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2013年12月 6日 (金)

不機嫌な太陽その1 弱まる太陽活動

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太陽が実は不機嫌に冷め始めているのではないか?、そのような衝撃が世界に走っています。 

皮肉にもまるで地球温暖化対策に関する国際会議COP19に合わせたように、太陽の活動が弱まっていることが観測されました。 

なぜなら、最近の太陽表面は、驚くほど「穏やかな状態」が続いており、黒点の数が20世紀のどの時期よりも少なくなっているからです。 

2008年から始まった観測単位であるサイクル24(第24太陽活動周期)は、過去250年間で観測された最弱なものだからです。(下図 情報通信研究機構)http://www.nict.go.jp/glossary/4otfsk000000k85f.html太陽黒点相対数のグラフ                

※図 2000年から2019年までの太陽黒点相対数のグラフ。2011年以降は赤線で予測値を表示している。(NOAA/SWPC提供) 

太陽活動はほぼ11年の周期で変動していて、1755年から数えて24番目のサイクル(周期)だとされています。この周期は2008年1月から開始したと考えられています。 

サイクル24の活動は、世界の温暖化対策を嘲笑うかのように長期に渡って黒点が観測できない状況が続いていました。
下図をみていただくとNOAA(米国海洋気象庁)の観測データでも、11年から再度活発化トレンドに向かうかと思われた黒点数が、また13年を境にして下降に戻ったことが分かります。
Photo上図 NOAA・ アメリカ海洋気象庁の太陽活動の予測と実際の太陽活動の相違を示したグラフ)
この長い黒点数がない時代は、1645年から1715年の異常に黒点がないマウンダー極小期の再来すら予感させるものでした。
この時期はたまに小さな黒点が現れてもすぐに消滅してしまい、フレア(太陽面で発生する爆発)の現象も微弱でした。
そう、太陽は不機嫌に冷めていたのです。
上のグラフを見れば2002年から低下の一途をたどり、09年には最低の時期を迎えているのが分かります。むしろ、11年以降緩やかに回復基調ですらあります。
このグラフで赤線で描かれているのは、いわば期待値です。

しかし、やっと回復しているのかという微弱な動きが太陽表面で見られています。

宇宙天気情報センターによると、最新の12月5日の観測ではこのような動きが見られています。
・太陽面でCクラスフレアが数回発生し、太陽活動はやや活
・引き続き今後1日間、太陽活動はやや活発
な状態が予想
http://swc.nict.go.jp/datacenter/daily_latestnews.php
さて、今後このサイクル24がどのような動きを見せるのかは、今後数年の観測によらねばなりません。
回復が弱く、そのまま09年より落ち込むことがあるなら、スベンスマルクの予測が正しいということになります。 

彼の「予言」は、いまや世界の定理となってしまった観のある地球温暖化を真っ正面から否定する内容でした。 

地球温暖化の本は掃いて捨てるほどありながら、科学界では高名なヘンリク・スベンスマルクの邦訳は、「不機嫌な太陽」(H・スベンスマルク/N・コールダー・恒星社厚生閣)のみです。

今回手にしているこの本を、温暖化炭酸ガス説批判書として読む人は期待はずれになることでしょう。

実際に地球温暖化に触れた部分は、彼が書いた部分でない8章にわずかに言及されているにすぎません。

スベンスマルクは彼の学説が政治的に利用されることをストイックに避けているように思われます。

彼は実に慎重な、そしてフィル・ジョーンズなどとは違って、非政治的な科学者らしい科学者なのです。 

それは地球温暖化説を唱えるマイケル・マンやフィリップ・ジョーンズとその亜流が、早々と政治的権力と癒着することで自説を万人をして疑うことを許さない「真理」にまで高め上げた態度と対局をなすものです。 

これらの野心満々の政治家的気候学者たちは、スベンスマルクの学説が彼らの説を否定しかねない異物として、「あたかも進入してきた虫けらのように踏みつぶした」のです。

この本の初版が出た同じ2007年に、IPCCは「気候変動の政策立案者用最新概要」を発行します。

これが、今や疑うことを許さない「真理」として世界を覆い尽くしている、本世紀中に気温が数度上昇し、地球規模のカタストロフが起きるというローランド・エメリッヒが好きそうな大予言でした。

フィル・ジョーンズ率いるIPCCは、二酸化炭素のみの影響を過大に評価するために意図的に太陽活動の及ぼす影響は炭酸ガスのわずか7%にすぎないとして切り捨てました。科学の名を借りた暗黒裁判と言ってよいでしょう。

この報告書作成には、スベスマルクの研究にいままで協力した科学者も多く含まれており、したがって彼の説を熟知する立場にあったにかかわらず、スベンスマルク説が「政治的に適切でない」ことに怯えて、次第に彼と距離を置くようになっていきました。

そしてスベンスマルクの燐国ノルウェー議会は、彼ら野心的科学者たちにノーベル平和賞を授与しました。 

自らの学説が、全世界を動かすという科学者の見果てぬ夢の甘露をぞんぶんに味わったことでしょう。 

スベンスマルクはどのような気持ちで彼等の笑みこぼれる様を眺めていたことでしょうか。 

いや、あんがい平静だったのかもしれません。ヘンリク・スベンスマルクとナイジェル・コールダーは、地球温暖化が過度に政治的なテーマとなってしまったために、これに介入することをあえて慎重に避けていきました。 

しかし、彼らの説が討論されることに対して直接の妨害を受けた場合は別だったといいます。 

彼らは、寒冷化することによって特に発展途上国の農業生産において致命的なダメージを与えることを懸念していました。 

そして理由のいかんを問わす 現在なされている温暖化阻止の大号令の下に行われている低炭素化社会実現への努力が、寒冷化に対しても有効であると考えていたからです。 

世界は「間違った理由の下で正しい行為をすることをしていたのかもしれません。 

彼の説によれば、 今後地球は太陽活動の低下傾向が観測されているため、マウンダー極小期のような寒冷期が到来する可能性があると思われます。 

仮に寒冷化となった場合でも、現在進められている低炭素化社会化、つまり化石燃料の節約、資源の有効活用と循環再利用システムの社会的実現は、そのまま有効な処方箋となりえます。

つまり皮肉なことには、誤った原因説であったが、その社会的対策としては誤りではなかったということになります。 

しかし、寒冷化のほうが温暖化よりはるかに恐ろしいのです。 

日本に限って言っても、歴史的な大飢饉は必ず寒冷化によってもたらされています。農業技術が進んだ今でも、寒冷化によって茨城以北の米作は壊滅的な打撃を受けることでしょう。

食物の端をかじっただけで捨てている飽食の時代は終わり、もうひとつの別な時代が始まろうとしているように私には思えてなりません。

ですから私たちが今後なすべきは、炭酸ガスさえ削減できればいいというようなワンイッシュの方向ではなく、寒冷期の農業生産の縮小、生物資源の激変に耐える準備が必要なのです。 

エネルギー源、生物資源、農業資源、人的資源まで含むトータルな地球資源の確保と保全、再利用化が、人類という種が生き延びるためにリアルに必要な時代が来るかもしれません。

そのとき、「国産農産物は高いから輸入品を買う」、「日本農業は盲腸」などと言ってきたツケを日本人はしっかりと払わされるでしょう。 

長い時間をかけて有機農業が蓄積してきた循環型資源利用の知恵と、最新の科学技術の融合がこれほど必要な時代は、今をおいてないはずです。

参考スベンスマルク-雲の神秘HV版-(スベンスマーク)
http://www.youtube.com/watch?v=w_NAeLFLnsY

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