それに合わせて原発発電量を決めるべきであるとしたのです。

これは、北欧方式の入口=発電需要からだけから考えるのではなく、出口=暫定保管量から原子力の総発電量を決めていくという考え方です。

ようやく我が国でも、このような建設的な「核のゴミ」・使用済み核燃料の最終処分についての提案がなされるようになってきたようです。

■写真 今日は力いっぱい寒かったですね。すさまじい筑波おろしの強風の中で霞ヶ浦を一枚撮ってきました。あ~寒かった。

■追記 安倍内閣が成立しました。一方、「未来の党」の嘉田氏が小沢氏たちとの「分党」を発表しました。事実上これで解党、雲散霧消です。ここまでとはさすがに私も思いませんでした。これは脱原発派の敗北と捉えるべきです。
(欄外最下段に「未来の党」の新聞切り抜きを入れました。)

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■※1 私が考える脱原発の6つのパラメータ
➊環境問題
❷原発をなくした場合のエネルギーの安定供給源
❸代替エネルギーの普及・経済効果とその財源

❹使用済み核燃料の処分
❺国民生活・国民経済への影響
❻原子力規制機関のあり方

■※2 高レベル放射性廃棄物 原発の使用済み核燃料からウランとプルトニウムを分離する再処理を行う際に残る廃液。ガラスで固めた直後は表面温度200度以上、放射線量は浴びると20秒で死ぬ毎時1500シーベルトに達し、天然ウランと同程度の線量に下がるまで数万年かかる。09年時点で1692本のガラス固化体が青森県六ケ所村や茨城県東海村で保管されている。政府は福島第1原発事故前には、20年末に約4万本に増えると見込んでいた。

■※3 ヨーロッパの使用済み核燃料処分地
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=05-01-03-17

原子力委:高レベル放射性廃棄物処分、暫定保管へ転換提言
毎日新聞 2012年11月27日

 原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分方法で、内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)は27日、地下深くに半永久的に埋める最終処分(地層処分)計画を見直し、将来、廃棄物を地下から取り出せる「暫定保管」へ転換を図るよう政府に求める提言案を示した。

 現行計画は、原発の使用済み核燃料を再処理した後に残る高レベル放射性廃棄物をガラスで固め、30〜50年間地上施設で冷ました後、金属容器に入れて地下300メートル以深の地層に数万年間埋める。

 提言案は、従来の計画を「最新の科学的知見の反映や国民との認識共有の取り組みが不足していた」と分析。その上で、数万年後の地層の安定性を保証する難しさや、将来より安定した処分地や処分方法が見つかる可能性を考慮し、廃棄物を再び取り出して処分計画を後戻りさせることも可能にする暫定保管について「必要性と意義を十分に評価すべきだ」とした。現行でも、坑道をふさぐまでの数十年間は廃棄物の再回収・移送が可能だが、計画に明記されていなかった。

 また「国民との間で、原発で発生する高レベル放射性廃棄物について認識を共有する努力が不十分だった」として、原発の「40年運転制限」「新増設なし」を盛り込んだ政府の革新的エネルギー・環境戦略を踏まえた場合に発生する高レベル放射性廃棄物の総量や処分面積を試算して明示するよう求めた。ただし、廃棄物の発生量をあらかじめ決めて原発や再処理工場の稼働を制限する総量規制には踏み込まなかった。

 地層処分は、原子力発電環境整備機構(NUMO)が02年から処分場の受け入れ自治体を公募したが、06年の高知県東洋町(後に取り下げ)以外に応募がなく文献調査すら未着手。世界でも地層処分を始めた国はない。日本学術会議は今年9月、暫定保管や総量管理を導入するよう原子力委に提言していた。 

追記 日本未来の党分裂、最後は嘉田切り 結党わずか1ヵ月
京都新聞 12月28日 

結党からわずか1カ月で分裂することになった日本未来の党。代表を務めた嘉田由紀子滋賀県知事側、「国民の生活が第一」元代表の小沢一郎氏側ともに、相手の実像を読み誤ったことが、分裂の背景にあった。組織、体質が違うと指摘されていた双方が理解し合えないまま、最後は嘉田氏が党を追い出される形となった。 

 分裂が不可避となってから、一夜明けた27日。嘉田氏は知事の公務で東京の議員会館を訪れ、地元選出の国会議員を回った。同じ階に小沢氏の部屋があることを記者団に指摘されると「仲が悪い訳ではなく、家風が違っただけ」と強弁した。 

 嘉田氏と小沢氏サイドの対立が深刻化したのは、衆院選大敗後の新役員人事だった。嘉田知事が国政政党代表との兼職を県議会に批判され、知事職に軸足を置く姿勢を示すとともに、首相指名選挙に臨むため、共同代表を選ぶ必要があった。 

 嘉田知事は20日夜に京都市内で小沢氏と会談し、社民党から合流した阿部知子衆院議員を共同代表にする案を提示した。関係者によると、「周辺議員に諮る」と答えた小沢氏から結果を聞くことはなく、逆に周辺議員から「共同代表に小沢氏を」と求められた。 

 折り合えずに迎えた24日夜の両院議員総会では、嘉田知事の阿部共同代表案は否決され、小沢氏に共同代表就任を依頼する案が賛成多数で採択された。 

 「小沢氏を使いこなす」と豪語していた嘉田知事にとっては、表に出て来ない「小沢手法」の壁は想定を超えていた。結党までに小沢氏と計3回会談した際は「世間が抱いているようなイメージではなく、話せる人。原発や女性子ども問題にも熱心だった」 

 小沢氏側にも誤算があった。嘉田知事を前面にイメージ戦略を展開し、党の実権は握っておこうとしたが、小沢氏に近い議員は「嘉田知事がこれほど頑固とは思わなかった」という。新役員人事のほか、衆院選公示日の比例名簿騒動でも「こちらの提案は聞き入れられなかった。あの時点で党は終わっていた」と明かす。 

 「琵琶湖を若狭湾の原発から守る危機感を伝えるには、知事では限界がある」と国政にも進出した嘉田知事だが、党内の分裂協議でも、当初考えていた分党ではなく、嘉田知事側が党を追い出される形の「分派」となった。国政に声を届けることを目指す嘉田知事の「挑戦」は困難さを増している。

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脱原発のための6のパラメータその1・原子力が減ると、増える化石燃料とCO2のパラドックス

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脱原発について考えるための6ツのパラメータを挙げてみました。優先順位ではありません。
➊環境問題
❷原発をなくした場合のエネルギーの安定供給源
❸代替エネルギーの普及・経済効果とその財源

❹使用済み核燃料の処分
❺国民生活・国民経済への影響
❻原子力規制機関のあり方

今回は最初の「環境問題」を取り上げてみます。

環境問題と言う場合、原発事故が起きる前まで一番のテーマだったのは地球暖化問題でした。 

環境省があれほどまでに原発に入れ込んでいたのは、CO2を原子力が出さないからでした。(厳密にいえは、プラント製造工程と、核燃料を作る過程ででますが。)

2009年の国連気象変動サミットにおいて、鳩山元首相が国際公約した1990年比で2020年までに25%温室効果ガスを削減するという目標には、あと8年しかありませんが、原子力発電なくしてほとんど絶望的な状況です。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-a3c7.html 

それ以前の1997年の京都議定書で8%削減という政府目標を立てた時ですら、そのために原発を9基増設し、当時60%台だった稼働率を一挙に81%にまで引き上げ、太陽光も20倍にする、と試算されていました。 

また、2009年時点で、政府はCO2対策として電力に占める原子力の割合を当時の30%から2030年には50%にまで引き上げる計画を立てていました。 

とうぜんのこととして、それらの計画は3.11以後、完全に白紙になったのは言うまでもありません。 

日本の場合はEU圏のような系統電力に融通してもらういうわけにはいきませんから、自前でエネルギー源を探すとすれば今のところ化石燃料しかないことになります。

実際、止まっている原発の代わりとなる電力は、今まで稼働を止めていた旧型火力発電所を再稼働したものによって補われています。

それは発送電実績をみれば明瞭です。事故前の2010年11月時点で原発は230キロワット時を発電し、電力需要の30%を超えて供給していました。 

それが事故後の2011年11月には70億キロワット時と3分の1以下に減少し、10%を切りました。それが現在2012年5月時点ではゼロ、現時点では大飯原発3、4号機のみです。 

では、火力発電の増加ぶりを見ましょう。2011年11月時点で、363億キロワット時であったものが、493億キロワット時と35%増大し、今や電気供給量の実に68%を占めるまでになっています。

この 火力発電所のエネルギー源は、天然ガス(LNG)、石油、石炭です。

この火力発電所で原発を代替すると、2011年度実績で2.3兆円のコスト増となりました。13年度には更に増えて3.1兆円となると見られています。

この状況が続くのならば、CO2・1990年比25%削減など夢のまた夢であって、大量の排出権購入を考えない限り、わが国は外国に排出権購入で膨大な富をむしりとられ続けることになります。 

つまり、原子力をゼロにする環境問題解決を実現すれば、片方の地球温暖化阻止というもうひとつの環境問題を犠牲にせざるをえないパラドックスが現実のものとなったわけです。 

一方、2002年にシュレーダー政権による第1次脱原発をしたドイツも一歩早く同じ道を辿りました。

再生可能エネルギーを国策としたにもかかわらす、10年間の努力でも最大値でエネルギー供給全体の16%ていどにすぎません。(下図参照)

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2010年のドイツのエネルギー構成をみてみましょう。
・石炭          ・・・46%
・再生可能エネルギー・・・16%
・原子力        ・・・・26%
 

皮肉なことに、ドイツも脱原発と再生可能エネルギーの増大によって化石燃料シフトが起きてしまっています。

その理由は、再生可能エネルギーの発電量が自然条件によって激しく変化する性格を持っているために、再生可能エネルギーが突然発電しなくなった時のために化石燃料のバックアップ発電所が常にいるためです。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/jaxa-a7dd.html 

また、再生可能エネルギーを法律で強制的に導入させられたドイツ産業界が電力コストを低く抑えるために、窒素酸化物や硫黄酸化物が大量に出ることを知りながら石炭を使用しているからです。 (※ドイツは国内に大規模な炭鉱を有しています。) 

ドイツ環境諮問委員会の資料によれば、現在計画中の石炭火力発電所により1000万キロワット、そして天然ガスによる火力発電所で更に1000万キロワットを補填する計画です。

このうち石炭火力発電所は2013年までに早期完成させ、天然ガスのほうも2020年までに竣工させるという計画をもっています。

つまりドイツは、「脱原発」というカードを選んだ代償としてCO2排出削減という環境政策を捨てたことになります。

そして、この化石燃料依存にシフトするまでの10年ていどの期間は、ドイツは電力を燐国フランスからの電力輸入に頼ることにしました。(※)

問題なのは、再生可能エネルギーが増えることによって、ドイツは環境負荷の大きい石炭火力発電に依存してしまったことです。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-5189.html

そのために、ドイツの大気汚染は脱原発政策によって確実に悪化したと言えます。特に2008年からの2年間の二酸化炭素の排出量の増加は危険視されています。 (下図参照) 

ドイツ型脱原発政策は単に電力価格が高騰しただけではなく、環境悪化を引き起こしたことがわかるでしょう。

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一方、日本はこの石炭ゼロエミッション(環境低負荷)の技術は保有しています。これをさらにIGCC(石炭ガス化複合発電)、CCS(二酸化炭素回収・貯留)技術の本格実用化へとつなげていく必要があります。 

太陽光の転換率は国際的に最も高い効率をもつ技術も保有していますし、再生可能エネルギーの核心技術であるはずの次世代蓄電池の研究や、超伝導送電線の実用化も進んでいると聞きます。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-69e5.html

つまり、技術的には原子力が減衰するのを置き換える石炭・石油火力発電の環境技術的な解決は進んでいるとはいえます。

また石炭と違って、天然ガスはCO2排出が少なく、産出国も偏在していない優れたエネルギー源です。この比重は今後非常に高まると予想されます。 ただし、コスト面では未だ高価なエネルギー源です。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-4.html

また、メタンハイドレートは有力な次世代エネルギー源で、実用化されたならばわが国は一気にエネルギー自給が可能となってしまう革命的エネルギー源ですが、まだ実用化には時間がかかりそうです。

シェールガスは、米国で大量に採掘が可能となった画期的なエネルギー源ですが、米国内消費との関わりでわが国には輸出されていません。

最後に、飯田哲也氏のミスリードで、あたかも原子力の代替の主力になると期待されてしまった再生可能エネルギーですが、ドイツが10年以上過剰な財政支出をしてまで支援したにもかかわらず、20%を越えない現実を見る必要があるでしょう。

これらの新エネルギー技術やエネルギー源を実用化するまでには、まだ時間がかかります。それまでの時間的スパンは覚悟せねばなりません。

■※ドイツ・エネルギー・ネットワーク庁の元責任者・マティアス・クルト氏の発言。
「今多くの人は、ドイツが数週間フランスに電力を輸出したと喜んでいます。しかし2011年全体でみれば、ドイツはフランスに対してかつての電力輸出国から輸入国へと転落しています。都合のいい数字ばかりではなく、事実を見つめるべきです。」
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-6147.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-19d4.html

■関連記事 本日アップしたデータの詳細な解説は以下の過去記事をご覧ください。
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-0a6c.html

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-e850.htm
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http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-1825.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-c7a2.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-922a.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-cc56.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-fda2-1.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-5189.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-f3dc.html

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今、立ち止まって考えよう、「脱原発」

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今、立ち止まって「脱原発」を正面から考えてみませんか。 

「脱原発」という言葉は一種のマジックワードです。マジックワード、不思議な言葉。言っただけで、あ~これで解決したぁ、という錯覚を与えてしまう言葉です。 

「脱原発」と言っただけで、原発はおろか社会に対するスタンスまで表明できるというマルチな言葉です。 

「脱原発」・・・、それは私にとっては自分の農地に突如降ってきた放射性物質との1年間に及ぶ戦いなくしては語れないし、福島の人々にとっては故郷に還れない哀しさを込めて吐く言葉です。 

人類は原子力とは共存できない」、と。 

しかし、現実世界においては、残念ですが言っただけでは何も変わりません 

それは、「脱原発」という目的そのものが無意味だからではなく、言っただけでは社会は何も変わらないからです。 

頂戴したコメントに、「使用済み燃料の処分はそれを作った人たちが考えるべきなのではないでしょうか。なぜ私たちが考えねばならないのですか」という意味のものがありました。 

気持ちは分かります。作ったのはいわゆる「原子力村」なのに、なぜ私たちがその尻拭いを考えねばならないのかという不条理は理解できます。 

しかし、逆に考えてほしいのです。そういうことを考えてこなかったから、私たちは「原子力村」にいいようにされてきたのではないか、と。 

もし、ここで「それはあいつらが考えろ。オレは知らない」、としてしまえば思うツボです。 

使用済み核燃料に含まれるプルトニウムは、ワンスルーと言ってそのまま埋却してしまえばどうなりますか。 

2万4千年と言われる半減期のプルトニウムを地層処分(※)することを考えなくてはだめです。

活断層だらけのわが国で、いかに強固なキャスク(※)に入れようが、それが2万4千年持つという自信がある技術者がいたらお目にかかりたいものです。 

地層処分は、おそらくわが国では相当に難しいでしょう。 

では、青森県六ヶ所村に2900トン、全国各地の原発には1万4000トン、計1万6900トンの使用済み燃料の行き場はどうするのでしょうか 

こんなヤバイもの、超微量が福島第1原発周辺に飛散しただけで一部の人がパニックになったようなプルトニウムを今のままにしておくのでしょうか。 

青森六ヶ所村は、そのうち規制委員会の調査で分かるでしょうが、相当の確率で活断層の上、ないしは周辺にあります。 

ですから、六ヶ所村は稼働することにかぎりなく暗雲が立ち込めています。これは、決定的に日本の原子力発電にとって土台から崩れるような事態です。 

それは使用済み燃料の再処理が不可能になるからです。ここで「シンプル脱原発派」は喝采を叫ぶでしょうが、私のような「ディープ脱原発派」は頭を抱えます。 

なぜなら、これで核燃料サイクルの再処理が不可能になる結果、使用済み核燃料は各地で積み上がったままという事態を迎えるからです。 

つまり、青森六ヶ所村は閉鎖され、そこに積み上がった使用済み核燃料2900トンは各地の原発に返還されます

しかし、各地の原発には収容するプールが一杯だから六ヶ所村に搬送したのであって、返してもらったらとんでもないことになります。 

受け入れ場所がない。その上、その返却された原発が地震が30年確率6割などという場所にあれば、絶望的に返還不能だからです。下図で赤い部分が6割以上の地域です。 

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つまり、プルトニウムが入った使用済み核燃料は、埋めるに埋められない、元の原発に返すに返せない、という行き場がない恐ろしくやっかいなものなのです。 

さて、とりあえずエイヤーで原発を止めてみます。ちょうど現在の審査待ちの状況そのまま続くと思えばいいでしょう。

「再稼働反対」というスローガンは、そういう状況がずっと続くことを意味します。もちろんそれは廃炉要求なわけですが、先ほどから述べているように使用済み核燃料問題を解決しない限り廃炉はありえません 

すると、各地の原発でプルトニウム入り使用済み核燃料が積み上ったままになります。その上に六ヶ所村から返還されてきます

ダメージこそ受けていないが、福島第1原発4号機の使用済み燃料プールが各地にあって溢れている状況と思って下さい。 

この先どうしますか?このまま30年確率6割の地域の原発に入れておきますか?それはものすごく危険なことじゃないでしょうか。

いったん震災があれば、使用済み燃料プールは倒壊し、大量のプルトニウムを放出します。 

このようなことに対して、「脱原発派」が黙ったままただ反対を言っているのはものすごく無責任なのではないでしょうか。 

コメントにあったように、「それは原子力村が考えろ」と突き放すことは簡単です。それをすれば、きっと当の「原子力村」は大喜びで、「そうさせてもらいます」と答えることでしょう。 

そして、六ヶ所村の再処理工場をなんとか稼働させて、MOX燃料による原子力発電を続けるしかないと結論づけるでしょう。そしてそれを、半永久的に繰り返し、繰り返し続けると考えるはずです。そして原発はしぶとく生き残ります。

実は私にも決定的な解答はありません。だから、原発はいらない、と思っている人たちが知恵を集めて考えようと私は呼びかけています。

小出さん考えてくれ、飯田さん教えてくれではなく、自分で考えましょう。

 

■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-ebe9.html 

■※地層処分・原子力発電所から発生する使用済み燃料の再処理の際に発生する高レベル放射性廃棄物やTRU廃棄物の最終処分方法の一つである。放射性物質の濃度が高く、半減期の長い放射性物質を含むため、人が触れるおそれのない深部地下にこれを埋設することであり、低レベル放射性廃棄物の処分である「浅地中処分」とは区別される。(Wikipediaより) 

■※キャスク・使用済み核燃料の容器。

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「未来の党」共同代表に社民党旧ナンバー2・これで日本の緑の党に生まれ変わる可能性は消えた

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「未来の党」の共同代表に阿部知子氏がなりました。嘉田由紀子氏が滋賀県議会から強烈な批判を浴びていたのは周知のことですから、予想されたことですが、最悪の人選だと私は思います。

たぶん小沢氏の影響力排除なのかもしれませんが、よりにもよって阿部氏とは(絶句)。阿部氏は社民党政審会長というナンバー2の地位にいて、福島党首との折り合いの悪さから脱党した人です。

ただし、これで阿部氏の政治理念に変化があった訳ではなく、反自衛隊、反基地、外国人参政権法賛成、安保反対、護憲、反自民などの政治姿勢はキープし続けるつもりだと思います。

私はこのような政治イデオロギーが、脱原発運動に大量に流入していることにかねてから危惧を持っていました。

脱原発官邸前デモで「オスプレイ配備反対」などのプラカードを見ると、原発とオスプレイがどういう関係あるのかと首をひねったものです。

私はかねてから、日本の脱原発運動になくて、ドイツにあるものは何か考えて下さい、と言ってきました。答えから言えば、それはドイツ緑の党(Die Grünen)です。(※)

もうひとつの要素に、地方政府の存在もありますが、日本では歴史的背景もあって、明日あさってに出来るものではないので、今は置きます。

ドイツの脱原発の流れの拡大には、緑の党が大きく関わっています。 

よく誤解されていますが、ドイツで最初の脱原発を決めたのはメルケル政権が初めてではありません。

菅原文太さんは、嘉田氏を「日本のメルケルになってほしい」と説得したと聞きますが、それを言うなら、いきなりアンゲラ・メルケルに飛ばないでヨシュカ・フィッシャーになれと言ってほしかったですね(笑)。

というのは、初めに脱原発の路線を敷いたのは、1998年に成立したドイツ社会民主党(SPD)と緑の党によるシュレーダー連立政権で、そこに入閣した緑の党フィッシャーの力が大きかったからです。 

このシュレーダー政権が打ち出したのが、2002年の「原子炉の稼働年数を最長32年に限る」とした画期的な脱原発政策でした。 

メルケル政権から10年も早い第1次脱原発政策でした。再生可能エネルギーに対する支援策もこの時に始まっています。

メルケル率いるキリスト教民主同盟(CDU)は、この脱原発政策を後退させます。

それが、福島事故を受けた福島事故からわずか16日後の2011年3月27日のドイツ南部のバーデン・ヴェルテンベルク州議会選挙での緑の党の勝利でした。

それまで州の電源の半分を原子力にするという原発推進政策をとってきたCDUの現役州首相が敗北し、緑の党が圧勝したのです。 これがメルケルの「改心」につながるのです。

この州はドイツ南部は工業地帯に属し、政治的にも保守王国だっただけにメルケルのショックは大きいものでした。これが脱原発への曲がり角になります。

現在2012年時点での、公共放送ARDの世論調査による政党支持率はこのようなものになっています。
・キリスト教民主同盟(CDU)・・・35%
・ドイツ社会民主党(SPD) ・・・30%
・緑の党
(同盟90/緑の党) ・・16% 
 

完全に国政の三極に入っています。与党CDUは緑の党の動き次第で政権与党から滑り落ちる、SPDにとっては緑の党の協力なくしては政権を狙えない、そのようなキャスティングボードを握っているわけです。

ですから、緑の党の脱原発政策をCDUもSPDも無視して政権構想を作れません

実際、メルケルの脱原発政策への転換は、与党から滑り落ちることへの危機感から、野党転落をくい止めるために、緑の党の脱原発政策を丸呑みしたのです。

今回の衆院選で、「未来の党」が100議席を越える議席数を確保していたならば、今週できる自民党政権も何らかの譲歩を余儀なくされたはずです。

その可能性はあったにも関わらず、拙劣な方針と、本題である脱原発の政策論の詰めの甘さ、党内分裂が禍して自滅しました。 

それは単にいち政党の敗北ではなく、脱原発運動総体の後退として捉えるべきです。

3.11以前から、政党として脱原発を掲げていたのは、安保から原発まで「すべて反対のデパート」である社会党と共産党の二つの左翼政党のみでした。

しかしこの二つの政党には、3.11以後急激に盛り上がった脱原発の無党派層をまとめきって、具体的な脱原発へ向けたエネルギー政策を練り上げる力がありませんでした。

左翼政党は「脱原発元祖」と自称していますが、原発反対は、その多くのメニューのうちの一品でしかありませんでした。

だから反戦・反核・反基地・脱原発とテーマを並べていって平気です。それはこういうと怒られるかも知れませんが、反対すること自体が目的であって、真剣に解決することを考えていないから出来ることです。

だから深く考えもしないで、即時「原発ゼロ」という到底真面目に考えているとは思えないスローガンが言えるのです。

一方緑の党は、まず1985年に、有力州のヘッセン州政府に連立入閣します。この時、州政府の環境大臣になったのが、後に連邦副首相・外相となるヨシュカ・フィッシャーです。彼はスニーカーを履いて大臣になったのでスニーカー大臣と言われました。 

そして緑の党のイニシャチブを握ったフィッシャーは、それまで「反戦・反核」を掲げて左翼反体制色が強かった緑の党を現実主義的な路線にリニューアルします。

彼は、左翼反体制色が強かった緑の党を、環境と脱原発政策に絞り込んだ政党に生まれ変わらせました

そのために今までNATOの域外派兵にドイツ連邦軍を派遣することに反対していた党内を容認でとりまとめるなど、反戦色を払拭していきます。

この時フィッシャーは、緑の党大会で党内過激派から赤ペンキを投げられて鼓膜を破られる重傷まで負っています。緑の党にあっても、いかに「脱野党」が大変なことだったのか分かります。

私はフイッシャーこそがドイツ脱原発の最大の功労者だと思っています。彼の理想を持ったリアリズムは私に響くものがあります。

もし、緑の党がなければドイツの脱原発政策はなく、緑の党に彼がいなかったら、緑の党は未だに地方の小さな左翼的環境政党でしかなかったでしょう。  

彼により反戦・反核のスローガンは消えて、これが緑の党が国民政党として躍進していくきっかけとなっていきます。 

ところで先日、我が県で開かれた山本太郎氏の集会にたまたま通りかかって、しばらく拝見してきましたが、そこで渡されたチラシにはこう書いてありました。

「原発と改憲、戦争を真っ正面から掲げるような超反動政権が誕生しようとしています。(略)労働者の力と民衆の力を信じて(略)立ち向かう時です。」 

やれやれ山本太郎さん、この文章はあなたが書いたのですか。これじゃあまるでよくある左翼セクトのアジビラじゃないですか。

「超反動政権」とか「労働者、民衆の力」などという手垢の付いた言葉遣いだけで、私は読みたくなくなったほどです。

第一、山本さんがやりたいのは脱原発運動でしょう。改憲や反戦と原発はどう関係あるのですか。これを書いた人の頭の中では一緒でも、ほとんどの人にとっては無関係です。

左翼的テーマをミソもクソもゴッチャに鍋に入れて、はい脱原発運動に参加しましょうと言われても、大方の人はドン引きます。

念のためにお断りしておきますが、脱原発運動に反戦反安保・反自民の立場の人がいてもまったくかまわないと思っています。

ただ、脱原発はそのような政治的対立軸とは別な場所にある国民の生命・安全に直結するテーマなはずです。

ですから逆に、脱原発運動に安保は必要だが、原子力は御免だと思う人がいてもいいし、選挙区で今回は自民党候補に入れたが、原発はイヤダという人も参加できる受け皿が必要なのです。

今のように脱原発と左翼的テーマを安易に横に並列する政治手法のままでは、共産党や社民党に投票したような層しか脱原発運動に加われなくなります。

ほんとうに国民に脱原発の声が染み通ってほんとうの意味で「民意」となっていくのは、このような「原発には不安な普通の人々」の層が動いた時なのです。

選挙期間中にあった、他ならぬ飯田哲也氏がした内ゲバもどきの悪罵の応酬などは、このような原発に不安を持つ多くの国民をシラけました。

現実政治に関わるようになって、飯田氏は人相が悪くなりました。それまでの安倍総裁の奥さんを祝島(※)に連れて行くような、枠を超えた自由闊達な部分が消え、悪しき市民運動家のようになってしまいました。

自分と意見の違う者に対して徹底して非寛容であり、攻撃的でした。それが各種の委員会で軋轢を呼び、彼を孤立させていったのは周知の事実です。

本当にこの「未来の党」がらみで、彼は多くのファンを失ったと思います。

山本太郎氏は、7万票を独力で得たことを誇りにしていましたが、それは飯田氏たちの「未来の党」などに加わらなかった清新さが受けたのであって、「未来の党」への批判票だったとも言えるのです。

ドイツ緑の党は脱原発にストイックになることで、保守層も含めた国民の支持を得ました。その教訓を日本の脱原発派の方々も学ぶべきではないでしょうか

私は脱原発運動にドイツ緑の党の「与党精神」を持ってほしいと思っています。

野党的な、まじめに政策の構築はしない、コストは計算しない、実現可能性は考慮しない、原発とは関係のない政治テーマを言い出す、都合の悪いことはすぐに「自民党が悪い」で済ませる、意見の違いを許さない、内輪もめばかり、そんな「野党」的姿勢では絶対に原発はなくなりません

原子力は過渡的なエネルギーでしかないことは明らかであり、段階的に縮小し、やがて廃絶していかねばなりません。しかし、それをこのような「野党」ができないことだけは確かです。

「未来の党」は、旧社会党そのままの阿部氏と、自民党旧田中派直系の小沢氏と政界の寝業師・亀井静香氏が残りました。

こんな海千山千の55年体制生き残りの妖怪たちに囲まれて、飯田氏になにができるというのでしょうか。

結成わずかで早くも古井戸のようになってしまったこの党の「未来」は、かぎりなく暗いと思います。

■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-9.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6d50.html

(※)世界には「緑の党」を名乗る政党は沢山あります。しかし,政権に加わり影響力を有しているのはドイツのみです。

日本にも、今回の国政選挙には出ていませんが「日本緑の党」は存在します。http://site.greens.gr.jp/
ほかにも「緑の日本」などがあります。

(※)上関原発を建てさせない祝島島民の会HP
http://shimabito.net/

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「未来の党」飯田哲也氏が見なかったスウェーデン1980年代以後の民意の変化

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「未来の党」代表代行の飯田哲也氏が、スウェーデンに対してある種の憧憬を込めて語る時、私はいつも「なんだかなぁ」、という気分に襲われていました。 

というのは、スウェーデンは脱原発派の人たちにとって反面教師のような存在だからです。 

飯田氏は、「今の日本は80年頃のスウェーデンに似ている」(ニューズウィーク日本版 2012年10月31日)と述べています。 

飯田氏は1980年代から90年代初頭に、かの国に留学していますから、肌でその空気を知っているのでしょう。

そのあたりは、「北欧のエネルギー・デモクラシー」(2004年)という著書に詳しく書かれています。私もかつてはかなり影響されました。

このころの飯田氏を、私は高く評価していました。新しい時代の高木仁三郎になってほしいと思っていました。

そう、確かに彼が言うとおりスリーマイル原発の事故を受けて、スウェーデンの国論を二分した1980年代頃に今の日本は似ていることは事実です。ここまでは飯田氏の言うとおりです。 ただし、この話には続きがあります。

スウェーデンはスリーマイル事故の翌年、国を二分して「原発容認」か、「原発反対」かに別れました。 そして全政党を挙げての政争にまで発展し、連日のように両派のデモが繰り返されました。 

もはや冷戦期さながらのイデオロギー論争となって、その決着を世界最初の原発をめぐる国民投票で問うことになります。そして原発反対派が勝利し、30年先の2010年までを原発モラトリアムとすることに決します。

しかしそれならば、国民投票どおりに2010年にスウェーデンは全原発を廃炉にしていなければなりません。 

残念ながら、スウェーデンでは、現在10基の原発が稼働しています。つまり、「原発ゼロ」政策は撤回されていたのです。 

そして皮肉にも、国民投票で廃止期限と定めた2010年に、逆に旧式原発の建て替え承認が決められています。 

国民投票どおりに廃炉になったのは、1980年の国民投票以来、耐用年数が尽きた2基のみです。 このスウェーデンの原発10基分の原発を、日本と比較してみましょう。

スウェーデンの人口・・・900万人
・日本                    ・・・1億2800万人

わが国は人口で14倍です。なにせ日本は世界に10国しかない1億人クラブのメンバーだからです。少子化が叫ばれていても、依然わが国は人口「大国」なのですよ。 

ここまで、国家規模が違うと、簡単な比較は難しくなりますが、単純計算でわが国の140基相当となりますから、2倍以上の原子力依存となります。 

・スウェーデンの消費電力量・・・123,374GWh(2009年)
・日本              ・・・934,149GWh
(IAEA資料による)

消費電力で見ても、国の規模に比してスウェーデンにおける原子力の存在は決して軽くはないことがお分かりになるだろうと思います。

飯田氏は「日本が1980年代の頃のスウェーデンに似ている」ところまで正確に言っています。きっとスウェーデンを見習って、原子力の国民投票をしろとつなげたいのではないでしょうか。

飯田氏はスウェーデンの2010年の脱原発政策放棄にまで触れるべきでした。原子力政策の専門家の彼が知らないはずがありません。なぜ、そうなったのかの理由まで明らかにしないとフェアとは言えません。

飯田氏は優れた脱原発の理論家ですが、かつてのリベラル理論家の多くがそうであったように、特定の外国を理想化して、個別の国の事情を無視して、恣意的に外国事例をわが国に当てはめるという悪い癖がありました。

たとえば、ドイツのFIT(全量・固定価格買い上げ制度)について大絶賛し、現実にわが国のエネルギー政策に導入するような影響力まで発揮したのに対して、ドイツ脱原発の失敗部分には一切言及しようとしていません。

もうかなりの人が知るようになりましたが、ドイツのFITは明らかに失敗です。今やドイツはその財政負担と電気料金の値上がり、瞬間停電などにより、いかにしてFITから離脱するのかを真剣に考えるまでになっています。

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              http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-ceb6.html

飯田氏が片目だけを開けて好きな風景のみを見るのは個人の自由ですが、脱原発政党の責任者となった以上、もう片目も開けてそのネガティブな側面も国民に伝えるべきです

今回の「未来の党」の惨敗も、いいことだけしか言おうとしない脱原発のセールスマンのような彼のスタイルが、国民に受け入れられなかった結果のようにも思われます。

飯田氏は元から運動家的研究者でしたが、3.11以後にただの「カリスマ運動家」になってしまいます。

正義か邪かの二分法で国民に迫り、他政党を罵る姿には、到底「エネルギー・デモクラシー」を説いた若き日の彼の姿は見つからなくなりました。

それはさておき、スウェーデンに話を戻します。スウェーデンのヨーテボリ大学・世論メディア研究所で、、原子力についての意識調査がなされてきています。その推移は興味深いものがあります。

Photo     (図 「スウェーデンで生きる。海外移住便り」より引用いたしました。ありがとうございます。)

上の意識調査を見ると赤線の原発廃止の意見は1988年を頂点として毎年減少し、2002年を境目にして原発利用と逆転しているのが分かります。

より正確に言えば、日本で考えるようにスウェーデンは1980年の国民投票で「即時ゼロ」を決定したわけではありませんでした。
 

1980年の国民投票の内訳はこうです。 

①反原発開発、10年以内の原発全廃止・・・39.7%
②化石燃料依存から脱却し、社会に十分なエネルギーを再生可能エネルギーで生産できるようになるにつれて徐々に原発廃止  ・・・58%
③無記入                        ・・・3.3%

脱原発に投票したのは約4割、一方「徐々に原発を廃止する」と、「無記入」(おそらくは現状維持)で合わせて約6割です。

つまり①の脱原発は、狭い意味では負けていたのです。にもかかわらず、この②の「徐々に移行」派も含めての政治的妥協の産物として、とりあえず2010年までモラトリアムとしようと当時の政府は考えたようです。 

そしてこの間にチェルノブイリによる国土被曝なども被りながらも、やがて「原発維持」が増加しました。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/1-6a51.html
                http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-7f9f.html

この「民意」の逆転の結果、2010年に1980年の国民投票は破棄され、原発維持に変化したわけです。

私が「民意の風」頼みは危険だと言うのは、このスウェーデンの事例があるからです。 

まだ終わりではありません。スウェーデンの「民意」はもう一回変化します。それがこのグラフにはありませんが、2011年3月11日の東日本大震災とそれに伴う福島第1原発事故による変化です。

福島事故前と事故後を比較します。 

・2010年「原発即時停止」・・・8% (スウェーデン世論調査機関Sifo)
・2012年(福島事故後)  ・・・25% (ヨーテボリ大学の世論メディア研究所)

このように福島事故後に脱原発が増加していることはたしかです。しかし、現在のスゥエーデンの中道右派政権は原発維持を明言しているために、大きな政策上の変化はないと思われます。 

このように、ひとつの国でも「民意」は時間の流れで大きく変化していきます。今の時点で「民意」だから脱原発と言っていると、数年後には「民意」で原発推進に変わるかもしれません。

だから、しっかりとした将来を見通したシナリオと論理構築がいるのです。

そのような時に、自分の主張にとって都合のいい一点、たとえば飯田氏にとっての「1980年代頃のスゥエーデン国民投票時」で輪切りにしてして、都合の悪いその後を切り捨てるようでは、正しいバランスで脱原発を見れなくなるでしょう。

今、必要なことは、脱原発「総論」賛成ではなく脱原発の「各論」の成熟なのです。

■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-a46d.html

■写真 風の強い日の雲と湖畔

■明日明後日は定休日です。月曜日にお会いいたしましょう。

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石が流れ、葉が沈む 東国原氏当選、山田正彦氏落選の明暗について

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先日の衆院選は、口蹄疫に関わった政治家たちに皮肉な「審判」を下しました。

東国原氏が「勝ち組」として、連日テレビに出て浮かれ騒いでいるのに対して、TPPに反対の筋を守ったが故に政権党を離党した山田正彦氏は「負け犬」として一顧だにされません。

しかし、この浮かれ男に冷や水を浴びせかけるように、集団訴訟がなされました。原告は、口蹄疫で損害を被った宮崎県現地を中心とする43人の畜産農家です。(欄外参照)

さて、宮崎口蹄疫事件に対する対応の失敗はいくつかあります。その最初にして、最大のものは、県が初動において自らの力で抑えこむことができなかったことです。

初発が3月末であったにもかかわらず、初発の農家からの再三に渡る早く検査結果を出してほしいとの訴えを無視し、発生動向調査(サーベイランス)を怠ったのは県でした。

あの2010年4月16日から20日の確定までの期間に、なぜ早く綿密なサーベイランスをしなかったのでしょうか。

サーベイランスは県の権限内にあり、あの時に初動で抑えこんでいたのなら、あのような21万1608頭の殺処分といった悲劇を見ることはなかったはずです。

そして、川南町の県畜産試験場での豚の感染による感染爆発といった事態が、それに続きます。畜産指導機関が感染ハブになるという前代未聞の不祥事を引き起こしたのは、県です。

5月初旬の時点で、既に宮崎県家保(家畜保健衛生所)は殺処分作業の限界を早くも迎えており、まったく収拾不可能な状況に陥っていました。一般県職員すら動員している有り様でも追いつかなかったのです。

そしてなにより、その司令部たる県当局が混乱の極にありました。そしてその混乱の渦の中心は、他ならぬ東国原県知事自身でした。

一番この口蹄疫初動の緊急性をわかっていないのは、他ならぬ知事自身だったのです。

当時、彼は完全に逆上の極みにありました。そして彼が考えたのは、「自分は悪くない」という責任逃れでした。

そして彼は、疫学的知識がまったく欠落しているにもかかわらず場当たり的に指示を出しまくり、発生現場にマスコミの取材陣を引き連れてテレビに出てはしゃべりまくるというのが彼の作法でした。

この作法の悪さは、かの菅首相と酷似しています。危機に当たって、ポピュリスト政治家は似てくるものなのでしょうか。

あたりまえですが、このような不特定多数で感染症の現派に赴くのは非常識も極まれりです。それは彼が、「ちゃんと立派に仕事をしている」という言い訳を作りたかったからだけなのです。

そしてもうひとつ「仕事をしている」という証拠に、山田氏が政府現地対策本部長(副大臣・後に大臣)として現地入りした直後から、国に対して家畜の所有権を言いたてて補償問題で無駄な時間を費やしました。

この宮崎県庁で費やされた国対県の不毛な「交渉」は実に数週間にも及び、その間、指揮系統は麻痺状態となりました。

この一刻を争うというパンデミック期に、なにを悠長に「殺処分家畜の所有権」を巡って交渉しているのですか。呆れてものが言えません。

知事が「国に突っかかってみせる」というパーフォーマンスのために、どれだけの無駄な家畜の感染があったのかと思うと、まったくやりきれません。

やがて知事は、真の被害者たる家畜と家畜農家から、パーフォーマンスの対象を彼に票を入れてくれた県民に移し始めます。

いちばん宮崎県内の畜産家から批判を浴びたのは、知事が県所有のスーパー種牛の移動をしたことです。

感染拡大期に当該家畜の移動は原則として禁止されています。にもかかわらず、知事は国に「感染がない」と申請してそれを強行しました。

このパンデミックの時期に家畜を移動すれば、見落とした潜伏期の家畜から、より広域に感染拡大する可能性がありました。

確かに種牛は貴重なものですが、代替がきかないものではありません。終息後、他県からの種牛の提供もあり得たでしょう。

なぜ、テレビカメラの前であえてそのリスクを冒さねばなければならなかったのか、大いに疑問とされるべきです。

原告訴訟団はこう訴状で述べています。

県は牛が発熱するなどの異常を隠して国の承認を取り付けており、意図的で計画的な
違法行為である
」。(同上)

このような農家の怒りや焦燥をよそに、県非常事態下にあった県民は防疫など知る由もなく、知事に強い支持を与えました。彼の当時の支持率は実に90%にも登りました。

そして終息宣言後、知事は「ネオンサインが恋しくて」逃げるように辞任し、宮崎を去ります。

この宮崎口蹄疫という大火災をくい止めた山田正彦氏という男が落選し、東国原英夫氏というような政治家が当選したことは、なんともやり切れません。

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

口蹄疫殺処分巡り東国原氏告発、宮崎の畜産農家ら
読売新聞

宮崎県で2010年に起きた口蹄疫(こうていえき)問題を巡り、県内を含む14都道県の畜産農家ら計43人が26日、宮崎県が県有種牛を移動させたり、殺処分しなかったりしたのは家畜伝染病予防法違反に当たるとして、東国原英夫前知事や県幹部ら計3人についての告発状を宮崎地検に提出した。

告発状によると、県は10年5月13日、同法に基づく家畜の移動制限区域内にあった県家畜改良事業団の種牛55頭のうち、主力級の6頭を制限区域外に移動したが、その後、うち1頭が感染。同一農場の家畜は全て殺処分すると同法で定めているにもかかわらず、残り5頭を殺処分しなかった。

宮崎県の措置は特例として国の承認を得ていたが、告発状は「県は牛が発熱するなどの異常を隠して国の承認を取り付けており、意図的で計画的な違法行為」と主張。43人の代表を務める同県川南町の染川良昭さん(59)は「県が自らの利益のため、県有種牛だけを生かそうとした」と指摘している。

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「未来の党」の自滅 問われるべき脱原発政党の中身

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今回の衆院選で、私は「日本未来の党」を注目していました。初めはかなり好意的に、そして途中からは失望と共に、ですが。 

そして結果は報じられているとおり、公示前62議席、改選後9議席でした。もはや出直しが効くかどうか分からない負けっぷりです。 

特に小選挙区ではわずか2人しか勝利できず、そのひとりは「あの」小沢一郎氏です。 

「原発ゼロの会」の阿部知子氏もかろうじて比例で復活しているありさまですから、脱原発派はほとんど国会に議員を送り込めなかったことになります。 

「未来の党」代表代行で、脱原発運動の中心的存在だった飯田哲也氏は、中国電力上関原発の着工問題で揺れる山口1区(※)においてもダブルスコアで敗北し、惜敗率により比例復活もかないませんでした。 

この党は党として当然持つべき組織体制や綱領がまったく整っていない上、党首嘉田氏は現職知事とのパートタイムですので、このまま個々別々に他の政党に吸収されていくか、小沢氏のミニ私党となっていくことでしょう。

もっとも小沢氏に今後も政治生命が残っていればですが。 彼と組んだことについてはここでは触れませんが、おそらくもっとも後悔しているのは、嘉田氏と飯田氏のはずです。

一方民主党は、鳩山、菅内閣時代までは原発比率50%路線の原発推進政策に邁進していたので、「にわか脱原発派」と呼ぶことにしますが、この「にわか派」ですら原発立地を抱える13選挙区中わずか1選挙区で勝ったにとどまっています。
(下図参照 産経新聞12月 18日)

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「原発銀座」の異名がある若狭湾の福井3区でも自民の圧勝、今、活断層が問題となっている東通原発がある青森2区でも自民が勝利しました。 

さて、飯田氏は現実政治の中でもみくちゃにされました。 

大阪市特別顧問で橋下氏の下にいたかと思うと、橋下氏の大飯原発再稼働容認あたりからきしみ始め、「維新の会」そのものが原発推進派の石原老人に乗っ取られてしまった為に、いまや公然と罵り合う仲です。 

山口知事選での敗北に続いて、今度はピュアな学者肌の嘉田氏と組んだのですが、またもや今度はあろうことか、エコが日本一似合わない男・小沢一郎氏に冷や飯を食わされ、締め切りに名簿提出できずに、嘉田氏の元部下に「よしなに」計らってもらったという醜態ぶりでした。 

私はこの「未来の党」の飯田氏が書いた「未来の党」の事実上の綱領である「原発完全ゼロへの現実的なカリキュラム」を読んだ時に、そうかこの人においてすらこんなレベルだったんだ、となんともいえない落胆を味わったことを思い出します。 

この飯田氏は、現在ある電力体制を批判する時の切り口は大変にシャープでした。実際にこの部分で私も教えられたことが多くありました。 

しかし、現実に脱原発をする上では難問は山積しています。このブログで取り上げただけでもこれだけあります。

①使用済み燃料の最終処分はどうするのか
②代替エネルギーは何を考えるのか
③その拡大のための財源はどうするのか
④電気料金値上がりによる国民生活や経済への圧迫をどのように回避するのか
⑤脱原発が完了するまでの期間の原子力安全・規制機関はどのようにあるべきなのか
⑥化石燃料の増大によるCO2対策はどうするのか
 

私は飯田氏の著書を何冊か読んでいますが、それについてほとんど書かれておらず、ドイツのFIT(電力の全量固定買い入れ制度)だけを、理想的事例として持ち上げているだけでした。 

そして元々工学系の人ですから、スーパーグリッドなどの技術の進歩がありさえすれば、再生可能エネルギーが直ちに代替エネルギーとなるかのような書きぶりでした。

もちろんその新規送電網投資や電気料金の大幅な値上がりで、厭戦気分のドイツの現状などおくびにも出てきません。 

何度か言っていますが、個人が脱原発を叫ぶのと、国政に参加する政党がそれを言うのとはまったく次元が違うのです。

個人としての市民や研究者が脱原発を叫ぶ場合、必ずしも使用済み燃料問題までを考える必要はありません。あるいは、代替エネルギーの財源まで踏み込んで考える必要はないのです。

しかし、政党となると違います。特に、「未来の党」は脱原発の専門店ですから、経済や農業政策について素人であっても愛嬌ですが、ことこの分野については完全な回答を準備しておかねばなりません。

それでなくしては、国政に参画するなど10年早いのです。

「未来の党」は、「卒原発」で電気代が値上がりするので、交付国債で値上げを先送りする、という公約を打ち出しました。

交付国債の償還財源は最終的には送電費に上乗せされると書いていますから、いずれにせよ電気代が上がる事には変わりはありません。

飯田氏は経済がわかっていませんね。電気料金の値上げを国債で充当したとしても、問題を先送りしただけなんですよ。

それは本来は消費者が払うべきコストを、国が立て替えただけで、どこの会社もそれによっで売り上げが増えるわけでもなく、従業員の収入や雇用も増えるわけでもありません。

要するに、「卒原発」をした結果の電気料金値上げ分を、国(税金)が尻拭いをしているだけで、まったく無駄な国債の利用方法です。景気はピクリともせず、財政負担のみが増大します。

一種の福祉政策のような発想なのでしょうが、エネルギー問題を福祉問題と同じ発想法で混同されては困ります。

このような発想は、飯田氏のオリジナルというより、小沢氏が民主党に持ち込んだバラ撒き政策の帳尻を国債などの政府支出で充当しようという考え方に影響されたみたいです。

いわゆる「政府所得移転政策といって、ただ政府が国民にその財源(政府所得)の金庫を開けて金をバラ撒いているだけです。(※)飯田氏は「電気料金値上げ手当」とでも称するのでしょうか。あまり選挙民は喜ばないと思うけど(笑)。

このような方法をとる限り、もし「未来の党」が政権をとっても、小沢氏が言ったような「政権とれば金などいくらでも湧いて出る」などということがないのは証明済みな以上、民主党政権の子供手当てと同じ運命をたどるでしょう。

これでは「卒原発」は財源枯渇で、子供手当と一緒でただの1年で廃止です。原発ゼロまでにはどう少なめに見積もっても20年はかかるので、これでは政策になりません。

また、飯田氏は新規着工住宅に太陽光パネルを設置すれば、原発の代替となるというのが持論でしたが、このパネルの財源も国債を当て込んでいるのだと思います。

これは一見自民の建設国債と似た発想ですが、自民党案が国内雇用を創出するのに対して、太陽光パネルはサンテックパワーなどの中国製が優勢なために、国富は中国へと流出していくことになります。ドイツはまさにそうでした。
■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-ceb6.html

使用済み核燃料の最終処分問題についても、脱原発派はひたすら六ヶ所村の再処理工場を批判するだけでよかったわけですが、国政政党となった場合、現在約2万8千トン積み上がったプルトニウムをどのように処分していくのか回答せねばなりません。
■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-ebe9.html

また、飯田氏がいくらスウェーデンで学んできたからといって、かの国は消費税率25%(最大・軽減税率あり)ですよ。

スウェーデンを見習えと言って、消費税反対とはこれいかに。脱原発を押し進めていくなら、増税は不可避です。一種の環境税として徴収し、合わせて電気料金も値上がりしますから、国民生活は苦しくなる一方なのは当然です。

それをこのデフレ不況の真っ只中でやればいかなることになるのか、少し想像力を働かせてほしいものです。

もし増税に頼らないというなら、景気をよくして税収を上げるしかないのは当然ですが、すると自民党的な積極財政を取るしかないわけです。そのためには経済・財政・金融政策が必要です。

つまりは「未来の党」は、原発反対・消費税反対・TPP反対と「反対」ばかりをつなぎ合わせた無責任な党でしかなかったのです。

原発問題はいくつもの方程式のようなものです。

原発を止めようと思えば、財政問題について考えねばならず、「核のゴミ」を解決するにはプルトニウムの核不拡散問題という外交・安全保障の問題になり、代替エネルギーで化石燃料が増えてしまうことによるCO2増大や、貿易赤字の増加も考えていかねばなりません。

「命が大事か、経済が大事か」、というようなムード的な二分法ではなにも答えていないのと一緒です。繰り返しますが市民が言うのはかまいませんか、政党が言うのは愚かです。

私はこのような形で、日本て初めて本格的に誕生した脱原発政党が挫折したことを実に残念に思います。

東京新聞政治部長は選挙後に紙面で、官邸前のデモの盛り上がりや、6割の人が原発に反対していることを捉えて、「原発の存続をもくろむ自民党は民意を反映していない」と批判しています。

確かに自民党の大勝は小選挙区制度のマジックです。それを一番よく承知しているのは自民党です。だから自民党は、今回の選挙で「」をまったく頼りにせず、ドブ板選挙に徹しました。

ドブ板選挙の是非はともかく、この方法に徹する限り、基礎組織がない「未来の党」に勝機はありません。

ならば、自民党批判をしても仕方がないではありませんか。問われるべきは脱原発派の主体そのものなのです。

では「風」は脱原発に吹いたのでしょうか。東京新聞政治部長が言う6割の「脱原発」を支持する国民が、比例区で「未来の党」に投票すれば、このような結果にはならなかったはずです。

無党派の「風」をもっともよく反映するはずの比例区は、自民と維新で二分しました。「未来の党」は、60%の脱原発の「風」どころか、5.61%(北関東ブロック)にすぎませんでした。

政党たる基礎組織がない、綱領はやっつけ、そして「風」は吹かないの、ないない尽くしの「未来の党」が勝てるほど世の中は甘くありません。

これは、脱原発派政党たる「未来の党」が、原発ゼロへの「回答」を真面目に用意してこなかったことに対する国民の評価です。

国民は民主党の空手形にうんざりしているのです。にもかかわらず脱原発政党は、「風」頼みに終始しました。

つまりは脱原発派は、自民党に負けたのではなく自滅したのです。その反省をしないで、自民党批判をしてもなんの意味もないではありませんか。

私は本気で脱原発政党を作ろうと思うならば、他政党批判をするのではなく、真剣な脱原発シナリオを書き込んで、それを国民と共に議論していく地道な作業が必要だと思うのです。

少なくと、私が挙げた脱原発するにあたっての6つの問題程度に関しては、きっちりした、国民誰もが納得する回答を準備せねばなりません。

迂遠なようですが、脱原発政党が再起するにはそれしかありません。そしてあまり時間がない。その期限は来年7月末の参院選なのですから。

なお、本稿は、選挙前に大筋を書きましたが、選挙期間中には妨害になると申し訳ないので手控えました。言いたいことはまだ沢山ありますが、今日はこれにて。

バラ撒き政策・政府がデフレ不況期において、不足している需要を創らずに、国民への贈与である所得移転の支出を増やすこと。この政策では雇用も所得増加も生まれず、財政負担が増えるだけです。典型は、民主党の子供手当、高校無償化、高速道路無償化など。

■写真 早朝の北浦の前浜。もやっていますが、水鳥がにぎやかです。

■※ご指摘どおり飯田哲也氏は山口2区ではなく1区でした。訂正いたします。

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■交付国債で電気料値上がり抑制 未来、「卒原発」構想案
朝日新聞12月1日
 

日本未来の党(代表・嘉田由紀子滋賀県知事)が今後10年で「卒原発」を実現するための構想案が1日、判明した。電力システム改革を掲げ、脱原発に伴う供給体制移行期の電気料金値上がりを抑制するため、政府が3年間交付国債を発行することなどが柱だ。 

 構想案は、党代表代行に就任する飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長を中心に作成、「原発完全ゼロへの現実的なカリキュラム」とした。10年間で全原発廃炉を表明した嘉田氏の方針を具体的に示すのが狙いだ。2日に発表する総選挙政権公約とあわせ、公認候補者に同意を求める。 

 案では、3年間を「原発と電力システムの大混乱期」として改革集中期間と位置づける。原発を稼働させないことによる電気料金の値上がりを防ぐため、政府が電力会社に値上げ相当分を必要時に現金に交換できる交付国債として給付。3年をメドに発送電分離を進め、再生可能エネルギーの普及で収益が増える託送料(送電料)で回収するとしている。

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東通原発「活断層」断定は、六ヶ所村再処理施設ヘドミノするか

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こと次第では単にひとつの原発の再稼働だけにとどまらず、わが国の原子力政策の根本を揺るがしかねないことが露呈しつつあります。 

きっかけは青森県の東北電力・東通原発におけるF-3、F-9断層が活断層であるかの地層調査のことでした。 

これは調査団のほぼ一致した見解として、敦賀原発と並んで「活断層の可能性が高い」とし、原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理も14日に、「過去に繰り返し(断層活動が)起こっている」と述べています。 

この2断層について、調査団は東北電力の主張であった「膨潤(ぼうじゅん)」(※)説を完全に否定し、小規模な断層「s−14」「s−19」で、地層が膨らんだだけでなく、大きくずれている部分を確認しました。 

「膨潤だけでは、つじつまが合わない」(調査団・金田平太郎・千葉大准教授)ために、活断層だとほぼ断定されたようです。

したがって、この2断層が調査団によって、「10万年以降に動いた」とされた以上、原発の耐震設計審査指針で12万〜13万年前以降に活動したものを「考慮すべき活断層」と定義している以上、再稼働停止→廃炉の運命にあるのは明白です。 

さてこれでお終いになれば、敦賀原発に継ぐ2番目の再稼働停止原発となる「だけ」なのですが、問題はここからが重大になってきました。

ひとつはどうもこの東通原発の「活断層」とほぼ認定されたF−3断層は、北側に隣接する東電の敷地にも延伸しており、この断層についても東電は東北電力と同様に「膨潤である」と説明してきましたが、これが覆る可能性か高まりました。

次に、さらに大きな問題としては、この東通原発の沖には「大陸棚外縁層」と呼ばれる延長84キロにも及ぶ海底断層が存在し、この断層はなんと六ヶ所村の使用済み核燃料再処理施設の直下に伸びている可能性が高まったからです。

かつての六ヶ所村再処理工場)の安全審査では、当時の原子力安全委員会の作業部会で、委員の一人から「(耐震設計上考慮すべき)12万〜13万年前以降の活動性を否定できない」と指摘されています。

また、この断層から枝分かれした別の断層が「再処理工場の直下に延びている」と指摘する専門家もいました。

改めて、この六ヶ所村再処理施設の活断層問題がクロースアップされたわけて、もはや下北半島全体の徹底した地層調査は避けて通れないでしょう。 

その調査の結果次第では、先日建設再開したばかりの大間原発も含めて、下北半島すべての原発の再稼働停止→廃炉が現実の問題となり、それにとどまらず核燃料サイクルの要である六ヶ所村再処理施設自体の稼働すらもが不可能となる最悪事態も予想されます。

その場合、「核のゴミ」=使用済み核燃料の処分問題は完全なデッドロックに乗り上げることになります。

個別原発の再稼働問題もさることながら、この再処理の中心的施設である六ヶ所村がもしダメだったとすると、もはや日本の原子力政策は根底から考え直さねばならなくなります。

 

膨潤・膨潤とは、岩盤が砕けた弱い部分に地下水が浸入し、地層全体が膨れ上がって、変形を起こす現象のこと。

■写真 早朝の湖。対岸に霞んで筑波山がみえますか。

 

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                         図 河北新報より 

■青森県下北半島にある東北電力東通原発(青森県)で、複数の断層を調べていた原子力規制委員会の調査団が14日、「活断層の可能性が高い」との見解でほぼ一致した。一部の断層は隣接する東京電力東通原発(2基)の敷地にまで延びており、影響が拡大しそうだ。さらに半島沖には、海底断層「大陸棚外縁断層」(延長84キロ)がある。日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)など、核燃料サイクル施設全体の稼働に影響が及ぶ可能性もある。 

 「過去に繰り返し(断層活動が)起こっている」。原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は14日、こう語り、東北電力東通原発の敷地を縦断する比較的規模の大きな「F−3」「F−9」の2断層について、10万年前以降に動いた活断層の可能性が高いとの認識を示した。今後も動く可能性があるという。 

 東北電は、1号機の設置許可を国に提出した96年以降、聞き慣れない「膨潤(ぼうじゅん)」という用語を使い、活断層の存在を否定し続けてきた。膨潤とは、岩盤が砕けた弱い部分に地下水が浸入し、地層全体が膨れ上がって、変形を起こす現象を意味する。 

 しかし、調査団が13、14の両日に地層を見た結果、小規模な断層「s−14」「s−19」で、地層が膨らんだだけでなく、大きくずれている部分を確認した。「膨潤だけでは、つじつまが合わない」と金田平太郎・千葉大准教授は指摘した。 

 島崎氏は「F−3」「F−9」は小規模断層付近にあり、これらの動きによって小規模断層がずれた、と考えるのが合理的に説明がつくと判断。調査団は動いた時期について、周辺の地層分析の結果、「10万年前以降」と推定した。原発の耐震設計審査指針では「12万〜13万年前以降」に活動したものを考慮すべき活断層と定義しており、2断層は合致する。島崎氏は20日の評価会合で、メンバーの見解を最終調整する予定だ。 

 一方、F−3は北側に隣接する東電の敷地にも延伸する。東電も東北電と足並みをそろえ、「膨潤」との論理を使ってきた。「(両社敷地内の断層の性質は)基本的に同じとの疑いだ」。東電の原発への影響を聞かれた島崎氏は述べた。原発の設置許可申請書の前提だった論理が覆り、東北電だけでなく、東電にも「活断層ドミノ」が拡大する可能性がある。 

 ◇下北半島の断層、再評価も 

原子力施設が集中立地する下北半島には、他にも専門家が活動性を指摘する断層がある。事業者はいずれも活動性を否定し、施設の耐震設計で考慮していない。しかし、規制委の調査団が東北電力の評価を事実上否定し、これらの断層も評価が見直される可能性が高まっている。 

 最も長いのは、下北半島沖を南北に走る海底断層「大陸棚外縁断層」(延長84キロ)だ。マグニチュード(M)8級の巨大地震を引き起こすとされる。使用済み核燃料再処理工場(同県六ケ所村)の安全審査では、国の原子力安全委員会(当時)の作業部会で、委員の一人が「(耐震設計上考慮すべき)12万〜13万年前以降の活動性を否定できない」と指摘。この断層から枝分かれした別の断層が「再処理工場の直下に延びている」と指摘する専門家もいる。再処理工場を所有する日本原燃、東北電力などは今年11月、共同でこの断層の再調査に着手した。 

 東日本大震災の影響で中断していた建設工事を今年10月に再開したJパワー(電源開発)の大間原発(同県大間町)でも、周辺海域の海底に延長数十キロの活断層があるという指摘が、08年の安全委の部会で出た。当時の委員の一人は安全審査のやり直しを求めた。 

 こうした背景もあり、調査団の佐藤比呂志・東京大教授は「下北半島の地殻構造の調査はもっとやるべきだ」と訴えた。 

■大陸棚外縁断層:六ケ所・東通東方沖の海底断層、原燃と東北電が共同で調査−−年度内着手 /青森 

毎日新聞 2012年10月30日 地方版 

 使用済み核燃料再処理工場(六ケ所村)や東通原発(東通村)の東方沖にある海底断層「大陸棚外縁断層」について、日本原燃と東北電力の両社が共同で海上音波探査を実施することになった。原燃の川井吉彦社長が29日の定例記者会見で明らかにした。来月中にも詳細な計画をまとめ、年度内に着手する見通しだ。 

 原燃は07年11月にも同断層の南側部分にあたる南北36キロ、沖合約18キロの海域で探査を実施。断層自体は「考慮すべき活断層でない」とした一方、より南側の三沢市沖にある「F−d断層」(長さ6キロ)を新たに活断層と認定した。今回の調査で新たに活断層が判明すれば、再処理工場の操業開始や東通原発の再稼働に影響が及ぶ可能性もある。 

 大陸棚外縁断層は、下北半島東方沖から津軽海峡にかけ南北約100キロにわたる海底断層。活動すればマグニチュード(M)8クラスの大地震を引き起こすとされる。原燃や東北電は、再処理工場などの耐震安全性評価で「(評価対象となる)12万〜13万年前以降に動いた形跡はない」と活動性を否定。審査に当たった経済産業省原子力安全・保安院(当時)や原子力安全委員会(同)も追認した。 

 しかし、原子力安全委の作業部会では、委員の池田安隆・東京大准教授が「それ以降における活動を否定することはできない」と述べ、活断層として考慮すべきだと指摘していた。一方、東洋大の渡辺満久教授らの研究グループは、再処理工場直下に活断層があり、大陸棚外縁断層とつながっていると主張している。 

■下北半島沖の断層調査 日本原燃と東北電力 
2012.10.29 13:34   

 日本原燃の川井吉彦社長は29日、青森市内での記者会見で、青森県の下北半島の太平洋沖にある「大陸棚外縁断層」の地質構造などを調べる音波探査を、東北電力と共同で年度内に実施することを明らかにした。 

 下北半島の太平洋側に位置する六ケ所村には日本原燃の使用済み核燃料再処理工場が、東通村には東北電の東通原発がある。 

 日本原燃は複数回、音波探査を行い、2010年12月には原子力安全委員会から、再処理工場施設の耐震設計に影響を与える活断層ではないとの評価を得ている。 

 ただ、評価の中で「地下深部の地質構造などについて新たな知見の継続的な収集に努めること」とされたため、音波探査の自主的な実施を決めた。従来より調べる範囲と深さを拡大し、精度を上げるという。

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衆院選挙結果 

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ご承知のとおりの結果です。

自民党が294、公明30で計324議席。民主党はわずか57で、解党の瀬戸際に追い込まれました。「維新」は54です。社民はわずか2議席にとどまりました。

小沢王国は、小沢氏自身は辛勝したものの、他の選挙区では惨敗し王国は消滅の危機を迎えました。

「小沢ガールズ」は当然のこととしてひとり残らず落選しました。これで小沢氏は自由党時代からの政治勢力の過半を失いました。

「未来」自体もわずか9議席で、飯田哲也氏も落選し、早くも赤信号が灯りました。

私が口蹄疫以来の「ファン」だった山田正彦氏は残念なことに落選しました。あの無能な赤松氏が比例復活したのに無情なことです。他の口蹄疫関係者としては、篠原氏、東国原氏、江藤氏が当選しました。

「維新」は野党第2党となりましたが、橋下氏グループと石原氏グループは「中央官僚打倒」だけで接着されているにすぎず、体質的にも水と油なために早くも軋轢が見えています。

これら急造の新党は分解過程に入るのは避けられませんが、一方、「みんな」は堅調な伸びを見せ、新自由主義政党として政界の一角に陣取ることになりました。

民主党は閣僚や官房長官、幹事長経験者が次々に落選しました。「あの」首相経験者はかろうじて比例で首がつながったようです。

民主党は、目安と見られた100議席の半数にとどまったために、野田首相の反撃は失敗に終わりました。野田氏は代表辞任を表明しました。

この民主党の解党的敗北により、1996年以来の2大政党制は事実上崩壊しました。

新たな与党となった自公は、衆院で最低限必要な議席は過半数の241、絶対安定多数269を越え、3分の2の324議席を確保しました。

これで、衆院の3分の2の賛成で再可決し、成立させることが可能になりした。

2009年総選挙で、民主党は戦後最多の308議席を獲得しましたが、連立を組んだ社民党、国民新党を足して320にはおよびませんでした。

衆院選で自公両党が合計で323議席を超えたので、数字上は両党がすべての法案を成立させることができます。

これで、私の見方では、TPPは阻止され、消費税増税はプラス成長にならない限り不可能となりました。

ちなみに、わが茨城2区は額賀氏が民主党の現職をトリプルで差をつけて勝利しました。他の選挙区もひとつを除いてすべて民主党が敗北しました。

現職氏の前回選挙のスローガン、「一回変えてみっぺよ」は、ほんとうにだだの一回で終わってしまったようです。残念でしたね。

今日、私は眠いので仕事になるかわかりません(苦笑)。

 
           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

<衆院選>自公で320議席超 民主は壊滅的敗北

毎日新聞 12月17日

第46回衆院選は16日、投開票され、自民党が単独で衆院(定数480)の過半数(241議席)を大きく上回り、政権奪還を果たした。連立を組む方針の公明党と合わせて、参院で否決された法案を再可決できる3分の2(320議席)を超えた。

民主党は60議席に届かない壊滅的敗北を喫し、3年3カ月で政権の座を譲った。野田佳彦首相は同日夜の記者会見で民主党代表の辞任を表明。第三極勢力では、日本維新の会が第3党になり、日本未来の党は惨敗した。首相指名選挙を行う特別国会は26日にも召集され、自民党の安倍晋三総裁を首相に選出し、自公連立政権が発足する。

安倍氏は06年9月に首相に就任したが、体調不良などで1年で辞任。首相に再登板するのは戦後では吉田茂元首相以来となる。

 自民党は選挙戦で、金融緩和や財政出動によるデフレ脱却など経済対策をアピール。前回衆院選では政権交代の逆風が吹く中、都市部に加え地盤の地方でも多くの議席を失ったが、青森、秋田、群馬、新潟、滋賀、徳島、長崎、大分など19県で議席を独占した。公明党は前回、小選挙区で立候補した8人全員が落選したが、今回は9人全員が当選した。

 自民党はすべての常任委員長ポストを独占したうえで委員の過半数を確保できる絶対安定多数(269議席)を超えた。参院では自公両党が過半数を割る「ねじれ」状態が続くが、衆院での再可決が可能になり、国会運営を優位に進められることになった。

 民主党は高校無償化などの実績を訴え、比較第1党の維持による政権継続を目指したが、公示前勢力の約4分の1に減らした。米軍普天間飛行場移設問題の混乱やマニフェスト不信、消費増税をめぐる党分裂などに国民の批判が集中。北海道、中国、九州ブロックの小選挙区で全滅、小選挙区の空白は29道府県に上った。比例代表では維新を下回り、第3党に転落した。

 菅直人前首相は小選挙区で敗北したが、比例で復活当選。仙谷由人、平野博文の両元官房長官は落選した。現職閣僚では、藤村修官房長官、城島光力財務相、田中真紀子文部科学相、樽床伸二総務相、三井辨雄厚生労働相、小平忠正国家公安委員長、中塚一宏金融担当相、下地幹郎郵政担当相(国民新党)の8人が落選し、初めて現職の官房長官が議席を失った。

現職閣僚の落選は現憲法下で最も多かった1976年と83年の3人を上回った。前回衆院選では麻生政権の閣僚6人が小選挙区で敗れたが、全員が比例で復活当選した。

 首相は記者会見で「厳しい敗北に至った最大の責任は党代表の私にある。結果を重く受け止め、民主党代表を辞任する」と表明した。民主党は両院議員総会で国会議員の投票による代表選を特別国会開会前に行う。

 第三極では、維新が大阪の小選挙区と比例代表で健闘。みんなの党は公示前の8議席から18議席に増やし、卒原発を訴えた日本未来の党は62議席から1ケタに減らした。

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衆院選の争点ガイド 貴重な一票を死票にしないために

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これが選挙まで最後の更新となります。この選挙は、私が選挙権を持ってからもっとも大事な選挙になると思います。 

実はお恥ずかしい話ですが、今まで私はあまりにも自民党政権が磐石だったこともあり、「てやんでぇ」的な票の入れ方をしてきたことも多々あります(汗)。いわゆる「批判票」です。 

結果があの「政権交代」以後の、あまりにも惨めな、あまりにも無残な、あまりにも拙劣な期間となりました。私は、これほどまでに政治に騙されたと思ったことはついぞ記憶にありません。 

民草の一票はたしにかに「軽い」羽毛のようなものですが、それが何万と積み重なった時、いわば「合成の誤謬」のようになるようです。それを思い知ったこの3年3カ月でした。

そこで一声。 もう「気分」で票は入れねぇぞ! 

はい、ご苦労さま、というわけで、今回の選挙の論点を私なりに整理してみましょう。 

■1)[消費税増税
私はこの時期における増税に反対してきました。その観点から見ていきます。
 

消費税増税法案を、現時点でひっくり返すためは廃止法案提出のために反対派だけで過半数の議席を獲得する必要があります。 

「維新」が増税派な以上、社民と共産プラス反対の第3極となりますが、たぶん合わせて50議席も難しいでしょう。従って現時点での「反対」は技術的に不可能です。 

そこで、次善の政策となります。私の「反対」は、今のような極度のデフレ、円安、ついでに電力不足という3重苦の時期に増税するのは正気の沙汰ではないという「時期」の問題です。 

それを可能とするだけの力が国民経済にみなぎり、国民がそれを受け入れるだけの条件が整えば、たしかに財政の不均衡は是正されるべきです。ただ、超デフレの今ではない、ということです。 

それはデフレという我が国を苦しめ続けてきた貧乏神からの脱却が必要です。現在の我が国の成長率をご存じですか? 

なんと近時速報値・年率換算マイナス3.5%という、箸にも棒にもかからない世界で指折りの冷えきったデフレ不況状況です。 

これがプラス成長にならない限り、増税などしたら我が国は奈落に転落していきます。国民にとって、賃金の低下、失業率の増大となるのは必至です。 

しかし、ご安心。消費税増税法案には付則18条というものがついています。これが民主党案に対する、自民党が出した修正条項です。 

そこには、「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」という文言があります。(資料1参照) 

不思議な話ですが、ほぼすべてのマスコミはこの付則18条を無視して、消費税法案が通過した瞬間、2014年度から8%増税と決したかのような報道をしています。それは間違いです。 

2014年に消費税を8%に上げるためには、少なくとも2013年10月頃の時点で、プラス成長になっていなければなりません。指標としてはプラス3%といわれています。 

そのためには、4月~6月の経済成長の数字が出る、来年8月がひとつの節目となります。この時点で今のようにマイナス3%などという惨憺たる数字なら、付則18条に則り、粛々と消費税増税は「なし」ということになります。 

ですから、ただ増税反対と言っているのは無責任。その反対に何がなんでも増税ありきもおかしいのです。正しい答えはたぶんその中間にあります。 

そしてそのための有効な景気対策が取れることが必須です。 

■2)[原発問題
脱原発については、「被曝地」の人間として、3.11から長く放射能と戦い続けて来た気がします。私の農場の打撃も巨大でした。それはリアルな現実との戦いでした。

ですから、私は抽象的に「脱原発」を考えることが出来ません。 スローガン政治ではなく、ほんとうに原発を畳むにはどうしたらいいのかと考えます。

世界の中でも、原発に対しての考え方は、ドイツの情熱と失敗、フランスの重厚な原子力・規制システム、フィンランドの覚悟と知恵など世界には様々な事例があります。 

ドイツの例を見ると、その情熱は素晴らしいのですが、拙速にすぎる急激な脱原発はあまりに社会的、経済的被害が大きかったと思っています。
■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-0a6c.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-e850.html

かといって、フランスのように50%を超える原子力依存率は論外です。フィンランドとは国家の規模が違います。 

しかし、それを踏まえてあえてひとつと言えば、フィンランドがもっとも我が国の原子力政策の手本になる気がします。 

私は、フィンランドのように、「核のごみ」(使用済み燃料)の最終処理を暫定的にでも決定した後に、そのキャパシティに合わせて行くべきだと思います。
■関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-1f72.html 

その時に何を廃炉にし、廃炉にしないかの基準と手法は、フランス原子力安全院(ANC)に学ぶべきです。
■関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-5.html 

我が国では、原子力技術と規模の大きさに対して、その安全管理というカウンターパートがあまりにもおろそかでした。

そんな我が国で今やらねばならないことは、気合で脱原発を唱えることではなく、むしろ原子力規制委員会の独立性の確立と権限付与、安全基準の確立などを真剣に議論することではないでしょうか。それが出来て、初めて脱原発の道が見えるのです。 

ただ票目当てに30年代、10年、即時などというのは無意味です。そんなことが決まるのはもっと後です。 

今、即脱原発を主張する政党が政権を獲った場合、それはそう遠くない時間で破綻するのは目に見えています。

その前例は原発推進から、一挙に正反対になった民主党政権が既に実証済です。もう一回やることではありません。
■関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-ebe9.html 

この論議すらないままに、恐怖と情熱で突っ走ることには反対です。今、必要なことは議論が深化できるに足る時間です。 

それを「原発推進」という人もいますが、冷静な議論までそう言うのなら何をか況んやです。

■3)[TPP問題]
これも消費税や原発問題などと似た所があるのですが、もちろん私は反対です。

その前提に立って言いますが、現実に始まって1年ちかくたつ米国とのTPP参加交渉をチャブ台返しするわけにはいきません。 

なぜならそれは、外務省が取り仕切っている政府間「外交交渉」だからです。いくら政権が替わったからといって、いち抜けたはできないのです。

それをやったら革命政権だと言われます。TPPを「第2の普天間」にしたらとんでもないことになります。 

そうである以上、米国と続けられているTPP交渉には継続「参加」せざるを得ません。しかし、それには条件があります。 

それは我が国の「国益を守る」ということです。国益とは、一部の企業が儲かるということではなく、国民の利害ということです。 

これがいかなることなるか明確にしないで、漠然と「国益」と言っている政党が多すぎます。 「国益」を明示しなければだめです。

「国益」の中で、我が国の立場をひとことで言えば、「聖域なき関税撤廃はありえない」、「我が国の皆保険制度には手を触れさせない」、という2点になるでしょう。 

もちろん政府調達や、外国人労働者などの問題は残りますが、農業関税と医療保険制度が天王山であることは間違いありません。 

またISD条項は、この米国の要求を通すための彼らの武器なので、天王山に付随する条件です。(資料2参照)

もし、わが国政府が、「聖域なき関税反対」と 、「皆保険防衛」を交渉相手国に呑ませたら、その瞬間TPPの毒素は8割消えます。

このような項目がないTPPはあり得ないからです。逆説的に言えば、これらの国益が防衛されるならば、TPPの「参加はありえる」ことになります。 

もちろん、そのようなことは既締結国間が認めるはずもありませんから、我が国がここを防衛の天王山とする以上、事実上「TPP参加はしない」と同義語です。

このようないきさつ抜きに、参加賛成、反対と○×で問うマスコミは勉強不足もきわまれりです。

 ■4)公共事業
今まで日本人はマスコミによって、公共事業は「悪」だと教えられてきました。他ならぬ私もそうです。
 

この認識が変化したのはこれも3.11でした。我が村の小学校2校が破壊され、国道の橋は崩落しました。 

笹子トンネル崩落事故はその予兆でしかありません。30年から40年と言われる公共インフラの耐久年数の限界に、今差しかかっています。 

1970年代に多く作られた高速道路、港湾、公共施設,橋などは、一斉に危険な時期を迎えています。 

そしてそれだけではなく、東日本大震災の後に予想される東南海地震に備えなくてはなりません。

これに対して政府は大胆な政府投資を行うべきです。「コンクリートから人へ」ではなく、「人を守るコンクリート」が必要なのです。
■関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6.html 

あと外交問題や安全保障などもありますが、民主党政権の実績たるや、点数すらつけられないわけですし、「地方分権」や「脱原発」のワンイッシュの第3極の党の意見を聞くのはヤボというものでしょう。

よい一票を投じましょう。泣いても笑っても、このときしか私たちには意志表示の場がないのですから。

 

■写真霞ヶ浦の朝。静寂の中、水鳥が飛び立っていきます。

■明日あさっては定休日です。月曜日にお会いしましょう。といっても選挙速報を深夜まで見ているので、更新できるかな(笑)。

             ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 

■資料1 消費税付則18条
「この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」
 

■資料2 自民党TPP交渉原則 

(1)政府が「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対する。
(2)自由貿易の理念に反する自動車などの工業製品の数値目標は受け入れない。
(3)国民皆保険制度を守る。
(4)食の安全安心の基準を守る。
(5)国の主権を損なうような投資家・国家訴訟(ISD)条項は合意しない。
(6)政府調達・金融サービスなどは、わが国の特性を踏まえる。

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拝啓 野田佳彦首相閣下

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拝啓 野田佳彦首相閣下。

私はかつてあなたをある種の感動をもって評したことがあります。 

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-fa0c-1.html 

消費税での三党合意の取り付け、なかなか解散を言わない粘り腰、かつての自民党吉田学校の現代版をみる思いでした。 

そして海上自衛隊観艦式で、あなたは旧海軍兵学校の「五省」を読み上げます。

一、至誠に悖(もと)る勿(な)かりしか 

一、言行に恥づる勿かりしか 

一、気力に缺(か)くる勿かりしか 

一、努力に憾(うら)み勿かりしか 

一、不精に亘(わた)る勿かりしか 

私は、このような腹なくして首相という孤独な職業はないのだ、とあなたという人物を改めて見直したものです。

「そのうち」が長引けば長引きほど悪人づらになるあなたの心中を探るとなんとも言えない気分になったことを思い出します。 

そして、いったん決意すれば、電光石火幹事長の制止も振り切って解散を決意されました。見事です。私は男として綺麗な所作だとすら思いました。 

そのとき、官邸であなたが語られた言葉は、「死中に活を求める」でした。これは99%助からないが、1%の生は死を決意した中にこそある、という意だと私は解釈しました。

なかなか言える言葉ではありません。ほとんど全滅が予想されている戦いに臨む闘将の決意と、計算され尽くして「今」しかないと見極めた勝負師の勘が織りなした見事な一言でした。 

この精神は、理念もなく政治的延命のためにはどのような野合もする小沢一郎氏、あるいは脛かじりのドリーマー、あるいは小児性精神錯乱の前職などとは違う対局の高みにあります。 

失礼ながら、その時あなたを人物払底の民主党に置くのはもったいない気さえしたものです。 

しかし残念ながら、あなたへの共感はここまででした。 

いったん選挙という名の「大戦さ」が始まるやいなや、あなたは「吹っ切れ」ます。その断固たる活舌のいい口調こそ同じですが、卑しくなったのです。 

「悪いのはみんな自民党」、「自民党が悪かったから我々は失敗した」・・・、いわばこのような言辞が毎日のようにあなたの口から吐き出されるようになります。 

最近では、敦賀原発の活断層が確定し、廃炉に追い込まれそうになると、あなたは「70年代からわかっていた。建設許可を出した自民党が悪い」と街頭演説します。 

しかし、わずか数カ月前の夏に活断層がほぼ確実にあることがわかっていたはずの大飯原発を、徹底した調査もなく再稼働を認めた時にあなたはなんと言ったのですか。

「国民生活を守るため、再稼働すべきだというのが私の判断だ。」 

そのとおりです。盛夏突入を前にして、為政者として首相としてのあなたは憎まれ役をあえて買って出たのです。

それは党内外に烈風のように吹く「脱原発」の人々と、まっこうから為政者としての自分を対置することでした。 

私はその判断自体には真っ向から反対ですが、「国民生活を守る」のが使命である為政者としては至極まっとうな気がして、怒りが湧かなかったものです。 

ならば野田首相、その「為政者としての悪」を貫きなさい。選挙が始まるやいなや3.11以前の自民党の原子力政策をあげつらってどうなるのです。 

3.11以前に原発の危険性は民主党ですら認識していませんでした。だから、政権を奪取し、権力を手中に収めた後は、原発について菅首相は就任直後の2010年6月に「エネルギー基本計画」を策定しています。 

その内容は2030年までに新たに14基を新増設し、総発電量の50%を原発で発電するというものでした。 

今、あなたが批判する自民党ですら最大で原発依存率が30%でしたから、民主党政府は一気に2割も引き上げようとしたのです。

そして、原発の海外への輸出も、菅政権の成長戦略の一つでした。ベトナムに首脳外交で輸出をとりつけたことを発表する菅首相の得意顔が思い出されます。 

つまり、民主党は自民党の上を行く原発推進派だったのです。いまさらそれを隠すも隠さないもないはずです。

民主党、自民党に限らず、9割の日本人は原子力に対して2011年3月11日以前にはその程度の危機意識しかなかったというだけです。

それを1970年代まで遡って、どのように自己正当化できるというのですか。3月11日以前のことを都合よく忘れて、立場を乗り移れるのは、あなたの前職だけで沢山です。

さて私は、あなたがこの選挙戦において、まず国民に自らの力及ばぬことを詫びることから始めるだろうと思っていました。

「失敗も数々ありました。政権をとったことによる奢りもありました。ゆるみも出ました」、と国民に語りかけると思っていました。

その上に立って、「力尽くさずして終わらない」ことを訴えて、「今一度の機会を与えて下さい」と語ると思っていました。

しかし、あなたの口から出るのは、「悪いのはみんな自民党」という、責任転嫁の言葉と、今や虚しくしか聞こえない「決断」という空文句ばかりです。

そんな政治家用語はもういい。もっと生々しい、「死中に活を求める」とまで言ってのけたあなたの政治家としての、いや為政者としての「覚悟」を聞きたいのです。

あなたの必死の言葉を聞きたい。それなくして責任転嫁をしてどうします。

あなたが吐いた党首討論の折りの、「政権を取る覚悟がない自民党には政権を絶対に渡さない」という決意はどこに行ったのですか。

戦が始まって、どの世界に「わが軍が負けたのは敵軍のせいだ」などと言う愚かな将がいますか。

「政権を取る」ということは、前政権の「悪」をも背負いこむことです。原発の「悪」も、財政のひずみも、景気の悪さも、年々悪くなる国民生活も皆、背負い込むという決意をして、あなた方は政権を獲ったはずです。そんなことは百も承知のはずだったのではありませんか。

だから、3年3カ月前、私たちは民主党に政権を委ねました。いまさら、「自民党が悪かったからだ」などという「覚悟」のない泣き言は聞きたくありません。

首相閣下。国民の審判まであと数日です。あなたの「言行に恥づる勿かりしか」という「五省の覚悟」がいかなるものか、私たち国民は見ています。

これを書いていましたところ、我が国沖縄県上空を超えて北朝鮮のミサイルが撃たれて、衛星軌道に乗ったことが確認されました。

これで民主党政権以降の我が国は、ロシア、中国、韓国、そして今回の北朝鮮とまんべんなく近隣国から足蹴にされたことになります。

このような外交的敗北を建て直す時間は、あなたには与えられないかもしれません。

しかし、今月26日といわれる国会まで゛あなたはまがうことなく我が国の最高指導者なのです。その自覚と覚悟をもって残りわずかの選挙戦に望まれることを期待致します。

寒さ厳しき折り、ご健闘をお祈りしております。 お体ご自愛ください。
                                                 敬具

野田佳彦首相閣下

 

                                             ブログ主拝

 

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規制委・敦賀原発2号機直下で活断層とほぼ断定     日本初の廃炉処分に!大飯原発再稼働を強行した民主党政府は選挙で審判を受けよ!

Photo                        (図 東京新聞12月11日より)

おそらくはかなり高い確率で活断層が存在する東通、浜岡、志賀、美浜、大飯、もんじゅ、敦賀の各原発、そして六ヶ所の核燃料サイクル基地の一角で、遂に活断層だとほぼ断定が出ました。 

この断層は敦賀原発直下の東側250メートルを走る「浦底断層」と呼ばれています。長さ35キロにおよび、その後の研究で実に100キロにも及ぶ長いものです。 

衛星写真で見ると、写真先端から斜め右下にかけて、敦賀半島先端部に浦底断層の活動によってできた溝のような湾が見えます。これが「浦底断層」(活断層)です。

Photo_2                      Google Earthによる

この地形は、今回調査した専門家をして、「活断層だと学生でも分かる。なんでこんな場所に原発を建てたのか」と言わせる地形でした。 

原電(日本原電)がこれを活断層だと認めたのは、2008年3月のことで、そのときは稼働から38年が経過して老朽化が始まった時期でした。 

それまで原電は、地形の不自然さは渋々認めながらも活断層ではないと主張し続け、旧電子力安全・保安院はそれを追認して稼働を容認してきました。おそらくは、旧保安院は満足な地層調査ひとつしていないのではないと思われます。 

というのは、ここに活断層があるというのは学会の常識だったからです。 

今回の調査団のメンバーてもある鈴木康弘・名古屋大教授は、「浦底断層が活断層であることは1980年代以前から可能性が指摘され、1991年には確実視されていた」と述べています。 

地層変動の専門家には、敦賀原発の直下に活断層があるのはむしろ常識的なことで、今回の立ち入り調査でそれが改めて証明されたことになります。 

今回の地層調査で、いままで知られていなかった別の活断層が発見されました。それは2号機北東約300メートルの試掘溝(トレンチ)で発見された「怪しい地層のズレ」です。

これは原電側が、「いやなものを掘りあててしまった」と顔をしかめたそうで、それもそのはずこの「怪しいズレ」は「10数万年前以降に地層が変形し、形は横ズレ、浦底断層に伴って活動」(規制委島崎邦彦委員長代理)した活断層だったからです。 

この活断層は浦底断層と連動して動き、敦賀原発2号機の直下を通過しています。これがこの原発の死刑宣告となりました。 

2010年に作られた国の耐震審査基準を待つまでもなく、原子炉直下の活断層は廃炉以外の選択肢はありません。 

規制委の田中委員長も、「今のままでは再稼働の安全審査はできない」、つまり稼働は許さないと述べており、廃炉は確実視されています。 

ただし、問題は残っています。規制委には稼働を停止させ、廃炉とする法的権限がないのです。 

原発の耐震審査指針の文言は、「活断層の直上に耐震上重要な建物を建設することは想定していない」とあり、規制委の事務方である規制庁によれば、「完成後の原発で活断層が見つかることは想定しておらず、既定はない」(東京新聞12月11日)としています。 

つまり、指針の解釈次第では活断層の直上に原子炉があろうとなかろうと、いったん完成してまえば「既定はない」とも取れることになります。

すると、このようなあいまいな既定が改善される新たな原子炉等規制法ができる来年7月まで、再稼働をさせない法的根拠がなくなることになります。 

再稼働自体を規制委が受理しない以上、常識的には不可能でしょうが、原子炉の上物が一定の性能を満たしていれば、定期点検明けということで稼働は可能です。 

つまり、規制委には法的な権限が現時点ではなく、電力会社の良識に委ねるということになります。

私がかねがね指摘し続けているように、規制委員会を作った以上、その根拠法にこれらの権限は盛り込んでおかねばなりません

それをしないから、規制庁ごとき事務方に、「完成した原発には活断層は想定していないので、直下にあろうと停止させる既定はない」などとふざけたことを言わせるはめになるのです。

原子力規制委員会がフランス原子力安全委員会のようになりたければ、政治に左右されない独立性と、それを裏付ける強い法的権限を手にする必要があります。

その意味で、今回の規制委の結論は大きな一歩前進であると同時に、その限界も浮き彫りにしました。

規制委は政治も経済も超越して、原子力の安全性のみを判断基準とせねばなりません。それが大原則です。これが守られないならば、規制委などはいらないのです。

そして、民主党政府は、大飯原発は調査団が疑わしいという点においては一致したにもかかわらず、その調査も待たずに、関西財界の圧力で再稼働を強行しました。

まさに、大飯原発はしてはならない政治的再稼働でした。これに対する審判を野田首相はこの選挙で受けねばなりません。

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■敦賀原発、廃炉の公算大 規制委「活断層の可能性高い」 
朝日新聞12月10日 

日本原子力発電敦賀原発(福井県)2号機の再稼働が認められず、廃炉を迫られる公算が大きくなった。原発敷地内の断層を調査した原子力規制委員会が10日、外部の専門家4人を交えた評価会合で、原子炉建屋直下の断層を活断層の可能性が高いと判断したためだ。国のルールは活断層の真上に原子炉建屋を建てることを認めていない。 廃炉になれば、東日本大震災以降では、事故を起こした東京電力福島第一原発1~4号機以外で初めての例になる。

 敦賀原発には、1、2号機の原子炉建屋直下を含め、敷地内に約160の断層がある。さらに、活断層の「浦底断層」が原子炉建屋の約200メートル東を通っている。このため、浦底断層が動くとき、原子炉建屋直下の断層が連動するかどうかが焦点になっていた。

 島崎邦彦・原子力規制委員長代理は会合後、2号機の直下を通る断層について「活断層といって差し支えない。浦底断層の動きによって一緒に動いた、そういう活動だろう」と述べ、活断層の可能性が高いとの見方を示した。専門家の意見を受け、規制委の田中俊一委員長は「今のままでは再稼働の(前提となる)安全審査はとてもできない」と述べ、再稼働を認めない考えを示した。12日の規制委定例会で会合の結果が報告される。

 今月1、2日にあった現地調査では、2号機直下を通る断層「D―1」と浦底断層の合流地点付近を重点調査。D―1の近くに新たな断層が確認され、断層ができた原因は浦底断層の活動とほぼ同じ力が加わったためとの見方で専門家らが一致。力のかかり方は現在も変わらないとみられ、評価会合では、この断層は将来も動く可能性が否定できないと結論づけた。
 

■敦賀原発、危険な場所で長年稼働 

[東京 10日 ロイター] 日本原子力発電の敦賀原発をめぐり、原子力規制委員会が2号機建屋の直下にある断層は「活断層の可能性が高い」との判断を示したことは、危険な場所で原発が長年にわたり稼働してきた実態を裏付けることとなった。  国は活断層の真上に原子炉など重要施設を置くことを「想定していない」との文言で禁止している。東京電力<9501.T>が福島第1原発事故で強調した「想定外」という誤りを、日本原電が安全の根幹部分で抱えていたことが濃厚になった。  

話は原電だけにとどまらず、債務保証している電力会社は債務の肩代わりを余儀なくされる。電力大手幹部は「考えたくないシナリオだが、発電再開の見通しが立たなくなれば、原電の存廃を話し合わざるを得なくなるだろう」と述べ、規制委の判断を注視している。 

■敦賀原発 規制委判断で廃炉の可能性も  
NHK12月11日 5時0分 

福井県の敦賀原子力発電所の断層について、国の原子力規制委員会は、10日、専門家と評価する会議を開き、2号機の真下を走る断層が活断層の可能性があるという判断を示しました。
規制委員会の田中俊一委員長は、「今のままでは再稼働の安全審査はできない」と述べ、今後の規制委員会で、判断が示されれば、2号機は運転再開できず、廃炉になる可能性が出てきました。
 

原子力規制委員会の島崎邦彦委員と専門家4人は、敦賀原発での現地調査を受けて、10日、断層を評価する会議を開きました。
会議では、国内で唯一、原発の敷地にある「浦底断層」と呼ばれる活断層や、そこから枝分かれするように延びて2号機の真下を走る「D-1」という断層を中心に、評価しました。
その結果、専門家から、浦底断層は活動的で、D-1断層についても「活動性が確認されたズレが周辺にあり、このズレがD-1断層とつながっている可能性がある」という指摘が出ました。

これを受けて島崎委員は、「2号機の真下を走るD-1断層の延長にズレがあり、そのズレが活断層として活動し浦底断層と同時に動いたと考えられる」と述べ、活断層の可能性があるという判断を示しました。
規制委員会の田中俊一委員長は「今のままでは再稼働の安全審査はできない。規制委員会で意見を聞いて判断したい」と述べていて、早ければ12日の規制委員会で、判断が示される可能性があります。
国の指針では、活断層の上に原子炉の設置を認めておらず、規制委員会が判断をすれば、2号機は運転再開できず今後廃炉になる可能性があるため規制委員会の議論が注目されます。
 

 ■<危険性の指摘、80年代以前から>
ロイターニュース

 活断層の真上に原子炉などの重要施設の設置を禁じているのは、地割れにより原子炉建屋が傾いたり、安全確保のために重要な配管などが破損して機能しなくなる恐れがあるため。ところが、1970年に運転開始した敦賀原発は日本で唯一、敷地内に活断層(浦底断層)の存在が確認されている原発だ。 

 同社が浦底断層を活断層だと認めたのは2008年3月だが、鈴木康弘・名古屋大教授は、「浦底断層が活断層であることは1980年代以前から可能性が指摘され、1991年には確実視されていた」と批判。同教授は、今回、原子炉直下の破砕帯が活断層である可能性が高いと指摘した調査団のメンバーだ。

 <活断層が原発敷地にある異常ぶり>  

 浦底断層は敦賀原発2号機原子炉建屋から250メートル程度しか離れていない。活断層の恐ろしさは、大都市・神戸に甚大な被害をもたらした阪神大震災(兵庫県南部地震、1995年)で証明されている。鈴木教授とともに調査団に加わった宮内崇裕・千葉大大学院教授は、10日の規制委会合で「兵庫県南部地震をはるかに超える大地震が起きる可能性ある。こうした断層が原発敷地内にあること自体が異常事態で脅威的」と警告した。  

 規制委は来年7月までに耐震安全性を含む再稼動の新しい安全基準を策定する予定。原子炉など重要施設の直下に活断層があるケースに限定せず、敷地内や近隣にあった場合に稼働を認めるかどうかも焦点となりそうだ。規制委の田中俊一委員長は今月5日の会見で、活断層が原子炉の直下にあることとは別に、原発の近くにある場合の扱いも「疑問を持っている」と語り、地震学が専門の島崎邦彦委員長代理に判断を委ねていることを明らかにした。  

 <規制委は独立性保てるか>  

 福島原発事故を教訓とした原子力行政の最大の変化は、安全行政を経済産業省から取り上げて、一元的に担う規制委を9月に発足させ、利用と規制の行政組織を分離したことだ。福島事故の国会事故調査委員会は今年7月に公表した報告書で、「規制する立場とされる立場に逆転関係が起き、規制当局は電気事業者の虜(とりこ)となっていた」ことを、事故の根源的原因に挙げた。国際原子力機関(IAEA)からも規制と推進の分離の必要性を指摘されてきた。  

 規制委が今回、既存原発に対する事実上の「レッドカード」を出すという前例のない判断に踏み切ることになったのは、規制委の政治からの独立性が法律で保証されたことも一因とみられる。  

 すでに規制委は、原発内の断層調査について稼働中の関西電力<9503.T>大飯原発で着手し、今後は東北電力<9506.T>東通原発、北陸電力<9505.T>志賀原発などでも予定されている。一見厳しそうにみえる規制委による敦賀原発に対する判断も、「原発に対する信頼を回復させ再稼動にめどをつけるには、安全な原発とそうでない原発を峻別すること」(政府関係者)との考え方が背景になっている可能性もある。  

 今月16日に投開票される衆議院総選挙は、原子力のあり方が大きな争点となっている。次期政権が、法律で保証されている規制委の政治からの独立性を尊重するかどうかは、原子力行政を前進させるのか、「3.11」以前に戻すのかの試金石になりそうだ。 

■廃炉の可能性 日本原電、破綻に現実味
産経新聞 2012.12.10  

敦賀原発(福井県)の直下にある断層(破砕帯)が活断層である疑いが強まったことで、日本原子力発電(原電)は今後、敦賀原発の廃炉を迫られる可能性が高い。原電は日本で唯一の原発専業事業者であり、保有する原発3基のうち2基が廃炉となれば経営に甚大な影響を及ぼす。出資する電力各社のなかには債務を保証している社もあり、打撃を受けるのは必至だ。 原電は電力9社と電源開発(Jパワー)などが出資する卸電気事業者で、敦賀原発1、2号機と東海第2原発(茨城県)で発電した電気を東北、東京、中部、北陸、関西の5電力に卸売りしている。東日本大震災後の原発停止で、平成24年3月期決算は12年ぶりの最終赤字に陥った。 

 設備の防災対策を進めるため今年4月に日本政策投資銀行やみずほコーポレート銀行などから計1040億円を借り入れており、経営難に陥った東京を除き、卸売りを受ける4電力が債務を保証している。 

 保有原発のうち、東海第2は東海村の村上達也村長が廃炉を求めるなど地元の反発が激しく、再稼働の見通しは立たない。敦賀1、2号機の廃炉が決まれば、実質的に動かせる原発が「ゼロ」になる。 

 電力会社が保有原発の廃炉を決めれば、それまで資産だった原発や核燃料は一転して価値がなくなり、資産の目減り分を損失として処理する必要がある。 

 経済産業省の試算では、原電が今年度中に全3基を廃炉にした場合、資産の目減りや廃炉費用で2559億円の損失が出る。23年度末の純資産1626億円を差し引いても、933億円の債務超過だ。そうなれば金融機関から新たな借り入れができなくなり、経営破綻が現実味を帯びる。

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村の小学校の崩壊は誰の責任なのか?

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これが東日本大震災の時の私の村の小学校の惨状です。校舎に亀裂が入り、崩落の危険があり、学童は避難しました。幸いにも、学童に死者が出なかったのが奇跡のようです。 

この小学校は廃校となり、立入禁止のまま取り壊しを待っています。我が村ではもう一校も、震災て破壊されて廃校になりました。 

原因はなんでしょうか?耐震化が遅れに遅れたからです。どうせ地震などは来やしまい、とたかをくくっていたからです。。 そしてなすべき耐震補強工事を手抜きしました。

そして誰一人も責任をとらないまま1年半が立ちました。改めて問いたい。この責任は誰にあるのか?もし、不幸にも学童に死者が出ていたら、誰が責任をとったのですか。 

一義的には文科省です。教育においてもっとも守られるべき学童の生命と安全を守れないような官庁に存在理由はありません。 

次に、その予算を削った犯罪的人間たちがいます。それは民主党が目玉政策として始めた「事業仕分け」に関わる一群の政治家たちです。 

彼らは、この時に耐震化は「無駄」だと判断しました。理由はあれこれ挙げていましたが、要はマニュフェストのくだらないナントカ手当の財源を捻出するために、子供の命を「無駄」にするつもりだったのです。 

それでなくとも、わが茨城県の学校施設は耐震化が遅れていました。県内の公立小  中学校の耐震化率は震災時点で64·1%にすぎませんでした。

特に統廃合対象となったこの小学校などは耐震工事に見向きもされなかったというわけです。

そして、我が県においては3割5分の校舎が、なんの耐震補修も受けないまま放置されて、あの運命の日2012年3月11日を迎えたのです。

ぞっとしませんか。 実に3割5分の児童が無防備で大震災にさらされたのです。

それは、大人が子供に対してせねばならない最大の義務である「子供の生命を守る」ことを放擲したのと同じことです。 

恥ずかしくないのかでしょうか、そのようなことをした政治屋たちは!

それを恥じるどころか、驚くべきことに我が国の首相は、笹子トンネル崩落事故を受けた党首討論でも、「公共事業」を強い言葉で罵っていました。 

首相は「公共業費」の中に、維持・管理予算が含まれていたことを知らないのでしょうか。 

その真っ先に削られた「公共事業費」とは、まさに笹子トンネル崩落事故の原因である維持・管理・補修・補強費用の削減だったことを。 

かつて、東北の三陸沖地震の30年確率は90%であり、宮城県沖地震の30年確率に至っては99%という危険ゾーンであったにもかかわらず、民主党政府はこれを看視しました。 

「コンクリートから人へ」というスローガン政治の下に、削減された「無駄な公共事業」は実に32%、確かに前原氏が言うように「自民党ではできなかった」ことです。 

ところで、伊豆半島から四国沖にかけの700キロにおよぶ南海トラフ(プレートの裂け目)は破断する可能性が非常に高いと言われています。 

Photo_3

 

                       (図 産経新聞4月1日より・下図同じ) 

このプレート境界に面する東海、東南海、南海地震は確実に起きます。その規模は東日本の比ではありません。(資料1参照)
※南海トラフの巨大地震モデル検討会 巨大地震モデル検討会
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/nankai_trough_top.html 

下図の震度6強のオレンジ色の部分は、静岡から愛知、和歌山、兵庫、高知、香川、宮崎などの10県153市町村となります。 

震度6強は今回の3.11大震災時の東北を襲った地震よりやや小規模ですが、茨城地方を襲った震度と同程度です。 

都市部では電柱が倒壊し、道路や水道、電気などの生活インフラが寸断されます。これが震度6強です。 

そしてむしろ問題は、その後に必ず沿岸部に襲来する大津波です。それが下図に示されています。 

Photo

 襲来されると予想される津波高は、四国の太平洋側で20m以上、最大は高知県黒潮町で34.4mに達し、九州東部は約15m、関東の神奈川鎌倉市で9.2mとなります。 

他の地域で想定される津波高に関しては欄外資料2をごらんください。 いずれも背筋が凍るものです。

災害は起きてからでは取り返しがつきません。多くの人命と財産、そして生活を押し流していきます。

野田首相、 この予想を前にしてまだ「コンクリートから人へ」などと寝ぼけたことを言えるのですか。

この最悪の事態を考えて、それが起きる前に手を打つ、これが私には良識だと思いますが、この考え方のどこがおかしいのか、野田首相、ぜひお教え下さい。

■追記 脱稿後に、敦賀原発2号機直下で活断層が確認されました。当然即時に廃炉するべきです。すべての原発で直ちに地層調査をしなければなりません。
活断層があることが確実な大飯原発の再稼働をしてしまった責任は、あげて野田首相と政府にあります。こんな政党が「脱原発」などとは片腹痛い。
この責任は来週の日曜日にきっちり取らせましょう。この件については明日取り上げます。(資料3参照)
 

■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-fe48.html 

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。 

■資料1 南海トラフ地震:内閣府検討会報告 津波高、従来の1.1~2.6倍 県内20市町で最大震度7 /和歌山
毎日新聞4月1日
 

西日本の太平洋沖に延びる「南海トラフ」で起きる巨大地震に関し、内閣府の検討会が31日公表した報告で、県内各市町での最大の津波高が従来想定の約1・1倍~2・6倍となった。最大震度7が想定される市町数も6から20に増加。県は東日本大震災を受け既に避難対策などの点検を始めているが、仁坂吉伸知事は「県南部の沿岸地域は将来的な高台移転が望ましい」としている。 

 ◇県南部沿岸、知事「高台移転望ましい」
 検討会は、高い津波を引き起こす領域を11パターン設定して、最大値(満潮時)を試算。県内市町別でみると、最大はすさみ町の18・3メートルで、従来想定の最大7メートルから2・61倍になった。続く美浜町、御坊市は17メートル強で、ほとんどで10メートルを超えている。一部地域では地震発生から最短2分で最大津波高が到達すると予測された。
 

 揺れの強さは5パターン設定。従来は震度6弱だった和歌山市、有田市、6強だった新宮市、湯浅町など14市町が7に上がった。ただ、最大クラスの震度や津波高は複数のパターンを重ね合わせた結果で、内閣府は「実現象として同時に発生しない」としている。 

 県は東日本大震災後の昨年4月から、避難場所の見直しなど緊急点検を実施している。県総合防災課の高瀬一郎課長は「大震災クラスの津波を想定してすでに見直しを行ったため、この検討結果を受けて緊急的に何かをやるというわけではない」としている。津波浸水区域や被害想定の見直しを12年度内にも実施する予定だ。 

 県が06年3月に公表した地震被害想定は、東海・東南海・南海3連動地震での揺れと津波による建物の全壊・焼失は最大で10万4595棟(冬の午後6時の場合)、死者数は5008人(冬の午前5時の場合)、負傷者数は8348人(同)とされており、見直しによって上方修正される可能性が高い。仁坂知事は「国の検討結果を基に、専門家の意見も聞きながら、より詳細な被害想定、浸水予測に取り組んでいきたい」とコメントした。 

■資料2 最大津波高
(満潮時、カッコは従来想定、単位はメートル)
和歌山市   7.7 (6.6)
海南市    8.1 (6.8)
有田市   10.2 (5.1)
御坊市   17.4 (7.6)
田辺市   12.0 (7.4)
新宮市   12.2 (5.6)
湯浅町   10.2 (5.8)
広川町    9.1 (5.9)
美浜町   17.9 (7.4)
日高町   12.5 (5.7)
由良町   10.4 (6.6)
印南町   16.4 (6.6)
みなべ町  14.8 (6.3)
白浜町   15.2 (6.3)
すさみ町  18.3 (7.0)
那智勝浦町 15.6 (8.0)
太地町   12.1 (5.5)
串本町   16.0 (9.5)

■資料3 敦賀原発2号機は廃炉の公算、「直下に活断層の可能性」と規制委

 [東京 10日 ロイター] 原子力規制委員会は10日、日本原子力発電敦賀原子力発電所(福井県敦賀市)の断層問題に関する現地調査の評価会合を開き、2号機の真下を通る破砕帯(断層)は活断層の可能性が高いとの見解で一致した。

規制委の田中俊一委員長は会合を受け、「個人の感想だが、今のままでは(敦賀2号機の)再稼動の安全審査はとてもできないなという判断をした」と発言。2号機の再稼動は絶望的な状況で、廃炉の可能性が高まってきた。

規制委は今月1日と2日に専門家による現地調査を実施。2号機直下にある「D─1」と呼ばれる破砕帯が活断層であるかどうかが焦点となった。10日の会合では調査結果について協議。調査に参加した鈴木康弘・名古屋大教授は「総合的な判断としてD─1の一部は活断層ではないかと思う」と指摘した。島崎邦彦・規制委員長代理は会合後の記者会見で、D─1破砕帯のそばにある断層が「活断層と言って差し支えない」との見方を示したうえで、これが「分岐の一部なのか本体なのかいろいろ解釈はあるが、D─1破砕帯である可能性がある」などと説明した。

国は活断層の真上に原子炉など重要施設の設置を認めていない。会合に呼ばれた日本原電関係者は追加調査を行う意向を示したが、島崎氏は会見で「いまの時点での結論は出せた」と述べ、今回の判断が覆る可能性がないことを示唆した。

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「コンクリート」と「人」は対立する概念ではない

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2011年3月11日、あの東日本大震災において崩落した私の村の鹿行大橋が上の写真です。(崩落直後に撮影)

渡っていた人は湖に自動車ごと転落して死亡しました。隣町の方でしたが、むごいことてす。ご冥福をお祈りします。

鹿行大橋は1968年に開通しましたが、橋幅が狭く交互通行せねばならないようなものでしたが、旧大洋村と旧北浦村を結ぶ貴重な生活道でした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B9%BF%E8%A1%8C%E5%A4%A7%E6%A9%8B

この橋は築43年たち、痛みがひどいことは前々から指摘されていましたが、まともな改修工事もないままに震災を迎えてしまいました。

この橋が作られた1960年代から70年代にかけての高度成長末期に、多くの公共インフラが整備されました。(下図参照)今回崩落した笹子トンネルも1976年、ほぼ同時期です。

Photo_3  (図 独立行政法人土木研究所http://www.pwri.go.jp/caesar/overview/02-01.html

日本において公共インフラの維持管理はおろそかにされていました。この鹿行大橋も例外ではなく、国道354の一部でありながら、住民が崩落した時に格別驚かなかったというようにな悲惨な状況でした。

日本の高速道路、橋、トンネル、港、堤防などの公共インフラは2010年代に一斉に老朽化時期に突入しました。

笹子トンネルが崩落したのも、鹿行大橋が崩落したのも、偶然ではありません。落ちるべくして落ちたのです。すなわち人災です。

さてかつての米国では、70年代から80年代に「橋の老朽化」事故が頻発しました。有名な事例としては、コネチカット州マイアナス橋の崩落事故かあり、78年にはマンハッタンにかかるウエストサイドハイウエイの崩落、81年にはブルックリン側が崩落しました。http://www.sozogaku.com/fkd/cf/CA0000461.html

Photo_4           (写真 アメリカ  マイアナス橋(鋼桁橋)の落橋 1983年)http://www.pwri.go.jp/caesar/overview/02-01.html

検査の結果、マンハッタン橋、クイーンズボロ橋、ウイリアムズバーグ橋に次々と大きな損傷が発見されて、改修工事を受けています。

これは全米規模で起きた一部にすぎず、ピッツバーグ橋は通行不能となり、USスチールは迂回道を通るために年間100万ドルの損失を被ったそうです。

82年には、スクールバスが通行できない橋が増えたために、全米で約50万人の学童が橋の手前でバスから降りて通学する事態までになりました。

この80年代に起きた「荒廃するアメリカ」現象により、米国では経済、交通、社会生活が頻繁に支障をきたし、社会的な混乱の引き金になっていきます。

これは米国における公共インフラが1930年から40年代にかけてのニューディール時代に多く建設されたために、一斉に老朽化を迎えた80年代に荒廃現象が生じたのです。

原因としては、1960年代に米国で7兆円ほどあった公共インフラの補修予算が、70年代に減少し、80年代には5兆円規模までになったためです。

このために真っ先にメンテナンス予算が削られ、検査が行き届かず、よしんば欠陥が見つかっても放置されるか、簡単な補修で済ましてしまうといいった事が日常化しました。

そして老朽化が限界を迎える30年から50年後にかけて、事故が頻発したというわけです。

我が国の公共インフラが作られた時期が60年代から70年代のため、このような「荒廃するアメリカ」現象が、30年遅れて襲ってきました。

Photo                  (図 独立行政法人土木研究所

我が国では橋本政権から小泉改革に続いた公共事業費削減の流れ、そして「コンクリートから人へ」という確信犯的スローガンで、公然と公共インフラ放棄をうたった民主党政権によって、みるも無残に補修予算が削られていきました

下図をみれば、2011年はもっとも公共投資があった1998年の半分以下にまで減額されていることがわかります。

これだけ削れば、真っ先に影響が出たのは裏方である検査・維持管理コストでした。地方の現場を回ればわかりますが、公共インフラの維持管理はボロボロです。

2012070211_2 

          (図 内閣府 日本の公共事業費の推移 単位:兆円)

政府が管轄している橋1万8千箇所のうち「緊急対応の要あり」と認められたのが106カ所、0.6%に達します。これらの橋は国交省によれば「いつ落ちてもおかしくない」状態にしります。

そして、財源が乏しく補修費用がほとんどない地方自治体は、全国1800箇所のうちの実に8割以上の1500市町村に達します。

これらの市町村では財政難のため定期点検すらできず、「通行止め」や、「通行規制」でお茶を濁している現状です。(資料2参照 茨城新聞2012年8月18日)

その数は政令指定都市で91カ所(平成19年)、政令指定都市以外では593箇所にものぼります

そしてこの合計684の橋は定期点検をしたからわかったので、8割の市町村ではそれすらしていないのですから、潜在的に「緊急対応の要あり」の橋は膨大な数に昇ると考えられています。

先ほどの国交省管轄の橋の「緊急対応の要あり」率が0.6%ですから、全国67万8千箇所にそれをかければ、実に4000カ所が「いつ落ちてもおかしくない」状態のまま放置されていることになります。

「国交省によると、全国にある15メートル以上の橋約15万7千カ所のうち11年時点で改築の目安となる築50年以上の割合は9%だが、10年後(21年)には28%、20年後(31年)には53%になる見通し。老朽化などに伴い、通行規制する橋は本県の45カ所を含む全国計1378カ所に上る。」(同上)

特に、東日本大震災によって公共インフラは大きな打撃を受けました。地震による亀裂や金属疲労などが、建築構造に影響を与えていることは十分考えられます。

しかし、それはまだ事故を起こしていないというだけで、修繕されることもなく放置されたままです。特にそれは市町村レベルでは顕著です。

「修繕が済んだのは、県管理分のうち6%の54カ所だけで、市町村管理分で修繕に着手した箇所はなかった。」(同上)

このような公共インフラの荒廃時代は、いままさにに始まったばかりです。

笹子トンネル崩落事故によって「コンクリートから人へ」政策は完全に破綻しました。そもそも「コンクリート」と「人」は対立する概念ではありません。

あたかも公共インフラの「コンクリート」に政府投資することが「悪」であるかのように言ってきた論理自体が、為にする議論だったのです。

いまでもそれを言い募る者は、人の命などとどうでもいいと言うことと同じだと自覚すべきです。

私たちは「人を守るコンクリート」が、崩壊の危機の時代に突入したことを知ってしまったのですから。

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資料2 橋「長寿命化」に遅れ 県内市町村、点検実施全国ワースト
茨城新聞
2012年8月18日(土)
全国的に橋の老朽化が進む中、県内市町村で橋の耐用年数を延ばす「長寿命化」の取り組みが遅れている。国交省のまとめでは、県と市町村が管理する橋2641カ所のうち、4月1日時点の長寿命化修繕計画の策定率は48・4%と都道府県別で2番目に低く、計画策定に向けた点検実施率は76・2%で全国ワースト。計画に基づく修繕実施率も4・9%で、全国平均11%を下回った。東日本大震災で旧鹿行大橋が崩落するなど県内多くの橋が被災しており、対策が急がれる。

長寿命化に向け、県は2009年度に修繕計画を策定し、県管理の854カ所の本年度当初の点検実施率、計画策定率はともに97・9%(未実施18カ所)とほぼ順調。一方、県内市町村が管理する1787カ所の点検実施率は65・8%(全国平均89%)、計画策定率は24・7%(同51%)で、ともに全国下位と大きく出遅れた。

修繕が済んだのは、県管理分のうち6%の54カ所だけで、市町村管理分で修繕に着手した箇所はなかった。
国交省によると、全国にある15メートル以上の橋約15万7千カ所のうち11年時点で改築の目安となる築50年以上の割合は9%だが、10年後(21年)には28%、20年後(31年)には53%になる見通し。老朽化などに伴い、通行規制する橋は本県の45カ所を含む全国計1378カ所に上る。

1950〜70年代の高度経済成長期に建設された橋を中心に今後一斉に老朽化対策を迫られるのを見越し、国は従来の対症療法から予防保全による長寿命化へ方針を転換し、関係自治体に計画策定を促していた。

財政難などを理由に多くの市町村で取り組みが遅れているのを受け、同省は財政的・技術的支援を強め、取り組みを支援する方針。

同省本年度予算の社会資本整備総合交付金では、橋の補修に特化した整備計画が前年度比19件増の27件に上り、申請額も約5倍の75億円に増加。県も30市町村とともに総額1億3600万円の整備計画を申請した。

同交付金などを受けて、県内では本年度末までに24市町村が点検を済ませ、13市町村で計画策定が完了する計画で、点検実施率は83・9%、計画策定率は58・5%に上昇する見通しという。

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速報 強い地震再び来る!

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情報発表時刻 2012年12月7日 17時29分
発生時刻 2012年12月7日 17時18分 ごろ
震源地 三陸沖
緯度 北緯37.8度
経度 東経144.2度
深さ 10km
マグニチュード 7.3

 

度5弱
青森県 青森県三八上北  八戸市  階上町  八戸市南郷区  階上町道仏 
岩手県 岩手県内陸北部  盛岡市  滝沢村  盛岡市玉山区薮川  盛岡市玉山区渋民  滝沢村鵜飼 
宮城県 宮城県北部  宮城県南部  栗原市  丸森町  栗原市金成  丸森町鳥屋 
茨城県 茨城県北部  常陸太田市  常陸大宮市  常陸太田市金井町  常陸大宮市野口 
栃木県 栃木県南部  市貝町  市貝町市塙 

                  (Yahoo! ニュースより)

東北と東関東に震度5の大きな地震がきました。
当地、茨城南部でも非常に強い地震を感じました。建物が大きく揺れて、家具も昨年の経験から補強しておかねば倒れるような大きさでした。私は去年の震災と、その後に半年続いた余震群を経験していますので、多少のことでは驚かないのですが、正直、今回恐怖を感じました。

幸い私たちの農場は人、施設とも無事でした。原発は今の段階では無事とのことです。まだ実態はよくわかりません。

再建の途中にある、東日本のさまざまな施設や地盤が目に見えない所でまた痛んだのではないかと心配です。そして人の心も。

この1年半このような大きなものは最初です。心しましょう!
必ずまた大きな地震が来ます。国土を来るべき大災害に備えておかねばなりません。

宮城県と東北地方の皆さんのご無事を心からお祈りしています。

■宮城県沿岸に津波警報…震源は三陸沖、M7・3
読売新聞 12月7日17時26分

7日午後5時18分頃、三陸沖を震源とする地震があり、岩手県内陸北部、宮城県北部、同南部、青森県三八上北、茨城県北部、栃木県南部で震度5弱を観測した。
 気象庁によると、震源の深さは約10キロ・メートル、地震の規模はM7・3と推定される。

 この地震で、宮城県沿岸に津波警報が出ている。気象庁は沿岸にいる人はすぐに避難するよう呼びかけている。

■東北、関東で震度5弱=宮城・石巻に1メートルの津波―原発など異常の情報なし
時事通信 2012年12月07日18時33分

7日午後5時18分ごろ、東北から関東にかけて強い地震があり、青森、岩手、宮城、茨城、栃木各県で震度5弱の揺れを観測した。気象庁は、宮城県太平洋沿岸に同5時40分、約1メートルの津波が到達する恐れがあるとして津波警報を発令。同6時2分には石巻市鮎川で1メートルの津波が観測された。

 同庁は青森、岩手、福島、茨城各県の太平洋沿岸には津波注意報を出した。 

 気象庁によると、震源は三陸沖で、震源の深さは約10キロ。地震の規模(マグニチュード)は7.3と推定される。 

 原子力規制庁によると、東北電力女川原発(宮城県石巻市、女川町)をはじめ、各地の原子力施設に異常がないことが確認された。 

 このほか、東通原発(青森県東通村)、東京電力福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)、日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)、日本原燃の核燃料再処理施設(青森県六ケ所村)でも異常は報告されていない。 

 福島第1原発では主要なパラメーターに異常はなく、けが人の情報もない。作業員は海抜の高い所に退避しているという。 

 各地の震度は次の通り。 

 震度5弱=青森県八戸市、階上町、盛岡市、岩手県滝沢村、宮城県栗原市、丸森町、茨城県常陸太田市、常陸大宮市、栃木県市貝町。 

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TPPのGDP増加は年間わずか2700億円!これで農業・医療を売ろうというのか!

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TPP決戦が近づいています。 この総選挙でTPPという悪霊を棺桶に入れて釘を打ってしまえるかどうか、その命運がかかっています。
グローバリズムが勝つか、わが国土に根を下ろした農業、医療が勝つか、その両者の間の戦いです。
もしこの選挙で、民主党政権に信任を与えてしまえば、その瞬間、わが国農業は終焉を迎え、社会保障政策の対象部門に転げ落ち、農民はハローワークに並ぶことでしょう。
逆に、私たちが勝てば、日本が参加しないTPPなど、米国にとってなんの関心もなくなります。TPPはオリジナルの日米抜きのしみじみとした自由貿易圏に逆戻りすることになります。
それがいい、そもそもTPPってそんなていどのもんだったんです。オバマ大統領が選挙目当てで得点したかったからおかしくなったんです。
さて、TPPというグローバリズム貿易は意外に単純な構造を持っています。それはゼロサム・ゲームです。こちらが勝てば、あちらは負ける。こちらが負ければ、あちらは勝つ。
たとえば、TPPになれば米国や豪州の農産物は、今の半値近い価格で濁流のようにわが国になだれ込むでしょう。
100円パックご飯、100円牛丼を、私たちは現実に見ることになります。その分、彼らは儲かります。
その逆に米国自動車産業の労働者は、いっそう安くなった日本製自動車の前に長期失業者の列に加わることになります。その分、彼らは日本を恨みに思うでしょう。
日本が対米貿易で黒字になれば、同額だけ米国は赤字になるからです。まるで白黒のネガポジ写真のようです。
TPP推進論者はこう言います。
「いや、そんなことはありませんよ。自由貿易が盛んになれば、所得が伸びて物価が下がります。消費者にとってこんないいことはないでしょう。
 
仮に農業が犠牲になろうとも、職業のリプレイス(再配置)は十分に可能です。だいたい、あの人たちはいままで税金で甘い汁をすすってきた連中なんですから。」
では、国の公式のTPPによるGDP増加はというと、内閣府発表が2兆7千億円です。ただし、10年間で、です。
年間にすればたった2700億円。イージス艦が一隻1389億円ですから、おおよそ2隻分といったところですか。
笑えます。先だって円安にふれて、たしか19兆円だったかの資産が増えたことをみれば、たったこれだけ、マジで、と失笑するような数字です。 
2700億円という自衛艦2隻分の金で、日本農業と医療を破壊して、山間地、離島経済を壊滅させて、そして外国資本がわが国に公然と乗り込むことができるなら、TPPとは米国にとってなんという安い買い物でしょうか!
そして米国が被る自由貿易のゼロサムゲームの失点は、せいぜいが自動車産業程度であり、プラスポイントは農業、医療、保険、土木、化学など数あります。だからオバマ大統領はTPPを決断したのです。
そしてこの内閣府の計算の前提には、重大なウソがあります。この内閣府のTPPで2700億円増加するための前提条件は「完全雇用が成立している」ことだったのです。
仮にTPPで輸出産業が2700億円GDPで増えるとしても、TPPで損害を受けて倒産したり、失業したりする人たちが出ます
当然、その人たちに失業保険を払ったり、生活保護をする必要も出るかも知れません。あるいは地方に対しては政府資金の注入も必要となるかもしれません。
農業の場合、TPPで水田農業と畜産は壊滅し、残るのは大型農業法人と外国資本だけとなるでしょう。
そうなると私たち農家一般ピープルは街に出て、「リプレイス」(再就職・再配置)することになります。しかしその時に勤める所などあるのですか?
今、我が国の失業率は4.2%から5.2%で推移しており、米国など10%の大台一歩手前でもみあっている状況です。(欄外資料参照)
こんなデフレと失業が火の車のように回っている時に、新自由主義者たちが好きなTPPのような「痛みを伴う改革」とやらをしたらどのようなるか、火を見るより明らかです。 
TPPが濁流のようにわが国に流れ込み、値下げ戦争は激化し、デフレはいっそう泥沼となり、そして連動して所得は果てしなく下落を続けることでしょう。
TPPが「安い輸入品」が最大のメリットな以上そうなります。ならば物価は下がり続け、我が国のカウンター部門は倒産を続け、デフレはいっそう深刻になり、失業者が増え続けます。それが道理です。
まさにデフレ対策としてもっともしてはならない経済政策、それがTPPなのです。
そんな時に、橋下「維新の会」の言うように最低賃金制が廃止されていて、TPPで東南アジアから安価な外国人労働者が公然と移民してこようもんなら、もはや失業率などカウントするのもバカバカしい状況になっているでしょう。おそらくは軽くEUなみの10%を超えることでしょう。
となると、儲ける奴は一握り、損失は莫大です。TPP推進論者は、抽象的に「開国」とかいいますが、これでは我が国の算盤が合うわけがありません。
そんな現実の前で、たかだか2700億円ていど輸出産業が儲け、米倉経団連会長の住友科学がモンサントとつるんで儲けたとしても、日本全体が支払わねばならない経済的、社会的マイナスは天文学的なものとなるでしょう。
それまでしてTPPをする価値があるのなら、ぜひ新自由主義者の政党である民主党(※1)、みんなの党、橋下「維新の会」(※2)の皆さんは、ぜひ具体的に数字を上げてTPPの御利益を選挙期間中にご説明ください。
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※1 民主党は、中央本部と政府がTPP推進で、地方が反対だそうです(大爆笑)。うちの選挙区でも民主党候補は「反TPP」をガナっておりました。常識では推し量れない政党です。
この党は、安保問題、消費税、TPP、原発と、重要なことは例外なく全部内部分裂です。 重要なことを決めようとするたびに離党者がでるありさまで、第3極とは民主党離党者の吹き溜まりの様相すらみせています。
※2 橋下「維新の会」は、太陽老人と合体して、「国益を守る」の一項をいれましたが、老人たちが去れば、橋下氏の天下。橋下氏は年来の新自由主義的主張からTPPはもちろん推進とかねてから公約していました。
資料 失業率の推移 各国比較
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明日明後日は定休日です。月曜日にお目にかかりましょう。一気に真冬になりました。ご自愛下さい。

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北浦の朝

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北浦の湖の冬の早朝です。一面にもやがかかって幽玄たる雰囲気でした。
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この葦は、人工のコンクリート護岸に私たち住民が丹念に植えて作った「前浜」といいます。わかさぎやシラウオなどの稚魚の産卵場所になっています。
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また水鳥にとっても絶好の営巣場所で、夏前にはまことににぎやかです。
すばらしい散歩道ですので、ぜひみなさまもお越し下さい。バードウォッチングする小屋もありますよ。

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第2、第3の笹子トンネル崩落事故を起こさないために

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笹子トンネル天井崩落事件について。いくつか新たな情報が入ってきています。

事故当初から、崩落の原因は天井を支えていた吊り金具を留めるボルトが脱落したことだと推測されていました。

このアンカーボルト(留めボルト)がなぜ抜け落ちたかについて中日本高速道路は、いち早く「36年目に起きたことから老朽化だと思う」と発表しました。

同時に、「打音検査をしなかったことを反省している」とも述べています。

昨日書きましたように当然老朽化もしていたでしょうし、目視検査で済まして打音検査もしなかったのでしょう。ことによると業務上過失致死に問われるかもしれませんから、後に大いに問題としてください。

技術的な問題で私が問題としたいのは、この吊り天井とアンカーボルトの接着剤による接合というケミカル・アンカー方式です。要するに、接着剤でアンカーボルトを留めていたようです。

もちろん私は専門外ですが、老朽化に加えて手抜き工事の疑いを感じています。(欄外参照)

いずれにせよ、このアンカーボルトの接合方式、点検の怠り、そして他の会社のトンネルでは同じ吊り下げ式天井でもボルト自体を適時交換整備していることなどから見ても、中日本高速道路会社の問題点はゆくゆく明らかにされていかねばなりません。

さてそれはいったん横に置いて、このような問題とは別次元に「政治」の問題があります。

通行する市民を殺してうれしい会社はありません。なぜ中日本高速道路が点検を怠ってきたのか、なぜ危険を察知できなかったのでしょうか。

その理由は予算の配分にあります。我が国は、公共インフラの検査や営繕、補修に予算配分してきませんでした

関係者はそれを「メンテはすずめの涙」と自嘲します。作る時は華々しくブチ上げても、作ってしまえばただのインフラの裏方、というわけです。

大阪大学・谷本親伯名誉教授(土木施工学)によれば、ドイツではトンネルを百年間メンテナンス・フリー仕様で作るために、工事費用をわが国の数倍かけるそうです。そのコンクリート壁の厚さはわが国の3倍だそうです。

わが国はそれをケチって急ぎました。それには時代的背景がありました。高度成長期から安定期に向かうわが国には経済成長のために多種多様なインフラ整備が急いで必要だったからです。

当時のぐんぐん伸びていく経済を支えるための高速道路網、新幹線網、それに伴う多くのトンネル、橋梁、港湾、堤防、広がる都市のための道路、上下水道、公共施設、そして増える子供のための教育施設など、星の数ほどの公共インフラが必要だったのです。

そしてもうひとつ忘れてはならない、エネルギー源としての原子力の本格導入が始まったのも、この前後の時期です。

このように我が国が今から40年前から60年前にかけて、徹底的に様々なインフラを整備しました。

しかし急速に拡大した公共インフラを、政治は予算で支えませんでした。作った後は「すずめの涙」ほどのメンテナンス予算しか出さなかったのです。

それは「財政再建」を唱える新自由主義者が政権の舵を握った自民党政権時からその傾向は特にひどくなり、民主党政権において完成しました。

それが「コンクリートから人へ」という、公共インフラ保全放棄宣言です。

公共インフラ営繕などは票にならない、票のためには票田に金をバラまく、なんでも無料化、それに限る、そう考えた政治屋があまりにも多かったのです。

こうして、我が国の公共インフラは30年から40年目の今をひと区切りとしてボロボロになり、現在わが国の公共インフラは骨粗鬆症状態にあります。

今日本は、即刻建て替えるか、点検・補修する予算を出すか、という分岐点の時期に立っています。

その判断を間違えば、人の命が多く奪われる第2、第3の笹子トンネル事故のような公共インフラ重大事故がまた起きるでしょう。

■写真 ひさしぶりに我が村の湖に行ってきました。小雨の中でそれは美しかった。

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■[私のアンカーボルト接合方法への疑問]

新聞報道によると、天井部分のトンネル本体にドリルで穴を開けて、そこに接着剤を流し込みと留めたとしてます。アンカーボルトの長さは23センチで、うち13センチが埋め込まれていたと、中日本高速道路は説明しています。

なぜこのような接着剤によって1トンもある天井板を吊り下げようとしたのか分かりません。このような接合工法は確かにあり、ケミカル・アンカー方式というそうです。

このケミカル・アンカー方式は、工事が簡単である反面大きな欠陥をもっています。

なによりも接着力が弱いことです。下図を見ていただくとお分かりになると思いますが、このアンカーボルトは実は6メートルの鋼材を貫通し、鋼材ごとコンクリートに埋め込まれています。

常識的に考えて、鋼材の裏でアンカーボルトをナットで留めるのが普通ではないでしょうか。

ナットで固定してしまえば、私も学生時代にビルの天井張りのバイトをしたので経験がありますが、脱落することは考えにくいのです。

仮にアンカー・ボルトが漏水によって腐食することがあったとしても、錆によってむしろボルトとナット、鋼材が一体化してしまい、そうそう簡単に全体が脱落するはずがありません。

鋼材があるならなぜナット留めしなかったのでしょう。それを安直なボンドでつける工法をとったのか、私には納得がいきません。

仮によく使われるエポキシ系接着剤を使った場合、水に弱くとうてい数十年も持つはずがありません。 

特にこの笹子トンネルは工事中から大変な湧水で困難を極めていた場所であり、おそらくは完成後もコンクリートの経年劣化から浸透してくる水がかなりあったと思われます。

すると劣化した接着剤がスポッと抜けて脱落し、近くのアンカーボルトもそれを支えきらずに将棋倒し的に脱落した可能性があります。もしそうだとすると、これは人災側面が強くなります。

以上、素人考えです。

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                           (TBS「ひるおび」より引用)

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笹子トンネル崩落事故 破断界に差しかかった70年代製造の公共インフラと原発

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痛ましい大事故が起きました。

「2日午前8時ごろ、山梨県大月市笹子(ささご)町の中央自動車道・笹子トンネル(全長約4.7キロ)内で、コンクリート製の天井板が110メートルにわたり崩落し、少なくとも車3台が巻き込まれた。県警や消防によると、現場で複数の遺体を確認。3台には少なくとも6人が取り残されていたとみられ、救出作業を急いでいる。もあり、県警は業務上過失傷害容疑などで調べる。」(毎日新聞12月2日 資料1参照) 

上の写真にあるように、笹子トンネルで110メートルにわたり、天井部分の重さ1トン超の天井板が200数十枚崩落し、3台の車を押しつぶし 多数の死者を出しました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。 

この事故の全容はいまだ詳細がわかっていませんが、私は福島第1原発事故と並ぶような「時代の曲がり角」を示す事故のように感じられます。 

さて現時点で原因と考えられているのは、天井金具の何らかの原因による破損です。(下図参照 毎日新聞より引用) 

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写真でも見られるように、V字型に天井板は崩落しており、吊り金具が天井から一列に垂れていないことから、根元から脱落したと見られます。(上図右側・吊り金具最上部) 

この吊り金具は長さが5メートルあり、この9月に実施された定期点検の際には、下部の天井板との部分は打音検査といってハンマーで叩いて音で確認していたものが、この上部取り付け部分は目視点検で済まされていました。 

この吊り天井型式は換気ダクトのためにあり、現在はジェットファン方式に全面的に切り替わっています。(ただし新東名富士川トンネルの一部を除く。) 

現在これと同じ旧式な取り付け方のトンネルは全国で49カ所あります。いずれも大部分は完成から20年から40年たったものです。(下図参照)

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          (TBS「ひるおび」より参考のために引用いたしました。)

この吊り天井方式はこの笹子トンネルが完成した77年当時には、優秀な大型ジェットファンがなかったために、このような複雑なダクトの取り付け方になっています。  

現在はトンネル全体を大きなダクトに見立てて、自動車の侵入方向からジェットファンで空気を送り込んで強制換気する方式となっています。 

吊り金具式の問題点は、金具が振動や金属疲労、漏水によって腐食しやすいことです。この笹子トンネルは、日本土木史に残る難工事で、膨大な湧水と破砕帯との戦いでした。 

ですから、デリケートな破砕帯は35年間常に交通の振動を受け続け、恒常的にトンネル本体に対して圧力やねじれを与えて多くのヒビを作っていたことは想像に難くありません。 

そこから湧水が漏れ出し、常に吊り金具を侵食していた可能性が高いと思われます。そしてそれが遂に完成から35年後の今、破断界を迎えて重大事故につながりました。

ひとことで言うなら、高速道路インフラの老朽化です。(資料3参照)

先月11月7日に行われたNEXCO東日本・中日本・西日本各社による「高速道路資産の長期保全、及び更新のあり方に関する技術検討委員会」という長たらしい名前の検討会でもこの老朽化問題は検討されており、1年後に答申をまとめる予定を出したばかりのことでした。

現在我が国の高速道路網は建設後30年以上経過するものが4割にも登り、同検討会資料によれば、2019年にはとうとう5割を超えるとされています。

つまり、いつ何時このような天井崩落のような今まで「あり得ない」とされてきた重大事故が起きるかわからないということです。

日本の公共インフラは高度成長期とその後の時期に多くが作られました。当時の技術水準は、この吊り天井方式にも伺えるように、いくつもの技術的限界を持っています。

そしてそれは常にメンテナンスし続けたとしても、50年間たてば大規模な改修工事が必要だと言われています。

特に山間部を通るトンネルや、首都高のような非常に交通量が多い道路、そして大震災にさらされた地域の高速道路などがそうです。

首都高は、東京オリンピックに合わせて作られたために30年以上経過する老朽化した部分が46%も占め、2009年の調査で補修が必要な箇所は実に9万6600カ所に達しました。

もし、予想される首都直下型地震が起きた場合、首都高は巨大な墓場と化すことでしょう。

対策としては鉄環を回すなどが上げられていますが、国が改修工事に対して十分な予算措置をとらないまま多くが放置されています。

この公共インフラの整備・改修事業を「土建国家への逆戻り」として切り捨て続け、「コンクリートから人へ」というバラ撒き政策に固執し続けた民主党政府は強く批判されるべきです。

前原氏などは、「公共事業を32%減らした。自民党政権ではできなかったことだ」と、公共インフラをボロボロにしたことを手柄顔して語っているありさまです。

今後高度成長期に建設した公共インフラは続々と耐久限界を迎えていきます。振動、腐食、金金属疲労などで今後50年で190兆円の老朽化対策費が必要だと言われています。

原発事故と同じく、「起きるはずがない」という安全神話に浸って、着実な整備・改修を怠ったツケが回ってきました。

もはや言い訳はききません。早急に全国の公共インフラを点検し、その補修強化のための予算を大規模に組むべきです。

なお、国交省はNEXCO中日本と共同調査をすると発表しました。規制する側とされる側の共同調査ということになります。

このような重大事故を引き起しながら、茶番を堂々してみせる霞が関官僚はいい度胸です。

この笹子トンネル崩落事故は、福島第1原発同様に時代の深部でなにか大きなことが起きていることを予感させるものでした。

私たちは、今まで「安全であたりまえだ」と思っていた原発のようなエネルギー・インフラや公共インフラが、実は破断界に差しかかっていたことを自覚的せねばなりません。

70年代に多く作られた福島第1原発型BWRは、その耐久年限の30年間を過ぎて今や危険水域の中にあることが分かりました。

また、同じ時期に作られた多くの公共インフラも今、大改修をしないと重大事故を引き起こすことが分かりました。このことを真正面から見つめる時です。

これは新たな総選挙の争点となすべきです。

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■資料1 中央道トンネル崩落:複数遺体確認 少なくとも6人現場に
毎日新聞 2012年12月02日
 

 2日午前8時ごろ、山梨県大月市笹子(ささご)町の中央自動車道・笹子トンネル(全長約4.7キロ)内で、コンクリート製の天井板が約110メートルにわたり崩落し、車3台が巻き込まれた。県警などによると、1台から複数の遺体を確認。もう1台から1人を救出したが死亡が確認された。3台には少なくとも計6人が取り残されていたとみられ、救出作業を急いでいる。中日本高速道路は設備の老朽化で事故が起きた可能性を認めており、県警は業務上過失致死傷容疑などで調べる。 

 県警や東山梨消防本部によると、3台は多摩ナンバーのレンタカーのワゴン車、トラック、乗用車。天井板の下敷きになり、火災も一時発生した。複数の遺体が見つかったワゴン車から自力で脱出した銀行員の女性(28)=神奈川県三浦市=は「6人で乗っていた」と話したという。死亡した男性はトラックから見つかり、山梨県甲斐市の食品卸売会社の男性運転手(50)とみられる。脱出した女性と甲府市の無職女性(37)がやけどなどで重軽傷。 

 中日本高速によると、現場は上り線の大月市側出入り口から1.7キロ地点。天井板(幅5メートル、奥行き1.2メートル、厚さ8〜9センチ、重さ約1.2〜1.4トン)の上の空間は換気のためのダクトになっており、ダクトを仕切る隔壁と合わせ計約270枚が崩落した。 

 天井板は左右1枚ずつが中央にある鉄板で支えられ、この鉄板はトンネル中央の最上部から伸びるつり金具(長さ5.3メートル)で1.2メートル間隔で固定されていた。同社は調査委員会を設置予定で、名古屋市の本社で記者会見した同社幹部は設備の老朽化について「今後原因を調査するが、そうした可能性もあるかもしれない」と述べた。

 点検は年1回の定期点検と5〜10年ごとの詳細点検があり、最近では今年9月に詳細点検をしたが「異常なし」だったという。だがこれまでの点検で、天井板についてはハンマーでたたいて調べる打音検査をしてきたが、トンネル最上部にボルトで固定してあるつり金具の上部は作業員による目視しかしてこなかった。同社幹部は「高さがあり双眼鏡による目視で十分だと思った」と説明した。 

 同社の金子剛一(たけかず)社長は会見で「大事故を起こし、大変申し訳ない」と陳謝した。 

 笹子トンネルは1977年開通で、大月市と甲州市にまたがる。上下線が別々のトンネルで片側2車線。 

■資料2 トンネル天井のボルト脱落 類似トンネル緊急点検
朝日新聞デジタル 12月3日 

中央自動車道上り線の笹子トンネル(山梨県)の天井崩落事故で、中日本高速道路は3日、崩落した天井板をつる金具をトンネル上部のコンクリートに固定するボルトが崩落現場付近で抜け落ちていたと公表した。また、現場を視察した羽田雄一郎・国土交通相は、同様の構造になっている全国のトンネル49本を緊急点検するよう、高速道路会社などに求める考えを示した。

 国交省によると、笹子トンネルと同様のつり天井は高速道路で40本、国道で9本あるという。緊急点検では、金づちなどでたたいた音で異常を確認する「打音検査」を行う。また、国と中日本高速で調査委員会も近く立ち上げる。
 中日本高速はこれまで、ボルト部分について、腐食などがないかを目視で確認してきた。3日から始めた緊急点検では打音検査に切り替えた。


 笹子トンネルは、長さ約5.3メートルのつり金具で天井板をつり下げていた。金具には鋼材が取り付けられ、ボルト(長さ230ミリ、直径16ミリ)でトンネル最上部のコンクリートに打ち込まれており、接着剤で固定してあるという。崩落現場では、複数のボルトがコンクリートから抜け落ちていたという。

■資料3 中央道トンネル崩落 後手に回った対応
◇老朽化対策、先月から 「経年劣化」の指摘も−−高速3社

毎日新聞 2012年12月03日 東京朝刊

天井板の崩落事故が発生した山梨県の中央自動車道・笹子トンネルは、供用開始から35年が経過しており、中日本高速道路など高速3社は先月、道路全般の老朽化対策について検討を始めたばかりだった。専門家からは経年劣化の可能性が指摘されるとともに、点検方法の見直しや早期の原因究明を求める声が上がった。

 中日本高速道路によると、笹子トンネルは中央道の起点・高井戸インターチェンジ(東京都杉並区)から82・7キロの地点にあり、全長4784メートルで77年12月20日開通。崩落した天井板はプレキャストコンクリート(PC)板と呼ばれ、板1枚は幅5メートル、奥行き1・2メートル、厚さ8〜9センチ、重さ約1・2〜1・4トン。これを左右に1枚ずつ並べ、両端はトンネルの壁に固定し、中央部分はトンネル最上部からつり金具で固定していた。

 つり金具は板の奥行きと同じ1・2メートル間隔で設けられ、金具と金具の間には隔壁がある。隔壁は天井の上の空間を左右に分け、片方はトンネル内の車の排ガスを換気機を使って排出する排気用、もう片方は外部の新鮮な空気を取り入れる送気用として利用しており、これは「横流(おうりゅう)換気方式」と呼ばれる。

 このトンネルの天井が約130メートルにわたり崩壊。つり金具部分も落ちる一方、天井板の両端はトンネルに固定されたままで、V字形になった。施工は76年8月から77年9月に大成建設と大林組の共同企業体が行い、点検は中日本高速グループの中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京(東京都新宿区)が担当していた。

 同社によると、天井の点検は技術者の目視と専用のハンマーを使った打音で行われ、水門直仁・経営企画課長は「技術者はたたいた時の反発や音で劣化の有無についてある程度目安はつく。一番信頼性が高い方法で、他のトンネルや業者でも同様だ」と説明した。

 一方、近年は天井がなく、ジェットファンや車の流れでトンネルの出入り口で換気する「縦流(じゅうりゅう)換気方式」が主流とされる。横流方式には構造物が多くコストがかかる一方、縦流方式は安価なため普及したという。

 中日本高速は「トンネルの更新計画はなかったが、経済性や、天井板があると圧迫感があるので縦流方式の方が好ましいと考えていた。でも工事には長期間の通行止めが必要なので、簡単ではない」と説明した。

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農業には単なる農産物製造部門だけではない大事な仕事がある

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TPP推進派の中には、私たち農業者を既得権益者と見立てて、なにが恨みなのか知りませんが、日本農業潰せばいい世の中になるとでもいいたげな人が多く見受けられます。
 

農業関税はコメが778%という突出して高い関税を持っているために勘違いされていますが、野菜など関税わずか3%です。農業分野全体の関税率平均は11.7%で、他の工業製品関税と変わらない水準か、それ以下です。

グローバリストはコメばかり取り上げて、日本農業は国際競争力がないと言い募りますが、衣類の関税が10%ですから、農業はユニクロより強い国際競争と戦っているのです。 

ではコメをなぜ高関税の防壁で守っているのかといえば、水田が日本の自然コントロールの根幹をなしているからです。

新自由主義者は、コメを生産基盤の「水田という存在」が日本自然の中で果たしている機能から切り離して、ただの市場商品としてしか見ていません

ではここで、「水田」が位置する日本の国土はどのような特質があるのか、改めて考えてみましょう。 

我が国は文句なく世界最大の自然災害大国です。毎年襲ってくる大型台風、地震災害、土砂災害、豪雪災害、まるで自然災害の博覧会のような国です。

それは我が国が過酷な自然条件を持っているからです。

南北2千キロ、東西2千キロにおよぶ島々からなる列島であり、その中央部には2千メートル級の脊梁山脈が伸び、平野部は狭く、山岳地域の地質は崩落しやすい風化岩であり、そして河川はそれに沿って急流で海まで下り落ちます。

積雪地域は国土の60%に達し、いったん豪雪となると、たちまち交通機関が麻痺し、ときには今回の北海道のような大規模停電が引き起こされます。

多くある離島は、時化れば食料不足に陥ります。 急病人もヘリで搬送せねばなりません。

そしてご丁寧にも、3つプレートが集合している所に国土があるために、世界の0.25%の地表面積しかないにもかかわらず、マグネチュード7以上の大地震の実に20%が我が国で発生しています。 

これだけの自然災害大国に、なぜ1億3千万人もの国民が文明生活を営めるのかといえば、自然災害に対していくつもの自然をコントロールする防御機構を備えているからです。 

急峻な山から流れ出した急流は、まず山懐の水田に流れ込み、そこでいったん蓄えられて水量と水速のエネルギーを失います。 

いわば水田はミニ・ダムなのです。実際、水田の貯水量は大型ダムに匹敵する容量をもって、日本の自然をコントロールしています。 

もし水田がなければ、「まるで滝のようだ」と明治期に来日したヨーロッパ人を驚かせた我が国の河川は暴れ川となって、大水のたびに洪水をもたらすでしょう。最近でも四国の四万十川の大洪水は記憶に新しい所です。

上の写真のような小さな川は全国各地にありますが、大水の時には急流となります。その時に溢れた水は、いったん水田が吸収し溜め込みます。

また干ばつの時には、水田に付属するため池から水を放出して凌ぎます。これが水田のダム調節機能です。 

歴史的に我が国ほど治水に知恵と力を出してきた国はありません。川を治めた者のみが為政者たる資格があるとされるのが我が国の伝統でした。 

武田信玄は優れた民政家でしたが、彼が作った霞堤は暴れ川を見事に水田に引き入れて手なずけています。

その伝統はいまでも受け継がれています。それが水田と林業による治水です。

崩落しやすい山肌はいったん裸山にすると崩落して住宅地を襲い、河川を埋めて大水を引き起します。

それをさせないために日本人は山を守り、水田を守ってきたのです。

歴史的に農業と林業は一体のものでした。 しかし林業は輸入材に押されて衰退の一途をたどり、水田農業がかろうじて残っているたけです。

ですから、水田が放棄されていった地域では、「水田ダム」がないために水害が頻発していきます。

このように水田はコメ作り以外にも、治水、環境整備、景観保全、生物多様性の確保などの多機能を備えており 、それらを含めると単にコメの価格だけで計れない大きな意味での自然災害から国土を保全する働きをしているのです。

もし水田がなければ、我が国はこの過酷な自然から国民を守るために、多大な防災コストをかけねばならなかったでしょう。

外国のコメが仮に我が国のコメより安価だとしても、輸入米には我が国の国土と国民を守ることはできません。いったん水田を失くしてしまえば、1年間で雑草が身の丈ほど伸び、2年で田んぼの底が抜けます。

そして、機械はさびつき、世界一と言われる米作りの技術も5年以内に失われていきます。そうなってしまえば、もはや我が国はもう一度コメを作ろうとしてもその基盤も人もなくなるのです。

私たちはTPPを阻止することで、日本の米作りを守ろうとしています。それは高い安いというだけのお金の価値で置き換えることのできない「自然をコントロールする」という価値が農業の中にあるからです。

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■写真 村の朝。静かです。

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