不機嫌な太陽その10 100年先どころか、既にハズれた気候変動予測
1982年から実に30年間NASAゴダード研究所(GISS)の所長として君臨してきたジェームス・ハンセンは、いわば「地球温暖化説の父」とでも称すべき人物です。
彼の88年米国上院での「二酸化炭素が温暖化を起こすのは99%確実だ」という証言によって、一躍温暖化説は時代の寵児になりました。
彼は二酸化炭素を憎むあまり、学者なのに火力発電所建設反対で3回も逮捕されているという「戦う科学者」です。
商売っ気なしで体を張っちゃうってタイプは、 人としては私、けっこう好きなタイプです。
こういう無私のタイプの、しかも天下のゴダード研究所長という重責の学者の証言だから、米国政府を動かすことになったのです。
そのハンセンの手法は、気象をモデル計算して予測する方法でした。
下図の一番上の線が、ゴダード研究所の「二酸化炭素を削減しないままの場合」の予測ラインです。
これによれば2012年は温度上昇が1度とされています。
実はこの図を下にIPCCは、第4次報告書のキモとでもいうべきグラフを作成しています。
超有名なグラフですからご覧になった方も多いはずです。なにかと言うとこのグラフが温暖化の動かぬ証拠のように登場しているはずです。
①世界の平均気温は1906年~2005年の100年間に0.74度上がった。
②20世紀後半から気温の上昇が0.6度あり、その原因は90%の確率で人為的二酸化炭素である。
残念ながら、既にこのIPCCの予測はハズれたことが証明されています。
そのままその下の二番目のラインを見てください。0.4度で、ハンセンの予測値より0.6度も低いことが分かります。
前回で問題が沢山あった地上観測点での計測ですら、もう既にこれだけズレているのがとの分かり頂けるでしょうか。
次にその下三番目の線が衛星の実測です。実はこの衛星は他でもないハンセンのいるNASAが運用しており、11段階の高度に分けて大気の層を観測し続けています。
このうちもっとも地表に近いのが対流圏底層を飛ぶ観測ロケットで、これがもっとも地表温度を都市化と無関係に測定していると思われています。
その観測衛星やロケットの実測数値が下図です。(東京大学渡辺正教授による)
もう一枚南極の衛星による実測グラフを見てみましょう。
以上2枚の観測衛星での観測結果は横ばい、ないしは寒冷化していることがわかります。
100年先どころ、10数年でもうハンセン・IPCC予測はハズれ始めているのです。
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