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2013年4月11日 (木)

中国新型インフルエンザ第3回 中国当局への7つの疑問  まだ発生現場の家禽市場では鶏肉を生で売っていた!

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新型トリインフルの公表情報はごくわずかにすぎない
わが国の畜産関係者は、今回の上海新型インフル事件を冷めた目で見ています。
新聞、テレビのニュースは上海市当局のリリースそのままで、独自情報は皆無に近い状況です。
香港出身のマーガレット・チャン事務局長に率いられたWHOは、「10年前とは比較にならない。大変に進歩している」と手放しで称賛していますが、それにしては昨日の記事でも書いたようにどのような防疫作戦を展開しているのかさっぱりわかりません。
そこで、しつこく今日もわき上がる
疑問を拾ってみました。

■[疑問その1] 発生から50日間もたって、なぜ発生源が特定されないのか?
なにより最大の疑問は、1例目は2月19日に発症し、3月4日に死亡しており、それから実に50日近い日がたっているにもかかわらず、なぜ発生源が確定しないのでしょうか?
1例目は上海市閔行区の家禽市場の従業員から発生しました。ただし、ここは感染が表面に出た場所であって、発生源そのものではありません。
発生源は別にあるはずで、近郊の養鶏場だろうと思われますが、いまだ公表されていません。
感染源の特定は真っ先にされるべきもので、それがいまだ不明とはありえないことです。
 

■[疑問その2] 死亡者がすべて鶏と関係する職業なのに、なぜ発生源を絞りこめないのか?
死亡者の職業は、家禽市場の従業員、鶏の搬送業者、調理師、農家などです。
すべて、鶏を直接に触る立場にいます。トリインフル・ウイルスはトリの呼吸器や羽毛の中に多く生息しています。
死亡者はこれに直接接触してしまったために感染したことは疑いもないことです。ならばこの鶏がどこから出荷されたのか調査すればいいではないですか。こんなことは中坊にでも分かることです。
3例目の死亡した男性は鶏の搬送業でした。彼の持っていた出荷伝票が存在しているはずです。
どこの養鶏場が出荷したのか、とっくに調べはついているはずです。
こんな初歩的な情報がなぜ出てこないのか、そしてなぜそれを外国マスメディアが疑問に持たないのか、そのほうがよほど不思議です。
 

■[疑問その3] 感染ルートがなぜ明らかにされないのか?
発生源が特定できれば、この農場の従業員が2月から3月にかけて、どこに行ったか、その時に靴は何を履いていたか、消毒はしたかなどを丹念に聞き取りしていきます。
この調査をすれば、「点」と「点」が結びつけられて感染ルートが分かってきて「面」になります。
これが防疫における「遡行調査」です。今まで日本で起きた多くの家畜伝染病は、この手法で、ひとつひとつまるで刑事の聞き込みのように証拠を集めて発生源を特定し、感染ルートを辿っていいく地道な作業をしていきました。

この感染ルートもまた明らかにされていません。理解に苦しみます。

■[疑問その4] もう既に農村部でも感染拡大しているのではないか?
発生源とその周辺では広範囲にウイルスが拡散しているはずです。
発生源の農村部周辺は言うに及ばず、持ち込まれた上海などの都市部でも野生動物までふくめて広域に汚染が進行していると考えられます。
その場合、家禽、豚を移動禁止にして、スクリーニングし、その結果次第で殺処分の決定を下します。
この農村部の発生源の大本を野放しにしたまま、テレビカメラの前で公園のハトなどを捕獲してみせる演技にはうんざりさせられます。まるで悪い冗談のようです。
 

■[疑問その5] 本当に殺処分しているのだろうか?
下図は中国当局がOIE(世界獣疫事務局)に宛てた4月5日付の報告書です。

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(鹿児島大学元教授岡本嘉六氏のサイトより引用いたしました。ありがとうございます。)
表中程の「罹患動物」の項の見ると「殺処分数」は0となっています。
殺処分数2万羽とか10万羽とはあくまで上海当局の数字で、公式の中国疫学当局の世界機関への報告ではあくまでゼロなのです。

もしこれがわが国で起きたとすれば、死亡者は9名も出ているのですから、宮崎口蹄疫の比ではない厳戒体制が敷かれ、道路には消毒ポイントが設置され、移動制限を受けた鶏、豚などの殺処分が進んでいるはずです。
家禽の移動動制限はいちおうされているようですが、殺処分も不徹底、道路の消毒ポイントも設置されておらず、いったい中国当局はなにをしているのでしょう?

追記 未だ発生現場では生きたトリを売っていた!防疫なんか知らんぷりの中国
本日発売の「週刊文春」によれば、おどろくべきことに、上海市閔行区の発生場所となった家禽市場は未だ鶏肉を販売し続けているそうです!
 

Photo_2 写真 レコードチャイナ 上海市閔行区1例目発生場所の家禽市場・石灰が撒かれていないのが分かる)

もはや唖然というか、凄まじいというか・・・。このようなことは絶対あってはならないことです。
これを「進歩した」というWHOは何を指導しているのでしょう。これについては明日に続けます。

※読者から「長い。携帯で読めない」とご注意を頂戴しました。まことにごもっともです。携帯で数ページに収まる長さに納めるように工夫していきます。(管理人)

 

■写真 春の山は、秋の山に負けないくらい照り映えています。

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