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がんばれ、NZ! 「TPP関税撤廃は無条件」 自民党は6原則、5品目を死守せよ!

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TPP推進派には失礼ですが、大変おもしろい展開になってきました。ニュージーランド(NZ)が頑として重要品目をはずすことを希望するわが国に対してノーを突きつけたようです。(資料1、別情報あり 追記参照)
 

既に米国とは、自動車関税と農業重要品目を取引するような形で「並行協議」しています。これも非常に見えにくいやりとりですね。 

並行協議というのは、「日本がTPPに入る」参加容認交渉と、日米貿易交渉を同時に進めていることです。 

いわば日本はTPPに「入れてもらう」というハンディを背負って交渉しているわけて、実にばかばかしいことをしていることになります。 

ですから米国の弱みである自動車についても、日本側が一方的に譲歩してしまった印象は拭えません。 

このような米国との非関税障壁交渉は、TPP参加交渉と同時に開始されており、今やかつての日米構造協議のような様相になってきています。

たとえば、保険、貿易円滑化、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、急送便及び衛生植物検疫措置などの分野で、並行協議の交渉中とのことです。 

まるでこれでは日米FTA(正確に言えば、サービス分野も含まれていますからEPA交渉ですが)、をやっているようなものです。 

事前交渉の内容はTPP参加できようとできまいと、実績として残ってしまうわけで、今からこんな調子だと、本交渉において大丈夫なのかいという危惧が上がって当然です。 

おそらく推進派の人たちは米豪と交渉参加に合意したので、TPP7月会議参加に楽観的な空気もあったでしょうが、お気の毒なことにNZが「関税全面撤廃」の爆弾を降らしてきました。 

NZはなにもわが国を入れたくないということではありません。NZの「主敵」はあくまでも米国です。

日本にいい顔をすると、TPPは多国間交渉なので米国にも自動的に同じ条件となってしまうからです。 

NZはオリジナル締結国として米国の参加自体に消極的でした。それは農業立国としてメリットよりデメリットのほうが大きかったからです。

NZのジェーン・ケルシー教授が指摘する点は、いずれもわが国で問題となってものです。(資料2参照)  

特に、NZも米国が「遺伝子組換作物(GM)について特に強い要求を提案している 」ことに対して強い抵抗をしています。 

まったく同感で、思わず「その通り!」と肩を叩きたくなるほどで、今後もGMに対しては日本と強い共闘関係を作って米国に対抗するべきでしょう。

またNZは、「外資投資による土地・資源などの資産購入について制約を緩和する内容も盛り込まれている 」ことに対しても反対していますが、これも日本では危惧されことです。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-bd04.html 

今回米国とNZが角を突き合わせているのは、特に2点です。 

①TPPの基本的考えは発行後10年以内に例外なく関税をゼロにするものであるが、アメリカは農業について譲歩していない 。
②ニュージーランドの乳業、オーストラリアの砂糖についてアメリカは一切譲歩しないと明言している 。
 

おそらく、やはりかつて私も記事にしましたが、TPPにはこの3条件が存在していると思われます。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-d101.html

①合意済みの部分をそのまま受け入れ、議論を蒸し返さない。
②交渉の進展を遅らせない。
③包括的で高いレベルの貿易自由化を約束する

この3条項はカナタとメキシコが去年6月に交渉参加した時点で、既に参加していた9カ国から「念書」(レター)で知らされたものです。 

この「念書」は、念がいったことには極秘とされており、協定発効後4年間秘匿されることは既に、ニュージーランドのTPP首席交渉官の発表で分かっています。 

①の「合意済み部分は蒸し返さない」というのは、「先行して交渉してきた9カ国が合意した条文はすべて丸ごと受け入れなさい2012年以降の参加国には拒否権はありません」ということです。 

②の「交渉の進展を遅らせない」ということは、特定の交渉分野について9カ国が既に合意した場合、その合意に従えという意味です。  

意地が悪いようにも聞こえますが、多国間交渉とはそのように各国の利害が錯綜するために、一国の利害だけで押し切れないということです。 

③は、現在NZがわが国につきつけた「例外なき関税自由化」そのものです。これはきっとオリジナルTPPの約束事であったのではないでしょうか。

それが米国が入った段階で、米国のパワーに押されてグズグズになっていったような気がします。

このTPP参加3条件を死守しているのがNZなのです。となると、NZが切り崩されない限りTPPに入ってはみたものの、内容的に日本にヤバイこと、すなわち③の「包括的で高いレベルの貿易自由化」を無条件で約束させられてしまうことになりかねません。  

私たちとしては、この自前の空軍すら持たない人口444万の「小国」NZの「頑固さ」を大いに応援せねばなりません。

このNZがノーを言い続けるかぎり、わが国はTPPに入れませんから!
ガンバレ、NZ!
自民党、6原則、5品目を絶対に守れよ

追記 なおNZ以外にカナダ、豪州も、「すべての品目を交渉の対象にする」「高い自由化を実現する」などと求め、カナダは米国のように日本車にかける税金(関税)を残すことも主張している。」(朝日新聞4月17日)

追記2 別情報もあります。どちらが真相なのか現時点ではわかりません。
政府は難色を示していたこの3カ国と合意した、ないしは寸前と言っています。いずれにせよ来週にはわかるでしょう。
「甘利大臣は18日の記者会見で、「日本の交渉参加への同意が得られていない残りの国の了解を取るために、意見交換と交渉をしたい。各国の理解はかなり進んできている」と述べました。
これに関連して、政権幹部は「オーストラリア、ニュージーランドなどの同意はほぼ得られた。カナダからの同意も現地で得られるのではないか」と述べ、19日中にすべての参加国から同意が得られるという見方を示しました。」(NHK4月19日)

■写真 風にそよぐ、青い麦。

 

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■資料1 TPP関税撤廃「例外認めず」=ニュージーランドが強硬
時事2013/04/16-22:
 

日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に向けた事前協議で、米国政府の承認後もニュージーランドが関税撤廃の例外を一切認めない方針であることが16日、明らかになった。コメをはじめ重要品目を例外としたい日本側は、こうしたニュージーランドの姿勢について「絶対にのめない」(政府関係者)と譲歩する考えはなく、ニュージーランドの承認が得られる見通しは立っていない。 

■資料2 TPPの危険性を説く、「ジェーン・ケルシー教授 仙台講演会 議事録」その1 10月29日 怒り心頭http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/279ba55cafd2f47b6efb06fc5a7ee9ad

<要旨>
・TPPの協定内容は全てアメリカの議会によって承認されなければならない
・交渉参加国はASEANと自由貿易協定を締結している。つまり障壁があるのはアメリカ
・マイクロソフトはTPPによって知的財産権保護のためDLファイルの有料化を提言している。グーグルはそれに反対している
・外資投資による土地・資源などの資産購入について制約を緩和する内容も盛り込まれている
・漁業権などを外資に購入された場合、漁業で成り立っているような地方の地域への悪影響は計り知れない
・日本の国営貿易会社(主に農産物)に対し、すでにアメリカは反競争主義だとクレームをつけている
・公共工事において外国企業の入札参加の権利を要求している。日本では復興事業に多大な影響が考えられる
・アメリカは遺伝子組換作物について特に強い要求を提案している
・TPPの基本的考えは発行後10年以内に例外なく関税をゼロにするものであるが、アメリカは農業について譲歩していない
・ニュージーランドの乳業、オーストラリアの砂糖についてアメリカは一切譲歩しないと明言している
・パブリックコメントや意見募集において、外国企業も発言可能になるように求めている
・TPPの交渉内容は署名されるまでは非公開である
・TPP加盟国の義務は他の加盟国にも強制される
・投資家にはその国への政策的助言に参加する権利が与えられる
・規則や義務の変更はアメリカ議会の承認が必要となるため、極めて困難である

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コメント

NHKおかしいですよ。
今朝のニュースでも「鳥インフルエンザ徹底解説」とか言いながら、まるで中国政府のスポークスマンのような内容に、渡り鳥の可能性加えた程度。
一方、TPPに関しては、「ほぼ全ての締約国と同意」ですって。


そのTPP参加を決めた民主系の山形県知事、珍しく素早い判断で今週初めには「鳥インフルエンザ警戒」を呼び掛けました。
県民の支持は下がっていても、県庁職員にはすこぶる評判の良いただのオバサンですから、入れ知恵されたんでしょう。
どこが「革新」なんだか。

ちなみに、山形県の農業生産額は2200億円ほどですが、昨日の県発表試算によるとTPP全面批准した場合、668億円の損失になるとのこと。どういう計算したのかはわかりませんが(私はちょっと懐疑的)、大部分は米価下落で、残りは酪農・畜産物でした。

ほんと、ニュージーランド頑張れ!
と言いたいところですが、カナダやメキシコまで米国農業メジャーに牛耳られてしまった今では、なかなか交渉は難しいのかともおもいます。
ただ、自民党政権も米国への配慮ばかりではなく、たまには豪快にハッタリかまして欲しいものですが…、現実的にはアジア周辺国の緊張状態もあり、切り離しては考えられない事情だとは思います。

投稿: 山形 | 2013年4月19日 (金) 08時17分

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