19世紀的帝国主義国が燐国にあるという憂鬱
情報の出所は朝日新聞ですが、現在なぜかサイト上からは削除されており、魚拓の形で見ることができます。
これはまちがいなくスクープ記事なのに、朝日新聞はもったいないことをします。
「尖閣国有化前から射撃照準レーダー照射 政府関係者明かす
朝日新聞2月4日
東シナ海での中国軍による自衛隊への射撃用レーダー照射が、野田政権が昨年9月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)を国有化する前にもあったことがわかった。 政府関係者が明らかにした。安倍政権が5日に公表した今年1月下旬の事案以前にも、同じ海域で複数回、照射があったとしている。
政府関係者によると、1月30日に中国軍艦が海上自衛隊護衛艦に火器管制用レーダーを照射したのは尖閣諸島の北西百数十キロの公海上。同月19日に海自ヘリコプターへの照射があったとみられるのも同じ海域。防衛省は今回公表したケース以前にも周辺海域で複数回、自衛隊への中国軍のレーダー照射を把握。
今回の「数分間」(防衛省)より長く照射したケースもあるという。日本政府は「日中関係を悪化させる懸念がある」(政府高官)とこれまで公表を避けてきたが、今回は立て続けにレーダー照射されたため、安倍政権が事態を重く見て公表に踏み切った。(後略)」
さて、このニュースの意味することは明解です。
まず第1に、2012年9月11日の日本政府の国有化以前から、中国軍の戦争誘発行為があったということです。
したがって、中国政府がなにかにつけて問題とし、反日デモの引き金となった尖閣国有化は、本当はなにも関係がなかったということになります。
海上保安庁と中国海洋監視機関同士の衝突なら、引き返し可能です。海保はいわば戦争を回避する「知恵」なわけです。
だから、海軍同士の衝突だけは避けようというのが、今までの日中間の最低限の了解事項だったはずです。
ところが、中国は習政権となって、武力による威嚇と恫喝により、日本を交渉テーブルに日本を引きずり出す方針に転換したと思われます。
これに我が国が屈すれば、外堀は埋められたことになります。意味のない交渉をしつつ、時をうかがって我が国の実行支配を崩せばよいだけです。
また、中国側から再び「棚上げ論」も出たようですが、これも同類の論理です。
一見日本側にとって飲み込み易いような糖衣が被っていますが、いったん同意したら最後、事実上尖閣に領土問題が存在する、だから係争地であると認めたも同然となってしまいます。
この論理は日本国内でも支持者が多く、現に、丹羽前駐中国大使などは、「外交上の係争はある。ないというのは理解不能だ。」(2012年12月20日)と述べています。
係争地でないものを係争地にして、戦争を誘致しているのですから、とんでもない人を民主党は中国大使に任命したものです。
一方、経団連米倉弘昌会長は、「中国がこれほど問題視しているのに、日本側が問題ないというのは理解しがたい」(2012年9月27日)と,これまた中国政府の代理人のようなことを言っています。この人にとってTPPもそうですが、自社の利益が国益なようです。
第2に、民主党政府は、「日中関係を悪化させる懸念がある」(朝日新聞同上)として、この公表を握り潰していました。
一説、親中派の岡田氏が関与したと言われていますが、未確認です。いずれにせよ、この国有化前にレーダー照射が常態化していたという重大情報を、国民にはまったく知らせていなかったことことは言い逃れできないでしょう。
もっとも、民主党内でも海江田、細野各氏も知らなかったようなので、民主党政権中枢の数人だけで情報は止まっていたようです。
まぁ唯一、野田首相が「領土問題は存在しない」という原則を保ってくれたことだけで、首の皮一枚で救われましたが。
このような政権引き継ぎを受けた自民党政権も、さぞかしびっくりしたことだと思います。そこで、公表の機会を考えているうちに立て続けに再び三度の照射事件が起きてしまったようです。
別の未確認情報によれば、安陪政権は19日、30日の事件における中国艦と自衛艦の速度と位置、射撃管制レーダーの周波数などを、当時近くを飛行中だったP3Cの情報も含めて徹底的に分析して、国際社会にいつでも提出できるまでに精査していたそうです。そのめどが出て公表に踏み切ったと言われています。
ところで現在の日中関係は、日中戦争の前夜に似ている指摘する人もいます。中央の意志を背景にして、現場が暴走を繰り返し、それを制止する仕組みが内在的に中国にないために、偶発的に戦争が開始される危険があります。
現在中国のゴールデンタイムのテレビ番組の多くは抗日戦争ドラマです。
「中国紙、重慶晩報によると昨年、中国全土のテレビ局でゴールデンタイムに放送されたテレビドラマは200本余りで、うち70本以上は日本軍との戦争や日本人スパイとの暗闘がテーマだった。浙江省東陽市には当時の町並みを再現した抗日ドラマの撮影基地があり、13年1月末現在、9本が撮影中だという。」(産経新聞2月4日)
中国の子供たちは、「小東洋鬼」がバタバタと殺されるのを見て喝采を叫んでいるようで、まったく憂鬱になります。このように中国政府は意識的に戦争の機運を煽っています。
昨年の反日デモなど、中国人が清王朝末期の義和団の乱から一歩も進化していないことを見せつけられました。
政権は、国内矛盾を逸らすために阿Qたちを煽って外国にけしかけて暴動を起こす・・・。
1月26日付ワシントン・ポスト紙はこう述べています。
「中国の国家管理下にあるメディアは、戦争にかられた熱病のような状況をかき立ててきている。その一紙は、軍事衝突は「可能性が高い」とし、「最悪の事態に備える必要がある」とうたいあげた。不穏なことに、この挑発的かつ危険なキャンペーンは、習近平指導下の新しい共産党指導者によって、国内問題から関心をそらすという十分な動機をもって、監督されているのである。」(finalvent氏訳による。ありがとうございました。)
戦争の始まりというのはこのような熱病じみた憎悪から芽生えるのでしょうか。その狂気を政府が意図的に煽っているのですからなんとも救いがありません。
昨年の11月29日のことですが、クリントン国務長官(当時)が、ワシントン市内で講演された際の質疑応答の中で、「過去に南シナ海の領有権問題を中国と協議した際、中国側が「我々はハワイの領有権を主張することもできる」と発言したそうです。
ただ気休めは、かつてと違って我が国がいったって冷静なことです。
私たちは、石破幹事長が言うとおり、「いかなる挑発的な行為が行われても、我々はそれに乗ることはない」(2月4日)決意が必要です。
あの黙っていれば、際限なく膨張しようとする中華帝国の毒消しにはそれしかないようです。
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石破幹事長が言うとおり、「いかなる挑発的な行為が行われても、我々はそれに乗ることはない」(2月4日)決意が必要です。
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わが国の国会議員は、自国を愛していない人が、いる。しかも、元総理とか、元党幹事長とかのレベルである。
文化大革命以後、捏造された南京博物館で、合掌した鳩が居たり、
中国官僚のサイドビジネスである人民大会堂での集合写真
撮影など。。。
まあ、どの場面も、彼らより、先に、中国共産党に友人が居て、賄賂というか、チップというかを、支払えば、貴賓招待状がもらえて問題なく、入れる施設で、当然、人民開放軍が警備してくれ、体調を崩せば、深夜でも軍医が飛んでくるのです。
私、自ら経験済みのことだが、私は、民主党は大きらいだし、党員でも、サポーターでもないけど。
O沢チルドレンや、中国大陸型新型鳥インフルエンザに、感染した鳩には、ありがたや、ありがたや!と思えるほど、めずらしいことらしい。
釣魚台迎賓館も、4連泊したけど、古くて、設備は、ぼろぼろであります。(料理は、特級調理人しか、居ないので、上手ですし、普通は、宿泊者が、料理人を、連れて、宿泊するのだそうです。自分のときは、中国人の友人に、手配してもらいました。)
かの国の国賓館のアメニティの必須アイテムは、女性用パンティ(かわいらしいショーツ)であります。正直、世界中のホテルの快適備品で、常備されているのを、見たのは、中国国賓館だけであります。
中東、アフリカ方面は、アメニティグッズとして、認知されているのでしょうかねえ?(公然とハニートラップとして、使って良いと言うスタイルなのは、この国だけだと思うけど。。)
知りたいものです。
盗聴、盗撮は、されていて、スタッフには、私服公安警察
も、常駐してます。
上海のベットタウンである蘇州の国賓館が、新しくて、きれいで、設備も、良いですね。
先の人民大会堂の女性職員は、身長175cm程度(エレベーター内で、165cmの私が、1番チビだった)
の超美人ばかりですが、気がついたことは、北京語は、もちろん、地方議員のためなのか、チベット語やウイグル語、朝鮮(族)語が、解る女性が、ちゃんと居ると言う事で、中国共産党の支配下なのに、北京語だけでは、政治が出来ない国なんだと言う事が、わかりました。
自国民間人を、自国の公安警察や人民軍が、裁判もなく、殺してしまう国は、もう、内戦状態のアフリカ、中東地区以外には、中華思想のかの国以外には、ないのだろうと思います。
さて、そのような漢民族が、国内法によって、血の民族浄化を、現在も、続けている恐怖。
どんな立派な、宿泊所で、どんなりっぱな食事が出ても、気の小さい私は、落ち着いて、寝られません。
このような国ですから、ロックオン電波を長時間浴びせたりなんていうのは、軍内部では、たいしたことではないのでしょうね。
まあ、ほとんどの兵士は、暇で、やることないから、危険なゲームをして、遊んでいたいのかもしれません。
ところで、中国政府が、10数箇所、上海から、中東、地中海まで、中国専用軍港を、すでに、持っているのですが、それらの国の軍艦にも、ロックオン電波を、照射するのでしょうか?
インド軍が、相手なら、実弾が、飛んできそうですが。。
仕方ないので、スリランカに、軍用寄航港を、作ったらしいですが。。
インド軍は、今後、どういう外交をするのか、非常に、興味が、あるところです。
日本人も、トルコ、タイ、ミヤンマー、スリランカ、台湾など、1945年以降、非常に、親日的に国際運動をしてくださった第3国の歴史的活動を、ほとんど知らない今の、こども達が、かわいそうというか、教科書にも、出てこないのは、残念であります。
やはり、相手国が、70年経っても覚えているのですから、日本人の孫時代も、覚えていて、そういう国へ行ったら、感謝の言葉だけでも、話してくれたら、と、希望しています。
投稿: りぼん。 | 2013年2月 9日 (土) 12時42分