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沖縄独立という夢その1 私が愛した琉球独立派

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消費税については日をあらためて分析するつもりですが、なにぶん今は気力が湧きません。

ちょっと話題を変えることにして、途切れていた沖縄シリーズを少し視点を変えて続けることにします。

さて私の中には、沖縄の「独立」に心情的に共鳴できる部分があります。 

沖縄が、奄美まで含めた琉球弧として自らの足で立ち、自らの決定する方向に、自らの力で歩みを進めることは青年の頃の私の夢でした。  

その夢を胸いっぱい吸い込んで、私は32年前、沖縄に渡りハルサー(農民)になろうとしました。

百姓仕事もしたことがない男が、異邦に等しい場所でずいぶんと無理をしたものです。

今の妙にベテランになってしまった私に相談されたら、やめたほうが無難だよ、と言うかもしれません。しかし、それを突っ切ってしまうところから、私の農業人生が始まったのですから、やってはみるものです。

そして飛びこんだ先のムラには、たまたま琉球独立派の沖縄青年が農家としてヤンバルの赤土にしがみついていました。

彼らとは、ある時はカボチャ畑の隅に捨てられたぼろトラックの中で、ある時は明るい月光の下で語り合いました。作柄や生活のこと、そして琉球独立のこと。

今思うと、私は彼らの独立論を感性では一体化を望みながら、理性の一部では拒否していた気がします。

当時は島酒のせいかと思っていましたが、そうてはないようです。私が求めていたのは、「沖縄が独立するための具体性」でした。現実性といってもいいかもしれません。 

しかし、肝心な現実的プロセスの話になると、彼らは「琉球民族のアイデンティティ」に立ち戻ってしまうのです。

つまり「琉球独立」とは、やがて辿り着きたいニライカナイのようなものなのかもしれません。 

私からすればあくまでそこは出発点であって、それだけで煮詰められるとヤマトゥから来た私はどこかでついていけなくなったことを覚えています。 

しかし当時の琉球独立シンパの私さえも納得させることができなければ、気持ちのいい分離独立などができるはずがないじゃありませんか。

「ロマンじゃなくて、ほんとうにできるのか」と何度となく私は思っていたようです。

一方、当時の琉球独立派は、「独立」こそ唱えてはいましたが、食と経済的自立を中心においた地道な運動でした。  

まずは食の自給だということで、金武湾に浮く小島にイモを植えに行きました。彼らは沖縄自給のシンボルとして芋を位置づけて、食いたくもない芋を毎回食卓に乗せていたのです。

というのは当時、今もそうかもしれませんが、沖縄はまったく米がとれませんでした。 

昔は本島各所で米を作っていたのですが、戦後平坦な部分は基地に取られ、サトウキビに生産主力が置き換わる中で、少し残っていた谷津田は完全に消滅しました。

きれいさっぱりなくなるというのが、本土との大きな違いです。本土は、私の今住む村もそうですが、しぶとく生き残っています。 

沖縄の主食は、本土から送られてくる訳の分からないブレンド米であり、古々米まで混入していたのではないでしょうか。そのまずさは絶品ものでした。 

芋は戦前から重要な食料でしたが、ある世代以前はそればかり食べていたもので、正直言って、見たくもない食い物であったようです。 

その食いたくもない、いや見たくもない芋が、実は本土と決別する「武器」であると彼らは考えたようです。 

彼らの「食の自立」から沖縄独立を構想するという発想は、いまの私から見ても素晴らしいものだと思います。 

彼らは、米軍基地を芋畑で包囲してやるという夢を語っていました。すごい構想力です。

それはヤマトゥとアメリカァーによらないウチナーユ(沖縄世)がありえることを、かいま見させてくれました。 

ただし、本土からの古々米を拒否し、米軍支給から始まったポーク缶を食卓から追い出し、米軍が持ち込んだ大量の小麦粉から始まった沖縄そばを食べることを止められたらとしたら、ですが。 

彼らの構想はあまりにもストイックであり、現実になじむことが得意なエピキュリアンの同胞にはまったくといっていいほど共感を呼ばなかったようです。

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

Commented by 本村安彦 at 2013-11-11 20:47 x

「急速に浮上した沖縄(琉球)独立論〜しかし実態は独立賛成派は10%もいない」←面従腹背の歴史が培った琉球沖縄人の性根を見抜けないミスリード。独立賛成派実態は95%。

Commented by shinwa_2007 at 2013-11-11 21:43

>本村安彦 さん
僕は沖縄が好きですが、沖縄で95%も独立賛成論者もいたら、日本も沖縄の独立を止めることはできないと思います。沖縄独立党のような政党がもっと伸びていても不思議ではないとも思います。

Commented by 本村安彦 at 2013-11-12 15:48 x

うちなーんちゅうの本心は海の彼方にだけではなく、深い深海にも存在しています。それがニライカナイ信仰です。沖縄独特の本音というのを見誤らないことです。例えば、消費税のアンケートが。年収200万円以下の世帯が全国に1〜2割だけだからといって、不公平是正策を講じてUPします。しかし、沖縄では7〜8割が年収200万円以下の世帯が実態なのに、全国並みに1〜2割になる富裕層及び面従腹背者層のデータ、いわゆる沖縄では1割程度しか存在しない50人以上の事業所のソースデータを復帰前から積み重ねていて、それ以外の8〜9割の庶民の民意が選挙や社会現象として表面化しないだけです。もっと分かりやすく説明すると、県民投票や県民大会ではそれらの本音が半分ぐらい現れますのでそのうちの95パーセントはハッキリと独立に賛成します。

Commented by 本村安彦 at 2013-11-12 15:59 x

見切っているんです。そんな独特な社会構造の沖縄を熟知せず、単にモノマネ的で無知な政党が伸びるはずがないのを。

Commented by shinwa_2007 at 2013-11-12 21:12

>本村安彦 さん
私も韓国や中国ほど沖縄の事情に詳しくないのでそうなのかなあと思うこともありますが、たまーに聞く話では沖縄出身の某女優が沖縄独立を目指しているとか、眉唾ものの情報雑誌に乗ったのを見たことがあります。いずれにしても沖縄県民が中々本音を言わないというのも本当ですかと聞くくらいですね。申し訳ないのですが、もう少し詳しい事情がわかれば私も答えようがあるのですが、沖縄県民が本当に沖縄独立志向があると言われても、申し訳ありませんがちょっとよく分からないのです。

Commented by 本村安彦 at 2013-11-12 22:10 x

ならば、ブラフ止まりまでなら日本人魑魅魍魎側からの抑圧を受けないことを照屋はもちろろん、90万の有権者は百も承知。と言えばつたわりますか?

投稿: 本村安彦 | 2013年11月13日 (水) 11時19分

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