消費増税待った!まだデフレま最中だ!決断の日は明日!
いまだに三党合意を守れとか言う増税派がいますが、その合意内容をもう一回確認しておきます。
消費税法には、弾力条項が付帯しています。 この部分こそが三党合意において民主党案に自民党が追加修正を加えた部分で、ある意味消費税法のキモの部分です。
「消費税法等の一部を改正する等の法律案」附則18条
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%85%9A%E5%90%88%E6%84%8F
「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律
附 則
(消費税率の引上げに当たっての措置)
第18条 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。」
ここには明確に「物価が持続的に落下する状況」、つまりデフレから、経済成長率2%~3%になることが、増税の条件だと規定してあります。
これが安倍首相がなんどとなく言ってきた「デフレ脱却がされないかぎり増税はしない」ということの法的根拠です。
この消費税弾力条項を、なぜか財務省とその下回りの増税派の連中は都合よくコロリと忘れていましたが、最近反対派の追究て渋々認めるようになってきています。
そこで、今の経済状況がどうなっているか見てみましょう。消費税法が掲げる「名目経済成長率3%、実質経済成長率2%」になったでしょうか。
先日8月の消費者物価指数(CPI)が発表になりました。朝日新聞は「 消費者物価指数0.8%上昇 8月 3カ月連続プラス」という見出しでこれを報じています。
「8月の全国の消費者物価指数が、前年同月と比べ0・8%上がった。上昇は3カ月連続。パソコンなど「教養娯楽用耐久財」も同0・1%増となり、バブル崩壊後の1992年1月以来、21年7カ月ぶりにプラスに転じた。円安で輸入燃料や食料価格のほか、部品価格も値上がりしているためだ。
総務省が27日発表した8月の全国の消費者物価指数は、価格変動が大きい生鮮食品をのぞく総合指数(2010年=100)が100・4と、前年同月と比べ0・8%上がった。」
(朝日新聞9月27日)
あいかわらず増税派の朝日新聞はわかりにくい書き方をしていますね。これでは「消費者物価指数がプラス0.8%に上昇した、よかったねぇ、さぁこれで増税の条件が整った。首相増税のご決断を」で終わりです。
誤報ではないが、正しくはありません。少なくとも見出しにするのは印象操作です。 この0.8%という数値は、あくまでも「総合」消費物価指数にすぎないからです。
ほんとうの消費物価向の実態を知るには、ここから天候による生鮮食品の価格変動分やエネルギー価格の変動分を差し引かねばなりません。
だって、そうでしょう。この修正をかけないと、円安や原油高といった短期間の変動をそのまま反映して、誤った物価変動の数値を出してしまいますもんね。
この生鮮品とエネルギー価格を差し引いた数値が「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」と呼びますが、長ったらしいので「コアコアCPI」と呼んでいます。
なんかユルキャラのネーミングみたいな言い方で、初め私も聞いた時に吹いてしまいましたが正式の呼称です。
世界の財務当局は、わが財務省を除いてすべてこれで統一されています。
わが国家官僚は、中国と違って統計数値を操作するようなケチなまねはしませんが、農産物自給率を世界のどこの国も使わないカロリーベースにしてみたり、消費者物資指数を総合で見たりという都合のいい手練手管を使うからご注意下さい。
そこで、総務省統計局発表のコアコアCPIを見ます。(クリックすると大きくなります)http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.htm
8月(対前年同月比)
・総合(CPI)・・・0.9%
・生鮮食品を除く総合(コアCPI)・・・0.8%
・
食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI)・・・マイナス0.1%
マイナス0.1%です。ほんとうにデフレ脱却したのなら、このコアコアCPIも上昇し、国内需要が回復した結果として緩やかに物価全体が上昇していかねばなりません。
これが「いい物価上昇」というやつで、これが続けば経済は自律的に回復し、次に賃金上昇を促し、消費か増えさらに需要を大きくし、それに対応して供給力を伸ばすために設備投資が活発になっていきます。
これが自律的景気回復軌道というものです。これでめでたくデフレ脱却というわけです。
ここに持って行ければしめたものですが、まだいわばローギアの財政政策と金融緩和の段階です。株価が上昇したのは期待値にすぎません。
ある意味、まだなにも変わっていないのです。残念ながら、現在もなおコアコアCPI数値が物語るようにデフレ状況がなお続いているのです。これか真実です。
しかし単に不景気(デフレ)の中で天候不順や原油高で物価があがるのは、「悪い物価上昇」、あるいは「インチキの物価上昇」なので、こんなものいくら上がっても国民は苦しくなる一方です。
このコアコアCPIがいまだデフレに貼りついているという認識は政府にもあるようで、なんとあの増税派だと思っていた甘利経済再生担当相がこんなことを定例記者会見で述べています。
「甘利氏は食品やエネルギーを除くと下落が続いているとも指摘。「(これが)プラスに転じ、大きなショックでもない限り元に戻らないという環境が整備されたときに、脱却と言える」(産経新聞9月27日)
まったくそのとおりです。「これがプラスに転じない限り(デフレ脱却)とはいえない」のです。パチパチ。
しかし、唯一変化したものがあります。それは「気」です。今までのうつむき加減で、閉塞感に満ち溢れた社会がなんとなくほのかに明るくなったかな、そういう変化は確かにあります。
景気とは文字どおり「気」なのです。
これがしっかりとした景気回復軌道に乗れば、さらに社会の「気」は明るくなります。その腰を折るのがまさにこの消費増税なのです。
しかし、自民党内増税派、公明党、性悪狸に率いられた経団連、マスコミ増税派は、なんとか消費増税をさせるべく安倍首相に迫って包囲網を敷きました。
ちょっと前まで敗色濃厚だった増税反対派がどうにか50対50のイーブンに持ち込み、9回同点のまま9回裏に突入といった状況です。
このまま「ナントカ経済対策をとって増税に突入」すれば、確実に経済は失速、支持率急落、安倍内閣の命運には暗雲が垂れ込めることになります。
ここに最高裁の衆議院選違憲判決によるやり直し判決が出た場合、再び日本は先か見えなくなります。
自民党はこれで増税派と反対派に分裂し、諸野党は再び合従連衡を始めます。民主党も朝日の望みどおりふたたび「受け皿」になるべく野合工作を開始するでしょう。
安倍首相は国民に対しての公約である「デフレ脱却まで増税はしない」という約束を守らねばなりません。おそらく今の首相の強いリーダーシップなら可能なはずです。
その決断の日は明日です!
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