またもや印象操作報道をやった朝日新聞
お盆明けです。ずっと猫の写真展でもやっていたいのですが、というわけにもいかず再開です。猫だったら再開しないだろうな(笑)。
さて、朝日新聞の「終戦記念日」翌日の8月16日付朝刊で、またもや朝日的手法が炸裂しました。
紙面は安倍首相が全国戦没者追悼式の式辞で、アジア諸国への加害者責任に言及しなかったことを1面、2面、3面、社説までフル動員して追及しています。
つい先だっては、麻生副総理の「ヒトラーに学べ発言」でも同じようにブチ貫き記事を作っていましたが、1カ月たたずしてまたもやの煽り報道です。
この猛暑でどうにかしてしまったのでしょうか。これでは日本一のクォリティペーパーだか、日刊ゲンダイだかわかりません(笑)。
今回はなかでも3面に「中韓広がる失望」と小見出しの後に、「加害者責任言及なし」と続けています。この新聞は一体何を期待しているのでしょうね。
中身を読めば、別に中韓政府は当時なんのコメントも出していないにもかかわらず、「失望と反発の声が上がった」としています。
誰が「失望と反発」をしたのかといえば、「政府関係者」だそうですが、一体誰なのでしょうか。
少なくとも、バク・クネ大統領は安倍首相式辞になんの反応もしていないのであり、珍しく冷静な公式対応でした。
そしてデスクがつけたであろう見出しと矛盾したことには、ソウル特派員は韓国政府内部にはこれ以上の関係悪化を避けたい気持ちがあり、「朴氏は激しい非難の言葉を控え、独島やといった言葉も避けた」とも書いています。
な~んだ、結局韓国は公式には今回の安倍首相式辞を問題視する気はなかったことは、朝日新聞の取材現場ではわかっていたんじゃないですか。
一方中国はどうだったのでしょうか。中国政府の反応も韓国と似たようなものです。首相式辞にはなんの反応もありません。
そもそも日中間には、「首相、外相、官房長官が参拝しなければ政治問題としない」という黙約が存在していたのを、近年中国側が忘れたような顔をしているだけです。
そのへんの事情を北京特派員はこう正直に書いています。
「中国政府は対日世論を過度にあおるような動きを避けようとする態度も示す。外交の選択肢を狭める可能性があるうえに中国が日中関係を悪化させたとの印象を国際社会に与えたくないためとの見方もある」。
なんだ、これまた現地の特派員はわかっているんじゃないですか。中国外交部の官僚レベルでは、この安倍首相「参拝せず」という外交シグナルをちゃんと理解しているのです。
だから中国政府は、この式辞の文言程度のことで戦後最悪になった日中関係をさらに悪化させる気はないという、これまた珍しくも大人の対応をしてきたのです。
本来なら、これだけ報道すればいいことなのです。それが客観報道というやつです。
ところが、「アジア諸国の怒りと反発の声」がないと、8月15日翌日の紙面を作れないのが哀しくも朝日新聞のさがのようです。
朝日は誰よりも安倍首相に靖国参拝を熱望していたのでしょう。手ぐすね引いて、安倍政権バッシングをする穴を掘って待っていたはずです。
しかし、安倍氏はするりとその落とし穴をすり抜けてしまいました。あれでは中韓政府も怒るに怒れなくなりました。
「こんな中韓政府のおとなしい対応じゃあ紙面にならんゾ」との叱咤が本社のエライさんから飛んだに違いありません。
しかたなく、ここでも取材現場は、正体不明の「中国外務省幹部」なる人物に、「大きな変化だ。今後の中日関係を考える上でも注目に値する」、「一言で言えば今日の日本側の対応には失望した」と語らせることになったようです。
さらにこれでも物足りない朝日新聞は、韓国メディアの過激報道をことさらに大きく報じています。
たとえば例の「広島原爆投下は神の懲罰」発言をしたウルトラ・ナショナリストの記者のいる中央日報が、「本心を露骨にさらけ出し」、「侵略などへの反省を示した村山談話の核心を否定する行為だ」と報じたと書きたてています。
まぁ責任のない中韓メディアなら、そのていどはとうぜん書くでしょうな。読んでいる私たち日本人もまためちゃくちゃ言ってるわ、程度で気にしません。
私たちが知りたいのは、こんな韓国メディアの発言などではなく、靖国参拝を見送って、玉串料私費奉納に抑えた日本政府の対応に対して、中韓政府がいかなる外交的反応をするのかが核心なのです。
今この時期で大事なのは、日本政府が送った首相が靖国参拝を「しなかった」という外交的メッセージを、中韓がどのように受け止めるかなのです。
このような外交的機微を委細無視して、中韓メディアの狂態を待ってましたとばかりに報じるセンスが私には理解できません。
反日が社是の中韓メディアが、「日本憎し」の報道をしようとどうしようとそんなことはどうでもよくて、参拝で譲り、式辞で「安倍色」のバランスを取ったリアリズム外交をどう中韓政府が評価するか、そこが大事なのです。
ですから、「中韓拡がる失望」という見出しは誤りで、「中韓政府冷静に対応」が客観的事実なのです。こういう見出しを煽り記事、あるいは印象操作と言います。
今後、かつての教科書報道や、報道などの例からみて、中韓政府が「せっかくの朝日新聞さんのご期待にお応えして」と強硬な抗議をしてくることも考えられます。(欄外参照)
そうなればますます朝日新聞の思惑通り中韓とわが国の対立構図が固定化し、東アジアの国際関係は抜き差しならないものになるかもしれません。
朝日新聞は、今すぐの改憲と靖国参拝を止めるように提言した麻生副総理を歪曲報道で叩き、今また靖国参拝を思い止まった首相にこのような煽り報道をしてしまいました。
この新聞は本心では、中韓とわが国が重大な事態に立ち至ることを潜在的に望んでいるようです。この新聞社は戦争を起こしたいのでしょうか。
自社の主張を貫くというのは結構ですし、社説で安倍式辞を批判するのはまったく自由です。
しかし報道で、外国政府やNGOにご注進し、そのコメントをもって「ほら国際社会はこんなにお怒りであるぞ。頭が高い」と黄門様ゴッコする悪い作法は、報道の邪道だと思いませんか、朝日さん。
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■.従軍問題、河野談話で曲解広まる
読売新聞 2013年5月14日
従軍問題は1992年1月に朝日新聞が「日本軍が慰安所の設置や、従軍の募集を監督、統制していた」と報じたことが発端となり、日韓間の外交問題に発展した。記事中には「主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した」などと、戦時勤労動員制度の「女子挺身隊」を“狩り”と誤って報じた部分もあり、強制連行の有無が最大の争点となった。
宮沢内閣は同年7月、軍による強制徴用(強制連行)の裏づけとなる資料は見つからなかったとする調査結果を発表した。しかし、韓国国内の日本批判は収まらず、政治決着を図る狙いから、翌93年8月、河野洋平官房長官(当時)が、慰安所の設置、管理、の移送について軍の関与を認め「おわびと反省」を表明する談話を発表した。
ところが、河野談話によりかえって「日本政府が旧日本軍によるの強制連行を認めた」という曲解が広まったため、第1次安倍内閣は2007年3月、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」とする政府答弁書を閣議決定している。
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朝日は毎度毎度のことですが、詳細や内情はともかく、毎日新聞・TBS・NHK等も似たような論評だから、全くこの国のマスコミってどうかしてますよ。
投稿: 山形 | 2013年8月19日 (月) 07時03分
マスコミの政治的な意思は自由だと思いますが(それを「中立的な報道」というのは羊頭狗肉ですが)、それが日本や日本人を害している以上、自分たちにできることは、彼らの資金源を断つしかないのではないかと思うのです。つまり購読しない。宅配購読者という潤沢な資金源(これも幻想になりつつあるはずですが、お気づきではない)があればこそ、「自由」な報道をしている。お金を払って自分自身を貶めてもらうなどという行為に加担しないようにするしかないかと思います。
投稿: 東風 | 2013年8月19日 (月) 09時59分
毎日新聞なんか、かつて沖縄変換密約報道で事実上倒産したんですがね…。
NHKの受信料はどうにもなりません。
ネイチャー関係など、世界に誇れるような良い番組も多いだけに残念。
投稿: 山形 | 2013年8月19日 (月) 10時04分