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2013年1月21日 (月)

天然ガス・もっとも有力な原発の代替エネルギー

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HNただのぶさんから、このようなご質問があったのでお答えします。(欄外参照) 

私はいうまでもなく原子力推進派ではありませんし、かといっていわゆる「脱原発派」でもありません。 

心情的には、一刻も早く原子力に消え失せて欲しいと願っていますが、現実的には長い道のりだと思っています。 

それは原発ゼロの代償に国民生活や、国民経済を傷つけてしまってはなんにもならないからです。 

ですから私は、脱原発派の一部の方たちのように即時原発ゼロを唱えたり、再生可能エネルギーを徒に主張したりすることはしません。 

逆に、ただちに全原発の再稼働をせよなどとは口が腐っても言いません。

何からなすべきか優先順位をつけて、どの原発から、どのような方法によって、いかなる代替手段で行うのか考えていこうと思っています。 

ですから、原子力維持派からも、脱原発派からのどちらからも批判されるというキビシイ立場となっています(笑)。 

さて、原発維持にしても、脱原発にしても優先順位があります。すぐに全部再稼働しろというのも、逆にすぐに全部ゼロにしろと言うのも無理な話だと思っています。 

ものには手順というものがあるのです。再稼働の是非を決定するのは、一義的に科学的知見に基づく原子力規制委員会のものです。その後にそれを受けた政府や国会の判断となります。 

この規制委員会の安全審査を飛び越えて再稼働したり、廃炉にしたりすることは政治の優越を認めることになって危険です。

では現況はどうなのでしょうか。日本の原発は2基を除いてすべて稼働していませんし、再稼働の予定もまったく不透明な状況です。 

そして今後ですが、この1月に出た規制委員会の安全基準原案によれば、老朽原発と活断層上の原発には未来はないでしょう。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-4.html
        http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post.html
        http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-7d28.html

 これだけで、30年から40年たつ老朽原発の15基と、GE製markⅠ及びⅡの11基が廃炉に追い込まれます。2基重複していますからこれで24基、約半数強の原発が止まります。 

他に敦賀、東通、大間、志賀、美浜などの活断層上の原発にも再稼働の可能性はかぎりなくゼロです。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-397c.html
        http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6351.html
        http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-1.html

 また、それ以外の原発も、現時点で安全基準に100%合格する原発などは存在しませんから、一定期間かけた再稼働のための補強工事が必要なわけです。 

その後に規制委員会に申請して審査を受けるのですから、たぶん2年から3年間、時には5年以上再稼働が遅れることが予想されます。 (その間に審査に合格すれば再稼働する原発もパラパラあるわけですが。)

つまり、20~30基の原発には未来がなく、残りの原発も多額の補強資金をかけてまで再稼働させるかどうなのか瀬戸際だというのが現状です。

維持費と改修費ばかりかさんで、5年かかって審査したあげくまた改修だったら電力会社はやってられません。きっとその見極めをする期間にこの数年間はなるはずです。 

このような現状のために、わが国では火力発電がほとんど独力でエネルギーをまかなっているというのが現状です。 

現在、9電力会社が3.2兆円と言われる燃料コストの高騰で、関西、九州が値上げを表明し、四国、北海道、東北の電力各社も追随すると見られています。

昨年9月に値上げしたばかりの東電も、今年にまた再値上げをすると見られています。 

電力会社の伏魔殿のような子会社体制を整理し、人件費圧力を減らせという声も大きいし、それをやる必要はありますが、人件費はせいぜいが1割程度であり、その圧縮によるコスト削減効果にも自ずと限界があります。 

このように原発が止まり、再稼働が完全に不透明となった今は、エネルギー戦国時代と呼ばれています。 

依存率50%を目指すとまで言われた原子力が絶望的に極小に転落し、その開いた席を巡って多くのエネルギー源が競い合う状況なのです。

たとえば、こんな動きがありました。福井県は全国最多の13基も県内に原発を抱える原発のメッカのような県でした。 

しかし去年7月のこと、福井県庁に関西電力、大阪ガス、東芝、神戸製鋼所、千代田化工などといった、そうそうたるエネルギー関係とプラントメーカーが呼ばれました。 

呼ばれた理由は「福井県内にLNGの新たな受け入れ基地が作れないか」というものでした。 

聞いた各社はさぞかしびっくりしたことでしょう。日本一の原発立地県が、天然ガスに転換するというのですから。

敦賀市には、02年に大阪ガスが天然ガス・プラント建設を作る予定だったものが棚上げになったという経過もあって既に準備調査は済んでおり、電力・ガス会社側も大いに乗り気のようです。

この福井県の動きには経済産業省がバックにあり、原発の跡地利用として天然ガス・プラントを作る構想もあります。 

特に敦賀原発3、4号機は着工が認められていない状態であり(無理だと思いますが)、天然ガス・プラントへの転換は可能性が高いでしょう。原発に頼ってきた地元の雇用をなくさないという意味でもいいことです。

福井県は日本海側に面しており、ロシアと天然ガスパイプラインが直結する可能性もあります。現にロシアは、サハリンからの数千キロのパイプラインの建設計画を持っています。

これが実現した場合、福井県などの日本海側の諸県は京阪神地区のみならず首都圏に対しても大きなエネルギー供給基地となりえます。 もはや原発などという危ないものに頼ることはないのです。 

ここで考えておかねばならないことは、ゼロリスクはありえないことです。原発のリスクを排除することは、別なリスクを取ることです。

いくつもあるリスクのパラメータ(変数)を考えながら、もっともリスクが最小化される方法を選ぶべきです。(欄外図参照)

これにはイデオロギーが入り込む余地がない問題です。脱原発はイデオロギー論争ではないのですから。

原発の代替エネルギーに、経済的・社会的合理性がないエネルギー源を置くことはありえません。そのリスクの判断基準は大きくはこの3ツでしょう。

第1に、電気料金の値上げや停電の危険がないか、あっても少ないこと
第2に、環境汚染、この増加がないか、あっても少ないこと
第3に、重大事故の危険がないか、あっても少ないこと

以上の条件で考えると、このようになります。

再生可能エネルギーは不安定で高価な上、バックアップ発電所を置かねばならず、そのための送電体制などの制約が多すぎます。

石油は安定したエネルギー源ですが、産地の中東情勢により原油価格の変動が激しい難点があります。

石炭は安価な供給源ですが、大気汚染とCO2排出が大きいのが難点です。

天然ガスは産地が分散しており、CO2排出も中程度であり、いまの原油価格との連動した価格体系が改善されれば代替エネルギーの本命たりえます。 

実は今まで天然ガスのネックになっていたのは、国内のガスパイプラインの未整備と、原油と連動する価格体系でした。

しかしこれも、現在急速にパイプラインの建設が進んでいます。 

新潟-富山、彦根(滋賀県)-四日市(三重県)でパイプラインの敷設が進み、これを敦賀(福井県)まで延ばして、日本海側と太平洋側をつなぐ新たなエネルギーの動脈にできないかと経済産業省は考えています。 

このガス・パイプラインの建設コストは、送電網建設よりはるかに安価であり、天然ガス・プラントが一基稼働すれば直ぐに採算がとれるとさえ言われています。

パイプラインの鋼管作りの技術は、わが国のお家芸でしたが、外国ばかりで自国に作っていなかっただけです。 

また、今まで原油価格と連動してきた価格体系も、米国で「シェールガス革命」が起きて世界のエネルギー地図が急速に塗り替わった結果、大きな変化のきざしが現れています。 

米国のシェールガス革命に危機感をもったロシアは、東シベリアとサハリンの天然ガスを日本に安価で輸出することに前向きになっています。

天然ガス・プラント自体も、三菱重工が製造するガス・コンバインドサイクルを使用すればエネルギー効率が従来の2倍の6割にも達し、同じ燃料で2倍の発電量が得られます。これについては別途詳述する予定です。(ただのぶさん、待っててね。) 

このように、天然ガスは国内の受け入れ基盤の整備、外国の供給事情の好転、発電プラントの技術革新などが立て続けに起きた結果、次代の主力エネルギー源とする条件は急速に整いつつあります。

長くなりましたので、次回もう少し詳しくこの稿を続けたいと思います。

■写真 雪の日の翌朝。欅がにわか雪原にポツンと立っています。 

           ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。 

「私は原発を維持した方がよいと考えておりますが、貴殿の現実的な主張は理解できます。 

私も推進派ばかりの主張を読まず、たまには反対派のをと思い、完全な専門家では無いと思いますが、旧皇族の竹田恒泰氏のこれが結論!日本人と原発にコンバインドサイクル発電というのがありました。 

現実的な発電なのでしょうか?
コスト、発電量とか。
原発の代替となりうるのであれば、
後は廃炉と核廃棄物の問題が残るだけです。一番問題ですが。
博学な貴殿のご意見はいかがでしょうか。」
(ただのぶ)

■エネルギー源のリスク比較

Photo_3
             (週刊ダイヤモンド2011年11月10日より)

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コメント

農業に例えて言うなら、太陽光や風力発電は地産地消・自家消費に適した発電です。

でも、地産地消や自家消費は多くの人々(特に都会の人々)を賄うものではありません。
私も電力の大量消費地を支える原発に代わるものはLNGが一番現実的だと思います。

お邪魔させていただきます。

私は
日本を支える新エネルギーとして
メタン・ハイドレートに期待しています。
日本海に豊富に埋まっており
既存の火力発電所でも使用できるとのことです。

しかし何故か
原発の代替エネルギーとして
メタン・ハイドレートの名前が
挙がってきません。

不思議です。

紅而遊戯さん。

いや、メタンハイドレートは有力な資源として期待されていますよ。
ただ、まだ試掘段階であり、分布と採掘コストも不明です。
現在分かっている日本近海の埋蔵量は、我が国の消費19年分程度です。
かつての石油同様に、おそらくこれから発見量が増えるかとは思いますが…。

http://www.jpower.co.jp/bs/karyoku/sekitan/sekitan_q02.html

一応、石炭発電=公害の元、と言うのは、過去の話で、今は、天然ガス発電並に、きれいというか、大気汚染をそれほど、しません。

石炭発電の日本のプラントは、かつて、自動車の排気ガスが、マスキー法をクリアーしないと、米国では、販売できないと言うときから、かなり研究が進んで、現状は、かなりクリーンな排気になっています。

大体、ごみ焼却場から、白い煙(水蒸気)が目視されただけで、公害だとクレームがつく日本ですので、現状は、わざわざ、水蒸気の白い煙を消すために、煙突の最上部で、化石燃料で、再加熱して、無色の煙にしているのは、日本くらいでしょうね。

まあ、個人的には、ベストミックスであるポートフォリオを、想定して、原子力を減らしながら、中長期計画で、発電していくのが、現実的だと思います。

マスコミが、PWRの安全性が、BWRとどう違うのか、検証しない、取材しないっていうのが、気になりますが。。。

原発に代われる火力発電にメタンハイドレードを使うのは、大変、有効だと思います。
しかし、今、それを出来るのですか?

まだ、採掘調査の段階で、実用段階ではありません。

原発は、如何なる事があっても絶対に、高濃度放射性物室の漏えい被害を出し、拡大させてはいけません。

又、火力と違い、超長期間放射性物質の脅威は残り、
大変危険な面があります。

だからと言って、それに代われるエネルギーが、
今、あるのか?というとそれは、NOです!

コンバインドサイクル発電も、石炭ガス化発電も数が足りません!

地熱発電は、国立公園等の規制を緩和しなければ十分に
整備出来ない!

自然エネルギーは、どんなに整備しても、力不足だという事は明白!

火力発電も燃料の大部分を輸入に頼っていれば、円安の
際に値上げの影響を直接受けます!

以上の点を考えれば、燃料を国内調達出来る火力発電を
早急に整備する事を最優先に考えなければなりません!

それも、燃料としてしか主に、活用方法がないバイオマスで、普段、多くを捨てているものを最大限活用する事
が今、極めて重要だと思います!

しかし、大勢の群集で反原発を訴えているのに、
その運動をしないのは何故でしょうか?

反対運動は、楽器を叩いて、騒いで、プラカードを持って公道を大勢で練り歩くだけ。単なる反対署名を集めて
政府機関に提出するだけ。

それで、エネルギー問題の解決が出来るはずがありません!

そんな状況においては、原発の再稼働は、絶対に必要です!

それが、責任ある大人の行動・判断です!

下手な歌を大きな音を立てて、楽器を鳴らし、世間を
騒がし、何の効力・役にも立たない行動をするなんて、
どう見ても、大人の責任ある行動とは思えません!

そんな訴えしかできないなら、やはり、原発の再稼働は
早急に必要です!!
原発はとにかく、一刻も早く再稼働すべき!


万全な管理体制が必要です。

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