愚者は歴史に学ばずになるな! 本日首相決断!
今日、増税の有無が決せられることになります。
え、なに?もう決まっているんじゃないのって。そう、多くの日本人がそのように情報の強制刷り込みを受けてきました。
まさに、連日、くどいくらいに、朝日新聞、日経新聞以下すべての新聞が「首相、増税決断」と疑問符もなく報じ、NHKまでもがそれを定時ニュースで流す有り様です。
正直言って、これほどまでに情報のウォールが作られたのはひさひぶりに見ました。これは、国民を真実から遠ざけ、メディアが作り出した虚像への強い同調圧力を生みます。
国民の大多数は、「もう既に首相は増税に決めているんだ」」と思い、、だから「税調などが復興税の法人税上乗せをするかどうか議論しているんだろう」と考えるはずです。
ニュースキャスターも、「法人税減税などは国民無視の自民党らしいですね」としたり顔でアナウンスし、もうなんだか増税の「後始末」に眼が行ってしまっています。
とんでもない!決まるのは今日です。いままでの「決断」情報は増税派がリークした印象誘導にすぎません。
残念ですが、この情報リークは、麻生副総理・財務大臣から出ていると思われます。でなければ、ここまで決定的にメディアが書くはずがありません。
「事後対策」としても法人税減税などなんの景気対策にもならないのは目に見えています。
腹黒狸の経団連会長など、これを懐の腹巻に内部留保で仕舞い込み、大分入れ込んでいる中国に更なる金を注ぎ込むだけです。
で、私たち国民は?はい、なんの得もありゃしません。せめて企業が投資や賃金に回してくれればおこぼれの何万分の1もくるのでしょうが。
それ以上に私たち国民を襲うのは、今の長期に及ぶデフレ不況と、原油高、原発停止に伴う電気料金高騰などによる資材高によってドンっと生活に乗ってくる増税による値上げラッシュです。
これが、増税決定の場合、この晩秋、初冬から一斉に始まります。しかも原発停止による電気料金値上がりと同調していますから最悪です。
かくして、景気浮揚に一切繋がらない「悪い値上げ」が始まるのです。これは悪い景気循環をもたらします。
増税→需要縮小→供給過剰→投資縮小→企業利潤縮小→賃金下落・国民所得の下落→税収減収というの悪無限のループです。
なぜ悪無限かといえば、これにより税収がかえって下がりますから、するとまた財務官僚は「子孫に国の借金を残すのかーッ!増税しろ!」と叫ぶに違いありませんから、際限がないのです。
心底こいつらバカかと思います。頭がいいと思っている東大出のバカほど処置なしなものはないという見本です。
ならば初めからデフレ下で増税なんきゃせねばいいのです。
ところが彼らは、自然増収では省内の手柄にならないので、「増税をした」という彼らの世界の勲章を欲しいようです。もう一回言ってやります。このクソバカ!
かつて戦前のある一時期、政府は誤った判断を繰り返して自滅しました。
日独防共協定でドイツという最悪の相手とタッグを組むところからから始まり、満州事変という火遊びをしたあげく国際連盟を脱退して孤立、その気がなかったのに中国大陸の泥沼に足を取られて日中戦争の拡大を招き、そして詰まるところは対米開戦に追い込まれていきます。
かつての日本は、ころがる石のように、ひとつの誤った判断が次の更に大きな過ちを誘発し、そして自滅しました。
では、時の政府は後に言われるような確信的な軍国主義者だったのでしょうか。あるいは、ひとりのヒトラーでもいたのでしょうか?
東條英機ですか?とんでもない。彼はその時に居合わせただけの、凡庸な軍事官僚にすぎませんでした。
丸山真男が皮肉まじりに言ったように、わが国は三流の帝国主義だったがゆえに「ひとりのヒトラーも生み出さなかった」のです。
煽ったのはもっぱら新聞でした。当人たちは忘れているようなので、あえて名指します。ヒトラーユーゲントの日本訪問を演出し、日独を結ぶ「神風号」まで飛ばして日独同盟を陸軍内ドイツ派と共に押し進めたのが朝日新聞でした。
中国戦線の泥沼に足をとられて、和平に持ち込もうとした陸軍内部の穏健派に対して、「英霊に申し訳がたつのか」と叫んだのも、陸軍主戦派とメディアでした。
止められたのに止めようとしなかったのは政治家でした。首相は無力でした。
齋藤実、近衛文麿、東條英機、これらの怯懦の指導者は、戦争を止める勇気もなく、勝つ戦略もなく、時には事態に油を注ぐことすらしでかしました。
近衛は軍国主義者どころか、エリート(公爵)で自由主義者でしたが、国民党政府との和平をぶち壊しています。
この男の手痛い失敗のおかげで、冷静になれば確実に失敗すると初めから分かっていながら、準備不足のまま破滅の淵に国全体を投げ込まれたのです。
私はこの歴史を、わが国が再び繰り返そうとしているような気がします。
まずメディアが一斉に煽り、国民を誤った方向に導き、政治家は臆病な兎のようであり、国民と新聞の動向を見て国政を決定します。
そして山本七平が「空気の研究」で描いた「空気」、「同調圧力の壁」を作り出しながら破滅に向かって突き進む・・・。
誰しもが一歩離れて見れば今の日本の状況は分るはずです。思いつくままに記してみます。もちろんこれ以外に山ほどあるはずです。
・資材高は解消されず。
・畜産品の飼料高は天井知らず。
・漁業は燃料高で出漁回数を減。
・原発はいつ動くのでしょうか?再稼働まで電力会社の体力が持ちますか。
・それまで電気料金はウナギ登り。
・電気料金高騰のために中小の加工会社は青息吐息。
・景気のいい会社は一部の分野だけ。
・地方はまだアベノミックスの光すら届いていない。
・毎日電車が止まるのは人身事故。飛び込み自殺の多発。
・若者の就職戦線は地獄。20以上の掛け持ちなどあたりまえ。
こんな状況でなにが増税・法人税減税ですか。なにが復興税の法人税上乗せを止めるでしょうか。税調の政治家さん、どこを向いて議論をしているんです。
国民を見ろ!民はまだデフレ地獄の泥沼にいるぞ。
デフレ下の増税は死を招きます。比喩や例えではなく、真に自殺者を増大させます。
下図がかつてデフレ下で増税した時のグラフです。15年前の1997年に消費税増税増税時のことです。
橋本龍太郎政権時の消費税はを3%から5%の2%。今回は3%。一体どのような地獄図絵が拡がるのか。
消費税増税の翌年の98年にご注目ください。自殺者が急増します。97年には年間約2万4千人だったものが、翌年には約3万3千人にと、なんと1万人増加します。
覚えておいて下さい。消費税増税した翌年に日本は世界有数の自殺者を出す国になったのです。この分水嶺とでもいうべき3万人を突破したのがこの98年です。
デフレ下の増税、これは地獄の釜の蓋を開けることなのです。
安倍首相、あなたはぜったいにこの地獄の釜の蓋を開けてはなりません。
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コメント
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残念ながら、安倍首相は増税を決定したみたいです。
多数派の圧力に負けたのでしょう。
最悪のシナリオが始まらねければ良いのですが。
投稿: 一宮崎人 | 2013年10月 1日 (火) 15時47分
12月までに経済対策補正予算5兆円を組むとのことですが、
これで二兎を追う形ですね。
うまくいくのでしょうか…。
投稿: 山形 | 2013年10月 1日 (火) 21時15分
ここまでよく粘ったというべきかもしれません。今後来るべき超格差社会に生き延びることができるような横のつながりを維持していけるようなハブになって欲しいと。応援しています。
投稿: ぽんた | 2013年10月 2日 (水) 00時54分