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2013年6月24日 (月)

TPPの原型・郵政民営化のウソ その1 小泉さんウソばっかり

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2001年の「郵政民営化」の最大のフィクションは、350兆という郵便貯金と簡保資金が財政投融資にジャブジャブと使われており、それが政治家や大蔵省の闇のつかみ金になっているというプロパガンダでした。

え、違うの?と今でも言われる方は多いと思います。それほどまでに浸透しているウソです。

小泉純一郎氏は「郵政省解体論」(94年)にこう書いています。

「巨額の郵便貯金の多くが財政投融資(各種公的資金を財源にして、国の政策実現のために行われる政府資金)という国家予算の補足機関の原資となっていて、いろいろな矛盾や不合理が生じている」と述べています。

また同時に「郵便貯金は民間金融機関と競合し」、「「国家という信用と全国1万の郵便局ネットワークを背景にして、民業を圧迫している」とも書いています。

要は、小泉氏は民間金融機関より有利な郵便貯金が、いつの間にか国家予算の「外」で自由に引き出せる闇の財源、いわば埋蔵金になっている、これでいいのか!と叫んだのです。

そして、有名な彼の「民間ができることは民間にやらせろ。なんで国か郵政をしなければならないのか!公務員を減らして国民の負担を減らせ!」という郵政総選挙の絶叫につながるわけです。

この文脈で、こんな汚い財政投融資を公共事業のバラマキなんぞに使っている「自民党をぶっ壊す」という文脈になっていきます。

この「小泉改革」を国民が、彼の明るいキャラも相まって大いに支持したのはご承知のとおりです。

ところが、小泉氏がこの本を書いた94年時点で既に郵政の実態はやや違っていました。

87年に郵便貯金の金利は市場と連動しており、92年には大蔵省と郵政省との間で定額合意すら出来上がっていました。それが今もある郵貯1千万円限度枠なのです。

そして「公務員でなければ郵政の仕事はできないのか」と解散演説で叫んでいますが、郵政職員は身分は公務員ですが、給与は郵政三事業の収益から出ているので国民の税負担はまったくゼロなのです。

小泉さんの「公務員が郵政をやっている」というこのレトリックは、事実を都合よくねじまげています。

そして2001年には財政投融資は郵貯から完全に切り離されていました

つまり小泉氏が郵政総選挙で高らかに叫んだスローガンはことごとく誤認に基づくデマだったということになるわけです。

小泉氏はあのとおりトンチンカンなお人ですからしかたがないとしても、当時郵政民営化担当大臣だった切れ者・竹中平蔵氏がそれを知らなかったはずがありません。

彼は郵政改革か小泉さんの明後日の方向に向けられたアジとは関係なく、「小さい政府を作る」ことが目的だと述べています。

竹中平蔵氏は「郵政民営化『小さな政府』への試金石」(2005年)という本の中で、郵政民営化4ツのメリットを挙げています。

①350兆円という膨大な貯金・簡保資金が「官」のお金から「民」のお金になること。

②全国津々浦々の郵便窓口がもっと便利になること。

公務員を3割削減して、小さな政府を実現すること。

④「見えない国民負担」が最小化されること。

竹中平蔵氏のようなフルブライト留学生上がりの優秀な経済学者が言うと、なんかもっともらしいですが大いに眉唾です。

なぜ、今頃こんな10年以上も前のことをほじくっているかといえば、来月日本にとって初参加になるTPP協議を迎えて、その原型が「郵政改革」にあると私は思うからです。

また、産業競争力会議に巣くう新自由主義者たちは、今も小泉改革とまったく変わらないことを言い続けているからです。

次回、さらに検証を続けます。

※参考文献 東谷暁「郵政崩壊とTPP」

■写真 大洗水族館です。海面付近に見えるのはイワシの群れの回遊です。

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コメント

05年の郵政選挙は、政策の1つだけを焦点にした正に邪道なやり方でした。

が、私も2001の熱い夏に小泉旋風に熱狂した一人ですので、その過去を我ながら実に恥ずかしく感じております。自民政権が構造疲労に陥っていたとはいえ、あまりに無知でした。

本当に小泉さんは壊しまくりましたね。
そして暗躍したブレイン。
だからといって、民主や他党を支持しようとは露ほどにもおもえませんが…。

つまり、真意がどこにあったかだと思われます。
少なくとも国家国民のためであれば、賛成論も正しくなるのでしょうが、明らかなる国家疲弊につながる行為を、さも真っ当かのように仕立て上げたことに最大の罪があります。
国民の大多数はそんな非国民的な行為が起こりうるということすら予想はしないでしょう。少なくとも国民のために少しはマシな方向に行くと期待したことでしょう。
事実は真逆だったのです。
しかしながら、それを知る人は少なかった。
だからこそ、こういった上位に上がってくる真っ当な記事はとても重要なのであります。。

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