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中国新型インフルエンザ第4回 ズサン極まる防疫体制 守られぬ移動制限 発生市場に生きたトリ並ぶ

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閔行区、松江区の市場は共に通常営業
「週刊文春」(4月18日)によれば、上海閔行区の市場は死亡者が出た店だけが閉鎖されただけで、ほかは通常どおりの営業だそうです(苦笑)。
鶏は出荷停止になっていますが、様々なルートで売り買いがなされており、事実上放任状態のようです。
豚肉はまったく制限がなく、従来通りの搬入と売買が続けられています。

石灰すら撒かれていない
私にはトリインフルの経験があります。
2005年の茨城トリインフル事件です。ヒトにも感染し、重体患者こそ出ませんでしたが、13名の養鶏場従業員の血清検査でH5N2抗体価が4倍以上増加していました。
トリインフルが、ヒトに感染することをわが国で初めて実証した事件でした。
茨城だけで40農場 鶏約568万羽の殺処分が行われました。
当時、私たちの地域はどこもかしこも石灰の散布のために白い雪景色のようになり、いたる所に消毒液の臭いが立ち込めたことを鮮明に覚えています。
ところが、この中国では、死亡者が多数でているにもかかわらず、石灰の散布すら見られません。
死亡者が出てわずか半月で開業し、生きたトリが売り買いされているのです。
もう別世界としかいいようのない異様な光景です。

Photo
C                                       hina / Padmanaba01

1例目・閔行区市場で開業する27歳男性の場合
「2月末に風邪のような熱を出し、原因不明のまま治らないので、実家のある江蘇省にかえって入院したが、そのまま死亡した」とのことです。病院から200万程度の見舞金を貰った」そうです。
「3月6日に病状が重篤になった際も完全隔離されず、同じ病室に3〜4人の患者がいたという。」(レコード・チャイナ4月5日)
この男性がトリインフルであったにもかかわらず、隔離措置をとらなかったために、この病院が新たな感染ハブ(※欄外参照)になった可能性は高いと思われます。

2例目・同じ閔行区市場の近隣の老人 次男も同じ症状で死亡していた
2例目はこの1例目の出た市場から400mほど離れた場所に住む男性(87)で2月19日に発症氏、3月4日に亡くなっています。
1例目とほぼ同時期で、こちらは無免許医師にかかってその後入院していますが手遅れでした。

「治療を受けた上海第5医院の同じ階には、数部屋隔てた病室に別の患者が入院していた。完全に隔離された状態ではなかったという。病院関係者の1人によると、男性の入院を確認したのは2月末。家族3人の病状が重く、男性が死亡した際は病院が「特殊死亡事例」に指定された。関係者は病室へ入る際はマスクを着け、退出時に捨てるよう命じられたという。 」(同)
注意すべきは共に感染症の症状呈しているのに、隔離がなされていないことです。死亡してからようやく「特殊死亡事例」としてマスクが使われたようです。

また、この男性の長男(69)と次男(55)も同時期に同様の症状を発症しており、次男は既に死亡しています。
これは新型インフルの可能性が濃厚ですが、当局からはなんの発表もなく闇の中です。
 

5例目・外資系企業(?)の食堂調理師の場合
5例目は38歳男性の調理師で、上海から50キロ離れた太倉市の外資系企業の社員食堂で働いていました。
杭州出身で、共に働く妻は既に帰郷しています。
かなりの確率でこの妻も感染している可能性が高いにもかかわらず、当局はなんの措置もとっていません。
気になることは食堂という感染ハブで発症していることで、しかもそれが外資系だという点です。
もし感染拡大があった場合には、外国に流出する可能性もあります。

南京市ではまったく無制限に家禽類を販売 感染ルートなどわからなくて当然
4名の感染者が出ている南京では、まったく平常どおりに生きたままの鶏やウズラが販売されていました。
いちおう、感染が発覚する前に仕入れたとのことです。
もはやなにも驚きませんが、いかに中国の防疫体制がザルというのもおこがましいあってなきが如しなのかがよく分かります。
ここまで移動制限がないに等しいと、「感染ルートの解明は難しい」(WHO)もなにもあったものではありません。

現代の防疫常識が通用しない「防疫の暗黒大陸」中国
遡行調査とか、発生動向調査など私たち日本の防疫常識をを説くのがバカバカしくなりました。
そんなことのはるか以前のレベルです、中国は!

このズサン極まる防疫体制、守られぬ移動制限、発生市場に生きたトリが並ぶ光景こそが、現代中国です。
今後ウイルスの温床と感染の恒常化で毎年のように感染症で多くの人が亡くなり、常にアジア全体に感染症ウイルスを供給し続けるブラックホールとしてあり続けることでしょう。
中国国民にとっても、近隣諸国にとってもそれは大変に不幸なことですが。

渡り鳥ルートだけではない黄砂運搬説
さて中国青海湖のコブハクチョウによる渡り鳥によるトリインフル拡散ルートはよく知られていますが、今新たに指摘されているのが黄砂運搬説だそうです。
名古屋大学名誉教授・岩倉泰信氏によれば、黄砂は直径10マイクロメートルで、微生物にとってちょうど手頃のボートのような大きさだそうです。

セレウス菌などは黄砂に付着して、数千キロ離れた日本に飛来するのが確認されており、トリインフルに関しては実証例はありませんが、可能性としては大いにありえるそうです。
ちなみに、あの宮崎口蹄疫にも黄砂運搬説があるとのことです。
宮崎県で口蹄疫やトリインフルが多い理由として、宮崎県に黄砂飛来が多いこととなんらかの関係があるかもしれません。
まぁ、この中国の凄まじい中国の現実を目の当たりにすると、翼手龍が運んできたと言われても、私は信じますよ(笑い)。

※[感染ハブ] 車輪のスポークが集まる車軸のように基点となって、そこから感染を拡大させるポイントのこと。人や家畜が集まりやすい場所か多い。

※先日の「疑問」の後半部分は月曜日に掲載します。明日は週末写真館です。

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コメント

一気に北京まで飛び火したようですね。
なんとまあ杜撰な。

近隣諸国に迷惑かけないで下さいとしか。

なんせ、日本の防疫体制はザルですし…。

投稿: 山形 | 2013年4月13日 (土) 13時28分

家畜の飼養密度は、どうか分かりませんが、黄砂なら、熊本や福岡の方が多いと聞きます。
地理的にも、西にある鹿児島や熊本ではなく、九州山地を越えて、「何故、宮崎か?」の理由が不明です。

もし、黄砂説が正しいなら、福岡や熊本、鹿児島でも口蹄疫が発生していることになるような気がします。
(鹿児島では、トリインフルは発生していますが。)無論、防疫に関するレベルが、宮崎とほぼ同じであるならの話ですが。

投稿: Cowboy@ebino | 2013年4月17日 (水) 12時59分

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