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米国紙、TPP後発参加国でも再交渉可能だと報じる

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さてさて、TPPについて米国情報と日本の情報が真逆になってまいりました。

例の東京新聞のスクープ記事と、まったく逆なものが米国の「ハフィントンポスト」(3月10日)で出たようです。

まずは、私も記事で取り上げた東京新聞のものです。

「TPP参加に極秘条件 後発国、再交渉できず
 環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加問題で、二〇一一年十一月に後れて交渉参加を表明したカナダとメキシコが、米国など既に交渉を始めていた九カ国から「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」などと、極めて不利な追加条件を承諾した上で参加を認められていた。複数の外交関係筋への取材で七日分かった。」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013030702000237.ht...

ここでは明確に、新規参加国は再交渉の余地なしということになっています。

一方、新情報として上念司氏がツイッターで米国の「ハフィントンポスト」の記事を紹介しています。

面白いことに東京新聞もハフィントンポストも、立場は一緒で反グローバリズムを掲げるリベラル紙です。

ハフィントンポストはこう書いています。

「一般教書演説でオバマ大統領はTPP交渉の締結を宣言した。オバマ政権はTPPを国務長官の管轄としても、アメリカ通商省ロン カークを通して押し進めた。

太平洋沿岸諸国との自由貿易地域をつくる初めての話し合いであるとおおやけにされているが、すでに15ラウンドの交渉がおこなわれている。11の国には、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカとベトナムだ。日本と中国は現在TPP交渉には参加していないが、「ドッキング条項」がTPP草案に加えられ、協定は日本と中国にも後日、不利益をもたらすことなく参加が許されるだろう。
http://www.huffingtonpost.com/michele-nashhoff/the-transpacific-partners_b_2766729.html?utm_hp_ref=tw(原文は欄外)

米国紙はパブリック・シチズンなどと同じく、「オバマ大統領は、グローバリズムに媚びて、自国の労働者の雇用や利益をそっちのけにして、TPPを包括的グローバルな貿易協定にするべく、ドッキング条約を作って、日本や中国に甘い条件を出している」と怒っています。

おっとと、であります。米国の利益損失はわが国の得というのが冷厳な国際貿易の掟ですので、同じ反グローバリズムである私たちと彼らとはこで大きく読み方がことなってしまいます。

だって、「ドッキング条項」がなにかよく分かりませんが(汗)、ハフィントン・ポストが言うとおりなら、日本は後発交渉参加国であったとしても再交渉がバリバリに出来てしまうではありませんか!

さて藪の中になってまいりました。ある意味、これは推進派のいうのも一部正しくて、「参加してみないと中身は分からない」のも事実かもしれません。

■写真 TPP参加国でもあるベトナムのメコンデルタの熱帯果樹です。右のド派手なのがバラゴンフルーツといいますが、案外味は素直に美味しい。
左はいうまでもなくバナナですが、長い品種と違って味が濃厚です。ウチナンチューなら「島バナナ」と呼ぶでしょうね。

       ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

The Trans-Pacific Partnership Would Destroy our National Sovereignty
In his State of the Union address, President Obama declared in his intent to complete negotiations for a Trans-Pacific Partnership (TPP). The Obama administration has pursued the TPP through the offices of U.S. Trade Representative Ron Kirk instead of under the auspices of the Department of State.
This was the first time negotiations to create a free trade zone with Pacific Rim countries were made public although 15 rounds have been concluded.
Eleven nations are participating: Australia, Brunei, Canada, Chile, Malaysia, Mexico, New Zealand, Peru, Singapore, the United States and Vietnam. Although Japan and China are not presently participating in TPP negotiations, "docking provisions" being written into the TPP draft agreement would permit either Japan or China to join the TPP at a later date without suffering any disadvantage.

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コメント

青空です。

TPP交渉参加を決めたようですね。
自民党が米国のいいなりにならないかを心配する向きはありますが、私は以下の4点があるのでやや楽観しています。

①TPPは参加交渉をすれば途中離脱はできず、致命的な打撃を受けるので、交渉参加イコール参加ととらえる方も多くいますが、条約の交渉途中の離脱権利はウィーン条約でも定められた権利です。
事実日本は従来から条約批准していないものは相当数あります。
日中韓印欧米加豪他との各種貿易協定も交渉開始から既に十年超経っていますが、外交信任失墜という事象は見あたりません。
米国も京都議定書はじめ交渉離脱、批准拒否は日常茶飯事です。

②多国籍条約であるため全参加国の同意承認が必要であること。
いかなる条約も署名、同意成立、そしてそれぞれの国会承認がなければ実効力を持ちませんし、国内承認を得られなかった条約承認は無効にできると国際条約は定めています。当然無効なので損害賠償は発生しません。交渉途中の文書の公開は4年間の非開示義務がありますが、最終文書と条約内容は開示されます。国会での承認が必要なので当然ですが。
日本に取り不利な内容であればそのとき国会否認することは可能ですし、自民党の支持母体、票田を考えれば不利な内容での承認は困難でしょう。

③関税が主財源になっている途上国にとり日本の参加は税収の激減に繋がるため考えの修正が必要になっています。それぞれの国会を通せるかは甚だ疑問です。
TPPは関税と補助金の撤廃を唱っているため米国内の年間1.5兆円の農業補助金も存続の危機になります。
米国国内調整は困難を極めるでしょう。米国の目論見は圧倒的な経済力格差で中小国に対して有利な交渉を進めることでした。しかし日本規模の経済体の参加は調整を複雑にさせ難易度を飛躍的に引き上げます。

私は日本参加によりこのTPPは第二のWTOとなるとみています。つまり永久に交渉を継続し決まらないという形です。

④阿部首相が米国で日本のスタンスをあらかじめ提示したことです。関税撤廃に聖域を設けることが日本の条件と対外発表をしました。これにより日本は条件にそぐわない場合途中離脱することが容易になりました。
つまり途中離脱の大義名分を得る形を提示しておいたのです。途中離脱による外交信頼度の減退を防ぐことが目的でしょう。

というように考察しています。
私は本条約は参加反対派ですが交渉参加は賛成派です。
目的は米国の牽制と条約の無効化で、やや腹黒い狙いからですが。官僚勢も似たことを狙っているのではと期待していますが。

投稿: 青空 | 2013年3月15日 (金) 08時09分

青空様。いつも的確なご意見ありがとうございます。
長くなりそうなので、月曜日に記事でお答えしたいと思います。

投稿: 管理人 | 2013年3月16日 (土) 05時40分

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