• 20250518-093208
  • 20250518-140611
  • 20250518-160806
  • 20250518-162028
  • 20250518-163944
  • S-012_20250517014201
  • S-015_20250517014201
  • S-025_20250517014301
  • S-033_20250517014201
  • S034_20250516012501

« 「遺伝子組み換え食品の真実」を読むその1 本書が間にあったことを感謝します! | トップページ | 中国新型インフルエンザ第3回 中国当局への7つの疑問  まだ発生現場の家禽市場では鶏肉を生で売っていた! »

2013年4月10日 (水)

中国新型インフルエンザ第2回  なぜ進まぬ殺処分の謎

001

死者4名、感染者24名に拡大
現在の上海新型インフル事件の状況は8日現在、上海市で1名の死亡が確認され、上海と江蘇、安徽、浙江3省で計24人、うち死者は7人になりました。(資料1参照)
 

※[追記] 江蘇省と安徽省の衛生当局は9日、重体だった83歳男性と35歳女性がそれぞれ死亡し、新たな感染者も上海市と浙江省でそれぞれ2人確認された。感染者は上海市、安徽、江蘇、浙江各省で計28人、このうち死者は9人となった。(毎日新聞4月9日)

ウイルスは韓国の野鳥と揚子江デルタの家禽が組み合わさったもの
「中科院病原微生物・免疫学重点実験室の研究者はこのほどH7N9型について、「韓国の野鳥が行き来する中で、中国・長江デルタのアヒル、鶏の群れの鳥インフルウイルスと合わさったとみられる。」(新華経済4月9日)
「ウイルス遺伝子の組み合わせの比較と血縁分析では、鳥インフルH9N2型の源は中国上海市、浙江省、江蘇省などの鶏の群れにある。遺伝子は長江デルタで組み変わった可能性が高い。」(同)
この研究者によれば、韓国の野鳥(水鳥を指すと思われる)の渡り鳥によって揚子江デルタに棲む野外のアヒルなどに感染し、それがさらに屋内飼育の鶏に感染拡大したものだと思われます。
中国では、アヒルは屋外飼育、それも水辺で飼育されており、容易に渡り鳥からトリインフルを感染します。
 

ヒト-ヒト感染の証拠はない
幸いなことに現時点では、WHOの発表によれば、トリ-ヒト感染に留まっており、ヒトがヒトに感染するヒト-ヒト感染は発見されていません。
もしこのヒト-ヒト感染が明らかになった時点でパンデミックに突入することになります。現時点ではかろうじてこの手前で止まっている状況のようです。
いずれにせよ、H7N9のワクチンができるのははるか先の半年先のわけであり、対処療法するしか手はありません。
 

当局は鶏の殺処分が10万羽と発表 殺処分までの流れ
当局は殺処分をしているとしています。(資料1-2参照)
これが真実ならば、殺処分は非常に遅れていると思われます。
通常では鳥インフルエンザの殺処分までの流れはこのようです。
①養鶏場でニワトリの死骸を発見する。
②鳥インフルエンザ感染が疑われる。
③獣医師が状況を確認し、その後の対応を判断する。
④家畜保健衛生所が簡易検査を行う。
⑤家畜保健衛生所が遺伝子検査を行う。
⑥養鶏場の全てのニワトリに対して殺処分が行われる。
 

中国ではなにが殺処分の障害となっているのか?
H5N1と違って①の養鶏場で死亡が発見されていないか、いても見逃されている状況だと思われます。
あるいはH7N9の簡易検査キットがないか、不足しているのではないでしょうか。

よもやこのような時の対処法がないのでは・・・。

もし正常に殺処分が行われていたと仮定した場合
上海、江蘇省などの感染発生地域、及びその家禽類の供給地となった地域は、ウイルスで濃厚に汚染されているはずです。
ですから、死亡鶏が出ようと出まいと淘汰をかけねばなりません。
殺処分しない限り、ウイルスは温存され、拡大を続けて変異していきます。つまり爆弾を抱えているのと同じなのです。
日本の家畜伝染予防法のような法律が中国にあったとすれば、以下のような処分がされるはずです。
下図は、最初の患者の死亡が発生した上海市上海閔行区を中心に半径30キロの円を描いたものです。(赤丸部分)
この赤い範囲の家禽類はすべて殺処分対象となります。
 

Dscn0037
出荷した養鶏場の地域も殺処分対象となる
次に、この閔行区の家禽市場に出荷した養鶏場の地域も殺処分対象となります。
仮にそれが上海の食料供給基地である嘉興市であるとしたら、下図の緑丸のようになります。
 Dscn0040_2

 上海新型インフル事件わからないことだらけ
上海新型インフル事件は不可解なことばかりです。
新たなウィルスの正体もまだよく解明できていません。
また、弱毒だといわれるN9タイプなのに死亡者が多数出ています。
防疫も、WHOなどはやたら「よくできました」と褒めちぎっていますが、日本の防疫常識とはあまりにもかけ離れています。
死者が出ているのに、情報量が非常に限られていて、結局のところ官製報道しかない有り様です。
「中国のことだから」で済ましてしまわずに、私はできる限り真実を探って行きたいと思っています。

※写真 路傍のポピーです。

.            。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

※資料1 鳥インフル、7人目の死者=感染者は24人に―中国 
時事通信 4月8日(月)18時29分配信   

 【上海時事】中国上海市政府は8日、H7N9型鳥インフルエンザに感染した64歳の男性が新たに死亡したと発表した。江蘇省政府も南京市の85歳男性と鎮江市の25歳女性の2人の感染が新たに確認され、2人とも重症だと発表。これで感染者は上海と江蘇、安徽、浙江3省で計24人、うち死者は7人になった。 

※資料1-2 インフル:殺処分10万羽に 中国・上海
毎日新聞 2013年04月08日 11時10分
 

 鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染者が相次ぐ中国上海市で、小売市場などで売られている生きた鳥からのH7N9型ウイルスの検出を受け、市当局が感染阻止策の一環で6日に着手した食用の鳥の殺処分が8日までに約10万羽に上った。市当局が明らかにした。 

 上海市警察当局は、6日に市外部からの生きた鳥の搬入禁止措置を開始したのを受け、貨物トラックなどへの検問を実施。検疫当局は、出国者の体温検査も行うなど、感染拡大阻止に向けた防疫作業を強化している。(共同)  

※資料2 鳥インフル H7N9型は中韓「混血」の可能性が高い=中科院専門家が指摘
新華経済 2013年04月09日
 

中国疾病コントロールセンター・ウイルス病研究所の舒躍竜副所長は国内で人の感染が増えている鳥インフルエンザウイルスH7N9型について、「人への感染は初めて報告されたもので、伝染力、病原性などは現段階では判断できない」と述べた。また中国科学院(中科院)の専門家は、このウイルスが中国と韓国のウイルスの「混血」である可能性があると指摘している。京華時報が伝えた。

H7N9型は鳥インフルウイルスが合わさった形で、ウイルスの殻はH7N9だが、その内部にある6つの遺伝子は別のウイルス「H9N2型」に由来する。舒副所長は「インフルエンザウイルスは混ざりやすく、積み木のように組み合わさっていく」と説明した。
 

 また財新網の報道によると、中科院病原微生物・免疫学重点実験室の研究者はこのほどH7N9型について、「韓国の野鳥が行き来する中で、中国・長江デルタのアヒル、鶏の群れの鳥インフルウイルスと合わさったとみられる」と指摘したと伝えた。 

同氏は「H7N9型の8つの遺伝子のうち、H7は浙江省のアヒルの群れから検出された鳥インフルウイルスに由来し、韓国の野鳥などから見つかるウイルスと似ている。また、N9も韓国で野鳥から検出されるウイルスと似ている。 

そのほかの6つの遺伝子は、H9N2型に由来する。ウイルス遺伝子の組み合わせの比較と血縁分析では、鳥インフルH9N2型の源は中国上海市、浙江省、江蘇省などの鶏の群れにある。遺伝子は長江デルタで組み変わった可能性が高い」と説明した。

中国国家衛生計画生育委員会は8日夜、7日午後5時から8日午後5時までに、全国で新たに報告されたH7N9型の感染者は4人で、これまでに全国で計24人となったと発表した。このうち7人が死亡している。
 

« 「遺伝子組み換え食品の真実」を読むその1 本書が間にあったことを感謝します! | トップページ | 中国新型インフルエンザ第3回 中国当局への7つの疑問  まだ発生現場の家禽市場では鶏肉を生で売っていた! »

中国環境問題」カテゴリの記事

コメント

すでに大変なパンデミックになってることでしょう。「食文化」そのものを否定はできませんが、なにしろ市場で生きた家禽類を手軽に買って家で捌くお国柄。どこで爆発しても不思議はありません。
今のところ、ヒト-ヒト感染が確認されていないのが救い。


珍しく山形県知事が素早く動いて、昨日「鳥インフルエンザに警戒を」と声明出しました。
とは言っても家畜保健所のパトロール強化と、一般向けの「水鳥の大量死」などあったら知らせて下さい程度ですが。


石垣島でルリビタイオオルリビタキという珍しい鳥が撮影されましたが、前回は2011年の山形県飛島です。
これはつまり、日本中どこで発生しても不思議はないということの裏返しですね。美しい鳥だとは思いつつ、うすら寒いです。


しっかし、北のミサイル来ませんね…。何がしたいんだか。

農業をされている方には参考になる情報でしょうか。
路傍のポピー、こんな花です。

ナガミヒナゲシ / 国立環境研究所 侵入生物DB
www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80080.html
コラム 緑化植物 どこまできわめる ナガミヒナゲシ 日本緑化工学会 緑化植物
www.jsrt.jp/pdf/dokomade/35-4nagamihinageshi.pdf
農環研ニュース 90号 (2011年3月発行) (独立行政法人 農業環境技術研究所)
www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/publish/niaesnews/090/090.html
(いずれもアタマのhttp://は省きました)

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 「遺伝子組み換え食品の真実」を読むその1 本書が間にあったことを感謝します! | トップページ | 中国新型インフルエンザ第3回 中国当局への7つの疑問  まだ発生現場の家禽市場では鶏肉を生で売っていた! »