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最終処分量から逆算して原発稼働数を決定すべきだ

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原発の再稼働に対して、今のままのなし崩し的な開始を政府が考えているなら、私は反対です。

自民党が、規制委員会の安全審査に委ねるとした方針まではいいでしょう。安全審査においては、政治判断が介入すべきことではありませんから。

菅元首相のように、浜岡を止めて国民に喝采を受けたのに味をしめ、ストレステストに名を借りて全原発を超法規的「要請」ひとつで停止に追い込むような政治の優越を繰り返してはなりません。

今、もし菅氏が立場が逆だったら、まったく無審査で再稼働を「要請」していたに間違いありませんから。

その意味で、信頼性がおける規制委員会のような第三者機関に判断を委ねることは、正しい方法だったと思います。 安全審査においては科学は政治に優越すべきなのです。

しかし問題はそこからです。そこで政府は止まってしまっています。もっとも重要な原子力のバックエンド問題になにも答えていないのです。

原子力の問題はなにも施設の安全性だけではないのです。むしろこういう大きなグランドデザインこそが政治の領域なのです。

再稼働するなら、以下のバックエンド問題の方針を示してからにすべきです。

①核燃料サイクル計画の継続か否かの判断
②最終処分の保管方法の決定
③最終処分地の選定の開始時期
④その選定方法

この最終処分の場所とその収容量が決まらないことには、いくつの原発をどれだけの期間動かして、どれだけの廃棄物が出るのか、という目安がつかないからです。

最終処分による計画保管量が定まれば、自ずとどれだけの核廃棄物を年間に廃棄できるのかが決定され、それによって稼働数が決まります。

この考え方は、出口(核廃棄物)の量から逆算して総量規制をするものです。いわばフィンランド方式とても呼べばいいのでしょうか。

どれだけ処分できるのかも決まらないで、核のゴミだけがひたすら毎年1000トンも溜まっていくという事態はもう二度とすべきではありません。

ですから、政府はまず最優先で最終処分地問題を、その方法とともに決定するべきです。

その前提として長年こだわってきた核サイクルを、今後も存続させるのかについて意思決定せねばなりません。

それを考える上で有益な提案は、日本学術会議の提言(高レベル放射性廃棄物の処分について(回答) - 日本学術会議)でした。 (骨子は欄外参照)

日本学術会議も指摘しているように、これで今まで「最終処分地に適した地層がない」という思考停止に陥って、徒に時間ばかりが浪費されていました。

我が国で万年単位で安定した地層を探すのは困難だからダメ、といつまで言っていても仕方がありません。

それは脱原発派(急進派)の皆さんにも言えることで、「最終処分ができない。ほらみろ、即時停止だ」と短絡しますが、今貯まっている約2万8千トンといわれる使用済み燃料や、プルトニウムは一体どうするつもりなんでしょう。

原発が再稼働してもしなくても、既にしこたま核廃棄物は貯まっているのですよ。

特に核廃棄物で問題になるのはプルトニウムです。既にわが国は、核兵器の原料になるプルトニウムを44トン(2011年末現在)も保有しています。

この問題をめぐって、日本人が意識の外に追いやっていたもうひとつの原子力の安全保障上の問題が静かに発生していました。

長くなりそうなので次回に続けます。

■写真 昨日からアップしているのはさくら草です。実は春のものです。

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-a46d.html
       http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-ebe9.html

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原発を真面目に終りにする方法」カテゴリの記事

コメント

そもそも日本の原発は最終処分場がないどころか、中間貯蔵プールも不足間近。
あちこち再稼働なら増設も間に合わない。

脱原発しても最終処分は必要だ、などと寝言を言う前に、原発継続したら中間貯蔵プールすら足りない事を先に考えろ。

そもそも原発推進派は原発はコストが安いとか安全だとかの大ウソを言って推進して来たくせに、
いざ行き詰まったら最終処分場も脱原発派で考えろなどと言い始める。

そういう態度こそが「 無 責 任 」と小泉元総理が言っている事がまだわからないのか。

原発は即刻廃止以外ない。

即ゼロを決めてから廃炉や使用済み核燃料の相談を言え。

投稿: あ | 2013年11月19日 (火) 03時19分

「あ」さん。私は最終処分地を脱原発派が考えろなんて「寝言」言ってませんよ。どこ読んでるの?

私は、「政府が直ちにやれ」と言っているのです。読み間違いないと思いますがね。小学生以下の読解力ですな。

それにあと6年で原発の使用済み燃料プールがいっぱいになるなんて、少なくとも原子力論じている私たちブロガーの間では常識だよ。なにを知ったかぶりで(苦笑)。
だからこそ、処分方法を明確にしろと論じているんだよ。

問題は、君が言う原発即時停止しても今ある1万7千トンの使用済み核廃棄物はなくならないってこと。
どこにどうやって,どれだけの期間、処分しようと処分方法を論じているのに、その論点が即時停止派には分からないんだよね。

疲れます。

投稿: 管理人 | 2013年11月19日 (火) 03時26分

小泉さんの言葉を借りているようでは「あ」さんの思慮の深浅もうかがい知る事ができます。
このような方々とまともな議論は難しいと思うし、少なくても共通の方向性は見出せないと感じます。

脱原発・即ゼロと言っても、管理人さんが指摘するように、質の良い安定的で安価(使用者の許容範囲限度内)な電源をどの様に確保するか?
当然ここ数日の記事の様に、使用済み燃料(即ゼロの場合は使用中だった)の保管や処分方法をどうするか?
その費用の捻出はどうするか?誰がどのように負担し、その処分(保管)を誰が行うのか?
平和ボケしている日本人では想像できないような「テロ」をどの様に対策するのか?等々門外漢の私でさえ
、すべきこと、決めて置かなければならない事が山ほどある事は理解しています。
単純に「政府が即ゼロを決めれば知恵のある人が必ず方法を見つけてくれる」なんて、ノー天気な事をメディアの前で言える人は、めでたいですね。
政界を離れた人が蘇って騒ぐのは理解できません。
どうしても実現したいなら、息子に代わって次回の選挙に出て、議員となって暴れたらいかがでしょうか?

投稿: 北海道 | 2013年11月19日 (火) 10時52分

ベトナムやトルコへの原発輸出の契約の中に、使用済み核燃料を日本が引き取るという約束があると噂されています。共産党の議員が言っていますが、真実はどうなんでしょうかね?

http://carrymikihase.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/02/post_d1ce.html

投稿: 南の島 | 2013年11月19日 (火) 21時16分

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