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中国世界最大手太陽光パネルメーカー・サンテック、過剰生産で倒産

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中国の太陽光発電最大手、というより世界最大のメーカーだったサンテック・パワーが倒産しました。
 

かねがね倒産するのは目前といわれていたので、いまさらという感じですが、遂に命脈尽きたと思われます。 

この最大の原因は生産過剰です。中国は今、ありとあらゆる製品が過剰生産に陥っています。この太陽光パネルもそうですし、自動車、家電、鉄鋼、セメント、住宅、もはや例外なくハンパでない作りすぎです。 

液晶テレビなどはそのいい例で、エコポイント駆け込み需要が終わった瞬間、叩き売りが始まり、家電メーカーの地獄の釜が開いたのは記憶に新しいことです。

通常、自由主義経済においては過剰生産は、このような冷酷な市場の調整能力によって淘汰されます。要するに、売れてければ、作らなくなるという当たり前の調整弁が機能します。 

ところが中国では経済の調整弁がバカになっています。生産能力が過剰なのは大部分が国有企業だからてす。 

こうした国有企業が生産能力の拡大に走るのは、業界における生産規模の「順位」が大変に重要だからです。 

国務院の国有資産監督管理委員会(国資委)から新しい投資はが受けられるのがこの生産規模の「順位」なので、これに食い込むことは企業にとって死活問題となります。 

「順位」を下げれば、同業他社が国資委融資を得てしまってシェアを奪ってしまうために、負けじと生産設備にジャブジャブと投資を注ぎ込むことになります。

中国企業にとって真の敵は、海外企業ではなく自国の国有企業です。同業他社に勝てないと、自分の地位は来期からなくなってしまいます。

また、地方政府にとっても自分が目をかけた企業が伸びれば賄賂が増えます。

共産党・政府幹部とその一族が汚職によって得た富は、1990年代末にGDPの13~17%(胡鞍鋼・清華大学教授推計)に上ると推定されています。

もはや賄賂は文化というより、経済の重要な一部だと考えたほうがいいのかもしれません。

このような融資と賄賂の関係で堅く結びつい政財癒着は、企業が潰れるところまで突っ走ることになります。

ちなみに、このような狂熱経済の爆発によって、中国の格差は天文学的に拡がってしまいました。

所得格差指標・ジニ係数は0・61(中国人民銀行・西南財経大学調べ)とアフリカの崩壊国家並みです。

革命が起きるのが0.4以上といわれていますから、中国民衆にとって一番必要なのは「共産党」でしょうね(笑)。

そのようなわけで、しなくてもいい企業拡大を経済合理性を度外視して死に物狂いでしたあげく、倉庫には売れ残った製品が山と積まれることになります。 

中国には太陽光パネルメーカーだけで十数社ありますが、最近その大手LDKソーラーも倒産し、社長は国外逃亡して行方知れずです。 

太陽光発電資材メーカーのGCLも倒産寸前で、在庫したウエハーだけでなんと2億枚といいますから、とてつもない規模です。

パワーコンデショナー(インバーター)の世界シェア4割を握るSMAソーラーは、太陽光発電関連資材の暴落を受けて売り上げ激減で、とうとうリストラに踏み切り、株価大暴落で風前の灯火状態。 

これらが日本市場向け製品として叩き売られているのですから、まっとうな競争原理などは通用するはずがありません。

日本のシャープ、ドイツのQセルズなどは気の毒ですが、倒産してあたりまえだったのです。 

「中国は過去3年にわたり、ソーラーパネル分野で低利融資の継続や迅速な値引きなどを武器にして日本企業やドイツ企業を凌駕。主導権を握り続けた。
この間、サンテックをはじめとする中国大手5社の生産能力はそれぞれ倍増。集光型太陽電池の規模も2009年当時の7.7ギガワットから30ギガワットに急拡大した。」(ブルームバーク)

このような無計画な中国の太陽光発電施設の過剰生産によって、現在の世界の太陽光発電の需要は、セルベースで25ギガワットですが、供給能力はその2倍の50ギガワット以上あると言われるようになってしまいました。

この原因を作った中国企業はサンテックパワーの倒産を奇貨として、その不良在庫を買い叩いて、ブランドを貼り替えてまた先進国市場に売りに出すのでしょうから、もう目も当てられません。

太陽光市場は、上品な先進国企業がなんとかできる市場ではもはやないのです。 こんな分野をソーラーパネルで「国興し、産業興し、地域興し」と言っていたバカな首相がどこかの国にいましたね。

というわけで、今後の世界の太陽光発電市場は先進国メーカーの完全撤退と、ひたすら続く中国メーカーのさらなる安売りが常態となるでしょう。

まことにもっとも非エコ的風景が今後も続くことになります。

■写真 クロッカスの花がポツンと咲きました。朝のうちは花弁は閉じていて、温かくなるとパァーと艶やかに拡がります。

 

          ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 

中国の太陽光パネル大手サンテック、政府が救済へ=関係筋 

[香港 13日 ロイター] 中国の太陽光パネルメーカー大手、サンテック・パワー・ホールディングス(尚徳太陽能電力)(STP.N: 株価, 企業情報, レポート)が政府による救済を受ける見通しとなった。 

貿易問題や供給過剰に伴う価格暴落が響いてキャッシュの流出が続き、数日内に期限を迎える5億4100万ドルの転換社債の償還が困難になった。サンテックは11日、15日に期限を迎える社債の6割超を保有する投資家との間で、償還を2カ月先送りすることで合意したと発表した。 

ただ、残りの4割を保有する投資家との間では合意に至っておらず、その分の償還資金2億ドルの手当ても済んでいない。 

業界内では過剰供給問題の解決に向け、いくつかのメーカーを破綻させるほうが良いとの見方もあるが、アナリストらは、サンテックの破綻を許せば中国政府が重視する業界でパニックが誘発される可能性があると指摘している。 

CLSAのアナリスト、チャールズ・ヨンツ氏は「2カ月後には社債保有者が妥協を迫られ、部分的なヘアカット(債務免除)に至るだろう。その後、サンテックは地方政府から支援を受けることになる」と指摘した。 

事情に詳しい複数の関係筋はロイターに対し、サンテックが本拠を置く江蘇省無錫市の政府は同社との交渉に入っており、救済に乗り出す可能性があると明らかにした。 

同市政府に電話をかけたが、応答しなかった。 

中国の太陽光発電パネル製造業界は数十万人の雇用を抱えており、生産能力では世界最大。地方政府は積極的に投資誘致を進めてきた。  

また、国有銀行も業界向けに数十億ドルの低利融資を実行していた。 

サンテック デフォルト危機 中国ソーラーパネル大手
ブルームバーグ3月15日
 

中国のソーラーパネル大手サンテック・パワー・ホールディングスがデフォルト(債務不履行)の危機に直面している。

同社は15日が債務返済期日の約5億4100万ドル(約520億円)の転換社債で、支払いを2カ月猶予することに合意していない債券保有者が40%弱に上っていることを明らかにした。中国政府の関係者によると、中国政府がサンテックを支援する可能性は低いという。 

 国家発展改革委員会(NDRC)気候変動対策調査部門の高官、リ・ジュンフェン氏は、中国政府高官は過剰供給を減らし、中国が牽引(けんいん)する同市場の統合を望んでいると述べた。

中国政府はデフォルトは避けたい考えだが、同業界の再編は新政権の課題の一つだ。デフォルトになれば、中国本土に本拠地がある企業の社債で第1号になる。 

 13日付米紙ニューヨーク・タイムズはサンテックの本社がある江蘇省無錫市の無錫市国連発展集団が一部か全体の株式を取得する見込みだと報じている。サンテックは本拠地の無錫市の政府と財務支援の交渉を行っており、救援の可能性が浮上しているが規模は明らかにされていない。 

 米民主党系シンクタンク「アメリカ進歩センター(CAP)」の政治アナリスト、メラニー・ハート氏は「救済が政府系銀行の支援によるものでなければ、規模は小さいものになるだろう。国家開発銀行は政府を代表し、無錫市ではない。北京政府は個別企業の救済より業界全体の発展に関心がある。政府が見放さないとたかをくくらない方がよい」と述べた。 

中国は過去3年にわたり、ソーラーパネル分野で低利融資の継続や迅速な値引きなどを武器にして日本企業やドイツ企業を凌駕(りょうが)。主導権を握り続けた。この間、サンテックをはじめとする中国大手5社の生産能力はそれぞれ倍増。集光型太陽電池の規模も2009年当時の7.7ギガワットから30ギガワットに急拡大した。 

 しかし、パネル価格は供給過剰で世界的に低迷。サンテックは2012年1~3月期に6億4600万ドルの損失を計上して以降、時価総額は72%減少。同社の株価は13日、ニューヨーク市場で約24%安の83セントに値下がりし昨年11月以来の最安値を記録した。 

 ブルームバーグのまとめによると、中国のソーラー大手5社は国家開発銀行が総額432億ドルを融資保証している中国企業12社に入っている。

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コメント

地方政府にとっても自分が目をかけた企業が伸びれば賄賂が増えます>>>>>

実際、地方政府高官は、賄賂を、要求していますよね。

彼らの論法は、これは、賄賂ではなく、チップだ。
チップは、欧米では、あたり前で、正等なものだ。
と、言う論法です。

しかし、近年の欧米は、労働者個人に対する感謝の表現として、残っているだけで、法人が、チップを要求することは、ほとんど見たことはありません。

「心付け」と言う文化は、戦前と戦後10年くらいは、日本に存在しました。

布施と言う文化も存在しましたが、これらの文化は、すべて、サービスを受けてから、包むものであって、戦後は、どうせ支払うなら、先に、心付けをした方が、より良いサービスが受けられるのでは、と、消費者が思ったことや、サービス料と言う請求項目が、出来たため、本来の文化と異なる方向へ、行ってしまいました。

大体、欧米は、ほぼ完全カード社会(あるいは、個人小切手)ですから、サービスを受けたとき、その伝票に、チップ記入欄がありますから、そこへ、思ったチップ額を記入し、サインすれば、OKだし、チップは、支払いたくなければ、その欄をゼロとみなして、合計欄に、自分が認めた金額を書いて、サインすれば、OKで、強要するチップは、ありえないと思います。

中国は、賄賂なしでは、商売は出来ない構造になっています。賄賂なしでは、公安警察に、何をされるか、わかりません。現在の中国の高層マンションは、多くの部屋が、空室です。
投資対象でしかありませんから、、サンテックの次は、上海の不動産会社あたりから、倒産しはじめると思ってます。(実際は、不動産の暴落は、中国共産党としては、暴動が起きるので、何とか、露呈しないように、誤魔化しているらしいが)

大体、3世代ローンが、あたり前と言う国は、中国くらいではないのでしょうか?

投稿: りぼん。 | 2013年3月21日 (木) 19時36分

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