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中国食品公害その4 中国食品汚染の原点・メラミン混入粉ミルク事件

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この数年、中国人旅行者が日本や香港で大量に買い占めていくのは何かご存じでしょうか。

それはブランド品ではなく、ただの粉ミルクです。それも日本製品か欧米製品に限られています。

あまり買い占めがひどいので、香港では社会問題化し中国人に対して、一人1ツの個数制限までできたほどです。

その原因となったのが、2008年9月、赤ちゃん用ミルクにメラミン汚染があったためです。 それ以来、中国人は自分の国の粉ミルクをぜんぜん信用しなくなってしまいました。

三鹿集団という会社の粉ミルクから検出されているメラミンは、最高値6196.61 mg/kgで、数年に渡ってタンパク質含有量を上げる目的で入れられていたと思われます。

出生して間もない生まれたばかりの赤ちゃんは、胎内の臍帯から栄養をもらっていたために消化器官が未熟で、繊細です。

だから離乳食まで母乳などで育てねばならないわけですから、この代替の粉ミルクに含まれてはならない化学物質が混入していたら大変なことになるのはわかりきったことです。

ですから、通常多くの国では赤ちゃん用ミルクについては普通の食品とは次元の違う厳しい食品基準を設けて規制しています。

このあってはならない乳幼児用食品汚染のために、中国の公式発表だけで、5万3000人を超える被害者のほとんどは3才以下で、4人が腎結石で死亡したとされていますが、実態は30万人を越えていると中国メディアは報じています。

実はこのメラミン混入粉ミルク事件の前の2003年に、悪質粉ミルクにより乳児が死亡するという事件が起きていました。

それは、小麦粉やでんぷんなどを適当に混ぜて色をつけただけのもので、乳児に必要な栄養のわずか6%しか栄養を供給できないという代物でした。

この粗悪粉ミルクは、翌年04年に米国FDA(食品医薬品局)が、中国製ミルクのたんぱく質含量が米国基準の14%以下しか含まれないため危険であるとして警告を出して、米国では中国製粉ミルクは排除されていくようになりました。

そのような動きにトドメを差す形になったのが、この2008年のメラミン混入粉ミルク事件だったのです。

ところが、このメラミン食品混入は同じことがその前年の2007年に、米国で起きていたのです。それがメラミン混入ペットフード事件です。

米国製ペットフードが使った中国産コムギグルテンが、実は小麦粉にメラミンやメラミン類似体を混ぜただけの汚染食品だったことから、それを食べたイヌやネコが急性腎不全になっていたのです。

急性腎不全は粉ミルク事件にも見られた、典型的なメラミン中毒の症状です。

そして米国FDAが、病気の原因物質としてメラミンを特定して、一挙に米国を揺るがす事件に展開していきます。

その後も続々と中国製ライスグルテンを食べたイヌから腎不全が報告され、中国製食品の安全性への信頼は地に堕ちました。

この事件は、日本にも報道され、同じ時期の2007年に日本を震撼させていた天洋食品毒餃子事件もあって、中国の輸入食品に対する警戒感が高まって行ったことは覚えておいでの方も多いと思います。

ちなみに、調査の結果、工業用化学物質のメラミンが入っていたのは最初に報道された三鹿乳業集団だけではなく、酪農家の間では一般的にタンパク質の検査値を高めるために常用されていたそうです。

そのため、結局このメラミン事件で潰れたトップ企業の三鹿集団以外に、光明、伊利、蒙牛などの製品からも続々と検出されて、中国全土と世界を震え上がらせました。

メラミンを入れると、タンパク値が上がるために乳製品のコクが出るような口当たりになるとかで売れゆきが伸びたのだそうです。

日本の酪農では、ジャージー種などを導入して、乳脂肪分を上げるなどの改良をするのですが、そんな面倒なことをせずにメラミンで竹馬を履かせたというわけです。

この中国製乳製品は英国にも大量に輸出されており、安価が呼び物でスーパーでは一頃国産品を駆逐する勢いでした。

この事件に接して、英国で起きたパニックを鎮静化するために、 マンデルソン大臣がメディアの前で中国製品の一気飲みをしてみせたところ、あえなく6日後に腎結石で緊急入院という笑えない笑い話までついています。

このマンデルソン大臣を褒めちぎっていた温首相は、あわてて中国メディアの国内報道を禁止するという、これもまたいかにも中国らしい対応をしています。

米国消費者は、中国産食品や製品に対する不信感の高まりに対して、中国産食品や原材料を一切使っていないという事をアピールするため、自社製品に「CHINA FREE」と記したシールを貼るような動きが始まりました。

この動きは、初めは食品業界が中心でしたが、やがて低賃金で過酷な労働を強いられている若い女性民工たちによって作られているグローバル企業のアパレル製品にも飛び火していきます。

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中国環境問題」カテゴリの記事

コメント

青空です。

中国の各種分野の汚染状況は私もブログ記事で触れていますが、調べるほどに深刻さを確認する羽目になります。
水、大地、そして空気。
浮かび上がるのは人口に比して不足する肥沃な生産可能な大地と各種生産に必須である水資源の不足です。
只でさえ不足している代価不可能な資源をあっというまに汚染し尽くしていったのですから、驚きます。

自然資源もまた一歩間違えれば循環資源ではなく使い捨ての消耗資源となりあげく処理が必要な産業廃棄物になると言うことに自覚がなさ過ぎなのでしょう。

これらの生産に必須の資源の多くは既に多く毒されているようで中国は長くこの汚染環境で生き抜くしかなくなってきています。

日本の安全に関わる法規制や監視体制、生産部門の従業者の矜持の質の高さは往々にして海外では異常だと嘲笑を受けますが、しなかった場合、いい加減に運用した結果がことごとく隣国にあり、その凄惨な被害を目の当たりにしていくといささかぞっとしますね。

しかし管理人様は電力問題、TPP、海外事情等極めて多岐によく調べられており、いつも舌を巻いています。
大変勉強になっております。
今後も記事を楽しみに拝読させていただきます。がんばってください。

投稿: 青空 | 2013年5月16日 (木) 08時06分

日本は、肉牛や肉豚の肥育中、成長ホルモン剤の例えば、エストラジオールやゼラノールなど、使って、肥育期間を短くすることは、法的に許されているのでしょうか?
北米のSwift,Tyson,Cargil,Nationarl Beef.Smith field
の巨大多国籍食肉企業は、使っているようです。

ただし、EU向け輸出には、EU側の規制により、使ってないようです。

日本も、管理人さんが、専門である、鶏の胸肉を巨大化しながら、飼育期間を短縮するのが、北米産ブロイラーの一般的飼育法らしいのですが、農水も厚生労働省も、北米の日本向け牛肉解体指定工場は、世界一衛生的で、すばらしいとまで、言っておられますが、EUでは、許可されない成長のルモン投与食肉が、北米及び日本向けには、OKである理由が、理解出来ませんので、専門家としての管理人さんのアドバイスをいただけたら、ありがたいです。
エストロゲン換算で、国産肉の150倍から600倍も、成長ホルモンを使った肉が、日本向けには、OKなのが、私には、理解不能です。

もちろん、彼らは、グローバル多国籍企業ですから、北米、カナダどころか、アルゼンチンなど、他国間に、工場を持っていますので、輸入元が、北米であっても、実際の繁殖、肥育、仕上げをどこの国で、どのように行っているのか、管理人さんから、教えていただけたら、ありがたいです。

農水も厚生労働省も、ハサップ認定工場だから、安心、安全だとの主張でしたが、ハサップなど、自社基準にすぎなく、ハサップ認定企業に、賄賂でも、渡せば、もらえるものなので、日本の行政機関は、どんな脳みそなのか、理解不能です。

命に係わる問題に、目をつむる官僚たちは、何を考えておられるのでしょうか?

投稿: りぼん。 | 2013年5月16日 (木) 19時28分

横から失礼します。

法令指定の飼料添加剤に関しては農林水産消費安全技術センターの"飼料添加物一覧"を
http://www.famic.go.jp/ffis/feed/sub3_feedadditives.html

動物薬に関しては農林水産省動物薬検査所の動物用薬品等データベースを
http://www.nval.go.jp/asp/asp_dbDR_idx.asp
を参考に。

エストラジオール系動物薬に関しては獣医師の要指示書薬品で、指示書には対象薬品(名称・数量)、対象動物(動物種・性別および頭羽数・年齢・特徴)、対象動物の所有者若しくは管理者・指示理由・指示内容(用法・用量・投薬期間・休薬期間)などが記載され、獣医師と使用者が保管する事になっています。
で、今回の件ですが正規ルートだと現在国内で入手できるのは繁殖障害治療や人工授精調整を目的とした注射剤のみとなっています(上記データベースおよび下記リンク参照)。過去には60年代から去勢牛の成長促進などを効能効果とした天然型ホルモン剤が動物用医薬品として承認使用されていたそうですが、1998年には製造輸入が中止され、1999年にはメーカーが自主的に承認を取り下げたそうです。(豚に関してはプロパーから耳にした記憶はありません。)
下記のリンクが参考になると思います。(内閣府食品安全委員会)
http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-cowhormone.pdf
Thu, 09 Aug 2007 17:48:09 +0900

あと前回の有機ヒ素化合物(ロキサルソン)の件ですが、
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2011/foodinfo201112c.pdf
は参考になるでしょうか?

to:管理人さん
前回のコメント不受理、感謝です。(脱線と記者へのツッコミが…)
因果関係は否定もできないが肯定もできないというスタンスは変わりませんが、調べれば調べる程にあちらさんの無茶ぶりにはあきれ果てています。(思わず耐性菌を製造しているのか?とうめいてしまいました。)
ただ、記者さんには伝聞をまとめるだけで無く、あちらでの計測残留値など科学的データも添付してあれば良かったんですが…。

投稿: 好実 | 2013年5月17日 (金) 11時07分

日本の肥育の現場では、成長ホルモン等の薬物を使用して肉量を増加させたり肥育期間を短縮したりということは行われていないと思います。過激なベジタリアンさんのサイトとかには、抗生物質漬け、薬物漬けなどと書かれていることがありますが、日本の食肉については、そのような事はないと思います。ブロイラーでは遺伝操作で、胸肉を大きくし、モモ肉が小さくなった鶏が主流になりつつあるとは聞いたことがありますが、薬物による操作ではないと思います。

投稿: 一宮崎人 | 2013年5月17日 (金) 12時52分

好実さま

結局、国産牛肉には、治療時しか、ホルモン剤を使えないので、問題ないが、北米やオーストラリアなどは、成長肥育ホルモンについて、規制がないので、あたり前に、使っているし、天然型ホルモン剤であれば、無制限に投与しても、構わないと言うルールですよね。

それにも係わらず、EU諸国は、食肉中にこれらが、検出されたら、販売禁止なので、北米企業は、成長肥育ホルモンを使わない食肉(肥育期間が、日本とほぼ同じ)を、EU向けとして、輸出し、成長肥育ホルモンを多用した食肉は、日本や中国向けに輸出している(肥育期間が、ほぼ半分になると推測してます)のが、実情で、日本の厚生労働省は、CODECに、安全と書いてあるから構わないと言うスタンスですよね。

つまり、EU圏の人が、日本に駐在していたら、国産牛は、買うけれど、米国産牛は、買わないと言う事ですよね。

リスク評価概念が、違う訳ですからね。

でも、この事実を、日本の一般消費者が、知ったら、チャイナフリーと同じで、金持ちは、米国産やオーストラリア産牛肉は、味とかの問題以前に、購入しないでしょうし、もちろん、和牛は、買えないけど、国産F1牛なら、米国産より、安全だから、買いましょうとなると思います。

残念ながら、一般消費者は、米国産牛が、肥育ホルモン剤を、多用していることなど、知りませんから、安価な食肉を選ぶと言う消費行動を採っていると理解して、よろしいですよね。

それなら、牛飼いさんたちは、国産牛は、米国産より、リスクが、少ないとPRすべきだと思います。

投稿: りぼん。 | 2013年5月17日 (金) 13時32分

ブログテーマからはだいぶ離れてしまいましたが、

アメリカFDAの輸入規制はどこよりも厳しいです。夕方のNHK東北版でも農業だけではなく機械部品加工など各業界へのTPPの影響と対策シリーズを2週間に渡り特集しており、昨夕は岩手県の肉牛業者の取材レポート。
和牛価格の低迷と輸入飼料の高騰で、経営は逼迫しているなか「いわて牛」ブランドの輸出拡大を目指し、巨額投資。東南アジアではおおむね好評ですが…。

アメリカは日本に対しては「条件緩和しろ」と、ひたすら言ってきてますが、成田で「危険部位混入」などありましたし、
それでいて我が国にはハセップ相当は当たり前。その上で「雑菌繁殖の元になりえる結露」は一切認めない。加工作業場は6℃13%で管理。どんだけ空調と電気代かかるんだか。
さらに輸出待ちの冷蔵倉庫も、アメリカ向けだけは別に分けて施錠して保管が義務付けられています。

自由貿易の国の「ブロック経済」そのものですね。

全頭検査までやってきた国内より遥かに厳しい。アメリカ国内では遥かに杜撰な加工場など、いくらでもあるだろうに。

ちなみに、岩手のその輸出加工場の設備投資には5億円かかったそうですが。期待は大きいものの、今のところ輸出割合は4%に留まっています。

実にイビツな構造ですね。

投稿: 山形 | 2013年5月17日 (金) 13時46分

管理人さまの記事が、チャイナフリーに、言及していますし、「ブロック経済」が、何回も、世界大戦突入のきっかけであったことを、考慮すれば、米国流多国籍企業は、かつての「大戦」を、作り出した「自国植民地と本国だけで、経済圏を作り、不当に植民地から経済搾取するスタンスは、今も昔も、変わっていないってことですね。
米国側は、厳しい輸入規制と非関税障壁を維持しながら、日本には、無条件で、米国産品を輸入しなさいと言うTPPであれば、日本国は、独立国なのか、米国の経済植民地なのか、わからない状況になりえるって、思える現象ですね。

岩手短角牛は、是非、現地で食べてみたい食材ですが、、
輸出事業は、相手国の条件ごとに、専用加工場を作らないといけないので、各県ごとに、随分、投資もして、苦労して、相手国の承認をもらっているようですが、日本政府が、農産物の輸出強化を唱えるなら、本来、国が、きちんと、各県ブランド牛と輸出相手国の規制条件の相性を合わせて、成功に、導いてほしいものだと思います。

管理人さまの記事における「多国間自由貿易圏」問題と、実際の輸出用加工場を、相手国ごとに、作らないといけないと言う実情が、国会議員は、理解できていないように、感じてますが。。。

農産物の内需拡大路線も、輸出拡大路線も、どちらも、成功していただきたいと、思っている次第です。

投稿: りぼん。 | 2013年5月17日 (金) 14時21分

りぼん。さん。

いわて牛とはいっても、主力は高品質な黒毛和牛です。前沢牛は特に有名ですよね。
短角牛は県北部の山形村の北上山地で自然放牧されていた赤牛で、いかんせん供給数が少なかったんですが、ここ数年で近隣の岩泉町などで増産されて、かなり安定供給できるようになりました。
あの赤身肉の美味さは感動するほど抜群です。
盛岡市内中心部の焼肉レストランなどでも、量は少なめながらランチセットメニューだと1500円ほどで、前沢牛ランチセットの半額以下です。
一度ご賞味あれ。


管理人さん、ますます脱線してすいますんです。

投稿: 山形 | 2013年5月18日 (土) 08時44分

脱線ついでに、管理人さまには、申し訳ございませんが、TPPでの畜産業の打撃は、個人的には、かなりあるだろうと思ってます。

名古屋コーチンの内需が、そこそこあるように、米国産赤身と、岩手産赤身肉は、質も味も違うように、思います。

本来、国内畜産業者も、安全、安心のレベルについて、米国の大統領選のネガティブキャンペーンのように、比較してもらえば、冷蔵国産牛と冷凍輸入牛値段の差の意味は、都会の消費者にも、理解できるはずだと思います。

最近は、炭水化物や分解しにくい食用油類を避ける方が、中高年の健康に良いと言う事で、和牛の赤身など、金持ちには、売れる商品も、出てきましたが、消費者は、相変わらず、BMS10以上は、素人では、解りにくいし、量を食べるなら、BMS7で、充分だと思ってます。
見た目をメインとした県ごとのBMS競争は、やめた方が、良いと思います。あくまで、イベントでの県ごとのチャンピオン牛であって、家庭で、普通に購入するには、BMS云々は、表に出してPRする時代で、なくなってきていると思いますよ。
名古屋は、TVで、名古屋メシと言う、バラエティ系の番組での、味噌煮込みうどんに、コーチンを使ったり、産む前の卵を、みそ味で、入れたりと、話の種、話題性が、成功したのだと、思います。結構、愛知県は、農業産品でのシェアを持ってる農作物が、政令市でありながら、多いのですね。電照菊、メロン、松阪牛、近江牛、飛騨牛の相互競争、花期類、サボテン、抹茶、キャベツ、うずらなど、

http://www.pref.aichi.jp/engei/aichisan/menu.html#nv_s

結構、販売力があり、近郊農家さんは、息子さんなんか、高級車乗ってますね。同じ作物なのに、粗利が、良いみたいですね。

投稿: りぼん。 | 2013年5月18日 (土) 15時42分

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