まず廃炉にすべきは老朽化したBWR(沸騰水型)原子炉だ
最近でこそあまりl聞かなくなくなりましたが、原発事故=天災論というのが事故後かなり力をもった時期があります。もっはら原発擁護派の皆さんが言っていたことです。
それは、津波対策が講じられていた東海第2や、高台にあった女川が事故に至らなかったこと、あるいは新型である福島第2が外部電源の復旧と、冷却機能を早期に回復したことなどがあったからです。
このことから、福島第1原発ですらスクラム(非常停止)ができていたのだから、津波による全電源喪失さえなければ、あるいはIC(非常用復水器)を作動させていたら(※)・・・、という「たられば願望」的論調が生れました。 (※ICについては別稿で詳述したいと思っています)
最大公約数的な福島第1の事故が起きた原因は、ハード面ではこのようなことがを上げられています。
➊原子力施設が十分な大津波対策を実施していなかった
❷旧型で運転から30年以上経過する沸騰水型型原子炉(BWR)だった
❸原子力施設に対しての送電施設が脆弱だった
➍電源喪失で機能しなくなるような緊急冷却装置が脆弱だった
もらろんこれらの指摘は正しいのですが、事故は、突然起きる天災などによる偶然因子のみに支配されているわけではありません。
事故に至るまでに、かならず予兆のようなものがあります。細かい事故が多発し、その積み重ねが重大事故の原因のリード線になっている場合が少なくないからです。
原発事故も同様です。福島第1は敦賀と並んで、事故の常習犯でした。東海第2もトラブルが頻発しています。
下図は、原子力施設情報公開ライブラリ(NUCIA)データベースの1999〜2010年のトラブル等発生率を炉齢別・型式別に比較です。(戒能 一成氏 独立行政法人経済産業研究所(RIETI)作成による)
福島第1のような旧型BWRが、新型BWRと比較して2倍の事故回数であることがわかります。
また圧力水型(PWR)は、新型BWRより更に低い事故回数であり、新型PWRは旧型BWRの8分の1しか事故を起こしていません。
次に、原発ごとの事故発生率をみます。(同)
福島第1の事故頻度は極めて高く、同じ東電の福島第2は2004年に一時的に福島第1と並ぶ事故率になりますが、すぐに改善されて事故を急減させています。
一方福島第1は2007年に年6回というピークに達して以降、さすがに年4回ていどまで下げながらも横ばいを続けて高止まりとなったまま運命の3.11を迎えました。
このようなひんぱんに事故を繰り返し、それが低減せずに高止まりとなるような施設には、なんらかのトラブル要因が潜在し続けており、それの除去ができなかったことを物語っています。
このことから、おそらくは全電源喪失によらずとも、地震による冷却系パイプの破断が生じていたという説にも信憑性がでてきます。 (※事故調によっても明らかになっていません)
また、年に4回から多いときで8回という事故回数は、ひっきりなしに現場は事故対応に追われていただろうことも推測できます。
このことが、現場を疲弊させ、事故対応能力を磨耗させていただろうこともありえるかもしれません。
ではここで、他の電力会社の騰水型(PWR)と比較してみましょう。(同)
企業別に見た場合、東電が圧倒的に多いことが目につきます。敦賀、東海第2も原電ですが、いずれも東電管内です。
では、これに対して電力会社がどのような事故後の対策をとったのかが分るグラフが下です。(同)
多くの電力会社が、2005年から09年にかけて、地震対策や、旧式化する発電所の強靱化に努めていたことに対して、東電のみはまったく補強対策を怠り、対策費が下げ止まっているのが見て取れます。
東電がこの時期に、ディーゼル非常用発電機だけでも高い場所に移設していれば,、事故はなかったかもしれないというのに。
つまり、事故率は全国でもっとも高いにもかかわらず、対策費はもっとも低いという経営を、東電がしていたことが明瞭になりました。
これらのグラフを見ると、福島第1の重大事故は、東電の経営体質とその施設の高経年化、BWRの本質的欠陥などの原因により起きるべくして起きた人災であると、私は考えます。
このような結果から、あくまで一般的にですが、わが国で優先的に危険と見なすべきは以下だと考えられます。
①高経年化した40年以上の原子炉
②BWR(沸騰水型炉)(※追記 これはBWR一般ではなくマークⅠ、Ⅱなどの初期型老朽炉を指します)
③東京電力管轄の原子炉(※追記 これも個々の規制委員会の審査を経るべきです)
味噌もクソも一緒にしないで、なにから優先的に廃炉にしていくのかを真面目に考えねばなりません。
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正直、第2世代までの軽水炉や、40年の設計耐用基準を超えた原発は、再稼働してほしくありません。
第3世代後期、第4世代研究実用軽水炉より、マーク1は、細かい事故報告と修理記録を見る限り、おおよそ16倍の故障や修理、メンテナンスの回数が、違ってます。
怖いのは、茨城の東海第1、第2や、福島第2、美浜、柏崎刈羽など、もっとも最初に、再稼働を、あきらめる原発であることと、東電が、他の地域電力会社に比べて、原発修理点検費用が、もっとも低廉であると、言うことです。
初期型マーク1は、設計者が、米国に、生存されていて、そのプラント設計者、2名が、どんな補助設備を
設置しても、原子炉本体に、設計ミスがあり、とくに、7,2MPa以上の圧力が、かかると、圧力容器、格納容器とも、クラックが、生じると、設計した本人が、認めていることです。
一応、西日本に多い、PWRの設計耐圧は、15.5MPaです。
現在、軽水炉に、推奨している耐圧は、22.1MPaなんで、3分の1しか、耐圧がない、東日本のBWRの再稼働なんて、まともな科学者なら、誰も、原発のメンテナンス責任者には、ならないでしょうね。
これら、メルトダウンしたときの燃料が解け落ちた推定温度、2,700度を考えれば、地震、津波のことは、無視しても、通常運用ですら、耐圧が、脆弱であることは、解っているはずなのに、なぜ、再稼働するのか、したいのか?
正直、私には、理解不能です。
会社経営上は、決算書が、非常に、悪くなるので、無理やり、使い続けたいと言う、経営的発想は、理解できなくもないのですが、また、事故を起こせば、第4世代に、新設移行するより、コストアップすることは、長期的には、明白なのにと、心配しています。
投稿: りぼん。 | 2013年11月23日 (土) 09時24分
りぼんさん。
横から失礼します。
福島第一のマーク1の件ですが、格納容器の圧力容器の耐圧設計のミス(7.2MPaでクラック)の情報は何処からなのでしょうか?なんか妙な情報バイアスがかかっているような…。
マーク1の問題点は燃料の熱量に対して圧力容器の用量が小さすぎたという欠点のインタビューは記憶しているのですが。
また、記憶違いでなければ、設計基準では圧力容器の耐圧基準は9MPaで格納容器は0.45MPaだったかな?そしてタービンは290℃位の7MPa位で回してたような。
あと、圧力容器と格納容器は目的が違うので同じ耐圧基準では設計されないはずです。
それと圧力容器の9MPaですが設計基準であって少々はオーバーに製造されているはずです。
因みにPWRの一次冷却系つまり圧力容器内の運手時は確か320℃の15.5MPaで二次冷却系を加熱し、280℃の6MPaでタービンを回していたような…。(曖昧でごめんない。)
BWRとPWRの圧力容器の耐圧設計基準の9MPaと17MPa違いは発電タービンを直接か間接で駆動するかに起因していると考えてください。
例えば、170℃の油で冷凍コロッケを揚げるとします。
BWRは直接天ぷら鍋に火をかけるに対して、PWRは大きな天ぷら鍋に油を入れて火にかけその中に湯せんの様に小さな天ぷら鍋をいれてそれでコロッケを揚げる形になります。そうするとPWRの大鍋側の油の温度は170℃では小鍋の温度はコロッケを揚げ始めると極端に低下してまともに揚げる事はできなくなりますからもっと高い温度にする必要がありますよね?
実際にそんなやり方でコロッケを揚げようとすれば天ぷら火災に発展するのは目に見えますが、イメージ的にはそんなものです。耐圧設計を同一視することは出来ません。
それと耐圧22.1MPaといいますが、どこから出た情報なのでしょうか?
耐圧容器内の水蒸気圧力だと370℃位でしょうか?(専門家のフォローをお願いします。)
水はこの温度圧力を超えると液体とも気体とも区別がつかない状態の超臨界流体となり、酸化力がとんでもなく高くなりそれの対応が必要になるそうです。(プラチナや金、オウム事件で有名になった化学反応炉の素材のハステロイなども腐食してしまうそうです。)
ダイオキシンやPCBの分解処理で聞いたことはありませんか?
投稿: 好実 | 2013年11月25日 (月) 13時20分
えーっと、りぼん。さんの圧力データの出所はぞんじあげませんが、
BWRはダメでPWRなら安全性が比較的に高いという考えは、あまりに近視眼的だと思います。
PWRは複雑な熱交換器がありますし、なんといっても制御棒を下から挿入するという欠点がありますから、
もし福島のような事態になった場合には作動不能の可能性が高くなります。
BWRは重力落下で制御棒を落とせますから、とりあえずスクラムは可能です。現実に福島がそうでした。
これが、私のPWRを支持しない最大の理由です。
また、さんざんおっしゃられているBWR稼働反対についてですが、東京電力で再稼働へ向けて試行錯誤しているのは、すべてABWRですよ。
マークⅠは論外としても、なぜそこまでBWRを忌避されるのか、理解しかねます。
投稿: 山形 | 2013年11月25日 (月) 15時32分
皆さん。このテーマについては近々に書こうかなと思っていました。
好実さんが丁寧に論じていただいた論旨はよく理解できます。
私自身、ある引退した原子力技術者に膝を突き合わしてBWRとPWRの差を聞いたことがあります。
というのは、当時私もりぼんさんと同じBWR危険論者でしたから。やはりあの福島第1と同型炉ということが大きな理由でした。
彼の答えは「ない」でした。双方ともに欠点はあるが、それをもってしてこちらのほうが欠陥とまでいえることはなく、それぞれに改良を加えてきている、とのことでした。
そして福島事故はマーク1です。マーク1に見られる欠陥がおしなべてABWRまでふくめて共通するのかは疑問です。
記事の書き方が、「40年たつ老朽のBWR」というつもりでしたがやや間違ってとられるかもしれません。それは本意ではないので、追記を入れておきます。
投稿: 管理人 | 2013年11月25日 (月) 17時52分
好実さん、分かりやすいまとめありがとうございます。
追記させていただきます。
マークⅠ型の欠陥は、圧力容器(通常運転中や外部や非常電源さえ確保されていれば何の問題も無かったのですが)の容量不足だけではなく、緊急時のサプレッションプールの絶対的な容量と強度不足です。
福島第1原発2号機が、正にそれですね。
派手な爆発は認められなかったにもかかわらず、下に抜けたので、対策は非常に困難です。
投稿: 山形 | 2013年11月26日 (火) 07時29分
好実さま
BWRとPWRの比較として、PWRが、必ず安全だとは、コメントの文章力不足で、申し上げてませんが、そういう意味で、捉えてもらうつもりは、ございません。
基本的に、問題定義したかったのは、再稼働の条件が、ドライベントやウエットベントのような補機プラントを充実させれば、必ず、あと40年、つまり都合80年、原子炉が、耐えうると言うことには、ならないのではなか?
と言うことと、当然、安全率を掛けるので、40年で、きっちり廃炉にする必要は、ないと、思いますが、さすが80年まで、引っ張るとなると、それなりの説明が、なされるべきであると、思ってます。
ABWR、APWRが出来たのも、改善点が、出てきたためですし、燃料集合体も、原発によって、集合体のウラン容量が、違いますし、冷温停止するプラントシステムも、各原発で、それぞれ異なっていますので、たとえば、大飯第1、第2の再稼働より、第3、第4の再稼働の方が、冷却の安全性は、高いと思ってます。MOX燃料を使うことも、第2世代の設計時には、思ってなかったと思いますしね。
いわゆる第2世代の原発の再稼働より、ようやく一部、実用化されはじめた、第4世代というか、第3.5世代と言うべきか、そちらの方が、プラント全体の安全率は、高いのではないか?
と、疑問に思っている次第です。全国停止中の原発は、プラント全体として、それぞれ特注のプラントですから、微妙に、プラント設計が違いますから、BWRが安全とかPWRが安全とか、単純に断定できないと思ってます。
実際、PWRは、三菱重工が、米国に、設置した、熱交換機は、2度にわたり、微細クラックが生じて、交換している事実もあり、プラント全体として、安全性を評価しない限り、正しい評価は、難しいと思ってます。
なお、活断層とか、津波とか、自然現象のみに、再稼働の問題点が、あるように、広報されていますが、もともと、耐震レベル4の配管は、震度7には、個人的には、耐えられそうにないと、思ってます。
やはり、ベントシステムを追加するとか、ホウ素水を、重力で落下させるとか、すでに、より安全と思われる対策も、米国の原発の10分の1には、設置されているように、原子力規制庁の再稼働の評価方針は、福島第1の4号炉が、水素爆発を、3号炉の翌日にしている点からして、連結された、プラントを、総合的に、評価しない限り、安全性の確保は、難しいと思います。
なお、耐圧についての出典は、後日、明らかにしたいと思っておりますが、
このまま、原発は、津波か、直下地震が、起きなければ、安全だと、言うには、怖いものを感じます。
APWRが、PWRより後発なんで、安全かと言うと、コストダウンのための設計変更もありますので、
プラント全体で、見たときに、確実に後継機が、安全とは、申し上げてません。
中部電力の3、4号炉は、BWRですが、福島第1の1号炉よりは、電源喪失しなければ、安全性は、高いと思ってますが、菅総理が、停止命令を出しましたので、止まっているだけで、地震や津波での破壊が、ないと仮定すれば、福島第1よりは、安全率を掛けていると思ってます。
いづれにせよ。コンクリートで、固めた原子炉建屋で、水素爆発が起きれば、コンクリートの厚みが、何メートルであろうが、気化膨張率をかんがえれば、クラックが生じて、気化した放射性物質を止めることは、不可能と思ってます。
また、2,700度に耐えうる構造には、たぶん、世界中の原発が、想定していないので、構造的には、その温度に耐えることは、ほぼ無理でしょうし、水素爆発すれば、プラントのセンサーも、正しく動かないと思いますので、やはり、まじめに、各原発の安全度に、順位をつけて、安全性の高いものを、再稼働して、安全性の低いものは、廃炉にする覚悟を持つのが、よろしかろうと思います。
なお、BWRマーク1は、格納容器の体積不足と言うご指摘は、おっしゃるとおりだと、思います。
サプレッションプールにかかる圧力が、設計時より、かかるというか、格納容器とプールとのつなぎ目の強度が、不足しているような印象は、受けますが、私は、原子力プラント学者では、ありませんから、個人的な不安感として、捕らえていただいて、具体的な安全性のご説明をいただければ、ありがたいと思ってます。
私は、管理人さん同様、即時原発廃止論を支持していませんし、無条件で、再稼働を、認めるという考えも、反対なんです。
少なくとも、ストレステストの前半のクリアーだけで、再稼働を認めることは、反対です。
理由は、同じ場所にある原発は、相互に、配管が、交差しているので、1つの炉ごとで、安全性を担保するのは、不可能と思っているだけです。
投稿: りぼん。 | 2013年11月26日 (火) 17時07分
追伸
福島原発は、圧力容器の鉄板の厚みが、5cmで、格納容器の鉄板の厚みが、1cmだと、記憶しています。
よって、これまた、コメント文の表現不足により、誤解を与えて申し訳ございませんが、設計耐圧は、圧力容器と格納容器では、違うと言うご指摘は、その通りだと思います。
投稿: りぼん。 | 2013年11月26日 (火) 17時12分
一般に、BWRよりPWRのほうが安全だという話しは『PWRは一次冷却系が熱媒体である水に完全に浸されており全電源喪失時には二次側で冷却された熱交換器ないの一次冷却水が熱対流の原理で原子炉側に戻るから安全』という情報が、一時マスコミでよく流されていたからそれによるのではないでしょうか?
記憶違いでなければ、米原子力空母の例を挙げていたところもあったような…。
原子炉の停止後はいかにして安全に崩壊熱というあら熱を抜くかという事です。
通常停止やスクラムなど制御棒が刺されて連鎖核反応が停止しても、なだらかに低下していきますが崩壊熱は発生し続けます。停止直後は出力の約7%で24時間後には0.6%にと時間の0.2の二乗に比例して減少するそうです。問題はこの間に発生した熱量を如何に消費させるかです。
ご存じの通り、通常は数日掛けてタービンを回しながら冷却させ初期崩壊熱の大量の熱量を消費させていきます。あとは冷却器と循環ポンプをコントロールして冷温停止に持っていきます。スクラムの場合ですと状況にもよりますがタービンを回して続けるか停止させるかの違いだけです。
問題は東日本大震災時の様な全電源喪失時に陥った時です。
判りやすくするため極端な例にすると、スクラム完了直後全電源喪失に陥りタービン側の復水器も冷媒である海水を汲み上げる事が不能となり機能停止、循環ポンプや再循環ポンプも停止。
ここで思い出してください。BWR系やPWR系の発電(熱)効率は約33%。
核燃料の定格出力(熱量)を毎時100とするなば、67の熱量が280℃近くの蒸気を復水器で水に戻すための冷却(放熱)や回転運動への変換のロスで失われるわけです。この冷却部分が殆ど機能しなくなるわけです。
電源喪失時の最初の一時間はPWRならば二次冷却水またBWRならばタービン側の覆水器のお蔭で60まで落としても崩壊熱で7追加で67、次の1時間には崩壊熱は6.8発生して計73.7、次の1時間で崩壊熱は6.5で原子炉の内の熱量は80.2、次の1時間で崩壊熱は6.2で…。以下これの繰返しです。(まぁ、多少は放熱しますが、期待できるほどではないでょしう。)あとは炉心とその周辺で何が起こるかです。
冷却水の温度と圧力の上昇。(BWRならば再循環ポンプの停止で燃料棒周辺の気泡の発生が多寡になるも除去は出来ず。)さらなる温度と圧力の上昇で、圧力容器上部蓋のシール部分の限界で蒸気漏れが起こり、冷却水の減少、さらなる熱量の増加が続き、上部燃料棒周辺は中下部で発生した大量の気泡がブランケットになり燃料被覆管がさらなる温度上昇で700℃を超える部位も発生しジルコニウムと冷却水が反応して水素ガスが発生し始め、さらなる蒸気漏れで燃料棒の一部が蒸気部に露出……。
PWRならば一次側はすべて熱触媒の水で満たされているから大丈夫そうなんですが、如何せん水温圧力が一段と高く50℃強上昇すれば水が超臨界流体化しますし、指数的に圧力も上昇しますから圧力容器蓋のシールも耐えられずに蒸気漏れ…。熱交器を介して冷却された水が重力で下がり炉心へ押し出して戻るといわれていますが、肝心の二次側のタービン後の強制冷却器も停止して熱交換器に冷えた水が行かず…(以下同上)
粗い論法と数値ではありますが、イメージできましたか?
要はこれに至ることを防ぐ事が重要な訳で、この全電源喪失に至った場合は初期に対応(注水冷却そしてシステムの復帰)出来るかが大きく左右しますから、これを前提とした模擬実地訓練とその結果や教訓から得た施設構造や機材配置の見直しを行い、関係各所との連携を確認し、発生時には人員と資材機材の全力投入する必要がある訳です。(テレビ会議室で叱責、責任のなすり付けをしている場合では無いわけです。)
既に対策されている津波に対する防潮堤も必要ですし万が一を想定した高台の外部非常用発電系も必要です。制御系の電設関係の防海水でしょうか?(分電室の水密化と排水強化。ストロー防止とか)、緊急注水口の位置の見直しとか。
まぁ、本来ならば監督官庁が主導して考えるべき事なんですが、原子量や防災の実務を十分に積んだキャリアっていなさそうですから…。(泣き
管理人さん。
昨日(26日)に記述開始したものなのですが、そのまま記載しちゃいます。
しかし、なんで専門家という人は正しく噛み砕いて説明してくれないんでしょうか(特にマスメデア露出過多の方)。バイアス掛けて専門用語並びたてて説明するものですから…。
県央で少し騒ぎになっている(豚の)PEDのワクチン3カ月分、どうにか調達できました。沖縄の件もあり既に欠品とか。メーカーの次の生産は来年の2月だとか。(有精卵調達の絡みもありますしね。トリインフルエンザ発生するなよぉ~。(-人-)ナムナム。お互い、生き物を扱うのも神経使いますよね。
投稿: 好実 | 2013年11月27日 (水) 15時15分
りぼん。さん
感情論を隠すために専門用語と都合のいい事象を並び立て再構築して展開しているようにうかがえますが。
先ず運用期間を80年に延長って、最長20年の運転延長を認めるだけで年次点検次第で短くなることもあります。故障率の変化を表したバスタブ曲線って知ってますか? 初期と偶発と磨耗の三種の故障率合計が時系列で見るとバスタブのような曲線を描くことから名付けられたものですが、交換の効かない磨耗の兆候を見極めて寿命という事でしょう。次の発電所の運転開始までの時間稼ぎなんですが、感情論が先行している現状では…。
MOX燃料の件は原発設計時は確かにそうですが、しっかりした燃料設計と運用方法の構築で対応しているわけで、発生したPUを半減期30年クラスの灰にする機会だったのですが。(そもそも通常の軽水炉での発電ではウランからPU239が生成されてこれが核分裂しその熱量は全体の3割りになるそうです。)
第3.5世代原子炉ですがそれぞれの国で設計が公表または認証されただけで建設実績は無かったような…。
三菱重工の熱交換器と廃炉の件は、技術論とコストパフォーマンス(特に運用側の思惑も含む)に発展するので省略。
耐震レベル4ってなんですか? 専門外とは言え聞いた事ないのですが。建築関係では、確か耐震レベル2で震度7弱クラスが基準だったような。M11クラスを想定しているのかな?ご安心ください。地殻が破壊されて地表はそれどころではありません。(もしかして、原発のレベルSBCの三段階基準のことですか?施設の性格上通常の建築基準とは異なっていて、結果は福一の5,6号機や女川で出ていますが)
ベントシステムって、ベントの無い原発って何処にあるんですか? もしかしてウェットフィルターのことですか? 以後義務でしょうが、再稼働させる気が全くない現行規制委員会下では不良投資化するだけで段々電力会社の体力が無くなってくる。(JR北化させる気なのか、経産省と委員会と活動家は) また、ウェットフィルターを増設することから、ドライベントの為の排気塔は必要はなくなるから建屋毎の排気になるようです。
ホウ酸水の重力落下って、パナのホームベーカリーの具材投入器ではあるまいに、運用圧力を忘れてまんせか?蒸気や熱水が吹き返してきてタンクが破裂、即席ドライベント開放の出来上がりですよ。
投稿: 好実 | 2013年11月28日 (木) 15時13分
コメントの容量に達したみたいで、後30行程ありましたが弾かれました。以後自粛モードに移行します。順番に突っ込んでいきましたから、残りはご自分で調べて訂正してください。>りぼん。さん
失礼しましたm(_ _)m >管理人さん
投稿: 好実 | 2013年11月28日 (木) 15時21分
どうせ、りぼん。さんはノラリクラリとやるばかりだと実戦経験で分かってたので、大人しくしてましたが…。
好実さんのおっしゃる通りですね。
圧力容器や格納容器の厚さなど、それけそ奥の細道。
なにをいっても、糠に釘。話を反らすばかりで、よくまあ続きますね。
根本的に知識が足らないんですよ。
たまたま好実さんが丁寧に書いてくれたので、私のような言葉足らずな人間にはできませんでしたが、あなたは都合が悪くなるとはぐらかして逃げるばかりを延々と繰り返すばかりでしたね。私もかなりウンザリして暴言も吐きましたが、その点はお詫びします。
古い情報はちゃんとアップデートしましょうよ。
好実さん感謝です。
りぼんさん。貴方は私を相当嫌っておいでのようですが、また喧嘩友達でいいじゃないですか。
私の後輩は女川で、連日プラント維持に掛けずりまわってます。
だから 、あなたのような血の通わないコメントには激しい怒りを感じつつ、自重していたんですよ。
今さら喧嘩売る気はないですが、なんなら26日の私のコメントには全く誰も答えませんね。
あなたはどうですか?
投稿: 山形 | 2013年11月28日 (木) 15時50分
全体に少し感情に走りすぎています。
山形さん、あくまでも討論の場ですから、個人的な感情うんぬんをいわれるのは止めた方がいいでしょう。
りぼんさん、確かに論点がぶれていらっしゃいます。お気づきですか。
おおよそ論点は出揃ったと思いますので、論点を整理して、さらに続けたいという方がおられれば、その場合本文を提供しますので、申し出て下さい。
なければいったんこの辺でブレークとします。
投稿: 管理人 | 2013年11月28日 (木) 16時03分
好実さん、
詳細はしりませんが、あまり長いとコメント反映されません。
大事な文章なら、ブログ主に謝って分割されると良いです。
今回のコメントは的確で見事でした!
投稿: 山形 | 2013年11月28日 (木) 16時19分
りぼんさんからの訂正がないようなので追記します。
福島第一原発の圧力容器の母材の厚さは一号機が160mm、2~3号機が140mmで、腐食防止の内張りが5.6mm、5.0mmです。格納容器は約30mm。
また機会があればディスカバリーチャンネルの「大惨事の瞬間19」を観てください。原発で使われている強化コンクリートの頑丈さがわかります。(F-4戦闘機(17トン)をロケットスレッドに乗せて強化コンクリート壁に時速780Kmで衝突させる実験ですが、YouTubeやニコ動では結果を見ることができません。)
あと、同チャンネルの「怪しい伝説」もお勧めです。ある常識が実は映画による虚構の影響で実際には非常識だったりして、実験の様子が楽しめます。特に爆発や衝撃破壊に関しては必見です。(ただし、観る側も内容に合わせた知識や想像力があると楽しめますよ。たまにツッコミ処がありますから。と言っても視聴者のツッコミで後のエピソードで追加実験があったります。)
山形さん。
長いコメントを連続して書き込むと、途中から切れてしまうようです。
女川の後輩の方の努力が無駄にならないことを祈りたいです。
投稿: 好実 | 2013年12月16日 (月) 07時45分
好実さん。私は管理人として、記事本文を使ってかまわないので討論することを呼びかけたのですが、貴兄も含めて返答がありませんでした。
したがって、私としてはこの討論はブレークされたと認識しています。
好実さんのおっしゃる内容は充分に理解できるのですが、あれから半月近くたっての発言はいわば「休戦協定違反」ということになります。
私からのお願いですが、機会を改めていただけないでしょうか。
投稿: 管理人 | 2013年12月16日 (月) 19時17分
管理人さん。
失礼しました。
ログを観ている方への単なる情報の提供という意味しかありません。(コメントに偽情報を上げるだけ上げて、逃げられた状態だったものですから。)
あと、りぼんさんと討論する気はありません。(討論にもなっていないような気もしますが。)
パソ通時代からの経験で、信じたい物だけを信じる方との討論は無意味なことが多く、新たな事実に対しても都合が悪いと評価せず無視を決め込む方が殆どだったものですから敢えてする気はありません。
何度かデータや技術論、実際の運用など自分の知る限りの情報を基に叩き伏せるような事もしましたが、そうい方はほとぼりの醒めるのを待つか、新たにIDを変更して口調を変えて戻ってくるか、別のフォーラムに紛れ込んでいたという方が大半でした。
11月28日までのコメントはりぼんさん宛の返信にはなっていますが、同時にこのコメントを読んでいるかもしれない方へも意識して具体例を上げたりキーワードを加えたりしたつもりです。(りぼんさん宛だけだったら、反証のリンクの山がメインになっていた筈。その方が楽ですから。)
投稿: 好実 | 2013年12月16日 (月) 21時26分
好美さん。
詳しい説明ありがとうございました。私も制御棒挿入方式で酷い勘違いしてましたし(冷や汗ダラダラ)
しかし、ここは自由掲示板ではなく管理人さんの庭先ですので、「ブレーク」と宣言された時点で従うしかありません。
全艦速やかに戦闘を中止して帰還セヨの合図です。
また、お話をお聞きできることがあればと思います。
あなたも、りぼん。さんも御健勝でいて下さい。
また、マークⅠであろうと、女川のように度重なる地震や津波に耐えたものが実在する証明にもなりました。
投稿: 山形 | 2013年12月17日 (火) 10時36分
解説者青山繁晴殿の発言を参考に、Googleで検索し、福島型GE炉は、アメリカ東部から中央部すなわち地震のほとんどない稼働実績しか持っていないことを知りました。凍土壁なんてGEのアドバイス?当然できっこないですな。また、東京湾に1基も原発がないのはなぜ?国民の財産と生命を犠牲にしかしていないものです。知らぬ存ぜぬを決め込む導入当時の関係者に大いに憤りをおぼえます。
投稿: | 2014年6月11日 (水) 22時03分
昨年のコメントに関して訂正です。(2013年11月27日 (水) 15時15分)
と、言っても追伸部分(畜産関係)です。
>>メーカーの次の生産は来年の2月だとか。(有精卵調達の絡みもありますしね。
PED(豚流行性下痢症)のワクチンですが、ベロ細胞を使った培養でした。
現在、PEDワクチンは緊急増産されていますが、安定供給するためにその供給認可は家畜衛生保健所の管理下にあります。(動物薬プロパーからの供給には、農場が保健所に提出した3カ月毎の接種計画書による出荷許可が必要)
問題は、現行のPEDワクチンが発症の低減効果しかない事。(一般の方の為に解説しますが、抗体が無く腸内が安定していない哺乳豚に被害が発生するため、母豚にワクチン接種して初乳による移行抗体で発症低減させるという事です。一般にワクチンによる有効抗体価を得るには1~2週間は必要なため哺乳豚への直接接種では間にあわない。)
また今回の流行に関して、発生初期の農場の位置が飛び飛びであること、且つSPFファームクラスの防疫体制でも侵入を許した事にもあるように侵入経路が不明な事が上げられます。
幾つかの発生原因が上げられいましたが否定され、最終的な有力候補も公的機関による遺伝子検査で否定されました。(しかし、供給側はその使用を代替品に切り換えつつあるという情報もあります。)
さらなる感染拡大を防ぐため、と畜場の防疫体制も(口蹄疫の時よりも)強化されており(入退場時の消毒の強化)、農場側への指導も強化されました(農場の防疫区画への入退場時の消毒や、出荷から帰った際の車両内外及び衣類用具の消毒(洗濯)の徹底の再確認)。(ついでに担当者の消毒洗浄も)
PEDウィルス自体は安価な逆性石鹸で消毒できるレベルなんですが…。
2月には間違いに気がついたのですが、やはり気になるので追加コメントしました。
投稿: 好実 | 2014年6月12日 (木) 06時48分
もう半年も前にブレイクがかかった話題ですが…
名無しさん。青山さんがどう仰ったかは別にして、同形式の福島第二や、もっとも恒常的に地震に襲われる最悪の立地と思われていた女川原発は、同形式ながら無事でしたよ。
この事実を見ずに、GE批判するのは容易いですが、プラントそのものの欠陥では無いことがわかります。
あえて言うならプラントの耐震性ではなく、福島第一建設で、砂岩層を深く掘り込みすぎた点です。あと2~3m高かったら・配電盤とディーゼル発電機が上側にあったら…、おそらく何事も無かったでしょう。
凍土壁云々の記述には、あれほどの規模は世界でも例が無いので、今のところなんともいえませんね。
上手く行ってくれとしか。もし順調に行っても、溢れ出る分は避けられません。
私は青山さんを尊敬してますが、これまで散々議論をまぜかえてきた、エセ科学者やエセジャーナリスト、政治家が山程いましたから、盲信なさらないようにとしか言えません。
投稿: 山形 | 2014年6月12日 (木) 13時50分