麻生氏「ヒトラー礼賛発言」を考える 朝日新聞さん、自民党内穏健派を叩いてどうするのですか
発信元の朝日新聞が、自ら米国のユダヤ人人権団体、「サイモン・ウィーゼンタール・センター」に駆け込んで「けしからん奴がいます!」とご注進したために、国際問題にまで発展してしまいました。 (資料2)
ではまずこの麻生発言が、言われるような「ヒトラー礼賛」だったかを、検証しておきます。
全文要旨は、この「麻生ヒトラー礼賛発言」を最初に報道した朝日新聞自身の全文要旨と私の作ったものが欄外にありますので、ご覧ください。
(資料1 ※他に共同と読売。読売が最初に誤報を流したとされるが、直ぐにネット版の見出しのみ謝罪なしで差し替えした。)
これを読むと麻生氏が、ふたつのことを同時にしゃべっているのかわかります。靖国問題と憲法改正です。
これは麻生氏の失敗です。麻生氏が、このようなただでさえ論議を呼んでいる問題をゴッチャに話されたことは大変にまずいことです。
なぜなら、靖国問題と憲法改正問題は、別次元のテーマだからです。
麻生氏の年代にとっては、歴史認識と憲法改正は同根のテーマかもしれませんが、若い世代にとって憲法改正とは、「占領軍に押しつけられた憲法からの脱却」という敗戦ルサンチマンとは既に切り離されています。
整合性が欠けた現行憲法では不安定な東アジアで生き抜けないのではないか、という危機認識があって、その上で、憲法と現実との関係をより現実的にリフォームしていく作業の一環でしかありません。
その意味で、万年一日のように固着して前に一歩も進まない「護憲」も、そのメダルの裏側の「自主憲法制定」も似たようなものなのです。
そして、靖国問題はそれとは次元を異にする、自国の歴史に対しての「精神のありどころ」を問う問題です。いわば「魂の問題」だといっていいかもしれません。
ならば、いっそうのこと憲法問題とはなじみません。この二者は切り離して丁寧に議論されるべきテーマなのです。
麻生氏は、保守系団体の仲間内という気安さからか、このふたつの問題を安易に混同して話してしまいました。
その上よせばいいのに、「騒がないで議論してほしい」と言いたいだけなのに、途中に「ワイマール憲法を合法的にナチスが変えた」という、ドイツのデリケートな歴史をわざわざ例証に引っ張りだしてしまったことで、待ってましたとばかりにメディアに揚げ足をとられてしまいました。
このあたりなど、比較しては失礼ですが、「軍隊と性」というどの国も触られたくない問題に土足で踏み込んで高ころびしたあの橋下氏を思い出してしまううかつさです。
一方、メディアの側は、安倍政権に攻め口がなくいらついていたので、この「ヒトラー礼賛」発言に考えもなく飛びついたわけです。
取材に行った新米が、「やりました!麻生の奴、ヒトラーの手口に学べって言っていましたぜ」とでもデスクに報告したのでしょう。
それを聞いた上が検証もろくにせずに、それを大きな記事にして、その上あろうことか外国にまでご注進し、外国のNGOやメディアは日本語なんか読めませんから非難声明まで出す始末。まるで馬鹿の二乗です。
ちなみに、ナチスは憲法を変えておらず、1933年の全権委任法で独裁権を得たわけで、ここは麻生氏の勘違いです。
だからなおさらこの程度の知識で、ヒトラーのことなど引き合いに出さなければいいのにと思います。(資料4)
というわけで、麻生氏の見識がとがめられるべきだとすれば、この我が国と他国のデリケートなテーマ3ツをチャンポンにして、政治漫談でしゃべってしまったことにあります。
内容的には、中学生レベルの読解力を持つ人なら麻生氏がむしろナチスに対して批判的なことは直ぐに理解できるでしょうし、麻生氏が主張したことが「喧騒の中で決めるな」ということなくらい百も承知なはずです。
まさに麻生氏は、メディアの張っていた罠にみずから飛び込んで歪曲報道の餌食となってしまったということになります。
欄外の発言要旨を読んだ方は、この②部分の「だれも気づかないうちに変わっていた。あの手口を学んだら」という漫談的尾ひれの部分のみがピックアップされて、前後の文脈と真逆な方向に報道されたということが判然とするはずです。
これを読んで中学3年現代国語風に問えば
問 講演でなにを言われていたのか、下から答えよ。
イ ヒトラーに学んで憲法を変える。
ロ ヒトラーを反面教師として憲法の議論に注意する。
もしイと答えたら、新聞社はおろか高校にも受かりませんよ。(笑)、
このような報道を歪曲報道といいます。
麻生氏はこの②のヒトラーウンヌンの部分のみ撤回していますが(資料3)、氏が撤回しようとすまいと、既に「麻生はヒトラーの手口をまねして改憲すると言った」、という情報が一人歩きしています。
共同通信が全国の地方紙に配信してしまったために、地方紙は麻生糾弾一色となりました。
軽薄な社民党などは辞任要求と、首相の任命責任まで求める始末です。民主党の海江田代表も「撤回して済む問題ではない」などとのたまうています。ほんと足りない人だね、あの人。
こんなことを便乗政局といいますが、社民党は無責任なミニ政党なのでどうでもいいのですが、野党第1党にしてつい先だってまで政権党だった民主党がやることでしょうか。
もしこのような手法が公然と許されるのなら、「山本太郎議員・福島農産物を放射性廃棄物だと発言 福島県民に怒りの声」なんていう記事もいとも簡単に書けてしまいます。
そして新聞社は自分で捏造したのに、山本氏に、「福島県民は怒ってますよ。辞任のお考えはないんですか」と聞くわけです。
「ない」と答えようものなら、「山本議員、居直り!怒り納まらぬ福島県民」とさらにバッシングできてしまいます。
こんなことがたやすくできて、政治家ひとりなど簡単に葬れ、事実そのようなことは何度も繰り返されました。だから、歪曲報道はメディア倫理として固く禁じられているのです。
もちろん、山本太郎氏はそう言ったのではなく、「食品基準値と放射性廃棄物基準値が同じ100BQなのはおかしい」、と言っただけです。(この認識はあやまりですが、ここでは触れません。)
この「麻生ヒトラー礼賛」記事は、火のないところに火を点けた火元3社が責任をもって消火すべきです。
麻生氏は「発言撤回」していますが、「撤回」といっても大部分の者は、「ああ、あんなヒトラーの手口に学べっ発言を撤回したんだな」ていどで流してしまいます。
いうまでもなく「撤回」するべきは被害者の麻生氏ではなく、捏造した加害者であるマスメディアのほうなのです。
朝日新聞、読売新聞、共同通信の3社は、重要閣僚の発言を歪曲して報道し、あまつさえ朝日に至っては外圧利用すらしたのですから、きっちりと訂正文と謝罪文を外国にまで流していただきましょう。
といっても、外国にまで一人歩きしているのですから、そう簡単ではありませんよ。朝日新聞さん、外国メディアは、日本語テキストなんか読みませんからね。
それにしても麻生氏は、「たとえ民主主義に則っていたとしても、拙速に憲法を変えるのはやめよう」、「この時期の靖国参拝は控えよう」と、優等生的ですらある常識的な発言をしているわけです。
麻生氏は保守穏健派に属し、改憲を政治日程に乗せるにはまだ期が熟していないと判断していると思われます。
また靖国の公式参拝を8月15日にすべきではない、すれば中韓外交が修復不可能になるというのが麻生氏の持論である以上、この「ワーワー騒がないで」というのが、むしろ改憲を急ぐ論者に向けられていると思うのが自然でしょう。(※欄外追記参照)
ならば、朝日新聞は何を味方撃ちしているのだということになります。
なぜなら、改憲をこの衆参圧勝の今しかないと判断して勝利のどさくさにやるのか、それとも国民的合意をとりながら進むのかが問われている状況の中で、麻生氏の立場は朝日新聞などにより近いのではないかと思われます。
ならば、もはや野党が事実上存在しない状況で、麻生氏のような自民党内穏健派の揚げ足を取ってどうするのだと思うのですが。
いずれにせよ、もっと本質的な議論を設定すべき巨大メディアが、こんな調子では麻生氏の言うように、「わーわーという騒ぎの中で」改憲されていってしまうのかもしれません。
まったく不毛です。こんなくだらないことで時間を潰していないで、原発再稼働とか消費税、TPP、対中外交などいくらでも真剣に議論することがあるでしょうに。
(8月3日記)
■写真 ムラサキヒヨドリバナの上のキアゲハ
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■麻生氏講演発言要旨
①ヒトラーは軍事的に政権をとったように思われているが、実は正統な選挙で民主的に選ばれている。
ヒトラーは、ワイマール憲法という当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法の元で出てきた。いくら憲法がよくても、そういうことは起こる。
自民党は憲法を改正すべきだと言い続けているが、その上で、どう運営していくかは、国民が選ぶ議員の行動や見識や矜持といったもので最終的に決まって行く。
そういった意味で、憲法改正についてはみんなでもう一度考えて欲しい。自民党は色々な意見を静かに何十時間も交わして憲法改正草案を作り上げた。だから今回の憲法の話も、狂騒の中でやってほしくない。
②靖国神社の話は、静かに参拝すべきだ。騒ぎにするのがおかしい。お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かにきちっとお参りすればいい。
8月15日に行くから話が込み入る。昔は皆静かに行っていた。各総理も行っていた。騒ぎにしたのはマスコミに責任がある。
騒がれたら中国や韓国も騒がざるをえない。だから、静か(憲法論議を)をやりたい。ある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていた。だれも気づかないうちに変わっていた。あの手口を学んだらどうか。
③(憲法改正について)わーわー騒がないで。みんないい憲法と、みんな納得して、憲法変が変わっていく。重ねて言うが、喧噪のなかで決めてほしくない。
■資料1 朝日新聞による麻生発言全文(要旨)
朝日新聞デジタル8月1日
僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。
そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。
私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。
この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。
しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。
そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。
ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。
靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。
何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。
僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。
昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。
■資料2 ナチスの憲法改正「手口学んだら」 麻生副総理が発言
朝日新聞8月1日
麻生太郎副総理が憲法改正をめぐり、ナチス政権を引き合いに「手口に学んだらどうか」などと発言したことに対し、米国の代表的なユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)は30日、批判声明を発表し、「真意を明確に説明せよ」と求めた。
麻生氏は29日、東京都内でのシンポジウムで「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね」などと語った。
シンポジウムはジャーナリストの桜井よしこ氏が理事長を務める「国家基本問題研究所」が都内のホテルで開いた。桜井氏が司会をし、麻生氏のほか西村真悟衆院議員(無所属)や笠浩史衆院議員(民主)らがパネリストを務めた。
発言に対し、同センターは声明で「どんな手口をナチスから学ぶ価値があるのか。ナチス・ドイツの台頭が世界を第2次世界大戦の恐怖に陥れたことを麻生氏は忘れたのか」とした。
同センターはロサンゼルスでホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を展示する博物館を運営。反ユダヤ活動の監視も手がけ、1995年には「ホロコーストは作り話だった」とする記事を掲載した文芸春秋発行の月刊誌「マルコポーロ」に抗議。同誌は廃刊、当時の社長が辞任した。
一方、韓国外交省の趙泰永・報道官は30日の会見で「こうした発言が、過去に日本の帝国主義による侵略の被害に遭った周辺国の国民にどう映るかは明白だ。多くの人を傷つけるのは明らかだ」と批判。中国外務省の洪磊・副報道局長も31日、「日本の進む方向にアジア諸国と国際社会の警戒を呼び起こさないわけにはいかない」との談話を出した。
また、ドイツの週刊紙ツァイト(電子版)は31日、「日本の財務相がナチスの改革を手本に」という見出しで発言を伝えた。同センターなどの反応を伝え、「ナチスの時代を肯定する発言で国際的な怒りを買った」とした。
■資料3 麻生太郎副総理兼財務相が発表したナチス発言撤回に関するコメントの全文は次の通り。
7月29日の国家基本問題研究所月例研究会における私のナチス政権に関する発言が、私の真意と異なり誤解を招いたことは遺憾である。
私は、憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている。この点を強調する趣旨で、同研究会においては、喧騒にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげたところである。私がナチス及びワイマール憲法に係る経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである。ただし、この例示が、誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい。(原文通り)
■資料4 ワイマール憲法と全権委任法
アドルフ・ヒトラー支配下の「ドイツ第三帝国(ナチ・ドイツ)」期において、ヒトラーはヴァイマル憲法に替わる新たな憲法を制定することはなかったため、ヴァイマル憲法はなおも存続し続けた。形式的にいうと、ヴァイマル憲法は1949年5月23日のドイツ連邦共和国基本法(ボン基本法)に替わるまで存続したことになる。しかしこれはあくまで形式的なことで、実質的には1933年3月23日の全権委任法の成立によって効力を失ってしまった。
Wikipedia
授権法(じゅけんほう)(独: Ermächtigungsgesetz、英語: Enabling act)とよばれる、立法府が行政府に立法権を含む一定の権利を認める法律のうち、1933年のドイツで定められた、ヒトラーの政府に国会が立法権を委譲した「民族および国家の危難を除去するための法律」(独: Gesetz zur Behebung der Not von Volk und Reich)を指す。ドイツ語および英語では、他の授権法と用語上の区別はされず、日本においても単に「授権法」と呼ばれることもある。
※追記 8月5日付け産経新聞の当日の主催者である桜井よしこによれば、麻生氏と改憲がすぐに進むだろうと考えている推進派の桜井氏側とはかなりの温度差があり、麻生氏はみずからを「左翼」と表現して、桜井氏らを牽制したそうです。
麻生氏は、実に5回も「わーわーと狂乱の中で決めてほしくない」と繰り返したそうです。これから見ても、麻生氏が「喧騒の中で決めるな」と言った相手は、改憲急進派だと分かります。(8月5日早朝記)
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コメント
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麻生さんは以前から余計な発言をしてマスコミの餌食にされますが、今回は明らかにマスコミの酷いトリミング報道ですね。「ヒトラー礼賛」など全く言ってない。
それをわざわざ大騒ぎして国際問題化しようってんだから、どこの国のマスコミなんだ?と。極めて悪質です。
靖国参拝で中韓が大騒ぎするようになったのも、80年代末以降にマスコミが騒ぎ出してから。
中曽根首相など堂々と「内閣総理大臣中曽根康弘の名で参拝しました」とインタビュー受けても、騒ぎにはならなかったですからね。
中国・韓国が相対的に経済力が上がったのと、反日教育の成果でしょうか。
いまじゃ戦時を知る老学者が「他国のことなのだから落ち着いた対応を」と呼び掛けたり、実際に靖国を見た韓国の若者が「戦死者を祀っているだけで、ふつうの神社と変わらなかった」と書き込みをしたとたんに大炎上して、社会的に抹殺される始末です。
なんという恐ろしい言論封殺国家社会主義か。
話は逸れますが、日テレやTBSのオスプレイ報道も相変わらず酷いもんですな。
ついに「反対派」に逮捕者がでましたが、警官の制服をビリビリ破いたら当たり前ですね。
「オスプレイ増備なんて、これ以上の負担増大は許されないんだー!」と目の色変えて叫ぶお婆さん。
機種更新であって増備などでは無いっての。それじゃあ、オンボロでより煩いCH-46を使い続ける気なのかと。どっちが危険かは自明ですね。
土曜日の報道特集の冒頭がそんな調子でウンザリしました。次のメイン特集が玉砕のアッツ島守備隊の貴重な生き残り証言と現地取材で力入れた内容だっただけに残念。
投稿: 山形 | 2013年8月 5日 (月) 07時43分
翌日の弁明や今日の記事の追記で私なりに確信したのですか、桜井氏や安倍氏等「改憲急進派」に一言言わずにはいられなかったのでしょうね。反語表現でしか言えない器が墓穴を掘ってしまいましたが。
麻生氏の反語表現をストレートに言うと、「改憲急進派の手口はナチスの手口じゃないですか」という強烈な批判なのですが、何故かマスコミも世間もそこに焦点を当てません。そうさせまいとする力が働いているのでしょう。
私も麻生氏同様、安倍氏のグループはすでにナチスの手口を用いていると思っています。
ざっと大雑把に思いつくだけでも
①96条改正
②標的を作り、攻撃させることで民衆のストレスを発散させ、狂信的な愛国心を高める
③アベノミクスのようなワンフレーズで民衆の幻想を作り出し、その本質や影響は深く考えさせない。
④自民党憲法改正案99条での非常事態に関する項目がワイマール憲法を無効化したナチスの全権委任法に瓜二つ
無意識か意図的かはわかりませんが、口ではナチスを否定しながら、やっていることはナチスと同質だったら、最悪の行為です。
ナチスを例にしたのは軽率だがマスコミは麻生氏の発言をきちんと報道していないレベルで片付けて、このままスルーしたらまずいと思います。
投稿: 南の島 | 2013年8月 5日 (月) 10時20分
南の島さん。お答えを書いていたら長くなりましたので、記事として独立させます。そちらをご覧下さい。
投稿: 管理人 | 2013年8月 6日 (火) 07時25分
通りすがりに失礼します。
私の感覚では朝日がこの件を報じたのはむしろ遅かったような気がします。我が家でも年寄りが朝日を購読していますが(朝刊のみで、私はあまり読まないのですが)朝日の紙面で見たのはネットで知ったより後でした。
私が最初にこの件をネットで見たのは読売電子版の30日の記事でした。
2013年7月30日07時32分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130730-OYT1T00050.htm?from=tw
東京新聞は31日の日付で報じてます。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013073102000110.html
私が朝日の(朝刊)紙面でこれに関する記事を見たのは8月1日の天声人語と4面の記事が最初でした。さっき古新聞を見たら、30日分には全く載っておらず、31日の分は、中ほどの全面広告と経済面のあたりを抜いて掃除に使ってしまったので、はっきりしないのですが、1面から4面までと13面からあとの部分には載っていませんでした。
サイモン・ウィ―ゼンタール・センターが麻生氏に抗議した件は日刊ゲンダイも朝日と同じ8月1日に報じています。
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9464.html
>現地時間30日(日本時間31日)、SWCがホームページにアップした〈麻生副総理へ、ナチスのどのテクニックを学べるというのか?〉と題した声明文には、SWC副代表で宗教指導者のラビ・アブラハム・クーパー氏の発言が引用され、次のようなことが書かれている。
>〈サイモン・ウィーゼンタール・センターは、麻生太郎副総理兼財務大臣に対し、昨日東京で行われた講演での発言の意味を、速やかに明らかにすることを要求する〉
〈ナチス政権のどの「やり方」――民主主義をひそかに無能にするやり方――に学ぶ価値があるのか〉
オランダ在住の知人が、この件を現地のテレビで見たとメールに書いて来ていたので、その日付を見たら、こちらの時間で8月2日の朝5時でした。少なくとも朝日が最初に報じたわけではないようだし、それを外国の組織に御注進に及んだというのはどうでしょうか?在日アメリカ人にもユダヤ系の人はたくさんいるわけだし、その中にはメディアの駐在員などもいると思われるので、わざわざ日本人が知らせなくても、そうした人たちが知らせた可能性もあると思います。(その昔は日本語の出来ない駐在員も多かったようですが、最近は日本語が堪能な人が来ているようです)
誤解のないように言えば、私は別に朝日の味方をしたいわけではなく、むしろその逆なんです。朝日をはじめとする大手メディアには、もっと「真剣に」政府与党の批判をしてもらいたいものだと常々思っています。だから、ブログ主さんが「一方、メディアの側は、安倍政権に攻め口がなくいらついていたので、この「ヒトラー礼賛」発言に考えもなく飛びついたわけです。」とおっしゃているのはちょっと「買いかぶりすぎ」のように感じました。どこであれ、今時のマスメディアにそんな気概があるのでしょうか?
それと、麻生氏が「保守穏健派(まともな保守?)」というのもわかりません。CSIS( 米戦略国際問題研究所 )とか言うところで、「日本の水道事業を民営化します」なんて勝手に言ってくるような人ですが?
投稿: ピーマン二郎 | 2013年8月 7日 (水) 00時04分
「ピーマン二郎」様。おっしゃるとおり時系列では読売が最初です。そして読売が最初にそのミスを気づきそっとネット版で見出しの差し替えをしました。
「ご注進」したメディアも、私の知るかきりでは朝日新聞ロス支局だということでしたが、それも別なメディアや米国人であってもかまいません。
問題はその取り上げ方です。朝日はまさに欣喜雀躍といわんばかりで、一面、社説などぶち抜きで報じています。まさに鬼の首をとったような有り様で、朝日が「火を点けた」という表現もあながち間違ってはいないと思っております。
朝日は、産経も指摘しているように講演から日をあけて
報じています。いわゆる速報ではないわけです。また同時に「良心的」にも、発言詳細もネット版でアップしています。
ということは、これが歪曲だと知りながら、あえて報じる許可を与えた上層部の判断があった、ということになります。
共同も地方紙に配信し、全国の地方紙で大きくこの歪曲報道が1面を飾ることになりました。朝日と同じように罪が深いことです。
誤解があるようですが、私は別に麻生氏支持者ではありません。ですから麻生氏が言う政策がことごとく正しいなどとは毛頭思っていません。
私の立場は、過去ログにあるように一貫してアンチ構造改革、反TPPです。自民党内の反構造改革の人々は支持しますが、そうでない人々には批判し続けています。
麻生氏の憲法穏健路線は支持していますが、だから彼の他の政策すべを是とするわけではまったくありません。
7日付記事で書きますが、私は与党内の改憲推進派と穏健派のバランスが大きく崩れたことを問題にしています。それについては、記事をお読みください。
最後に、今のメディアにはその力はないという指摘はその通りです。ネット界がなければ、つまり5,6年前の状況だったらあの歪曲報道はそのまま罷り通ってしまっていたでしょう。
ネットが間違いに気がつき修正を加えたわけで、今後今まで以上に既存マスコミの力は弱まることでしょう。まさに自爆です。、
投稿: 管理人 | 2013年8月 7日 (水) 04時36分
私もブログ主さんがTPPにも改憲にも反対されていたのは知っておりました。また、私も朝日新聞に肩入れする気はまったくないのですが、ちょっと気になりましたもので書き込ませていただきました。あの後「そういえば、うちでは夕刊のことはわからないからな」と思って調べてみたら、たまたまこちらのブログさんがもっと詳しく書いてくれていました。
はてな匿名ダイアリー http://anond.hatelabo.jp/20130806193935
この中で、あちらのブログ主さんは、櫻井よし子氏の産経に載った記事、「朝日が日本を国際社会の笑い物に…歪曲された麻生発言」を批判しています。櫻井氏の朝日批判と、こちらのブログ主さんの朝日批判はまったく異なる立場からだとは思いますが、右にしろ、左にしろ、どうして皆さん、他社を差し置いて、朝日の批判ばかりに行くのかな?というのが、私の疑問でした。(他でもこの件で朝日を批判している人を見かけましたので)逆に言えば、それだけみなさんの朝日に対する「体制批判をする左派のインテリ新聞」としての「期待値」がまだまだ高いということなのでしょうか?しかし今の朝日は、他紙と同様に「watch dog」の役割など、とうに果たしていないと思います。
上記のブログさんは
>SWCが批判声明を発表したのが30日、韓国外交省報道官がコメントしたのが30日、中国外務省報道局長が談話を出したのが31日、ドイツ週刊誌が報じたのが31日となっており、いずれも朝日が最初に報じた8月1日より早い。そしていずれも麻生発言に対し厳しい態度を表明している。
> つまり、朝日が麻生非難の論戦を貼る前から既に国際的に麻生発言は問題になっていたのであり、はっきり言って朝日がどのような対応をしたのかは現在の状況とほとんど関係がない。仮に朝日が麻生発言をスルーする、あるいは擁護する、といった態度を取ったとしても国際社会は麻生発言に厳しい目を向けていただろう。
> 朝日新聞が麻生発言を問題化しそれに国際社会が追従した、という流れではなく、国際社会が麻生発言を問題化しそれに朝日が追従した、というのが現実だ。
と言われていますが、私もそうだと思います。
(朝日のロス支局が…ということですが、私が見つけたのは石井孝明氏のこのツィートだったので、https://twitter.com/ishiitakaaki/status/362840086741655552 これのリンクにある池田信夫氏のアゴラの朝日批判記事を読んでみました。池田氏の記事ではそのSWCのコメントがいつ取られたのか、はっきりしないのですが、「一次情報も確認しないでコメントを取りに行ったのは問題だ」と書いてありますので、8月1日の夕刊に載っていたというコメントのことではないかと思いました。この部分で池田氏の張ったリンクでは朝日のサイトに飛ぶのですが、私はネット会員になっていないのでその記事が読めません。御注進ではないにしろ、「余計なことをした」と言われればそれまでですが)
それから、サイモン・ヴィーゼンタール・センターで少し、ググってみたところこんな記事を見つけました。
韓国の中央日報の記事です。戦後のユダヤ人団体のナチスの戦犯狩りへの執念は凄いものだったという話は以前に聞いたことがあり、もしかしたら、サイモン・ヴィーゼンタール・センターがそれではなかったのかと見当をつけたら、これが見つかりました。記事の日付は今年の6月のもので、今回の麻生氏の発言とは直接関係はありませんが、所長のツーロフ氏自ら、最近の日本の動向には注目していると語っています。
最後のナチス戦犯ハンター「日本、過去の歴史忘却を越えて歪曲」(1) 2013年06月11日11時32分
http://japanese.joins.com/article/588/172588.html
>戦犯追及を続けているのはヴィーゼンタール氏の後継者エフライム・ツーロフSWC所長(65)。「ナチス残党の98%はすでに死亡したが、残り2%を審判台に立たせるまでハンティングは終わらない」と話すツーロフ氏を世界は「地球上最後のナチスハンター」と呼ぶ。
> そのツーロフ氏が最近、戦犯追及ほど心血を注いでいることがある。歴史的記録の保存だ。時間が流れて痛恨の歴史が埋もれるのを防ぐというのがサイモン・ヴィーゼンタール・センター設立の趣旨だが、最近問題になっているのは「忘却」ではなく「歪曲」というのがツーロフ氏の説明だ。
> ツーロフ氏は「自国民の犯罪を認めず、断罪を拒否する国が犯した戦争犯罪については、よりいっそう歴史的な記録を正確に残すべき」とし、最近の日本に注目していると述べた。「日本の指導者が戦争犯罪を認めず戦犯に敬意を表している」という嘆きは、ツーロフ氏が中央日報の電子メールインタビューに応じた理由でもあった。
サイモン・ヴィーゼンタール・センターは日韓の「慰安婦問題」にも関心を持っていたらしく、7月29日には元慰安婦の方を招いてイベントを行ったそうですが、このところは「戦前懐古的な日本の保守政治家」の動きに注目していたようで、その中での麻生氏発言だったということのようです。
投稿: ピーマン二郎 | 2013年8月10日 (土) 00時37分
ピーマン二郎様。貴重な資料をありがとうございます。なるほどSWCの独自の動きですか。ありえるでしょうね。
日本語が分かるスタッフがいるのかもしれません。あそことには韓国が積極的に在米韓国人を使って「ジャパン・ディスカウント」戦略をかけていますから。
また私も麻生氏の発言は本文中にあるようにいささかもいいと思っていません。その考えと真逆にとられることを、無警戒にべらべらしゃべっています。彼の政治家としての資質は、彼の祖父に遥に及ばないのかもしれません。
朝日新聞に関してなぜ集中的に批判対象になるのかというご質問に答えれば、まずその扱いが1面、社説と大きく扱ったことで反麻生のキャンペーンをしたことです。
前回の橋下慰安婦発言は、その内容そのものはバッカじゃないかと思いますが、朝日が提携しているNYTのヒロタ・クミコ記者によって世界に発信されて、まさに世界中からバッシングされ、事実上政治生命を失いました。
私は、この朝日新聞という日本を代表するメディアとは半世紀のつきあいです。もっとも影響を受けてます。本田勝一「中国の旅」、70年安保報道、慰安婦報道・・・ことごとく影響を受け、それを真実だと信じて行動しました。今振り返ると、口の中に苦い汁が湧きだすようです。
ですから今は、朝日のみならず、メディア全般に対して深い不信の念をもってしか眺められなくなっています。
このような私ですから、朝日新聞に批判のバイアスがかかっていたことはありえると思います。
ただ、朝日の個々の記者、たとえば船橋洋一氏などは勉強させていただいております。
投稿: 管理人 | 2013年8月10日 (土) 05時31分