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2013年1月 8日 (火)

飯田哲也氏のメガ・ミスリードその2 国富は中国ヘ、電気料金値上げと財務負担はわが国へ

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ちょっと前まで、再生可能エネルギーは次世代を担う成長産業のようにもてはやされていました。 

菅首相が、メガソーラーで国興し、産業興し、地域興しと叫んでいたことが遠い昔のように思い出されます。

あの人、今なにをしているのでしょうか。落選したと聞きましたが、まさか国会議員ではないですよね(苦笑)。

それはさておき、実際、再生可能エネルギー法の蓋を開けてみたらビックリ仰天。 

出てきたのはメイド・インチャイナのパネルばかり国産勢はとうに放逐されて市場の隅でうずくまってしくしく泣いているし、設備屋もあまりに簡単な工事なんで儲からない。 

メガソーラー発電所といっても雇用はほとんど生まないので、地域への貢献度は限りなくゼロ。 

その上に新たに出来たメガソーラー施設に追加送電網を作らねばならず、北海道電力と東北電力の試算したら、そのコストだけで1兆1700億円也。 

太陽光パネルは年中拭いていないと変換効率が悪くなるし、経年変化も予想以上。パワーコンデショナー(インバーター)は一年に一回必ず交換だしと、メンテナンスがバカにならない

そのパワーコンデショナーの世界シェア4割を握るSMAソーラーは、太陽光発電関連資材の暴落を受けて売り上げ激減で、とうとうリストラに踏み切り、株価大暴落で風前の灯火状態。

誰が儲かっているのかさっぱりわからないが、巨額の税金をつぎ込んでくれるというのだからなんとかなるだろうと、後から後から新規参入者が絶えないという奇怪な業界がひとつ誕生したわけです。

これで電気料金が上がらなかったら奇跡でしょう。

・・・てなことが、わかってきたのです。 

欄外図を見ていただければ分かるように、中国は世界市場の半分を握り、他国を寄せつけません。

かつて世界一だったドイツのQセルズは会社更生法、シャープも同じようなもの、日独米を合わせてもたった35%で中国一国にもかないません。 

なぜでしょうか。理由は簡単。太陽電池は要するにシリコン製品です。このポリシリコンメタルシリコンの世界的産地が中国で安価に入手できるのですから、輸入に頼るしかない他国はかなうはずもありません。 

しかも製造工程はこれ以上ないくらいの簡単さ。ターンキーと呼ばれる一貫生産ラインを作ってしまえばジャカスカ出来ます。 

太陽光発電装置は、一見ハイテクに見えますが、実はn型シリコン、p型シリコンに2ツの電極を付けただけの簡単な半導体デバイスです。バカデカイので、半導体と呼ぶのはちょっとというだけのシロモノです。

つまり、FIT(全量固定買い取り制度)によって、我が国は巨額の税金で中国企業を儲けさせただけだったのです。

かと言って、中国メーカーだけがウハウハかと言えば必ずしもそうではないのです。

中国は隠れた再生可能エネルギー大国で、太陽光パネルメーカーだけで5、6社ありますが、最近その大手LDKソーラーが倒産し、社長は国外逃亡して行方知れずです。

太陽光発電資材メーカーのGCLも倒産寸前で、在庫したウエハーだけで2億枚といいますから、とてつもない規模です。

これらが日本市場向け製品としてで叩き売られているのですから、まっとうな競争原理は通用しないはずです。

こうなったのも、今、世界の太陽光発電の需要は、セルベースで25ギガワットですが、供給能力はその倍の50ギガワット以上あると言われ、過剰生産となっているのが根本原因です。

ですから、今後の世界の太陽光発電市場は先進国メーカーの完全撤退と、ひたすら続く中国メーカーのさらなる安売りが常態となります。

国富は中国に流れ、FITによる電気料金の値上がりと、税金による財務負担だけが我が国民に残りました。

こうまで馬鹿げたことは見た事がありません。しかし、それはドイツのFITの惨状をみれば、当然予測し得たことです。

再生可能エネルギーを拡大するにも方法は多様にあったはずです。

国産グリーン産業を保護育成するために、関税ブロックをかけるとか、フランスのように税金を投入するFIT制度を利用する以上、国産メーカーを指定するなど方法はいくらでもあったでしょうに。

それをなにもよりによってこの太陽光発電の大不況時に、42円の超高額買い取り価格を設定して、おまけに製品の国産保護もしないならば、わが国が好餌になるのは見えていました。

この再生エネ法を書いた役人は、まるで世界の太陽光市場のマーケティグをしなかったとみえます。

地道に地域で拡げて、それをつなげて拡げていく道を取らず、一挙に国単位でドカーンっとやった挙げ句、投機筋と中国製パネルに牛耳られるはめとなったのです。

くりかえしますが、こんなことはFITの先行事例のドイツを見れば、分かりきったことでした。

この失敗の責任はFITを強引に押し込んだ菅直人首相と、その主唱者の飯田哲也氏にとってもらわねばなりません。

理念など初めからなにもない菅氏は論外です。当人は都合よく忘れてなんの反省もないようですが、福島事故の前年に原発比率50%を決めたのは彼でしたから。

しかし飯田さん、FITはあなたが日本に持ち込んだ制度ですよ。本当にこれがあなたの描いた理想なのですか?

■写真 新春の筑波山麓の田園風景。

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。初めまして。
管理人さんとほとんど同意見ですが、
この部分だけは違うのではないでしょうか。

太陽光パネルは年中拭いていないと変換効率が悪くなるし、経年変化も予想以上。パワーコンデショナー(インバーター)は一年に一回必ず交換だしと、メンテナンスがバカにならない。

我が家は太陽光発電を設置して13年くらい経過していますがパネルを掃除したこともないですし、経年劣化も大きな変化はありませんし、パワコンもメンテナナンスしたことはありません。

我が家の実績を参考においていきますね。

WTO加盟国は地元産設備の優遇はできないのが原則です。
カナダのオンタリオ州が発電事業者に設備の地元産を要求していることがWTO違反であると日本国などが主張し、WTOの紛争パネルに持ち込まれてその主張は認められました。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/121017/mcb1210171021027-n1.htm

そのとおりです。自国優遇策はできません。EU諸国が太陽光からオフシェア風力に移行しつつあるのは、そちらのほうが、自国製が有利だからという側面もあります。
だから、どちらも弱いわが国にとってFITは馬鹿げているのです。

小沢氏と嘉田氏のことに関しては、姑息かつ醜悪な選挙目当ての政治的利用主義が問題なのであって、どのように選挙費用を清算したのかなどは本質的問題ではありません。

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