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2013年3月 1日 (金)

公害大陸中国その6 中国公害問題の始まり・毛沢東時代

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PM2.5以降、中国の環境汚染は日本でもよく報道されるようになってきました。

するとよく言われる台詞にこんなものがあります。「ああ、日本も高度成長の時はあんなもんだったよ」。 

これはどうやら、つい最近までよく聞いた、「中国って昔の高度成長期の日本と一緒なんだよ」とペアになっているようです。

つまり、高度成長の産物として公害があるということのようです。残念ですが、これは公害という現象に対しても、そして中国の公害に対しての認識としても二重に誤っています。

現実には、中国では、確認されているだけでも40年以上前から水質汚染、土壌汚染などはひんぱんに起きており、日本の専門家はかなりの所まで実態を把握していました。 

ですから、勘違いしてほしくはないのは、ここにきて急速に悪化したわけではありません

それにもかかわらず、PM2.5事件まで日本で中国の公害について真剣に考えられたことはほとんどなかった気がします。 

今までの日本側の見方はせいぜいが、「中国はこのまま経済発展を続ければかつての日本の高度成長期のような公害で苦労するゾ」という近未来形のものだった気がします。 

これは公害についての誤った認識です。公害は決して高度成長期特有のものではないからです。 

たしかに4大公害病は、高度成長期に注目されましたが、4大公害病のひとつ富山イタイイタイ病は、鉱山の亜鉛精錬の過程で出るカドミウムが原因であり、発生地域となった神通川流域は江戸時代から鉱山開発が盛んでした。 

そして1886年には三井金属鉱業(当時三井組)が大規模な鉱山開発を始めており、大正時代からイタイイタイ病から出ていたという記録があります。 1972年のイタイイタイ病判決による公害救済まで実に86年が経過していています。

熊本水俣病も、原因工程の操業は1932年のことで、翌年から発病者が出ました。熊本水俣病は、最初の認定が1956年のことであり、高度成長期以前のことです。 

足尾鉱毒事件も、古河が大規模な銅山開発を始めたのが1885年、翌年から鮎の大量死か見られ、渡良瀬川流域の農民の第1次東京陳情が1897年、田中正造が住む谷中村が遊水池として水没したのが1927年、そして政府が公害対策か不十分であったことを認めたのが1993年でした。 実に108年の月日がたっています。

公害は高度成長とは関係なく、恐ろしく長い時間尺で起きていることがお分かりになると思います。 

公害はいったん発生すれば、その調査、認定、排出停止、法整備、裁判、そしてなにより患者の健康回復、環境再生などに気が遠くなるような時間がかかるのです。 

ですから、公害病は高度成長とは直接関係なく、経済が未発達な状況でも発生しており、それが高度成長で大きく増幅された結果、注目されるようになったのがこの時期なだけなのです。

さて、中国公害にはこの国特有の歴史がありました。 

中国では、毛沢東時代(1949~76年)に極端な重工業偏重政策をとりました。それは毛沢東の「30年以内に英国を追い抜く」という妄想からだけではなく、当時の米ソと政治的な対立関係をもっていたからです。 

この「反帝国主義・反社会帝国主義」という二正面政策のために、中国は国家財政のすべてを軍事的部門につぎ込みました。

「社会帝国主義」とは聞き慣れない言葉ですが、当時の中国がソ連に浴びせた罵倒語です。まぁ、当時の中国は半鎖国状態で、世界中を敵にまわしていたと思って下さい。

いつ自国の体制が壊されるかとビクビクしていて、ハリネズミのようになっていました。当時の中国は、政府の招待でしか入国できませんでした。

今の北朝鮮を巨大にしたようなものだと思えばいいでしょう。ちなみに北朝鮮の「先軍政治」のオリジナルは、この時代の中国です。

そしてとった政策が、原爆の製造であり、200万を越える膨大な軍事力であり、そして軍事に直結する重工業偏重政策だったわけです。 

一般の国と異なるのは、これらの政策が準臨戦体制下で進められたことであり、強固な共産主義体制下に建設されたことです。 

造る製品は市民の服や靴ではなく、戦車や銃でした。すべてを強大な軍事国家を作ることに注いだのです。

「すべて」というのは、お金や労働力だけではなく、環境もそうでした。

重化学工業は、十分な公害対策を施さなければ、もっとも公害を大量に発生する部門です。 

そしてこの重工業に原料を供給する鉱業もまた、巨大な公害発生源なことは言うまでもありません。 

この重化学工業偏重と活発な鉱山開発が、準臨戦体制下で国を挙げて行われたら一体どうなるのか、考えるまでもないでしょう。

毛沢東時代に、公害病になったらそれは敬愛する毛沢東同志のためであり、救済を求めて陳情などすれば「反革命分子」、「スパイ」として処刑されるか、労働改造所送りになりました。 

世界第2位の経済大国になりながら、今でも多くの政治犯を労働改造所という名の強制収容所で奴隷労働をさせているとアムネスティは告発しています。

毛沢東は、沿海部が敵の上陸を受けやすいことから、工業地帯を内陸部に分散立地させました。これが公害の全国化につながりました。 

毛沢東は大変な怖がりでした。いざ米ソから攻撃を受けても、内陸に生産拠点があれば持久できるし、「人民の海」で溺れさせることが出来ると考えました。

毛沢東は、仮に原爆を落とされても 、1億人くらいならなんともないと言ったそうです。

たとえば、今でも中国自慢の第2砲兵(核ミサイル部隊)の基地と原爆製造工場は、四川省の山奥にあり、州都の重慶は毛沢東時代から重工業地帯でした。

宇井純先生が廃液で泡立つ黒い河を見たのはこの重慶で、1970年代の初期のことです。

この通常の経済発展では考えにくい環境汚染源の内陸部各地への点在が、中国の公害が全国各地に広く分布してしまった歴史的背景です。

それが、改革開放経済によって重工業や鉱業が一挙にフル稼働を開始するのです。

改革開放路線以降については別稿に譲りますが、基本的な構造にはなんの変化もありません。

中国は新たな自由主義社会に生まれ変わったわけではなく、経済だけが資本主義になったにすぎず、上半身は毛沢東以来の旧弊な共産党支配体制のままだったからです。

中国の公害は一般諸国のそれと違って、この強権的構造を変えなければなりません。それ故、解決至るまで極めて長い時間がかかるでしょう。

■写真 なんとなくポーッとのどかな写真を撮ってみたくなりました。ボケているのではなくボカしたのです。ホントです(笑)。それにしても、春が待ち遠しいですね。

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コメント

汚染の実態と表面化する時期とは、ものによって大きな時差があると言う事であり、その時期(期間)が永ければ永いほど汚染の度合いが深く、そしてそれに関わる人たちへの影響も重度化し、広範囲になっていくようですね。
それが国策として推進した(された)事項で有れば、中途で見直したり、中止する事は難しいのでしょう。
1党独裁であれば尚更と思います。
内容は違いますが、口蹄疫など伝染性疾病と同じような気がします。
一刻も早く気が付き対処する事が、共通する事だと思います。

管理人さまが、共産党1党独裁主義とおっしゃるのは、わたしもその通りであると、思ってますし、随分前から、ひどい河川汚染もありましたし、正直、非常に多い他民族国家であり、逆に、本土総面積に比較して、河川が、少なすぎ李ことも、理解してます。

近年の問題は、自分は、漢民族による血の同和政策が、内陸部に多く、日本を相手に、過去の戦争を、一方的侵略戦争と定義して、日本批判していますが、中国北京政府公表民族数でさえ、56とも60とも言われている他民族国家であるのに、強制的に、漢民族と結婚させると言う、世界でも、類をみない、自国内植民地政策を、ずっと、続けていながら、日本を、うそで、塗り固められた中国内の戦争博物館(中国共産党による捏造博物館で、非常に立派で、お金が掛かっていて、全省にある)によって、乳幼児から大人まで、洗脳教育をしている非道な国は、現在では、中国しか、ありません。
そのためには、夜間での焼き討ちも、中国公安当局による政治犯とせての逮捕など、日常茶飯事で、人を殺すことに、痛みを感じない中国政府ですから、公害問題などは、気にしていないでしょうね。

まあ、第二北京構想と言う国策も動いてますので、現状の北京が、公害汚染されても、気にしていないでしょうね。

大体、上海近辺から、内陸部に広がっていたのは、中華民国であり、蒋介石が、逃げてきた台湾が、国民党であり、もともと、中国共産党は、後から作られた、仮想漢民族国家ですから、自国の歴史からして、蒋介石を、抹殺していますから、僕にとっては、歴史問題を論じたり、南京大虐殺を勉強するなら、蒋介石なしでは、論じることができない国であると思ってます。

本当は、強権的経済構造ゆえ、すべてのプラントに、脱硫装置をつけて、排水処理施設を作ることを、今からでも、やってもらえれば、PM2.5からみの日本の大気汚染は、減るでしょうに、、と思ってますが、見た目だけ真似た新幹線風高速鉄道をみる限り、環境問題には、無関心であるか、世界2位の貿易立国ながら、外国援助?で、そういうプラントを、外国人を騙して作らせることしか、考えていないように、私には、見えてしまいます。

習キンペイも、対日軍事強行派ですので、北朝鮮問題が、なければ、海洋権益主張は、ロシアよりひどいと、思ってます。

中華思想自体が、そうですから。。

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