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原子力安全委員会・田中俊一委員長インタビュー 規制委は規制委として独立した科学技術的な判断をする

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原子力安全委員会の田中俊一委員長が、いくつかのインタビュに答えています。大変に興味深い内容ですので、ぜひ欄外の「東洋経済」誌とNHKの記事をお読みください。

田中氏が自ら言うように、「科学とか客観的な事実をベースにして判断することに逡巡しなくなっている。今まではいろいろな思惑が働いていた面があったと思うが、今は気持ちの上で吹っ切れている」心境が伺えます。

さて最も重要なことは、規制委員会が「政府からの独立」を維持できるのか、です。ここがグラつけば、従来の原子力安全・保安院となんの変わりもなくなるからです。

いままでこの「独立性」について、今ひとつ規制委員会がどのように考えているのか明確に語られることがありませんでした。大飯原発再稼働についても、奥歯にものの挟まったような言い合いを政府としていました。

しかし、このインタビューで田中委員長は「3条委員会」(※1)として「政治がどう言おうと科学的技術的判断をする」と言い切っています。私は、まさにこの言葉を待っていました。

地層調査は下北半島のすべての原子力施設に対して行うとしており、他にも島根、柏崎刈羽、浜岡などにも実施するとしています。島根などは敷地外に活断層が走っている場合も考えられるのですが、それについては耐震指針の見直しをするとしています。

ただ誤解なきように付け加えれば、活断層の疑いがない原発については地層調査は「しない」ということで、全原発について地層調査をするわけではありません。このあたりは反対派から非難を受けそうです。

また、稼働40年たつ老朽原発については、いままでなぁなぁの特例既定で20年間の延長認めていましたが、これは認めないとしています。この発言で、日本に多い老朽原発の運命が決まりました。

いやーすっきりしました。これでmark1、2型原発は事実上廃炉です。(※2)

これらの原発に対しては審査結果でクロと出た場合、耐震補強をするなどのバックフィット(適合化)対策を事業者がするのは自由だが、それで経済的にペイするかわかりませんよと突き放しています。

審査次第では、発電事業者に大きな経済的ダメージを与えることがあり得るわけですが、それに対しても考慮しないと明言しています。これも優れた見識です。

留意しなければならないのは、審査に基づいてグロ判定が出た場合でも、それ自体が即「停止命令」そのものではないことです。

これを受けて新耐震指針に沿った改善をするかどうかは、巨額な費用をかけて経営的にペイするならおやりなさい、たぶん合わないでしょうが、また審査してあげます、という立場です。

立地する地元については、苦慮している様子がみえますが、原則は規制委員会の科学的技術的判断を前提にする点では一緒だとしています。

賛成、反対でもめる地元に対してどちらかに肩入れする発言はできず、説明責任は誠意をもってするが、どのように受け取るのかまでは考えないということでしょう。

これは一見冷徹に聞こえますが、今のように原子力に対して立場が違う者に対しては聞く耳を持たない我が国の現状には、それしかないと思います。

それはあくまでも「政治」の仕事であって、「科学」の立場ではないからです。そして現在進めている新安全基準が出来上がる今年7月までは、審査はしないとしています。

新安全基準は、「深層防護(※3)の概念でレベル4に当たるシビアアクシデント(過酷事故)防止の施設対応が必要で、そうした施設を造るとなると、施設の設計の認可(標準審査処理期間は半年~2年)から始まり、そんなに簡単なものではない。」

その後に、審査をしていくわけですが、一定期間、おそらくは5年程度の再稼働停止状態が出る原発が続出することが予想されます。

ただし裏返せば、安全基準に則った審査に合格すれば再稼働や新規建設は可能なわけで、何がなんでも一切の原発は認めない、という反対派の要求にも距離を置くという立場です。

田中氏について反対派から「原子力村の中心人物だ」とか、「「除染オタク」だとかいうような低レベルな非難がありました。

規制委員会には、原子力の専門家を置くのが絶対条件ですし、そうな以上「原子力村」と何らかの関わりを持つのはあたりまえです。

また、20mSvや100mSvについての田中氏の発言は、放射線防護学の常識を言っただけであって、それを問題視するほうが馬鹿げています。

私はむしろ、福島事故直後の4月1日に原子力学者16名の謝罪と緊急提言の勇気を評価します。

その思いがあってこそ、田中氏は規制委員会の責任者という、政府、業界、地元、そして反対派のいずれからも煙たがられる損な仕事を引き受けたでしょう。

今私たちに必要なことは、このような原子力関係者の勇気ある行動を支援することであって、つまらない足を引っ張ることではないはずです。

始まったばかり原子力安全・規制は、座るべき人物を得たようです。

以下、田中委員長の発言を要約します。

①[再稼働について
停止中の原発について「基準ができないと審査のよりどころがない。相談に乗ることはあっても、『審査』というプロセスに入ることはできない。

したがって、安全審査は安全基準ができることし7月まで行わない。 

②[自民党の再稼働の可否は3年以内方針について
3年というのは政治的要望であり、できるだけ努力はするが、確約はできない。3年以内にはいくつかの炉は動く可能性はある。

④[政府からの独立について]、
政府からの独立性を高めた「3条委員会」(※1)として独立していることは相当強い。「3条委員会」にすることは自民党の案なので、『独立』は尊重してもらえると信じている。

科学とか客観的な事実をベースにして判断することにしゅん巡しなくなっている。今まではいろいろな思惑が働いていた面があったと思うが、今は気持ちの上で吹っ切れている。

⑤[事業者への配慮
安全基準を守れないならば、政治がどう言おうと関係ない。(再稼働が遅れて)会社がつぶれるかどうかも考えない。

⑥[地元の了解
規制委は規制委として独立した科学技術的な判断をする。今の日本では、原子力に関して自分の考え方以外は受け付けないという人が多い。私たちとしては、わかりやすい資料も用意して説明はする。でも、そのことについて地元の了解が得られるかどうかは関係ない。

自治体から求められれば説明責任を果たそうと思う。今後の規制委員会の最終的な判断については、原発の地元で説明する。

⑦[7月に出来る新安全基準について
40年運転制限原則は、今までのように法律で最大20年の延長を1回に限り例外として認めており、運用次第で40年制限原則が形骸化していたが、新しい安全基準に合致していない限り例外はない。

40年を越えた原子炉(※2)の再稼働を認めるかどうかは、新しい安全基準に合致しているかどうかで決まる。その対応ができるかが大きな条件となる。実態としては、40年以上前のものは(新安全基準に合致するのは)そう簡単ではないだろう。

問題は経済的にペイするかどうか。バックフィット(適合化)の不可能なような炉もある。

⑧[新安全基準の要求レベル
深層防護(※3)の概念でレベル4に当たるシビアアクシデント(過酷事故)防止の施設対応が必要となる。

そうした施設を造るとなると、施設の設計の認可(標準審査処理期間は半年~2年)から始まり、そんなに簡単なものではない。

大飯原発の再稼働を許可した理由
調査した専門家の間で、活断層であるという意見とそうではないという意見で分かれた。私はもう少し調べてくださいと言った。それで今、早急に調べようとしている。

大飯原発には今差し迫った危険はない。

⑩[東通、大間、六ヶ所村などの下北半島全域の断層調査の必要性
下北半島全域について調査する。
東通に加え、大間や中間貯蔵施設や六ヶ所もあるし、それぞれに調べたデータや海側の大陸棚外縁断層、津軽海峡の断層の問題も含めて調べる必要性はある。

⑪[島根、柏崎刈羽、浜岡などの活断層が疑われる原発について
・島根・・・敷地外活断層については、現在島崎委員長理代理が影響と耐震基準と指針について小委員会をもって評価することになる。この新基準でバックフィット(適合化)することになる。

・柏崎刈羽、浜岡・・・敷地内の深い地層に柔らかい地層があると、地震動が大きくなるとわかってきたので、今後は指針で見直しが必要となるだろう。

⑫[廃棄物処理や廃炉などバックエンド対策
今回のような事故がまた起こるのだったら原発はやめたほうがいい。そういうことが起こらないように、私としては最善を尽くしたいと思っている。

■田中 俊一(たなか しゅんいち、1945年1月9日は、日本の工学者。専門は、放射線物理日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)東海研究所所長、日本原子力学会会長、原子力委員会委員長代理、内閣官房参与等を歴任し、現在 環境省原子力規制委員会初代委員長。東北大学工学博士。(写真・東洋経済) 

2011年4月1日 原発推進の学者16人連名で、「原子力の平和利用を先頭だって進めてきた者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝する」「状況はかなり深刻で、広範な放射能汚染の可能性を排除できない。」として、原子力災害対策特別措置法に基づき、国と自治体、産業界、研究機関が一体となって緊急事態に対処することを求める異例の緊急提言を発表。
(Wikipediaより)

■※1【三条委員会】中央省庁の機構などを定めた国家行政組織法は第三条で、内閣の行政事務を行う組織を「府」と「省」とし、その外局として「委員会」と「庁」を置くことを規定している。三条に基づく委員会は国家公安委員会公正取引委員会など七つあり、いずれも「庁」と同格の独立した行政組織と見なされる。(読売新聞)

■※2 現時点で30年から40年以上稼働している原発は以下

敦賀1・・・41年
美浜1・・・40
美浜2・・・38
島根1・・・37(markⅠ型)
高浜1・・・36
玄海1・・・35
高浜2・・・35
美浜3・・・34
伊方1・・・33
大飯1・・・33
福島1-5・・32(markⅠ型)
東海2・・・32
福島1-6・・・31
大飯2・・・31
玄海2・・・30
計  ・・・15基・・・①

福島第1原発と同型のmarkⅠ型は以下

敦賀1
島根1
福島1-5
女川1
女川2
女川3
島根2
浜岡3
浜岡4
志賀1
東通1
計   ・・・11基・・・②

①+②=26基(ただし重複2基で24基)

■※3 深層防護(Defense in depth)
原子力施設の安全性確保の基本的考え方の1つ。原子力施設の安全対策を多段的に構成しており、次の3段階からなる。①異常発生防止のための設計、②万一異常が発生しても事故への拡大を防止するための設計、③万一事故が発生しても放射性物質の異常な放出を防止するための設計。
多重防護ともいう。
<原子力防災用語集より> 

■明日明後日は定休日です。始まってすぐにお休みです(笑)。すいません。

 

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■「再稼働は皆さんが思うほど簡単じゃない」
原子力規制委・田中委員長に聞く
東洋経済
 

大飯原発の判断は敦賀原発とは違う 

――田中委員長は就任時から、日本の原子力規制をつねに世界で最も厳しいレベルに維持し、安全性が「グレー」の場合には、より安全側に立つとのスタンスを明らかにしている。しかし、現在3、4号機が電力需給逼迫を理由とした"政治判断"で国内唯一稼働を続けている関西電力の大飯原発に関して、11月の規制委による断層調査では「重要施設直下の断層は活断層を考えても矛盾はない」としながらも、運転停止を求めようとしない。調査した有識者の中にも即時運転停止を主張する人もいるが、規制委としてなぜそうしないのか。 

科学技術的にデータを出して「グレー」であれば安全側に立つという判断もあろうが、大飯の場合は調査した専門家の間で、活断層であるという意見とそうではないという意見で分かれた。活断層だと言いたい人は、どうであってもずっと活断層だと言いたがる。しかし、それは科学とは違うから、私はもう少し調べてくださいと言った。それで今、早急に調べようとしている

単なる不十分なデータを基に白黒の決着をつけてよい、という簡単な事柄ではない。敦賀原発のように(活断層の可能性が高いということで)意見が明らかに一致すれば、その場で私も感想を述べたように「現段階では(再稼働は)難しい」となるわけで、それぐらい(意見を)明確にしてほしい。

大飯はそうした判断ができないということだ。山の上のトレンチを掘ったらF-6断層(活断層と疑われていた断層)の場所とはずれていたし、海側に地滑りしたのではという説もある。その可能性を強く指摘している岡田篤正教授(立命館大学)は日本の変動地形学で草分け的な方だ。だからこそ、きちんと明らかにすべきだと考えた。明らかになった時点で(運転停止要求を)やればいい。 

それに、大飯原発に今、差し迫った危険があるかについては、そうではない。ストレステストや政府の判断を鵜呑みにしているわけではなく、仮に(断層の直上にある)冷却用取水配管が地震で壊れたとしても、どれくらい冷却できるかなどは把握している。 

大間や六ヶ所村を含め下北半島全域は断層調査の必要あり 

――大飯、敦賀、東通の3件の規制委の断層調査により、電力会社がこれまで行ってきた独自調査の信頼性が失墜した。規制委の断層調査はもんじゅを含めて6カ所に限られているが、ほかにも疑問視されている原発があり、調査対象を拡大すべきではないか。 

今調査対象となっている6か所は、旧原子力安全・保安院時代に専門家が活断層の存在や地震評価で疑問を指摘していた場所であり疑問のないところまで調査する必要はないと私は思う。 

ただ、下北半島全域については12月20日(東通原発の評価会合)の議論でも出ていたし、私も調べる必要があると思っている。今回の東通に加え、大間や中間貯蔵施設や六ヶ所もあるし、それぞれに調べたデータや海側の大陸棚外縁断層、津軽海峡の断層の問題も含めて調べる必要性はあると思っている。 

――その他にも島根や柏崎刈羽、浜岡なども懸念が強い。

島根は敷地内の断層ではないが、今、島崎委員会(規制委委員長代理の島崎邦彦氏がトップを務める小委員会)で耐震の指針や手引の見直しを行っており敷地外の活断層についてどういう評価をすべきかが出てくると思う。それによって基準地震動が今まで採用されてきたものでいいのか、これは全原発を対象に行う。15キロメートルと10キロメートルの断層があって、これをつなげて25キロメートルとして考えたほうがいいといったようなケースも出てくるかもしれない。そのうえで影響と耐震性を評価することになる。それは指針が変わることによるバックフィット(適合化)としてやることになる。

柏崎刈羽については浜岡もそうだが、敷地内の深い地層に柔らかい地層があると、地震動が大きくなるとわかってきたので、今後は指針で見直しが必要となるだろう。 

40年経過した原子炉の新安全基準合致は困難 

――安全規制の厳格化という意味では、来年7月に法制化する新たな安全基準において40年運転制限原則はどこまで徹底するのか。法律では最大20年の延長を1回に限り例外として認めており、運用次第で原則が形骸化する懸念がある。

新しい安全基準に合致していない限り例外はない。40年を越えた原子炉(※2)の再稼働を認めるかどうかは、新しい安全基準に合致しているかどうかで決まる。その対応ができるかが大きな条件となる。 

実態としては40年以上前のものは(新安全基準に合致するのは)そう簡単ではないだろう。皆さんが思っているほど簡単なバックフィットにはならないもっと厳しいものとなるだろう。それでも投資をして(バックフィットを)やるのだったら、どうぞおやりください、ということ。問題は経済的にペイするかどうか。バックフィットの不可能なような炉もある。 

――40年を越えた炉については、新安全基準への適合はほとんど難しいと。 

そうなるだろう。 

3年以内の再稼働審査は確約できない 

――13年7月に新安全基準ができて、原発の安全審査を開始する際には、全国の電力会社による再稼働の申請を一斉に集中する可能性もあると考えられるが、審査を同時並行的に進めるだけのマンパワーがあるのか。申請順にかなり待つことになるのか。 

13年7月時点でいくつかは出てくるとは思うが、何十基も同時に申請するようなことは考えられない。規制委としても新安全基準の骨子は早めに公表していくが、その対応にはいろいろと工事が必要な場合もあり、2~3カ月で対応できるようなものばかりではない。 

――新安全基準への対応はそれぐらいに厳しいということか。 

そういうことだ。深層防護(※1)の概念でレベル4に当たるシビアアクシデント(過酷事故)防止の施設対応が必要となるそうした施設を造るとなると、施設の設計の認可(標準審査処理期間は半年~2年)から始まり、そんなに簡単なものではない。 

安全基準を守れないなら、政治がどう言おうと関係ない 

――安全審査にどれくらいの期間が必要となるのか。自民党は「再稼働の可否は3年以内に判断する」と政権公約で述べているが、現実的な時間軸と言えるか。 

3年というのは政治的要望であり、できるだけ努力はするが、確約はできない3年以内にはいくつかの炉は動くとは思うが。 

40年前の車と新車とでは安全性が全然違うように、炉によって(対応に要する期間に)違いがある。新しい炉や10年、20年、40年経った炉もあり、炉型もP(PWR=加圧水型原子炉)とB(BWR=沸騰水型原子炉)がある。立地条件も異なるため、一概に言えない。こちらが出した基準に合致した対応を事業会社がすみやかにできれば、比較的簡単にできようが、われわれが設備対応するわけではないからわからない。 

事業者としては、最も重要な発電所から対応して、あとは後回しという対応をとることも考えられ、一斉に申請が出てくるということはないだろう。安全基準を守れないならば、政治がどう言おうと関係ない。(再稼働が遅れて)会社がつぶれるかどうかも考えない

――安全審査は科学的判断に基づいて行われるというが、その判断結果を巡り、原発が立地する地元との対立も考えられる。地元住民の説得に時間がかかるケースも考えられるが、規制委としてどこまで説得に責任を持つのか。規制委としては1度か2度、説明会は開くとしても、あとは事業会社や政治家が責任を持つべきというスタンスか。 

最終的に地元の了解をとるのは電力会社と政治家の責任 

難しい問題だが、規制委は規制委として独立した科学技術的な判断をする。わからないというのは口癖みたいなもので、わかろうとしていない人にわからせようとしても難しい。今の日本では、原子力に関して自分の考え方以外は受け付けないという人が多い。私たちとしては、わかりやすい資料も用意して説明はする。でも、そのことについて地元の了解が得られるかどうかは関係ない。 

――地元が了解しない場合は、あとは事業会社と政治の責任だと。 

そうだ。安全か、安全でないか、なぜ安全なのか、なぜダメなのかの説明はするが、あとは自分で勉強してもらうしかない。 

――民間保険会社がリスクを引き受けることもできず、廃棄物処理や廃炉などバックエンド対策が高くつく原発のリスクやコストをどう考えるか。

今回のような事故がまた起こるのだったら(原発は)やめたほうがいい。そういうことが起こらないように、私としては最善を尽くしたいと思っている

――安全基準をつくるうえでどこまでの原発のリスクを想定するのかが問題。たとえば、原発関係者、インサイダーによるテロなどはどうか。 

そういうのはみんな想定する。サボタージュみたいなことも想定する。そういうことが起こっても、安全性を保てるような炉にしなければならない。いちばん怖いのは個人のテロではなく戦争のような脅威だろう。絶対安全とは言わない。言えばまた安全神話になる。しかし、そういうことも含めて対応しなければならないと考えている。 

※太字は本文まま。赤字は引用者です。 

原発安全審査 “7月まで行わない”
NHK1月2日 18時56分
 

国の原子力規制委員会の田中俊一委員長は、NHKのインタビューに応じ、全国の停止中の原発について「基準ができないと審査のよりどころがない」と述べ、運転再開の前提となる安全審査は、安全基準ができることし7月まで行わないという考えを示しました。 

全国の原発は、福井県の大飯原発の2基を除く48基が停止したままで、原子力規制委員会が、運転再開の前提となる安全審査を、いつ始めるのか注目されています。規制委員会の田中委員長はNHKのインタビューに応じ、停止中の原発について「基準ができないと審査のよりどころがない。相談に乗ることはあっても、『審査』というプロセスに入ることはできない」と述べ、安全審査は安全基準ができることし7月まで行わないという考えを示しました。 

また、田中委員長は政権が交代したことについて、「政府からの独立性を高めた『3条委員会』として独立していることは相当強い。『3条委員会』(※3)にすることは自民党の案なので、『独立』は尊重してもらえると信じている」と述べました。 

さらに田中委員長は、専門家会議が福井県の敦賀原発と青森県の東通原発について、先月、「断層が活断層の可能性がある」と判断した背景について、「科学とか客観的な事実をベースにして判断することにしゅん巡しなくなっている。今まではいろいろな思惑が働いていた面があったと思うが、今は気持ちの上で吹っ切れている」と説明しました。

そのうえで、「自治体から求められれば説明責任を果たそうと思う」と述べ、今後の規制委員会の最終的な判断について、原発の地元で説明する考えを強調しました。  

原子力規制行政の現状と課題
日テレNEWS242013年01月01日 

新たな原子力の規制機関である「原子力規制委員会」の設置法案が国会を通過したことで、福島第一原発事故から1年半がたった去年9月、5人の委員で構成される原子力規制委員会と、その事務局である原子力規制庁が発足した。 

 規制委員会は、国家行政組織法上の「3条委員会」として、委員長に強い権限が与えられ、政治や行政から独立した立場で原子力施設の安全性を科学的な観点から監視することが大きな役割。発足から3か月で、成果を出すとともに課題も浮き彫りとなっている。

 規制委員会が発足後、真っ先に取り組んだのは、新たな原子力災害対策指針「防災指針」を策定すること。防災指針とは、原発事故の際、住民を被ばくから守るためにはどのような対策を取ればいいかを具体的に示したものだ。福島第一原発事故では、国や自治体からの住民への避難指示が遅れたり混乱したりしたため、多くの住民が何度も避難場所を変えるなどして、不要な被ばくをする結果を招いたと指摘されている。

 このため、規制委員会は「何よりも住民の安全と健康を守る体制作りが最優先」として、防災指針の見直しに着手した。新たな防災指針の柱は、緊急時の避難区域を原発から10キロ圏から30キロ圏に拡大したこと。
 

しかし、これによって避難の対象となる市町村や住民の数が大幅に増加し、県をまたいで避難する必要があるところも出てきたため、各県の判断だけでは避難がスムーズに行かないケースが出てきた。12年12月25日には、福井県の原発に関する「広域防災協議会」の第1回会合が開かれ、出席した各県の担当者からは「どのタイミングで避難指示を出したらいいかなど、国がわかりやすい基準を示し、国の責任を明確にしてほしい」という要望が相次いだ。

 防災指針のもう一つの柱は、避難指示を出すために参考にする指標を、これまでの「放射能の拡散予測」から、「実際に計測された放射線量」へと方針転換すること。例えば「一時間当たり500マイクロシーベルトが計測されたらただちに避難」「一時間当たり20マイクロシーベルトなら1週間以内に避難」などと具体的な数字をあらかじめ定め、いざという時の混乱を避けることが狙い。
 

しかし、これらの指標となる数値についても専門家の間で意見がまとまっておらず、協議が続けられている。一方、原発の安全性をめぐっては、敷地内に活断層がある可能性も指摘され始めている。規制委員会は、活断層の可能性が指摘されていた原発については自ら現地調査をすることを決めて、これまでに大飯原発と敦賀原発(福井・敦賀市)、東通原発(青森・東通村)で敷地内の断層調査を行った。 

]敦賀原発については、2号機の原子炉建屋の直下に活断層がある可能性が指摘され、2号機が廃炉となる可能性が濃厚になっている。また、東通原発についても、専門家は「活断層の可能性が否定できない」との見解で一致したため、大規模な耐震工事が必要になるとみられ、当面、再稼働はできなくなる見通し。

 民主党政権の時代に誕生した規制委員会が、自民党政権でどのような影響を受けるのかについて、様々な臆測が飛び交っている。「3条委員会」である規制委員会は政治からは独立した立場であるため、政権が変わっても直接影響を受けることはない、というのが基本的なスタンス。
 

しかし、民主党は「30年代までに原発ゼロを目指す」としていたのに対し、自民党は選挙公約で「10年以内に判断する」としており、「原発政策は時間をかけて検討する」、つまり、決定を先送りする方針を打ち出した。さらに、安倍首相は、選挙期間中から「原発ゼロは無責任」と主張している他、原発の新増設にも含みを持たせる発言をしており、政権交代で原子力規制を取り巻く環境が大きく変わることは避けられない見通し。 

こうした状況の中、規制委員会が「政治や経済情勢に左右されず、純粋に科学的視点から原発の安全性を判断する」という当初からの方針をどこまで貫き通すかが注目されている。

 

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コメント

3条委員会で、組織したとのことで、そのことは、大賛成です。しかしながら、外局というのは、財務省に、直接、予算申請権があるのか、私は、知らないのですが、
別組織のたとえで、申し訳ないのですが、
いわゆる内閣府には、省庁の中では、1番、大臣、副大臣、政務官が居ながら、財務省への独立した予算請求権がないらしく、国民のガス抜きとして、沖縄北方大臣とか、少子化大臣とか、大臣給与泥棒しか、居ないのが、現状ですね。
また、40年廃炉問題でも、新鋭のAPWRが、あたしくて安全かというと、そうでもないのです。

格納容器を、コンクリートで覆うことは、プラント設計上、コストダウン以外に何があるのか、国民には、不明ですし、加圧水タンクは、星型6画形なのかとか、今回の福島4基の連鎖爆発とか、プラント周辺整備や第1次耐震シュミレーションに、入っていない項目が、アクシデントの防がなきゃいけない、肝ですが、ほとんど、事実は、公開されずにいることが、非常に、不安です。
大飯1~2号機は、活断層が無くても、シビアアクシデント時の冷却能力が、全く機能しない設計で、3~4号機の冷却システムとは、構造が全く違うようです。

原子力発電所は、現状、オーダー設計ですから、各原子炉ごとで、安全性は、全く別ですよね。マーク1、2が、廃炉になるのは、あたり前というか、格納容器の容積不足や、格納容器は、2,700度で、簡単に穴が空きますから、本来、メルトスルーして、あたり前の構造ですから、プラント設計者として、責任を持って、再稼動が、できるとは、考えにくいでしょうね。

現状、第2次ストレステストと言う本来のプラントの安全チェックを公表しない限り、再稼動は、科学者として、説明できないのが、普通でしょう。

投稿: りぼん。 | 2013年1月 4日 (金) 19時54分

日本人には、目指す世界がない。
むしろ、何も動かないのが、天下泰平の世の中であり、伝統的にそれを人民が願っているのだ。

「我々はどこから来たか」「何者であるか」「どこに行くか」という考え方はない。
日本語には、時制 (過去・現在・未来の世界を分けて考える考え方) がないからである。
一寸先を闇と見る政治家たちに行く先を案内されるのは不安でたまらない。
つかみどころのない人間ばかりの社会では、とかくこの世は無責任となる。
国がひっくり返っても、責任者は出なかった。その責任感の無さ。

人にはいろいろな意見がある。
だから、社会のことには、政治的な決着が必要である。
万難を排して、原発は再稼働を停止する。優柔不断では犠牲者・被害者が増大する。
これは、終戦詔勅を受け入れる時のようなものである。ことは人の命にかかわる問題である。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、もつて万世のために太平を開かんと欲す。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

投稿: noga | 2013年1月 5日 (土) 03時52分

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