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公害大陸中国17 カドミウム汚染米は約4割か?かけ離れた調査結果の数々

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中国カドミウム汚染の輪郭がわかってきたようです。中国政府の「重金属汚染図」も作成中とのことです。

「中国地質科学院地球物理地球化学調査研究所などの機関は1994年より、全国の土壌の化学元素(51種)に対してモニタリングを実施し、1999年より東部の耕地の54種の化学元素について調査を行い、2008年より全国地球化学基準ネットワークを構築し、土壌の81種の化学指標(78種の元素を含む)について測定を行った。」(人民網2013年6月14日)

なんだ、1994年から調査をしていたんじゃないですか。しかも、08年からは「全国地球化学基準ネットワーク」とやらを構築して定点観測をしていたみたいです。

ならさっさと公表してくれればいいものを。今、中国国内でも大騒ぎになっているカドミウムの汚染米について、この政府調査はこう述べています。

「政府・環境部門によると、年間で1200万トンの穀物が重金属汚染が原因で売り物にならなくなり、200億元(約3270億円)以上の損害が出ている」(サーチナ 20013・5・27)としており、大分少なめです。

政府の出した1200万トン汚染ということを信じるならば、 中国のコメの年産量は約2億トンですから全体の6%ていどとなります。

実はこれが私が知る限り最小値です。他の民間や公的研究機関の調査数字はいくつかあります。挙げてみましょう。

Photo

        (“镉米危机”敲响警钟(ガトミウム米危機 アラーム 「人民網」より)

やや古い資料ですが、2002年に中国政府農業部が全国の市場で販売されているコメについて抜き取り検査した結果、カドミウムの基準値超過率は10.3%という数字がでています。

ただし、例によって「全国調査」と言われていますが、詳細な地域やサンプリング数はまったく不明です。

次に2008年4月、潘根興(南京農業大学農業資源・環境研究所教授の研究チームが、江西省、湖南省、広東省などの「農貿市場」(農民の直販自由市場)で無作為に買い入れたコメのサンプル63個を分析した結果、何とその60%以上に基準値を超えるカドミウムが含まれていたということも報じられています。

ただし、これも地域が限定されており、サンプリング数が63個と少ないために、この60%という数字は参考数値だと思って下さい。

また広東省当局によると、最近になり同省で流通している米のサンプル調査をしたところ、44.4%のコメとコメ製品が、基準を上回るカドミウムを含有していた。(サーチナ同)

あまり意味がないかもしれませんが整理してみます。調査年度、地域の差はとりあえず無視します。サンプリング数は書かれた資料がないのでわかりません。

・南京農大潘教授調査                ・・・60%
・広東市調査・中国政府農業部           ・・・44.4%
・中国政府農業部                   ・・・10.3%
・中国政府・調査プロジェクト             ・・・0.6%

・10%と仮定した場合のカドミウム汚染米流通量・・・2000万トン
・40%                          ・・・8000万トン
・60%                          ・・・1億2千万トン

おー、なんと最低最高が10倍差とは!ここまでかけ離れた数値が並ぶと脱力感ですね。

なにせ、中国当局は公害の実態を長年公式には「ないもの」としてきた歴史があるために、ここまで手に負えなくなっての調査公表には信憑性がないのです。

私たちとしては最大値と最小値の中間の広東市調査の40%くらいが妥当であろうと勝手に推測するしかありません。

日本の2007年の米生産量882万トンですから、こちらも10倍ちかい膨大な量が汚染米ということになります。

憂鬱な予測ですか、中国には万単位のイタイイタイ病患者が既にいると思われます。

ところで「人民網」(同上)はこう述べています。 放射能異常まであったようです。

「全国多目標区域地球化学調査プロジェクトは、局地的な土壌汚染が深刻であることを発見した。例えば長江の中流・下流の一部地域では、カドミウム、水銀、鉛、ヒ素などの含有量に異常があった。
都市部・周辺地域では水銀・鉛の含有量に異常があり、一部の都市では放射能異常があった。湖沼には有害元素が多く存在し、土壌の酸化が深刻だ。」
(「人民網日本語版」2013年6月14日 上マンガも中国語版より)
http://opinion.people.com.cn/GB/363551/365144/index.html            
ところで、このカドミウム汚染米か4割も含まれている可能性が高い中国米の輸入量は、2011年に2万5千トン、2012年11月集計で4万6800トン(12月は未集計)されており年間5万トンに達すると見られています。

皮肉にも、中国米の輸入量は2011年の福島第1原発事故以来急増しています。輸入中国米は、検査されていると称していますが、検査項目は農薬の残留のみであり、重金属は検査対象外です。

西友は、消費者の放射能風評被害を巧みに利用して安値の中国米の市民権を確立してしまえとばかりに中国米を大々的に店頭に並べました。まさに苦闘する被災地農業の傷に塩をなすり込むような卑劣な仕打ちでした。

たしか5㎏1200円の安値だったと思いますが、まさにカドミウム地雷のようなコメだったと思います。

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-7319.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-5d1f.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-54b2.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-b7db.html

゜              。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

当局米…10%が基準超、耕地2000万ha重金属汚染
13・5・27サーチナ

中国では湖南省、江西省、広東省などで流通していた米から基準を超えるカドミウムが検出され、「食の安全」に対する不信と不安が改めて、全国的に高まっている。

専門家によると5年前の調査でも、市場で流通している米のサンプルの約10%が基準を上回るカドミウムを含有していた。また、中国の全耕地の6分の1に相当する2000万ヘクタールで、土壌の重金属汚染が発生しているという。中国新聞社などが報じた。

  南京農業大学農業資源と生態環境研究所の潘根興教授によると、耕作地の土壌がもともとカドミウムを含有しているはずはなく、鉱山などから出たカドミウムに由来するものと考えられるという。

  潘教授によると、すでに2007年に実施した調査で、「流通している米の10%が基準を上回るカドミウムを含有していた」との結果が出たことがある。華東(上海市など)、東北(遼寧・吉林・黒龍江省)、華中(湖北・湖南・河南など)、西南(四川省、重慶市など)、華南(広東省、広西チワン族自治区など)、河北(北京市、河北省など)といった全国規模で市場に流通している米のサンプル91種を調べた結果という。

  広東省当局によると、最近になり同省で流通している米のサンプル調査をしたところ、44.4%の米と米製品が、基準を上回るカドミウムを含有していた。

  カドミウムは鉱山だけからではなく、工場が排出するガスにも含まれており、遠隔地にも広がって降雨により地上に到達することになる。

  華南農業大学の羅錫文副学長によると、中国では全耕地の6分の1に相当する2000万ヘクタールで、土壌の重金属汚染が発生しているという調査結果がある。

  政府・環境部門によると、年間で1200万トンの穀物が重金属汚染が原因で売り物にならなくなり、200億元(約3270億円)以上の損害が出ている。

  農薬や化学肥料の土壌に対する影響も深刻だ。中国土壌学会の張維理副理事長によると、中国全国における農薬の使用量は年間130万トンで、世界平均の約2.5倍。実際に病虫害の抑制に役だっているのはうち0.1%ほどで、残りは汚染の原因になっているだけという。

  土壌中の重金属を除去するためには化学薬品を使う方法もあるが、土壌中の細菌類に悪影響を与えて、土壌の状態をさらに悪くするジレンマがあるという。

  中国社会科学院農村発展研究所の李国祥研究員は、土壌汚染の問題について「工業汚染による損失を農民に負担させることは間違っている。汚染を発生させた企業に責任を取らせなければならない」と指摘。大衆に安全な米を供給するためには、市場管理、土壌の改善、行政に対する責任追及など「どのひとつも欠かすことができない」が、「最も肝心なことは、汚染問題を解決するという政府の決意だ」という。

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コメント

放射能異常って、どういうことでしょうね。
まあ、核実験やウラン鉱山といったものや、不法投棄などが疑われるわけですが、まだまだ不透明なようですが、どんなレベルと規模なんだか気になりますね。

さて、散々コメント欄で騒いでいたゼロベクレル信者さん方、是非とも具体的数値での反論が欲しいところです。

重金属汚染は深刻ですね。
なんせ日本とは規模が違いすぎる!


と、今度は毒(硫化銅)ピータンか。
腐敗した共産党主導の歪んだ資本主義の弊害、この10数年酷いですね。
私、ピータン大好きですし残念。


先月あたりに騒いでいた無知な自称「資本主義者」みたいな愚か者を思い出しましたが、まあ、当然出入り禁止扱いでしょうね。
どうぞ、毎日安い重金属や放射能汚染米を腹いっぱいどうぞ。

投稿: 山形 | 2013年6月18日 (火) 08時21分

管理人さん、6周年おめでとうございます。
南の島々の農村部の雰囲気を絶妙に記述できるブログは中々ありません。それを書いているのが、茨城県の有機養鶏家さんなのがおどろきです。

私も肉用牛繁殖の仕事は1から始め、最初は草刈機一つと軽トラ、牛舎は廃材で自力で作ったので、管理人さんにはとても親近感を感じています。一回り以上若造ではありますが。

山形さん、中国ではレアアースの採掘の際のトリウム汚染がひどいという話をきいています。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0326&f=business_0326_101.shtml

投稿: 南の島 | 2013年6月18日 (火) 10時32分

皆様。過分なお言葉ありがとうざいました。
毎日、暇を見つけてシコシコ書いているとたまに「オレ何やってんだろうなぁ」というような自分の声が聞こえて困ることがあります。

そのような時に皆様のコメントを読むと心底励まされます。

私は、特にあの忌まわしい口蹄疫でお知り合いになった皆様とは、単なるネットのつきあいを超えた「戦友」のようなものを感じています。
この高いレベルのコメント欄こそが私の拙いブログの最大の財産です。

今後ともほんとうによろしくお願いいたします。

投稿: 管理人 | 2013年6月18日 (火) 15時58分

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