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2013年10月 4日 (金)

沖縄独立という夢その2 条件が整っているクルド族がなぜ独立できないのか?

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沖縄選出社民党参議院議員の照屋寛徳氏には「独立」を述べたものがあります。 (欄外参照)

この照屋氏とは国会議員になる以前に面識があります。

彼は島の古株の左翼弁護士で、住民運動などの弁護も引き受けて頂いていました。当時私は沖縄の住民運動と関わっていたので、そのご縁で会話を交わしたことがあります。 

さて、照屋寛徳氏のこの文章を読むとなんともやるせない気持ちにすらなります。 

「100万人規模の独立国がたくさんある」という部分には脱力感すら覚えます。国会議員でありながら、政治オンチもいいところです。 

たとえば、沖縄と同じ島国のキプロス共和国は人口約87万人でも独立国ですが、一方クルド族は推定2500万から3000万人という人口を擁しながらも、いまだ12カ国に分散して国家を持っていません。

ちなみに、この人口規模はオランダの1659万人よりはるかに大きく中規模国家並のボリュームがあります。 

今クルド民族は、湾岸戦争、イラク戦争で米軍に協力した見返りとしてイラク北部に自治領を獲得しています。

治安もよく、「第2のドバイ」を目指してなかなかの好景気のようです。(図Wikipedia)

クルドの位置

しかし石油油田を持つ豊かな経済力を持ち、人口3千万、クルディスタン地域政府(KRG)、ペシュメルガという準国軍やなんと独自通貨まで有しながらも、クルディスタン共和国はまだ先の話のようです。 

沖縄よりはるかに「独立」可能な条件を持ちながら(沖縄にはこのすべてがありませんから)、クルド族が独立できない理由は、隣国トルコやシリアなどの近隣国がそれを許さないからです。 

特にトルコは自国内部に1140万人規模といわれる世界最大のクルド人コミュニティを抱えており、クルド労働党のテロに悩まされてきました。 

もしイラク北部に限定的にであれクルディスタンを作られた場合、自国内部でも呼応する可能性があって、トルコは頑としてクルド族の独立を阻むでしょう。 

つまり、いくら、一定規模の「国力」を持っていても、置かれた国際環境が承認しない限り独立はありえないのです。 

では改めて沖縄が置かれた地政学的位置を確認してみましょう。おそらく世界でも有数の複雑なパワーポリティクスの中に浮いている島だとわかると思います。 

列挙しただけでも
・日本にとって覇権主義国家・中国との安全保障上の最前線
・中国にとって海洋覇権を制する地域
・米国にとって、アフリカから中東アジアまで含む国際戦略上の最重要拠点
・台湾にとって有事支援の緊急展開拠点
・韓国にとって有事支援の緊急展開拠点

これだけ各国の利害が輻輳した地域に単純な「独立」はありえません。逆にいえば、これらの国々が沖縄の「独立」を承認せねば「独立」に辿り着かないことになります。 

たとえば仮に中国が先行して承認したとすれば、それは日米台を敵に回してのことになります。

逆に日米が沖縄の「独立」を先行して承認する可能性は、かぎりなくゼロです。 

ですから、規模は決定的理由にはならないのです。 

人口が少なかろうと多かろうと、その民族を取りまく国際環境の政治力学次第で、独立が認められたり否定されたするのが現実だと言えます。 

そこで照屋さんにお聞きしたいのですが、そもそも「独立」とはなんですか。定義してくださいませんか。

経済的独立ですか?心情的独立なんでしょうか?よもや法的独立じゃないでしょうね。

法的独立なら日本の法律には「独立」の項目はありませんから、というよりそんな分離独立という国家の根幹を危うくする政治行動を認めた法を持つ国なんて、この世界には存在しません。 

米国が国外最大の戦略拠点を、なんの抵抗もなく譲り渡すなどと夢想しているのではないでしょうね。無血で「独立」がなされるとでも考えているのでしょうか

かつて琉球独立派は、「有事独立」論を説いていました。有事、つまり沖縄を巻き込む戦争が起きた場合、「独立」して米軍基地を撤去させ平和を維持するという考えです。

むしろ現実には、好むと好まざるとに関わらず基地があることによって東アジアの「平和」が保たれているというのが実情なのですが、「有事独立」論は現実の国際政治の中ではどのように作用するでしょう。

有事のために米軍基地はあるのですから、それが肝心なその時になって利用できないという事態はありえないことです。

また沖縄基地が必要とされる東アジア情勢は、日本にとっても米国と利害を共有するはずです。

唯一近隣諸国の中で利害を別にする中国のみは、この沖縄の「有事独立」を熱烈に歓迎し、物理的・政治的に支援するでしょう。

ならば、日米両国は沖縄の「独立」を認めることはなく、「いかなる手段」を使ってでもそれを拒否することを決意するでしょう。

平和を求めるはずが、かえって流血の惨事を引き起こしかねないのです。

また県民がおそらくは真っ二つになると思われます。極少派の「独立派」の背後に中国が見え隠れすれば尚更です。 

その場合、かつての返還闘争末期のように、県民同士の血で血を洗う内部闘争が必ず起きるでしょう。

先に述べたクルド自治区においても、主導権争いでクルド族同士の内戦が発生し数千人が死亡しています。 

居酒屋独立論ではあるまいし、「法的独立」という概念は軽々しく国会議員が使っていい概念ではありません。

沖縄人が「独立」を構想するなら、それは法的な狭い意味での分離「独立」、すなわち流血を伴う闘争によるものではなく、静かに平和的に力を蓄えていき本土政府から経済的に自立する方向であるべきです。

それはかなり長い時間が必要でしょう。しかし、その時には沖縄基地を必要としない国際環境が整っているかもしれません。

その時にこそ、慎重に戦略を描いて「高度な自治」を本土政府に要求したらいかがでしょうか。

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照屋寛徳「沖縄、ついにヤマトから独立へ」
2013年4月1日
http://terukan.ti-da.net/e4584676

「私は、明治いらいの近現代史の中で、時の政権から沖縄は常に差別され、今なおウチナーンチュは日本国民として扱われていない現実の中で、沖縄は一層日本国から独立した方が良い、と真剣に思っている。
 沖縄の人口は140万人を超えている。国際社会には人口100万規模の独立国がたくさんある
 今朝(4月1日)の地元二紙朝刊によると、来る5月15日「琉球民族の琉球民族による琉球民族のための学会」と定めた「琉球民族独立総合研究学会」というものが正式発足するらしい。
 許されるならば(会員資格のうえで)私も学会に加わりたい。
 学会の設立趣意書によると、「薩摩侵攻、琉球処分からオスプレイの強行配備までを挙げ『日米による琉球差別であり、植民地支配』」「日本人は琉球を犠牲にして『日本の平和と繁栄』を享受し続けている」と批判している」。
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※琉球民族独立総合研究学会HP
http://www.acsils.org/ 

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