公害大陸中国その15 わずかな範囲しか公害「認定」しない中国司法
前回触れた中国人研究者による「「中国環境司法の現状に関する考察~裁判文書を中心に~」(PDF)が全国規模で収集した裁判文書によれば、公害病と認定している範囲が極めて狭いことがわかります。
中国司法当局(人民法院)が認めた公害分野は、水質汚染、騒音問題、近隣関係等に限定されています。
となると、水質汚染と大きな関連を持つ土壌汚染、あるいは工場や自動車からの空気汚染、廃液などからの重金属汚染、産業廃棄物処理汚染、薬害、開発汚染など膨大な分野はその司法認定の枠の外に出てしまいます。
昨日も見ましたが、わが国の4大公害病は以下です。
①熊本水俣病(1956年・水質汚染 有機水銀)
②新潟水俣病(1964年・水質汚染 有機水銀〕
③四日市ぜんそく(1960年~1972年 大気汚染 亜硫酸ガス)
④イタイイタイ病(1910年代~1970年代前半 水質汚染 カドミウム)
これはわが国でいえば、水俣病やイタイイタイ病はかろうじてカバーするものの、排出されたカドミウムが米を経由して市場に出回り、食害に変化した場合にはフォローされなくなってしまいます。
あるいは、亜硫酸ガスによる四日市ゼンソクや西淀川訴訟のような硫黄酸化物による空気汚染公害は、中国にとっても現在深刻な状況のはずですが、蚊帳の外のようです。
また、中国には医療体制と医療保険の不備によって、膨大な領の医薬品が野放しに販売されたり、闇薬局、闇医院も多いと聞きます。
これらの野放図な医療薬事体制からは、かつて日本のようなサリドマイド禍のような薬害がでる可能性は、わが国の比ではなく高いと思われます。
このようなまさにザルの環境司法に対して前出報告書は、「環境司法への道のりはなお様々な凶難が待ち受けていることを意味する」としてこう述べています。
「人民法院と裁判官の環境司法への保護意識が欠如し、環境保護理念が裁判官の『内心の確信』要素として定着していない。」
つまり、司法当局は、その環境司法の肝心な「魂」とでもいうべき被害者保護の精神、すなわち「謂われなき苦しみの中にいる患者を救済する」という根本理念が、司法に欠落しているからです。
イタイイタイ病の死亡患者遺族の法廷証言には、「父は悶え、苦しみ、犬のように、猛獣のように狂い死にました」とあります。
このような患者の苦しみに背を向けた「人民」法院は、真正面から苦しむ「人民」を見つめなければなりません。
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コメント
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http://www.tech-jam.com/water-quality/water-quality-paper/KN3138062.phtml
まず、高校生レベルにおける、亜硫酸ガス汚染分布地図を、安価に、作成するなら、ろ紙定性試験紙を、使うのが、簡便で、早いと思います。
純粋な亜硫酸ガスは、無色でしょうから、居住者に、有毒ガスの存在意識が、ありませんし、日本の高度成長期においても、夜間操業中、大気放出すると言う行為をしていましたので、昼夜問わず、ろ紙を、物干し場に、設置して、毎日、色彩サンプルと比較して、おおまかな、汚染地図を作ることや、気象情報等、関連データーを、集めることを、内陸山間部(重慶など)に、居住する人に、協力を求めて、データー収集するのが、その地域に於ける、見えない有毒ガスに、対応する方法であり、まずは、地域住民が、ラフなデーターであれ、化学的な汚染実態の事実を知ることで、環境改善意識や世論が、増すはずです。
中国本土で、そういうラフではあるが、自分達で、収集したデーターで、世論が、動けば、その解決に、日本の公害防止プラント企業が、参加できれば、(作るだけでなく、メンテナンスと、毎日、連続測定して、情報公開することが、中国本土で、出来れば、)
すでに、このレベルの環境改善プラント技術は、日本から輸入するだけで、劇的に、汚染を、減らせると思います。
ある意味、プラントの性能などを、中国要人に、営業するより、そこで生活している中国人に、実態を知らせることで、日本の雇用の空洞化も、防げると、思うのですが。。。
理由は、これらプラントは、オーダーで、作る必要があり、簡単に中国企業が、盗んで、まねが出来る分野では、ありませんから、設計と主要システムは、日本でないと、作れないからです。
投稿: りぼん。 | 2013年5月22日 (水) 10時23分