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2013年3月22日 (金)

「こくびと」さんにお答えして その1 田んぼという環境スタビライザー装置

Photo_2
「こくびと」さんのコメントに少しずつお答えしていきます。というのは、私もTPP以後をどう考えていくのかちょっと悩んでいたというのもあります。
 

 

「こくびと」さんのコメントはこうです。

「1) 国土の保全が水田の役割というが、700%超もの関税で守っているのであれば、水田以外の方法でやったほうが最終的なコストは安いのではないのか?

2) 水田が生物多様性に寄与しているというのは本当なのか?農業というのは基本自然破壊を伴うのでは?(景観は確かに保全されるが)

3)仮に1,2の目的を水田が果たしているとしても、コンニャク、小麦、バター、砂糖等の関税が異常に高いことは正当化できない。

4)農業従事者の主たる反対理由は、上記1,2等ではなく「自分達の生活が苦しくなるから」と一般には受け止められている。(集会等で政治家を罵倒している旧態依然とした態度はそうした見方を助長。)

そう受け止められている以上、1)2)は詭弁だと言う人が多数でるのは自然なことの気がする。」 

なるほど。馬鹿にして言うわけではなく、一般の人の農業に対する誤解がギュっと集約されていますね。 

 

さて①についてですが、結論から言えば、農業という環境維持のためのスタビライザー(安定化装置)を利用しないと、防災インフラを再構築せねばならなくなり、その公共投資のコストは天文学的になりますよ。

 

農業という存在を田んぼ単体で考えているから分からなくなるのです。田んぼは「システム」なのです。 

 

Photo                     図 座間市HPより

 

田圃にはその灌漑のための水系が付属します。河川から水を取り込む小規模河川、網の目のような農業用水、そして干天に水を放出し、大水の時に水を蓄え込むため池などがそうです。 

 

また、田んぼに常に水を涵養しておくための山も重要な存在です。田んぼを作るためにはげ山に植林し、その森林が水をしっかりと蓄えられるようになって初めて「田んぼ」が出来るのです。 

 

いわゆる水田は、田んぼという土と水のエコシステムの一部でしかありません。さらにこの水田から出来るコメだけ取り出して700%の関税がうんぬんという議論は、木を見て森を見ない議論に思えます。

 

もっと大きな目で見て御覧になりませんか。これが分からないと、ではどうやってこの700%超の関税を改革していくのかという議論につながりません。

 

そうでしょう。その価値がわからない人が、コメの価格だけ高い安いと言っても始まりませんものね。

 

さて、北朝鮮でなぜ大水が頻繁に起きるかご存じでしょうか。酔狂にもわざわざ見に行った人の話によれば、天井川になっているのです。 

 

天井川とは、河川の底が土砂で埋まって岸より高くなっている河のことです。こんな河はたいした大雨でなくてもすぐに溢れます。 

 

この土砂はどこから来るのかと言えば、河沿いの山肌の崩落が原因です。北朝鮮の山ははげ山なのです。

 

それは樹を引っこ抜いて、山に土留めもせずに根の浅いトウモロコシをビシッと植えたからです。こんなことをすれば、山はどんどん崩れていくのは当たり前です。 

 

今、現代日本人が漫然と見ている山もかつての先人たちの営々とした植林によって出来ました。

 

昔、盛んになるのは江戸中期頃からですが、 米を食いたければ山に樹を植えるところから始まりました。

 

漫然と植えたのではなく、樹が水を蓄えることを当時の人が知っていたからです。それが治水に役立つこともそれ以前から知っていました。

 

そして苗を植えて100年、やっと山が緑に覆われてくる頃、初めてそこから湧き出る水を集めて田んぼを作りました。 

 

そして水を山から引く農業用水路を整備し、天候の変動に備えてのリザーブ・タンクとしてのため池を堀りました。

 

もちろん縄文末期から田んぼはあるのですが、植林、山の手入れ、水路などを一体のものとして作り始めたのはこの頃からです。

 

こうして、今の見学の外国人が公園のようだと評する農村風景が出来上がりました。

 

樹を植えて三代。そこから稲ができるまでまた1代。毎年の山の手入れは永代。川さらい、農道の普請は地域で毎年。まったく気長な話です。

 

これを営々と村の共同の作業として維持してきたのが「田んぼ」なのです。 人々の汗の積み重ねがあって、日本の土と水は保全されてきたといえます。

 

この営為を「こくびと」さんが言うように「生活」のためだというなら、そのとおりです。 「生活」のためにコメを作り、森林を保全し、河川を維持してきたのです。そのなにがいけないのでしょうか。

 

さてこれを、「こくびと」さんがおっしゃるように「水田以外の方法」でやってみるとなると、どうなりますか。 

 

今、60年代に作った全国の公共インフラは耐用年数を迎えつつあります。笹子トンネルの崩落事故などはその前兆です。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-6.html

 

これは公共事業=悪玉論によって公共事業費を削減し続けたからです。公共事業費を消すると、真っ先にメンテナンス部門にしわ寄せが行きます。 

 

ですから、今早急に道路、河川、トンネルなどの補修事業をせねば、想定される大地震などの天災でまた多くの国民が亡くなってしまうことになります。 

 

それだけで巨額な公共投資を要します。しかし、やらないわけにはいかないわけです。 

 

この時期に、わが国の国土特有の治水の要である水田や小規模河川、それに付随するため池、農業用水、そして山の手入れを全部潰すとなるとどうなるでしょうか。 

 

あまりシミュレーションしたくないのですが、基幹的公共インフラの整備ですら膨大な財政支出が必要な上に、今まで「農業」という見えない形で支えていたものが消滅するわけですから余り想像したくないことになるのは明らかです。

 

北朝鮮なみに年中河は溢れ、住宅地や農地は水に漬かり、道路は寸断され、トンネルは埋まり、河口付近の湾は河から押し流される土砂でとんどん浅くなって港湾機能も失われていくことでしょうね。 

 

これを「他の方法で」で解決するとなると、田んぼの代わりに小規模多目的ダムを全国に無数に作ることになりますね。もちろん税金でです。まぁ、そんな金があったらの話ですが。

 

多目的ダムはこんな概要です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%BB%E6%B0%B4%E3%83%80%E3%83%A0

 

容量は河川によっても異なりますが、たとえば小型の熊本県球磨川・五木ダムが36万㎥の貯水量があります。

 

建設コストは一概に言いきれませんが、群馬県倉淵ダム(建設中止)、当初予算の275億円は最終的には550億円となったようです。大体は用地買収などが手間取って当初予算の数倍にハネ上がっています。

 

第一、作りたくとも今や八ッ場ダムで分かるように、環境破壊がひどいので建設のためのコンセンサスがとれなくなってきています

 

一方、仮に田んぼに20㎝分だけ貯水したとすると、大分県の試算では、10アール当たり200トンの雨水を受け止めるのに相当し、大分県内の水田(4万2500ヘクタール)すべての貯水量は、1240万㎥となり、小型ダム約3基分に匹敵する貯水量があります。
http://www.oita-press.co.jp/bousai/115571175632564.html

 

馬鹿げてはいませんか。農業が黙々とやってきた環境スタビライザー機能を他の手段で置き換えるというのは。言うのは簡単ですが、まったく割に合わない愚行です。

 

別にこれはわが国だけに限ったことではなく、世界中どこの国でも農業が国土の基本インフラであるのは常識です。農業は取り替えが効かない部門なのです。

 

だから農業保護ということにどこの国も必死になるわけです。それをしなければ、国土が崩壊して、外国産の安い農産物で潤う以上の損失を国土にもたらすことがわかったからです。

 

よく「食の安全保障」といいますが、それは単にカロリーで表記できるだけのものではなく、農業が守っている国土インフラ保全の安全保障まで含む概念だと私は思っています。

 

今の中国のように無計画にそれを壊してしまうと、修復にはとてつもないコストと時間がかかることを、多くの国は理解しているからです。

 

だから、一般的な競争原理にはなじみません。といって、誤解されたくはないのですが、まったく今までどおりでいいとも私は思っていません。

 

減反政策と高関税は一対のものです。減反を維持するために馬鹿げて高い高関税を敷いているのは事実です。私はもはやこのような関税ブロックは賞味期限切れだと常々思ってきました。

 

その意味で、私は農業は改革が必要だと考えている者です。ただし、それを卑怯にも外国の黒船の力を借りるTPP推進論者ではないだけです。

 

それについては長くなりましたので、次週に続けます。

 

TPPについて生の農業現場の声を集めています。南の島様、離島の砂糖や牛肉について一文いただけないでしょうか。cowboy様、牛肉についていかがでしょうか。北海道様、乳製品についてひとことお願いできないでしょうか。

 

 

 

■写真 「こくびと」さん、これか田んぼです。一度来てみませんか。

 

 

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TPP」カテゴリの記事

コメント

管理人さまのご意見、この記事には、大賛成なのですが、
こくびとさまの意見ももっともだと、思います。

なぜ、農業者以外の職種のものが、農業の多元的効用が、理解できないのか、農業新聞でなく、一般全国紙の記者でさえ、フェアトレードや、山林の手入れが、漁業推進になるとか、田んぼが、自然を守れるのは、水を抜く時期や耕作方法で、かなりの差が出るとか、真実が、表にでないのはなぜか?
と、考えると、ほとんどの農業者は、寡黙で、どうせ都会消費者に説明しても理解できない。説明するだけ、無駄だ。
など、やはり、国民全体に、農林水産畜産業の重要性を、説明しないからだと思います。

つまり、弁の立つ、口先人間では、一生、百姓をやる根気が、続かないのでしょうし、一生農業者で、いられる性格の人は、うまく消費者とコミュニケーションできない性格なのではと、個人的に思ってます。

で、本来、全中とかJAとか、もっと、きちんと、しっかりした広報を、すべきだと思いますが、結局、JA職員自体、サラリーマン化してしまい、公務員的発想でしか、話ができない。JA職員が、本来、管理人さまよりの発言をすべきなのに、どちらかと言うと、こくびとさん的な理解をしている現状では、真実は、見えてこないのが、あたり前だと思います。

全中さんにしろ、政治的圧力団体は、管理人さまのような、大きなスケールでの農業者の位置づけを、マジメに、広報しません。

少なくとも、国民全体に、理解されるような、コンセンサスを得られるような発言を日々してこなかったつけが、廻ってきたのだと思います。

戦後約70年たつ今、土地や着物より、米と交換してほしいと、都市部から、田舎へ頼って、1日歩いて、食糧確保した経験のない人間しか、今は、生きていませんので、黙っていても、解るだろうなどと言う考えでは、都市部サラリーマンには、理解できず、こくびとさんの発想の方が、正しいように、思えるのは、すごく正常なことだと思います。

土のにおいや風のかおりなど、自然を体で感じることが、できない都会では、表面的に、見えるだけのTVニュース動画の方が、信じられる気になってしまうのです。

TVや動画は、5感のうちの一部しか伝えられないのに、全部伝わるものと勘違いしてしまうのも、無理ないように思います。

こくびとさん。
TPPについての考えについて、管理人さんはまだごく一部を述べたにすぎませんが、
是非お時間を作って、山間部の民宿などに数日滞在なさって実体験なさることをお薦めします。

森と田んぼと海の関係。そこに生きる人々やコミュニティ、山水の美味しさ…たくさんの発見があると思います。

本当は三陸沿岸の民宿を…と言いたい所ですが、震災からの津波からの復興の道はまだまだ遠いです。
あなたがどちらにお住まいか存じ上げませんが、せめて近くの田舎の山地や沿岸の漁村などに1週間ほどステイされれば、「感覚的に」理解できるかとおもいますよ。

お薦め書籍としては、ブルーバックスの20年前のものですが「山が死んだら海も死ぬ」あたりですかね。
それまで、環境汚染や農薬被害かと思われていた「磯焼け被害」が、なぜ古来から漁民が森を「魚付き林」として守り続けてきたことで保護されてきたことを、科学的に説明されています。
私は海が大好きな農学部崩れの者ですが、これは衝撃的内容でした。
今でもこれを覆すような内容のものはありません。

『森が消えれば海も死ぬ』かな?

訂正です。

「森が死んだら海も死ぬ」でした。

その前年の92年時点では、北海道のテレビ局特集ではニシンが来なくなった原因が「乱獲」以外に解らず、
ここ最近クラゲで話題になっている山形県鶴岡市の潰れかけていた加茂水族館の村上館長も「やはり農薬だろう」とテレビでやっていたのが92年です。
それに対して発行されたこの本で解説されたのは93年夏。
実際に、庄内沿岸でも南部の湾では「磯焼け」が激しいにもかかわらず、秋田県境に近い遊佐町では鳥海山からの伏流水で豊かな海の幸が維持されています。

太平洋側では三陸沿岸こそ、数百年という長いこと森を守り続け、ドライブにいくと「魚付き保安林」の看板が至るところにありました。
唐桑半島(現気仙沼市)付近でのことです。
当時は「サカナ付きの林」ってなんだよ(笑)なんて軽く思いましたが…。

巨大津波で森も含めて壊滅状態になりましたが、一歩づつ再興すると、私は信じてます。

「山林」「田んぼ」「川」そして「海」
そんな連鎖を少しでも理解していただければと…。

ありゃ、速い!

名無しさん、それです。

確かに、管理人さんの仰るとおり、田んぼは、単なる稲を栽培する圃場ということだけではないですね。実感します。

宮崎県えびの市という場所は、盆地で、田んぼがあちらこちらに見受けられる場所です。しかも、降水量は、かなり多い方で、1日に600mm~700mmってことも毎年のようにあります。しかし、それほどの被害は被りません。それは、間違いなく、田んぼというスタビライザーのお陰だと確信します。
植えたばかりの苗は、水没しつつも、1日も経てば、その葉先を見せるようになります。
まぁ、スタビライザーとも言えますが、緩衝物とも言えます。
もし、東京に600mm/dayを越える雨が降ったら、大変なことになるでしょうね。随分、地下に貯水できるような設備が出来ているようですが。あれって、一体いくらかかったんでしょう。

管理人さん、お尋ねの牛肉に関してですが、私の生業は、黒毛和牛の繁殖ですので、実際の牛肉に関する考察は、難しい(不得意な)部分であります。ただ、大方の見方では、
▲高級品である黒毛和牛の4、5等級は、輸入牛肉とシェアを取り合わないので、それほどの影響があるとは、思えない。
▲3等級以下は、輸入牛肉に押されるであろう。
▲輸入飼料穀物に関しては、関税は関係ないので、影響はないが、粗飼料は、関税がなくなれば、安く手に入る。無論、円安が進めば、不透明。
▲輸出ベースの企業が儲かれば、高級品黒毛和牛の消費が僅かではあるが、期待できる。というか、TPPに関しては、このことが唯一の希望です。
▲TPPとは関係なく、口蹄疫禍を境に、繁殖農家は、現在、老齢化が進み、廃業しており、激減しつつある(因みに、牛の頭数は微減)。このことは、粗飼料の作付けが減ることを意味し、田んぼの保全にも悪影響が出る。


やや、本題からずれるかも知れませんが、我々、畜産農家の頭を悩ます問題として、家畜の排泄物の処理の問題があります。
田んぼがなくなると、その排泄物は、微生物に委ねることができなくなり、燃やすくらいしか出来なくなる(因みに、近所の養鶏農家は鶏糞を燃やしています。無論、処理有償の産業廃棄物として。)でしょうね。大問題です。

TPPで プログ検索中です。
農業 など 漁業もかなぁ 
失業者が 増えるのかナァ
どうなるのかなぁ
日本は 食品も 輸入するだけの国になるのかなぁ。資源のない国~。
戦国時代でないけれど 兵糧攻め は ないと思うけれど。まだ世界は 平和ではないと思う。
国防軍は 何をするのかなぁ?
日本は どうなるのかなぁ?
政治研究会(名前検討中 TPP

大変ご無沙汰しています。種子です。
重要品目の1つと言われる砂糖の原料、サトウキビに関して少し
種子島では農家の約8割がサトウキビを作付けしています。
原料用サトウキビの作付けとしては北端に当ります。
以南の島々と比べて恵まれているのは本土への距離だけでなくハブが生息していないことが最大であると思います。それによって、充分な手入れが出来ますので、反収や糖度においては他の生産地に比べて若干高くなっているようです。

サトウキビは冬場の重要な収入源であるだけでなく、台風や季節風から他の作物を守るための防風帯として、又トップと呼ばれる茎頂部は繁殖牛の素飼料として、かれた葉っぱの部分は敷料として、工場から排出される搾りかすも又、牛の敷料として使われ、精製途中の沈殿物もまた、堆肥として利用されます。

離島の輸送野菜農業には国内の競争でも大市場までの距離、市場までの輸送コストと言ったハンデがあります。
同じ品質の物を作っても、鮮度が落ちることで安くなり、又、輸送費も余分にかかる。
必然的に日持ちのする作物を、他の地域とかぶらない季節に出荷すると言った戦略が必要になります。

1度の植付で2年から3年収穫できるサトウキビは甘藷や馬鈴薯、豆類などの連作障害を抑える為の輪作体系の一端を担う、まさに種子島農業の代え難い基幹ともいえます。

関税により支払われる補助金は買取価格の8割に上りますが、作付け面積など色々と条件をクリアしないと受け取れません。

仮に砂糖に関する関税が撤廃された場合の影響は
キビ作付け農家の直接の収入減(半分以下になるかと)
キビの運送業者が廃業
牛の素飼料の購入による飼料費の高騰
農家収入減に因る購買力の低下による商業の不調
等でしょうか

サトウキビに関して、こと種子島においては米以上に重要な作物と言えますね。

米に関しては、作るより買ったほうが安いとも言われますが、やはり田を荒らさない為に自家米の生産をしている方が多いように思います。

なんかやたら長文ななってしまい申し訳ありません

なるほど。この記事のような視点で深く考えたことがありませんでしたので、読んでると確かに水田を無くしてその他の方法で治水するほうがコストが掛かりそうだという気に素直になってきます。

この点(水田無くして他の方法で治水するほうが、コストが膨大になる)は専門家の間で完全なコンセンサスがあるということで宜しいでしょうか?(寡聞な自分が知らなかっただけで、単なる常識?)

>
>■写真 「こくびと」さん、これか田んぼです。
>一度来てみませんか。
>

マジっすか?行きたいです!

でも、私そんなに都会人間てわけじゃないんですよ。田んぼのある所で育ちましたし、今住んでるところも近くに田んぼ一杯です。

(だったら、水田の治水機能を何で理解してないんだ!というお叱り受けるるってことでしょうか・・・)

続きも楽しみにしております。

2月末が所属組織の決算なのと、今月は出張が多く、記事は毎日拝見しているのですが、色々思う所はあるものの、中々コメントできませんでした。
TPPに関しては、其々の立場や住んでいる環境によって色々な考えが有るのだと思います。お互いを否定し合うのではなく、管理人様の様に親切丁寧な説明が必要なのだと、つくづく考えさせられています。
酪農に関するTPP批准後の影響をざっくりと考えてみます。
平成23年度の実績数字で見てみます。
全国の生乳生産量
747万㌧(北海道386万㌧、都府県361万㌧)
用途別処理量
①飲用向(ヨーグルト等発酵乳含む):408万㌧
②生クリーム向:129万㌧
③チーズ向:47万㌧
④加工向(バター・脱脂粉乳):163万㌧
となっています。
現在の冷蔵・輸送技術レベルで考えると、液状乳製品(飲用乳・発酵乳・生クリーム等)は残るものの、加工向け(バター・脱脂粉乳・チーズ)向けは壊滅すると考えられます。
この為、国産生乳の必要量は、408万㌧+129万㌧=537万㌧となります。537万㌧だと、平成23年度実績の約72%程度です。但し、季節によって液状乳製品の需給が変わりますので、需給調整の為にどうしても加工(バター・脱脂粉乳・チーズなど)向けも必要となりますから、実際は537万㌧+αとなります。
自給粗飼料の自給率が高く、比較的低コストで生産できる北海道はそれなりに生き残っていくものと考えますが、都府県酪農家は激減すると思います。
ちなみに、北海道の乳価は80円/kg程度で、輸送費や手数料など差し引かれると、75円程度ですが、飲用乳中心の都府県の生乳単価は季節に因りますが、100円前後ですので、手取り乳価は95円程度と推測されます。都府県に比較して低コストの北海道産生乳が都府県の消費地に送られ、都府県酪農が壊滅するのではないかと思います。
都府県酪農が壊滅状態になったとすれば、初妊牛の販売はこれまでと様相が変わり、北海道内での循環となる為、価格低下は避けられませんし、貴重な収入源である雄子牛も輸入牛肉の増加に伴って、タダ同然の取引になるかも知れません。
まとめると、生乳代金収入(70円~75円/kg)だけで、経営が回る酪農家であれば生き残るし、初妊牛や雄子牛の販売代金が無ければ、経営出来ない酪農家は消滅していく事になります。
比較的生産コストが高い都府県酪農家の中で、見切りをつけて廃業するか、財力と意欲のある酪農家は、北海道へ移住し、北海道で生産を始める人も出てくるのではないか?とも考えています。
COWBOYさんが仰る牛肉の関係ですが、輸入牛肉が激増すれば、黒毛和種~交雑種(乳用種×黒毛和種)~ホルスタイン雄肥育の位置づけは変わらないものの、牛肉の供給が増加すれば、おのずと価格は下がりますので、ブランド牛肉の一握りはそれなりに評価されるものの全体としては、3~5割は低下するものと思っています。(牛肉は他の乳製品等と違って関税は比較的低いので、一部は残ると思います)
私たちも指を咥えて待っているだけでは有りません。
75円でも経営出来得る酪農家を増やすため、色々準備を進めています。
アメリカや豪州・ニュージーの酪農家に負けては居られませんし、国民の主食では無いですが、貴重な栄養源の牛乳を供給する責任も有りますので・・・

都会と違って、田舎の町村は農業が主産業です。その農業が壊滅すると、商工業も廃れます。限界集落が激増するでしょう。また、田舎では酪農家の固定資産税が行政の自己収入の大部分を占めています。酪農家が無くなれば、行政ももたなくなるのではないでしょうか?
管理人様が丁寧に記事にして下さっている、自然や災害への影響のほかに、実質的な財源問題もあちこちで発生するでしょうね。

りぼんさんのコメントに、JA職員が「官僚的」になっている・・と言うのがありました。少なくても北海道のJA職員にそんな職員はいないと思います。(中央会や連合会の職員にはそんな人も多々居ますけど・・)
一般市民の方々から見たら、JA全中もJA全農も市町村にある、JAも同じものだと思うのでしょうが、系統と言う意味においては同じ様なものですが、中身は全く違いますので、誤解を解いていかなくてはいけませんね。
書きだしたらきりが無くなり、長文になってしまいました。申し訳ありません。

集落の小学校の卒業式や、転出される先生の送別会の準備や打ち合わせ等いろいろ用事があって、返事が遅れました。種子さん、ありがとうございます。

私も10年前まではサトウキビをかなり作付していましたが、今は0なので種子さんのほうが詳しいでしょうね。特に現在のサトウキビの買取価格や補助制度についてはきちんと理解していません。
この10年で制度がガラッと変わりましたからね。

種子さんご指摘のように、南の島の最大の問題は毎年必ず直撃する台風ですね。私の島では去年は3つ直撃しました。内地よりも強い勢力でしかも進行速度はノロノロです。
サトウキビやローズグラス等の背の低い飼料作物以外は全滅です。

島ではサトウキビや牛以外に台風に耐えうる土地利用型農業はありません。馬鈴薯も冬作物で盛んになっていますが、TPPではアメリカと競合するでしょう。

Cowboy@ebinoさん指摘の家畜排泄物の問題、私も別の視点で気になっています。
畜産が衰退したら、他の農家は有機肥料をどうやって確保するのでしょうか。
商社がアメリカやオーストラリアから輸入するのでしょうか。
しかし、これは防疫上問題でしょう。日本に存在しない厄介な微生物やウイルスが絶対に混入して日本に上陸するでしょう。

コメントに、コメントすることは、以前、管理人さまから、禁止事項と言われましたので、気にいらないようでしたら、即削除、お出入り禁止措置でも、構いません。

ただし、TPP問題を前にして、農業者が、正論を言っても、国民全体に、支持を得られないと、どんどん、日本が、窮地に追い込まれることが、想像できるため、この時期に、少しでも、官僚、政治家等、上層部と国民世論に、具体的に、納得できる意見を、伝えないと、TPP批准国会で、国会前デモしても、強行採決で、終わりとなると思いますので、コメントしました。

まず、コクビトさんのおっしゃる田んぼのある地域に住んでいて、循環型農業について、知らないというのは、ごく正常な反応であると思います。
つまり、農家さんのお孫さんを預かっている幼稚園において、意図的に、サツマイモの収穫体験など、しないと、今の農家さんの若嫁さんレベルで、さつまいもの収穫が、初めてだ。と、言う方が、断然多いのです。
つまり、農家さんの息子さんが、サラリーマンと言うケースは、非常に多いのです。
兼業農家が多いので、仕方ないですし、田んぼの面積が、少なくても、親戚が集まって、田植えや収穫するなんてことは、一切なく、兼業農家でも、一通りの機械化をしていて、嫁、孫が、自宅から、ちょっと離れた農地に行くこともなく、作業を手伝うこともないからです。

よって、幼稚園児に、農業体験をさせると言う「理由つけ」で、その母親に、しっかり農家さんを講師になっていただいて、農業体験する場面を、作っているのが、現状です。

もぐらの穴さえ、農家さんの若嫁さんは、「初めて見た」と言う反応です。

福島の米問題で、原発から離れている会津北、中、南農協に、残っている米を、分けてほしいと連絡したときは、地域JAさんは、とても地元のことを、考えていて、非常に、きちんとした、対応をされてましたが、農家さんと、ほぼ常時、接していない県、全国レベルの農業関係者は、やはり農林水産省に、近い分、実に、官僚的な発想でした。

北海道の生乳の本州への販売は、毎年上限があるように、伺ってますから、結局、学校冬休み中の生乳は、乳加工工場で、全部処理できなくて、北海道では、どこかで、廃棄せざるを得ない状態だと思います。

北海道は、ほくれんが、しっかりしていて、独自の行動を採られるので、本州のJAとは、多分、かなり違う様相ではないかと推測しています。

また、転作ローテーションとか、畜産農家と畑農家、米農家さんの連携は、組織的ではなく、農家さん個人のお付き合いでの結びつきしかないと言う状況で、うまく廻れば、牛糞、鶏糞堆肥は、産廃処理量を支払うことによる無駄な費用は、減るはずですし、粗飼料の国産比率は、もっと上げられるはずだと、思っています。

畜産農家さんですら、分業ですから、繁殖、肥育、仕上げ、一貫など、それぞれの分野ごとで、しっかりした協力関係がないし、流通、販売も含めた6次産業化するベースとなる交流が、少なすぎるので、スーパーで、販売製品として、即並べられる輸入食品の方が、安定供給上、平時は、有利となると思ってます。

鶏糞の臭いを消すのに、有効な梅干の漬け汁は、高額な産廃処理料を支払って、梅干生産をしているのが、和歌山あたりでは、普通のようです。

かように、管理人さまのおっしゃっておられる山の手入れが、漁業のためだとか、田んぼは、ダムより、治水に役立っているなどと言うことは、農林畜産水産業全体で、大局的に理解されて、具体的説明が出来る農家さんは、非常に少ないと思ってます。

よって、田んぼの水抜きの時期などについても、各農家さん、ばらばらというか、地域の気候、早場米で、単価を上げたい人、有機農法で、おそくまで、水を張りたい人など、ばらばらでは、ないかと思ってます。

まず、いなべ和牛など、生産量が少ないが、おいしい牛肉などは、無くなる可能性が、あると思ってます。

松阪牛でさえ、昔からの丹波子牛を使っている肥育農家は、減少してます。

言いたいことは、1種類の農産物でさえ、北海道から沖縄まで、日本の気候だけでも、全くちがいますから、国内で、統一した意見が、農業者から都市消費者に、きちんと、伝わっていないことが、問題であり、国民もそれほど、馬鹿ではありませんから、きちんと、説明すれば、スイス人のように、値段が高くても、国産をできるだけ、購入すると言う国民を持つことが、出来ると思いますから、
こういう場所で、きちんと、説明して、理解を得ることは、大事だと思います。

例えば、幼稚園を無くして、保育園に入れて、待機児童を無くすと言う極論は、良くないと言う自分は、持論を持っています。
(子供の権利条約、こどもの人権を守る国際条約に違反しているのですから)
すでに、長時間、預かることで、乳幼児に、無理なしわ寄せが、起こっていることを、知らねばなりません。

同様に、日本農業をはじめとする国産での農業は、壊滅しても、安い輸入品に、すべて頼ることは、大きな問題が、後世に与えることを、国民は、「今」自覚する必要があると思います。

3年前、民主党に過大な期待を、持ちすぎたことを、国民の一人として、反省しているところではあります。

風と言うマスコミが作り出す虚像を信じて、投票することが、どんなに、危険かと言う事を、感じて、真実を、自分の目で、確かめて、行動すれば、日本人の世論は、正しい方向に向かうと信じております。

リボンさん
平成17年度後期には、生乳生産の増加に、乳業工場が対応しきれなくなり、確かに処理不可能乳が発生し700㌧以上の生乳を廃棄する事になりました。
しかし、それは表面化した量であって、生産農家レベルでは、数千㌧の生乳廃棄(出荷出来ない)が行われたのも事実ですし、乾乳(通常は分娩準備のために分娩前概ね2ヶ月間搾乳を休む期間)時期を早めたり、泌乳量が少ない牛を肉用に処分したり・・・と、生産調整の為色々行いました。
その後、工場の能力アップや、ホクレンが主導して道内酪農家の拠出で、バター・脱脂粉乳の加工工場を新設(増設)しましたので、現在では需給が厳しくなっても生乳廃棄と言う事は、よほどの事がない限り起こらないようになっています。
この為、都府県の飲用乳不需要期には、加工処理する為に北海道へ逆送し、加工処理する事もできますので、都府県の生乳廃棄も起こらないような仕組みが出来ています。
平成18年の年明けには、乳製品の国際相場は暴騰(供給不足)していましたが、肝心のホクレンの対応(予測違い)により、年度途中での計画生産枠の見直しもせず、年度一杯計画生産量をコンクリート化していた為、平成18年度末(19年2月~3月)には、前年より厳しい生乳出荷調整が行われました。

結果として、搾乳用乳牛の資源不足が起こり、平成19年度~20年度のかけて、店頭からバターが消えるという、社会問題にもなりました。
(酪農家が収入確保のために、乳牛に黒毛和種を交配した為、その影響は平成22年~23年度まで残りました)
需給の見通しを立てる事は難しい事ですが、情報入手が下手な事と、リボンさんが指摘して下さった、連合会職員の官僚化が招いた、ある意味人災でした。

実需者にバター・脱脂粉乳等、乳製品を届ける事が出来なかった(不足した)事は、マーガリンなどへの変更を余儀なくされ、大きなビジネスチャンスを失う事となりました。
実需者への供給責任を果たす事の重要性が、改めて問われた平成17年度から23年度にかけての計画生産でした。
TPPとは離れたコメントとなってしまいました。
ご容赦ください。

各地域のと話を興味深く読まさせていただきました。近々一括して記事にさせていただきます。ありがとうございました。

余談で、恐縮ですが、生乳廃棄、乳牛の強制肉牛化出荷、生乳加工工場能力の増強など、正直、農業新聞など、業界紙を読むか、学校給食関係者の食材調達部門とかでないと、本州では、本当の情報が掴めません。

自分が、なぜ、知る機会になったかと言うのは、現在廃止には、なりましたが、学校給食での生乳180ccあたり、1円~2円補助金での給食消費奨励制度が、昔、ありまして、そのために、レセプトや献立表を毎月、制作して、県の乳業団体へ、提出していたのですが、当時から、補助金廃止になり、学校給食については、学校専用小麦の放出とか、ごはん給食推進制度とか、バターの値段等、各県の学校給食会で、流通単価が決まっていて、スーパーに納品される無印良品的な、給食専用商材を仕入れているのが、現状です。
ヨーグルト、プリンなども、一般に流通しない専用商材が、送られてきます。
ただし、原則、小中義務教育だけが、多いのですが、こどもの減少に伴い、価格はともかく、幼稚園、保育所も、同じ商材を、入荷できるよう範囲を広げていただくだけで、相当数の国内消費が出来るのですが、そういうことまで、生産者レベルで、理解されていないと言う行政や、各県の生乳、小麦、バター等の取り扱いについて、私立学校や保育所、幼稚園、夜間2部学校など、給食をやっているすべてに、例えば、生産調整するくらいなら、適正価格で、販売してほしいと思ってます。北海道では、多分、あたり前で、幼稚園、保育所、すべてで、加工乳製品が、学校専用として入手できるのでしょうが、少なくとも、愛知県では、公立小中学校のみが、対象なんですね。

一般小売商材は、保育所、幼稚園では、量とコストの面で、会いません。学校専用商材は、量も少なく、コストが合うように、製造されているのに、公立だけ、納品可能とか、制限をつけているのですね。

つまり、県レベルでは、幼稚園、保育所は、行政マンとして、仕事が増えるから、やりたくないと言うスタンスです。
昔は、幼稚園、高校は、学校教育法第1条校ですが、義務教育ではないと言う事で、学校給食法の範囲外だったのですが、平成以降は、学校教育法も改正されましたので、農水省と文部科学省が、協議して、政令なり省令なり、通達なりを出せば、生乳、パン、バター、マーガリン、米については、政府、行政の法解釈だけで、国内消費量は、上がります。
単純なことなんです。
そういう他省庁にまたがる部分を、細かく潰していくだけで、国産の消費は、かなり伸びるのですが。。。

余談の余談ですが・・・

北海道では、例年1月下旬から乳業会社とホクレンが用途別乳価の交渉を始めます。
例えば、道内飲用向けは95円とか、バター・脱脂粉乳の原料乳は65円等々。
そして、飲用向けでも東北向、関東向け、関西(近畿)、それ以西に区分されますし、発酵乳向け、生クリーム向け、チーズもハード系・ソフト(フレッシュチーズ)系と細分化されて価格が決まります。
本来は、3月末までに決着するのですが、遅い時は6月くらいまで決定がずれ込む事もあります。
学校給食向け(「集団飲用向け」と言います)は2月に入札がありますので、ほとんど2月に決定します。
学校給食への補助は、一時保管用の「冷蔵庫」などに、(独)農畜産業振興機構(ALIC)から有るようですが、どのくらいの補助率かは承知していません。
酪農に限らず、農業の実情は業界紙である「日本農業新聞」に記事が掲載されるくらいで、一般国民が知るには中々難しいのが実態です。
jA全中やJA全農がテレビ局を開設するくらいの勢いが有ってもよいのかな?とも思います。
衛星放送時代ですから、チャンネルは確保できるのではないでしょうか?
どのくらい費用がかかるか?なんて事は判りませんが、開局までしなくても全国紙に定期的に情報(記事)を掲載することぐらいは出来るのではないでしょうか?
農業団体って、内向きなイメージが有りますが、もっと外に積極的に発信する必要があると思っていますし、そのキーとなるのがJA全中なりJA全農の仕事だと思っています。

農業団体って、内向きなイメージが有りますが、もっと外に積極的に発信する必要があると思っていますし、そのキーとなるのがJA全中なりJA全農の仕事だと思っています
>>>>是非、実際に、流通させてくださいませ。

お願いします。少なくとも、全国学校給食会では、「うちの担当ではない」と門前払いです。

各県の県学校給食会の全国組織ですから、個別の県学校給食会の個別取引は、県に任せても、情報は、集約すべきだと、思うのですが、今、話題になっている全柔連同様、スポーツ振興会、TOTO関係団体ですので、面倒なことは、しないと言うことです。

生産者とか、学校のことは、一切考えないと言う官僚より保守的な組織ですね。

種子です。
サトウキビの補助(単価助成)について補足します。
澱粉用甘藷もほぼ同システムです。
前提は大規模化になります。
第1の条件
基幹作業をすべて自分で行う場合は一定以上の面積を作付けする必要があります。
サトウキビは1ha以上です。
収穫作業だけで説明すると
サトウキビの収量は(種子島では)平均で10a当り7t弱です、1haあれば少なくても60t以上の収量があります。
集荷期間は12月中旬から4月中旬までの120日程度ですから最低でも5~6日で3t出荷しないとならない面積とも言えます。
管理機や収穫機械等にかなりの設備投資が必要になりますのでここをクリアできる人は実際のところ多くはありません。1割居るかどうかですが中には収穫機を所有して個人で20ha以上作付けされる方も居ます。

第2の条件
収穫作業面積が一定以上の収穫作業組織に属する事
ここには農業振興公社のオペレーターや、振興公社に委託されて管理作業等を行う農家の方が属します。
この方々は自身の面積は1haより少なくても助成金を受けることが出来ます。
とは行っても公社のオペレーターを除けば、収穫機械を所有し自らも1の条件を満たす方がほとんどです。
そして、ここに属する人は殆んどがキビの配送も行っています。

第3の条件
自身の作付面積の1/2以上の面積の基幹作業を1番目か2番目の条件を満たす農家や受託組織に依頼する事。

第4の条件
共同作業組織(規約等のある正式に立ち上げた組織)に属する事(共同で収穫する。共同で防除作業を行う。共同で管理作業を行う等)


第3、第4辺りが弱者救済の部分になるでしょうか

農家の大半が第3の部分に属する事で助成金を受け取っている状況になります。


第3条件を満たす方々は作業を委託する事で(収穫作業では反収の約1/3の委託作業料を支払うので)第1、第2の方々の機械化をより促進する。

狙いはそこにあるんですが・・・

第2の条件にに属する方のつぶやき
「機械は傷むがTPPが不透明なうちは新しい機械も導入できないし、面積の拡大も出来ないし、かと行ってサトウキビに替えられる作物はないし、どうしたら良いんだろう。」
これが本音の部分なんじゃないかと


管理人さんの視点は従来あまり議論されていない点なので重要ですね。私自身、子供に「あぜ道を見たい」と言われ、近所で見せられず困っています(かくいう私自身、ずっと都会ですのでろくにあぜ道を見たことがないです)。

田んぼの保水・治水機能については基本的に同感です。だとすれば、農薬の過剰投与や化学肥料過多による水質汚濁はもっと厳しく糾弾されてもいいかもしれません。田んぼが水質汚濁の元凶になっては元も子もありません。また、いわゆる限界集落と呼ばれる地域は、元々田んぼでなかったところも多いと聞きます。つまり、人口増加に伴って「開拓」が行われたと。そのような地域はむしろ「森」に帰した方がいいのではないかと思います。棚田は美しいですが、全てが保全の対象なのか、元の森に戻した方がいいのではないかという点は一考の価値があるように思います。

東風さん。
お子さんをお持ちですか。
どちらの都会にお住まいか存じませんが、例えば東京でしたら、ぜひお時間を作って日帰りもしくは1泊で旅行を兼ねてGWあたりに北関東の田舎にでも行けばいくらでも畦道を見られますので、お出掛けなさってはいかがでしょう。
整地された平野部の土地改良区と山間部の狭小な谷津田を見比べて頂きたいです。

「限界集落」の問題は深刻ですが、まだそこは「集落」であり、先人が開拓した土地に人が住んでいるんです。
よく景観や田植えボランティアで話題になるような棚田百選の景勝地(それでも苦しい)とは全く異なりますから、分けて考えて下さい。

福島県や宮城県・岩手県の山間部では、整地された改良区にもかかわらず90年代までに主に米価低迷と減反に耐えられずに人口ゼロで廃村になった集落が沢山あります。
荒れ果てた草ボウボウの田んぼに畦道、打ち捨てられた軽トラや冷蔵庫に廃屋。さらには不法投棄の山!

人間が毎年手を加え続けて「里山」を守ることの重要性を一目で理解して頂けると思います。

出来れば私が一日ご案内したいくらいです。
山形県はじめ各地で田舎の農家に宿泊して体験生活するツアーもありますよ。


余談になりますが、原発事故から2年経って、ようやく一部で稲作再開が認められた福島県飯舘村など、まるでかつて見た廃村のような風景が広がっています。私は自分の目で見てきました。再開するにしても実質「再開墾」レベルです。

山形さん、ありがとうございます。

御想像の通り東京に住んでいます。「人間が毎年手を加え続けて「里山」を守ることの重要性」は全くその通りだと思います。私の言う「限界集落」とは集落の最も先端(最深)部分のことです。私の知識は比較的に西日本をベースに考えているので、東北では当てはまらないのかもしれませんが、人口増加時に山を切り開いて道路を作り、開墾したようなところが、人口減少時に維持できなくなってきているようなところがあるようです(自分で直接確認しているわけではないので、正直に伝聞形で書きます)。人口増加時には「手を加える」ことができても、これからの人口減少時には「手を加える」こと自体が難しいのではないかと危惧しており、そうであれば、「手を加える」ことが可能なレベルに集約してもいいのではないかと思う次第です。道路があるからこそ投棄も可能です。むしろ人が入れないようにした方がいいところもあるかもしれません。

実態を知らない都会の人間の戯言と怒られてしまいそうですが、人口減少が前提である以上、ある程度の集落の集約をしないと維持できないのではないかと思うところです。

東風さん。
ご丁寧にありがとうございます。

本当にあなたのような人たちにこの国の農林業の現場を見て頂きたいです。お話しし、お子さまにも体験して頂きたいことがいっぱいあります。例えばアブに刺されて悩まされて川を歩きながらハゼやヤマメを捕まえたり、ヤツメウナギを見たり。

林業については、「集約化」も一つの考えとして理解できます(実際に高齢者が諦めて里に下りる例も多いです)が、もし人工林の杉山が荒れて人の手が入らなくなるとさらに深刻になります。
荒れた山林も増えてしまって、当県では山林保全「グリーン特別税(年1000円)」を前の知事が導入して歯止めをかけようとしましたが…やはりというか「真面目に林業をやって来た正直者がバカを見るじゃないか」との批判も当然ながら出ています。難しい問題です。
なんせ間伐材の割り箸ですら売ってない状況ですからね。(愛媛刑務所の刑務労働ですら、中国からの白樺材加工輸入に価格で敵わない)

もちろん手付かずの月山の広大なブナ林もありますよ。広い高原やコテージもあります。

子供の沢遊びや山寺観光、蕎麦街道や温泉地などと合わせていつか山形にいらっしゃいな!
ぜひご案内させていただきます。
美味いものなら沢山あります。

人口減少に伴う山林維持の問題は深刻です。

私事ですが母方の実家はド田舎の集落ですが、70年代には子供の声が響き活気がありましたが…次々に廃校。
一つ上の集落はなんとか10建ほど残ってますが、その一つ上は…人口ゼロで70年代に消滅して廃墟になりました。
限界集落とは最近言われ始めた言葉ですが、40年前からあった現象なのです。

かつてはよくドライブしていた仙台平野部から三陸の復興が遅々として進まない現況も、是非見て欲しいのですが…自分にはあまりに生々しくて私のほうがメンタル持つかどうかです。

ちなみに私は長野オリンピックの時に、真冬で観光客もほとんどいない中、鮎川(現石巻市)の店で鯨刺身定食を食べながら、里谷多英のモーグル金メダルを映りの悪い古いテレビで見ていました。

限界集落にダメ押ししてるのが、ガソリンスタンドの老朽タンク交換問題です。ここにも橋梁やトンネル同様に、高度成長期時代のツケが来ています。

なんだかとっちらかったコメントになってしまいましたが、「つばさ」に乗って是非山形にお越し下さい!

山形さん、温かいお言葉ありがとうございます。

間伐材の割りばしも自然破壊などと言われていた時期もありますから、よくよく考えないといけません。

お恥ずかしいことですが、山形には全く土地勘がないもので、少し調べてしまいました。いいですね~。勝手に妄想を膨らませています。

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