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2013年6月14日 (金)

放射能なき福島の農地が見えてきた 愛媛大学逸見彰男教授らによる磁化ゼオライト実験

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先だってのTBS「夢の扉」愛媛大学逸見彰男教授と青野宏通准教授らによる新しいセシウム除去の技術が紹介されました。

従来のゼオライトによるセシウム吸着技術を一歩進めたもので、大変に興味深いものでした。

セシウムを吸着率が高いNa―P1型人工ゼオライトに磁性を持つ鉱物のマグネタイトと混ぜた「磁化ゼオライト」を使用します。

この人工ゼオライトは石炭火力発電所の廃棄物利用ということで価格が安い上に、自然
鉱ゼオライトよりセシウム吸着率が高いとのことです。

ゼオライト自体は事故後のかなり早い時期から使用されてきたのですか、難点としては一定期間たつとせっかく分子構造の中にトラップしていたセシウム分子が逃げてしまうこと、そして逃げた後にまた再汚染しないような二次的な取り組みが必要になることでした。

そのため結局、完全除去を目指すとなると田畑の表土層を剥ぐことになるケースも出ています。

また価格も除染が活発になるに従って品薄になり、かなり割高なものになってしまったことです。

これらのゼオライトの難点を解決するものとして今回の逸見教授グループの研究がありました。

ゼオライトとは結晶中に微細孔を有するケイ素、アルミ系の天然鉱物で、陰イオンの電荷を帯びているので、陽イオンのセシウムを吸着するため、除染剤として注目されていました。

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                   (TBS「夢の扉」より引用・以下同じ)

ただし、種類によって吸着しやすい物質の特徴があり、特にセシウム吸着力の高いゼオライトが求められていました。

今回開発されたのは吸着能力と陽イオン交換能力に優れた人工の「NaP1型ゼオライト」で、3つの特長があります。

①セシウムを吸着するのに最適な0.36ナノメートルまで微細孔を小さくしたことにより、他の陽イオンが吸着されるのを防ぎ、セシウムだけを選択的に集めることが可能。

磁石を混入することにより、土壌と分離できる技術を確立。
実験ではゼオライト補集率は約9割を達成。

③石炭火力の産業廃棄廃棄物利用のため低コスト
1キログラム=200円ほど。
散布量は1000平方メートル当たり約20キログラムで、4000円程度。

そして福島県川俣町の菅野和司さんの水田での実験がこの6月に行われました。この土地の放射線量は809ベクレル/㎏です。

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実験は水田の床土を吸引し、それに磁化ゼオライトを投入し、セシウムと分離して、除染した土をまた水田に戻していくというベルトコンベア方式で行われました。

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いったん吸い上げた床土と水を磁化ゼオライトと混合して、ドラムで回転させながらドラムに吸着させ、それを集めていきます。これだと回収が楽ですね。

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するとセシウム除去した後の土は、なんと121ベクレル、除去率85%です。

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ただし、現役農業者の目でみると、吸引パイプが小さいために吸引量が少なく、10アール(1反)の田んぼを除去するのもかかなりの時間がかかりそうだというかんじがしました。

しかし逸見教授はそれを先刻承知で、リンテックという会社と共同で磁化ゼオライトを吸着させたマルチを敷き込むという実験も並行して行ったようです。

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う~ん、これはいい。使えます。後からどのように剥がすか問題ですが、それはあとで考えるとして(たぶん裂いて丸めていくしかないでしょうね。初期除草の効果もありそうです)、その成績はこのパイプ吸引式より優れています。

「土壌1キロ当たり2000ベクレルだった福島県川俣町の土壌で採れた米は、1キロ当たり51ベクレルだったが、シートを使って栽培すると検出限界の7ベクレル以下だったという。」(愛媛新聞)

あとはコストですが、コストが高いと農業現場での実用にはなりません。

しかし、磁化ゼオライトは元々産業廃物で、今回は石炭火力以外にタイ米モミガラを利用することも報道されていたので、大量に一括購入などの方法で価格を下げることも可能かもしれません。

だんだん放射能なき福島の農地が見えてきました。

            ゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

人工ゼオライト「除染に活用を」 愛媛大・逸見教授が提言

愛媛新聞 2013年04月18日      

 
 東京電力福島第1原発事故で放射性物質の除染技術開発が求められる中、愛媛大農学部の逸見彰男教授(65)=応用化学=は17日、県庁で会見し、民間企業と共同開発した商品を紹介して「セシウムを吸着する人工ゼオライトを除染資材として活用してほしい」と提言した。
 逸見教授らは、人工ゼオライトを混ぜ込んだ農業用マルチシートを、特殊紙などを製造するリンテック(東京都)と共同開発。土壌1キロ当たり2000ベクレルだった福島県川俣町の土壌で採れた米は、1キロ当たり51ベクレルだったが、シートを使って栽培すると検出限界の7ベクレル以下
だったという。
※http://www.jrno.net/index.php?130418_%E8%AA%AD%E5%A3%B2%E6%96%B0%E8%81%9E

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コメント

私もテレビでこの情報を知りました。
農家に農業が出来る喜びを再び感じさせる目途が出来た事は本当に良かったと思います。
人間の知恵って際限ないですね。改めて感じます。
ただ、聞き間違いでなければ、秋に収穫した米は、線量測定後廃棄処分しなければならない・・・との事。
決めは決めとしても、いつか元の農業が出来る可能性が見えた事は嬉しい限りです。素直に喜びたいです。

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