アナザー・サイド・オブ・オキナワその1 表からだけ見てもわからない沖縄
沖縄という土地は、内側に入ってみねばわからないところがあります。
たとえば、いつだった民主党、共産党の統一候補が沖縄で破れた時に、出演していたジャーナリストが、「格差社会を是正しようとしている民主党がなんで負けるのか分からない。沖縄県は日本一の格差県だろう」ということを言っていたのを覚えています。
それを泡盛を呑みながら(←今でも定番で飲んでます)聞いていた私は、滑るなぁというかんじでした。よくあるのですよ、こういう言い方。
沖縄を貧困と格差、米軍基地の地獄のように言うのも、社会派といわれるジャーナリストお得意の沖縄節ですから、おおかたこの人、そんなふうに思ったのでしょうな。
沖縄は虐げられている、という先入観が抜けきれないでいるんですね。一定の年代以上の特有のものかと思ったら、いまでも生きています。そのことにかえってびっくりしました。
格差日本一というなら、この私など沖縄でも農家でしたからボトムもボトム、「日本一の負け組」(変な言い方)だったわけですが、沖縄はそんなに特殊にヒドイのかと、改めて今住む限界集落的な本土の農村で思います。
沖縄を「地獄」のように言いたい人には物足りないかもしれませんが、沖縄はいたってフツーの地方ですよ。
物価は、先島に行けば高いですが本島にいるかぎり本土並です。ガソリンなんか特別措置で安いくらい。
公共インフラなんぞピカピカで、ちょっと離れた小島にまで几帳面に橋が架かっています。
防衛予算で作った石川多目的ドームや宜野座ドームなんか、本土でもなかなかお目にかかれません。
この石川ドームは昔、野天の闘牛場でした。あれもあれで南国的で好きだったんですがね。岩のような雄牛がガジっとぶつかると、ほんとうにガツンっと音がするんですよ。
ドームじゃムードないなぁと思いますが、公共施設の充実度は統計をとったらたぶんダントツ日本一でしょう。
わが茨城県に就職した沖縄の若い衆が、「茨城はなんもねぇんすね」と笑ってました。(なくて悪かったな)。
確かに基地はありますよ。しかし、私、出身は厚木基地から歩いて数十分の場所でしたので、米軍機の轟音は聞き慣れています。
子供の頃は米軍機がよく落ちていました。神奈川の国道16号沿いなんか基地だらけで、その密集度は本島中部といい勝負です。
当時は、ベトナム還りのファントムでしたら、その爆音たるやハンパじゃなくて、先生の声なんかまったく聞こえませんでした。
空調なんかなかったので、窓開けていたせいもありますが。普天間2中なんて、かつての「爆音少年」としては同情しますが、なんでさっさと引っ越さないんですかね。
南部の那覇や首里なんて爆音は民間機じゃないですか。静かなもの。
そんな話を沖縄の連中にすると、「えッ、本土にも米軍基地があるんだぁ」と言われて、のけぞりました。あるに決まってンだろうが、ゴラぁ~!
沖縄の連中は沖縄にしか基地が無いと思っているらしい、というトリビィアでした。
もし、なんか「特別」なことがあるとすれば、それは本土政府(←これもこんな言い方するのはここだけ)がメチャクチャに沖縄を腫れ物扱いしていることでしょう。神奈川なんかちっとも特別扱いしてくれなかったのになぁ。
辺野古に基地作るって言ってますが、世界中見渡しても所在国が基地作ってやるのは日本くらいですよ。
それも、こういうと怒られるかもしれませんが、普天間移設は本土政府の「好意」だったのです。ただしトンチンカンな。
こんな住宅密集地に基地があったら危ないと思って、橋本さんがよかれと思ってやって14年。
いきなりハトさんがちゃぶ台返しをやってから、一気に「基地移設反対」ということで反基地闘争のシンボルに転化したのです。
移設反対、県外無理ですから、永遠に普天間にいてくれということでしょうか。
たしかに給料は安いですよ。失業率は日本最悪です。私も沖縄で百姓になる前に、那覇のハローワークに通いましたが、見事に事務仕事はなかったですね。
ガテン系やホテル関係はけっこうあるんですが、島の若い人はパスしたがります。だからいつも人手不足です。観光は島の基幹産業なのに3Kで嫌われています。
竹富島や与那国で、まっ黒になってサンシン片手に水牛操っているガイドはほとんど全員がナイチャーです。
どうも沖縄の若い人には、本土は皆東京みたいで、全員スーツきて空調効いた部屋で働いていると思っている節がありますね(苦笑)。違うんだって。
しかし、それはみんな本土、ヤマトのせいでしょうか。みんなヤマトが悪いのさぁ、と叫んでいても仕方がないじゃないですか。
もう少しそのあたりをできるだけインサイドから、堅くならないで見ていきたいと思います。
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コメント
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よく賃金格差は言われるけど、支出は比較されないことが多いんですよ。
「沖縄県以外」だと、山形や秋田など底辺な上に夏の内陸は暑く、冬は豪雪に耐え、光熱費は高く、過疎で農村は疲弊し、公共交通機関は壊滅状態。
面積ばかりは広くて街はどんどん郊外のモールに拡がって中心部は空洞化してシャッター通り。クルマ無しでは生活できない。一家に軽が2台や3台は当たり前。ガソリンも高い。
都市計画諸々の失政はあれども、橋などインフラの老朽化は著しいものです。
自治体は大赤字で身動きとれません。
この20数年で本当に変わり果てましたよ(当時から心配されてましたが)
さすがに米軍はいませんが、例えば、普天間が民間空港として再整備されるのなら文句無いんですかね?
場所は便利ですし、大赤字の那覇空港の拡張でサンゴの海を破壊するよりマシなのでは?
まあ、神奈川の厚木爆同みたいに、自分たちの理屈が通らなくなると次から次へと理由をつけては、カネ(税金です)をふんだくってはそれを飯の種にしてるような連中と同じような方々が主導してらっしゃるようですが…沖縄タイムスの「オスプレイ反対を続ける」記事なんか、厚木でP-3CからP-1への機種更新に反対してる連中とそっくりですわ。
オスプレイ、今や閑古鳥が鳴く山形空港で受け入れたいくらいですが(それこそ莫大な補助金貰えるんでしょ)、地勢学的に無理でしょうね。
なんて書くとあちこちから怒られそうですが…。
投稿: 山形 | 2013年10月 7日 (月) 07時24分