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2012年12月14日 (金)

衆院選の争点ガイド 貴重な一票を死票にしないために

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これが選挙まで最後の更新となります。この選挙は、私が選挙権を持ってからもっとも大事な選挙になると思います。 

実はお恥ずかしい話ですが、今まで私はあまりにも自民党政権が磐石だったこともあり、「てやんでぇ」的な票の入れ方をしてきたことも多々あります(汗)。いわゆる「批判票」です。 

結果があの「政権交代」以後の、あまりにも惨めな、あまりにも無残な、あまりにも拙劣な期間となりました。私は、これほどまでに政治に騙されたと思ったことはついぞ記憶にありません。 

民草の一票はたしにかに「軽い」羽毛のようなものですが、それが何万と積み重なった時、いわば「合成の誤謬」のようになるようです。それを思い知ったこの3年3カ月でした。

そこで一声。 もう「気分」で票は入れねぇぞ! 

はい、ご苦労さま、というわけで、今回の選挙の論点を私なりに整理してみましょう。 

■1)[消費税増税
私はこの時期における増税に反対してきました。その観点から見ていきます。
 

消費税増税法案を、現時点でひっくり返すためは廃止法案提出のために反対派だけで過半数の議席を獲得する必要があります。 

「維新」が増税派な以上、社民と共産プラス反対の第3極となりますが、たぶん合わせて50議席も難しいでしょう。従って現時点での「反対」は技術的に不可能です。 

そこで、次善の政策となります。私の「反対」は、今のような極度のデフレ、円高、ついでに電力不足という3重苦の時期に増税するのは正気の沙汰ではないという「時期」の問題です。 

それを可能とするだけの力が国民経済にみなぎり、国民がそれを受け入れるだけの条件が整えば、たしかに財政の不均衡は是正されるべきです。ただ、超デフレの今ではない、ということです。 

それはデフレという我が国を苦しめ続けてきた貧乏神からの脱却が必要です。現在の我が国の成長率をご存じですか? 

なんと近時速報値・年率換算マイナス3.5%という、箸にも棒にもかからない世界で指折りの冷えきったデフレ不況状況です。 

これがプラス成長にならない限り、増税などしたら我が国は奈落に転落していきます。国民にとって、賃金の低下、失業率の増大となるのは必至です。 

しかし、ご安心。消費税増税法案には付則18条というものがついています。これが民主党案に対する、自民党が出した修正条項です。 

そこには、「経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」という文言があります。(資料1参照) 

不思議な話ですが、ほぼすべてのマスコミはこの付則18条を無視して、消費税法案が通過した瞬間、2014年度から8%増税と決したかのような報道をしています。それは間違いです。 

2014年に消費税を8%に上げるためには、少なくとも2013年10月頃の時点で、プラス成長になっていなければなりません。指標としてはプラス3%といわれています。 

そのためには、4月~6月の経済成長の数字が出る、来年8月がひとつの節目となります。この時点で今のようにマイナス3%などという惨憺たる数字なら、付則18条に則り、粛々と消費税増税は「なし」ということになります。 

ですから、ただ増税反対と言っているのは無責任。その反対に何がなんでも増税ありきもおかしいのです。正しい答えはたぶんその中間にあります。 

そしてそのための有効な景気対策が取れることが必須です。 

■2)[原発問題
脱原発については、「被曝地」の人間として、3.11から長く放射能と戦い続けて来た気がします。私の農場の打撃も巨大でした。それはリアルな現実との戦いでした。

ですから、私は抽象的に「脱原発」を考えることが出来ません。 スローガン政治ではなく、ほんとうに原発を畳むにはどうしたらいいのかと考えます。

世界の中でも、原発に対しての考え方は、ドイツの情熱と失敗、フランスの重厚な原子力・規制システム、フィンランドの覚悟と知恵など世界には様々な事例があります。 

ドイツの例を見ると、その情熱は素晴らしいのですが、拙速にすぎる急激な脱原発はあまりに社会的、経済的被害が大きかったと思っています。
■関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-0a6c.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-e850.html

かといって、フランスのように50%を超える原子力依存率は論外です。フィンランドとは国家の規模が違います。 

しかし、それを踏まえてあえてひとつと言えば、フィンランドがもっとも我が国の原子力政策の手本になる気がします。 

私は、フィンランドのように、「核のごみ」(使用済み燃料)の最終処理を暫定的にでも決定した後に、そのキャパシティに合わせて行くべきだと思います。
■関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-1f72.html 

その時に何を廃炉にし、廃炉にしないかの基準と手法は、フランス原子力安全院(ANC)に学ぶべきです。
■関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-5.html 

我が国では、原子力技術と規模の大きさに対して、その安全管理というカウンターパートがあまりにもおろそかでした。

そんな我が国で今やらねばならないことは、気合で脱原発を唱えることではなく、むしろ原子力規制委員会の独立性の確立と権限付与、安全基準の確立などを真剣に議論することではないでしょうか。それが出来て、初めて脱原発の道が見えるのです。 

ただ票目当てに30年代、10年、即時などというのは無意味です。そんなことが決まるのはもっと後です。 

今、即脱原発を主張する政党が政権を獲った場合、それはそう遠くない時間で破綻するのは目に見えています。

その前例は原発推進から、一挙に正反対になった民主党政権が既に実証済です。もう一回やることではありません。
■関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-ebe9.html 

この論議すらないままに、恐怖と情熱で突っ走ることには反対です。今、必要なことは議論が深化できるに足る時間です。 

それを「原発推進」という人もいますが、冷静な議論までそう言うのなら何をか況んやです。

■3)[TPP問題]
これも消費税や原発問題などと似た所があるのですが、もちろん私は反対です。

その前提に立って言いますが、現実に始まって1年ちかくたつ米国とのTPP参加交渉をチャブ台返しするわけにはいきません。 

なぜならそれは、外務省が取り仕切っている政府間「外交交渉」だからです。いくら政権が替わったからといって、いち抜けたはできないのです。

それをやったら革命政権だと言われます。TPPを「第2の普天間」にしたらとんでもないことになります。 

そうである以上、米国と続けられているTPP交渉には継続「参加」せざるを得ません。しかし、それには条件があります。 

それは我が国の「国益を守る」ということです。国益とは、一部の企業が儲かるということではなく、国民の利害ということです。 

これがいかなることなるか明確にしないで、漠然と「国益」と言っている政党が多すぎます。 「国益」を明示しなければだめです。

「国益」の中で、我が国の立場をひとことで言えば、「聖域なき関税撤廃はありえない」、「我が国の皆保険制度には手を触れさせない」、という2点になるでしょう。 

もちろん政府調達や、外国人労働者などの問題は残りますが、農業関税と医療保険制度が天王山であることは間違いありません。 

またISD条項は、この米国の要求を通すための彼らの武器なので、天王山に付随する条件です。(資料2参照)

もし、わが国政府が、「聖域なき関税反対」と 、「皆保険防衛」を交渉相手国に呑ませたら、その瞬間TPPの毒素は8割消えます。

このような項目がないTPPはあり得ないからです。逆説的に言えば、これらの国益が防衛されるならば、TPPの「参加はありえる」ことになります。 

もちろん、そのようなことは既締結国間が認めるはずもありませんから、我が国がここを防衛の天王山とする以上、事実上「TPP参加はしない」と同義語です。

このようないきさつ抜きに、参加賛成、反対と○×で問うマスコミは勉強不足もきわまれりです。

 ■4)公共事業
今まで日本人はマスコミによって、公共事業は「悪」だと教えられてきました。他ならぬ私もそうです。
 

この認識が変化したのはこれも3.11でした。我が村の小学校2校が破壊され、国道の橋は崩落しました。 

笹子トンネル崩落事故はその予兆でしかありません。30年から40年と言われる公共インフラの耐久年数の限界に、今差しかかっています。 

1970年代に多く作られた高速道路、港湾、公共施設,橋などは、一斉に危険な時期を迎えています。 

そしてそれだけではなく、東日本大震災の後に予想される東南海地震に備えなくてはなりません。

これに対して政府は大胆な政府投資を行うべきです。「コンクリートから人へ」ではなく、「人を守るコンクリート」が必要なのです。
■関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6.html 

あと外交問題や安全保障などもありますが、民主党政権の実績たるや、点数すらつけられないわけですし、「地方分権」や「脱原発」のワンイッシュの第3極の党の意見を聞くのはヤボというものでしょう。

よい一票を投じましょう。泣いても笑っても、このときしか私たちには意志表示の場がないのですから。

 

■写真霞ヶ浦の朝。静寂の中、水鳥が飛び立っていきます。

■明日あさっては定休日です。月曜日にお会いしましょう。といっても選挙速報を深夜まで見ているので、更新できるかな(笑)。

             ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 

■資料1 消費税付則18条
「この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」
 

■資料2 自民党TPP交渉原則 

(1)政府が「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対する。
(2)自由貿易の理念に反する自動車などの工業製品の数値目標は受け入れない。
(3)国民皆保険制度を守る。
(4)食の安全安心の基準を守る。
(5)国の主権を損なうような投資家・国家訴訟(ISD)条項は合意しない。
(6)政府調達・金融サービスなどは、わが国の特性を踏まえる。

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コメント

正直、今の重複立候補制度では、自分の意思が、表現できないと言う思いが、あります。
また、マスコミも、衆議院議員選挙での、白票など、詳しく報道しないのも、気になります。

大体、小選挙区立候補者全員が、重複立候補者であると言う政党が、多いと言うことが、個人的には、納得できません。

税金で、政党助成金を、貰っているのが、ほとんどの国会議員ですが、党首の考えや、マニフェスト(まあ、信用度は、低いですが)に、頼って、その政党名を書いても、正直、どの政党にも、こいつだけは、国会議員になってほしくないと言う立候補者が居るのですが、全員、重複立候補者と言う現状ですと、相変わらず、風が吹くというか、一般国民より、知識、智慧、覚悟、など、全くない国会議員が、当選し、しかも、内閣の一員になったりするし、新党を作れば、過去にお世話になった、政党名での政党助成金を、国庫に返すことなく、貰いっぱなしで、OKとか、領収書が要らないと言う乱用できる国費、血税を、使えるのも、どうかな?と、思うと、誰に、どの党に、1票入れるのかは、非常に、難しいですね。選挙演説や選挙公報に、こういう日本の将来像にしたいと言うメッセージが、少なすぎて、これで、選べと言う方が、難しいということで、困っています。

風で、当選した人は、就職の試用期間のように、能力のない人は、解雇や自主退職に出来るような、何か、担保は、ほしいのですが。。

名古屋では、市長リコールとか、230万都市として、実際、やっているので、出来の悪い国会議員を、直接、リコールできると、良いのにと思ってます。

重複立候補の制度の問題は同感です。
ゾンビ議員が増える。

山田元農水相は惨敗しましたが、あの赤松さんは復活当選しましたね。
山形でも前農水相の鹿野道彦が「惜敗率」で復活するかと思いきや、深夜2時過ぎに宮城県の開票結果で逆転落選です。

自民党で鉄板かと思われていた加藤紘一は、年齢制限で比例名簿に載せられずに新人に惜敗・落選。
もう、かつての「政界のプリンス」の面影は全く無いほど老いさらばえました。

また、山形さんのコメントに、コメントするな。と、管理人さんに、叱られそうですが。。

赤松さんは復活当選しましたね。>>>

地元では、赤松氏は、自分が有利になることしか、考えない人なので、応援する人は、少ないというか、どちらかというか、普通の市民には、嫌われていると、認識していますが、労組など、組織票など、腐れ縁が、多く、また、この選挙区には、信念のある対抗馬に成れる立候補者が出ない地域なので、結局、能のない赤松氏は、比例名簿順位を上げることで、選挙に臨むと言う、言わば、小沢一郎流選挙選が、旧社会党時代から、上手だったと言う事ですね。
正直、彼と接触したことがある人なら、本心は、落としたい候補に、入っている候補者であります。

落としきれなかったことは、名古屋一市民として、恥ずかしく、申し訳ございません。管元総理も、個人的には、落としたい候補なのですが、両候補とも、日本の国益より、自分の進退をうまく行くように、設定する能力が、たけていて、似たもの同士のような気がします。

口蹄疫禍に、関連した多くの九州地区の民主議員が、落選したことで、少しは、個人的には、溜飲が下がる
思いでは、ありますが、社民党党首が、未だ残っていることは、実際、不満ではあります。

個人的感情を、書いてしまい申し訳ございません。

りぼん。さん。

なるほどねえ、現地情報ありがとうございます。
流石は旧社会党の残党ですね。労組などの組織票は侮れませんね。
豊田市なんかも労連票で民主が生き残ったようですし…。


一昨年の凄惨な口蹄疫問題の対処当事者で、自ら悪役になってまともに仕事をして山田さんだけ惨敗で、後は軒並み復活ってのが残念でなりません。

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