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2013年11月20日 (水)

核変換技術が実現すれば核のゴミ保管期間は激減する

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脱原発派(急進派)の皆さんは、10万年変異がない地層はわが国にないという一点ばかりの主張を繰り返します。失礼ながら、よく毎回飽きないものだと妙に感心しています。 

この「10万年保管せねばならないから捨て場がない」という思考停止から解放したのが、先日来お話している暫定保管です。

そしてもうひとつがこの核変換技術(旧称・消滅技術)です。
(下図参照 大強度陽子加速器施設J-PARCによる)

これは、長寿命核種を取り出し、中性子を当てることで核分裂を起こし短寿命核種に変換する技術です。 

この技術が実現すれば一挙に廃棄物の量を7分の1にし、数万年単位の保管を一挙に百数十年ていどにまで縮小できる技術と言われています。

文科相省は2014年度(平成26年度)の予算としてJ=PARC(大強度陽子加速紀器施設)に核変換の実験施設建設の設計費を要求し、実験に向けています。

ただし、お断りせねばならないのは、下の資料をご覧になればわかるとおり、この核変換技術には原子炉が必須です。

つまり、原子炉の副産物である核のゴミを「消す」ためには原子炉が必要であるというパラドックスがあることを忘れてはならないでしょう。

おそらく、モラトリアム的に地層処分しながら「時間稼ぎ」をしている百年間のうちには、(たぶんそこまでかからないで)このような核変換技術、ないしはそれに類似した短寿命化技術は実用化すると思われます。

その程度に安定した地層はわが国にも無数にありますから、地層暫定埋設は現実味がでてきます。

「オンカロみたいなのはないだろう」という小泉さんのレトリックに惑わされないでください。

私には、この核のゴミ短寿命技術は、狭い国土で数万トンの量を抱えた日本に必ず持たねばいけない技術のように思えます。

しかしどうも、頑固な脱原発派(急進派)は今のファナティクな様子を眺めていると、それすらも原子炉の延命につながると反対しそうです。

去年、原子力規制委員会の田中俊一氏に対しても、日本原子力研究所出身だというだけで「原子力村」と決めつけて、氏がなんの意見も言わないうちから批判キャンペーンをしていました。

今となっては、田中委員長が極めて誠実な科学者であることは誰しも否定しないでしょう。

「原子力村」に対する妄想的陰謀論は、昨今もカン元首相が拡げていましたが、ほんとうに彼らにそのような力があるかどうかは別にして、彼らの専門技術なくしては核のゴミ問題の解決もありえないのです。

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■資料

以下引用
原子力百科事典ATOMICAの消滅処理の記述
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=05-01-04-02

1)<概要>
 
消滅処理とは、毒性が強いあるいは毒性が長期にわたる放射性核種に中性子等を照射し、核変換を行い、安定あるいは、半減期の短い核種に変えてしまうことで、核変換処理ともいう。以下の方法が研究開発の対象になっている。
(1)
高速増殖炉またはアクチノイド専焼炉における中性子照射によるアクチノイドの消滅処理
(2)
加速器陽子照射によるアクチノイドの核破砕処理および未臨界炉との組み合わせによる加速器駆動炉(ADS)による消滅処理
(3)加速器の
ガンマ線照射によるセシウム、ストロンチウム元素などの消滅処理滅処理の

(1)意義ならびに原理
 使用済
核燃料再処に伴って発生する高レベル廃棄物に含まれる有害な長寿命核種を何らかの方法で安定核種あるいは短寿命核種に変換すること、すなわち消滅処理が可能になれば、高レベル廃棄物の管理に新しい対処の余地を与えることになり、重要な意義を持つことになる。

 放射性核種の半減期は環境変化の影響を極めて受け難い物理量であると考えられていたが、高圧、電磁場あるいは化学構造などの影響により極端な状態においては、1%程度の半減期の変化が期待できるとの報告がなされている。

核反応によって放射性核種を安定核種または短寿命核種に変換する方法は、反応断面積が小さく、大量の衝撃粒子を要すること、副次的にさらに多量の放射性核種のできる恐れもある。照射粒子としては陽子、中性子が有効である。

 実際面からみても、放射性廃棄物中の熱源の大部分を占めるストロンチウム-90 、セシウム-137、長半減期核種のヨウ素-129とテクネチウム-99およびマイナーアクチノイドの超ウラン元素(TRU)を除く核種は10年程度放置すれば、ほとんど自然に消滅するので消滅処理の対象にはならない。

(2)消滅処理の研究開発
 わが国では、1974年頃から日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)において消滅処理の研究に着手し、TRU核種混合物を燃料とする高速
増殖炉タイプの専焼炉に関する概念の確立を図ってきた。

また、1979年頃からは高エネルギー陽子による核破砕反応を利用した消滅処理の検討を開始し、大型加速器を強力核破砕中性子源に用いてTRU核種の消滅と核燃料を増殖する複合システム概念の構築を実施してきた。

昭和62年度から、国の機関による群分離・消滅処理の研究は「フェニックスプロジェクト」として科学技術庁(現文部科学省)が総括することになり、新たに動力炉・核燃料事業団(現日本原子力研究開発機構)が参加し、原研、動燃(現日本原子力研究開発機構)が中心となって産学官協力の形で進められ、昭和63年度からはオメガ計画として展開されることになった。

オメガ計画は、高レベル廃棄物中の長寿命核種の消滅処理と、この消滅処理を効率よく行うための長寿命核種の群分離処理の研究開発を目的としている。消滅対象核種は、ネプツニウム、アメリシウムなどマイナーアクチノイドの超ウラン元素(TRU)および熱源として主要なストロンチウム-90、セシウム-137と長寿命核分裂生成物のヨウ素-129とテクネチウム-99である。消滅方法として原子炉および加速器を利用する方法が現在検討されている。

さらに前者は高速炉にリサイクルする場合および消滅処理専用の専焼高速炉とする場合がある。後者では高エネルギー陽子ビームおよび電子ビーム発生によるガンマ線を利用する方法がある。

(A)原子炉による核種変換
最初に消滅処理が考えだされたのが原子炉による方法である。1972年米国オークリッジ国立研究所におけるPWR(加圧型
軽水炉)によるTRU消滅の提案である。

その後、高速増殖炉も含めて原子炉による消滅方法は数多く研究され、現在では原子炉によるTRUの消滅処理の可能性は理論的に確立されており、現在の技術で充分実現可能なために最も有望視されている。
(略)

(B)陽子加速器による消滅法
 大出力加速器からの高エネルギー陽子で原子核を叩くと核破砕反応で原子核が壊される。この反応を利用してTRUを消滅処理する技術の検討が、原研(現日本原子力研究開発機構)では1979年頃から開始され、オメガ計画の一環として、高エネルギー陽子による破砕反応生成物が詳細に検討されている。

(略)

(3)消滅処理の研究の新たな展開
 科学技術庁(現文部科学省)では、1987年より日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)および動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)における群分離・消滅処理分野の研究をまとめて、フェニックスプロジェクトとした。さらに、同年6月に決定された「原子力開発利用長期計画」に沿って、これらの研究は高レベル廃棄物の最終処分の軽減化のみならず、原子力技術開発に関連する創造的・革新的要素を含んでおり、他の分野への波及効果も期待でき、資源の効果的利用を図ることにもなると位置づけられた。

(略)

4)消滅処理から核変換処理への用語変更の経緯
(略)
日本原子力学会が判断した。「消滅」という言葉のイメージから「消滅処理」により放射性物質自体がなくなってしまうと誤解される。
(略)

引用終了

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