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2013年12月30日 (月)

仲井真沖縄県知事の苦悩と決断その1  沖縄知事「最後の戦い」と沖縄差別をした金平キャスター

Photo_3
12月27日の仲井真沖縄県知事の記者会見で、本土の著名なジャーナリストであるTBSの金平茂紀元報道部長(「報道特集」キャスター)と、仲井真知事との素で激闘がありました。 

金平キャスターは仲井真知事にこう質問しています。 

「仲井真さんは、日本国民としての常識的な日本語能力をお持ちの方だと思うからお聞きするのだが、公有水面の埋め立ての申請があった場所は県内か、県外か」 

もちろんここで金平氏は、知事が公約である県外を破って埋め立て申請を認可した「違約」を糾弾したいわけです。

ここでうっかり仲井真氏が、「辺野古に埋め立てを認めた」というようなことを言おうものなら、鬼の首でも獲ったように、「違約だ。県民を裏切った責任をとれ」とつなげたかったのでしょう。 

金平さん、仲井真氏は島一番頭が良くて東大工学部に入りました。日本人なのにまるで外国人のようにパスポートを持たされて自国に「留学」に来たのですよ。 

沖縄は、沖縄戦において本土を守る人の壁となり、そしてその後にまた独立を守る「人質」として異民族支配に取り残されたのです。 

それは敗戦国としてやむを得ざる選択だったとしても、同胞を異民族の軍事支配に取り残したのはまぎれもない事実でした。 

その時代を確かに彼は生きてきたのです。 

島に戻って指導者になった彼が、その間どれだけ「沖縄人であることの悲哀」に涙を飲んできたのか、金平氏は分かった上で「知事は日本語が出来ない」と言ったのですか?

私は「沖縄差別」という言葉を安易に使いたくありませんが、これは明瞭に差別的発言です。

沖縄方言が明治以降いかなる扱いを受けてきたのか、沖縄戦においては沖縄方言か故に発生した忌まわしい事件すらあります。

戦中から戦後にかけて生きてきた仲井真氏の世代に対して、「日本語能力」を問うことは、米軍統治下で日本人として扱われなかった沖縄人にたいしての侮辱です。

常日頃ヒューマニズム的報道で知られる金平氏が、今後いかなる対応をするのか注視しています。

また、今回驚かされたのは、これを周囲で聞いていた沖縄タイムスや琉球新報がまったくこの発言をスルーしたことです。常日頃、沖縄差別糾弾を社是にしている両社とも思えません。

目的が正ければ、なにを言ってもいいということでしょうか

もしこれが沖縄防衛局長あたりが同じことを言っていたら、翌日の沖タイあたりの一面には、「防衛局長 沖縄差別発言! 知事は日本語が出来ない」 という巨大活字が踊ったことでしょう。

この両マスコミは「味方」なら、差別発言があっても容認するということなのでしょうか。ずいぶんとご都合主義なことです。

すくなくとも、金平氏は仲井真弘多の孤立無援の「最後の戦い」を理解しようとはしなかったのです。 

反戦イデオロギーで裁断して「公約との整合性」を攻撃しただけです。 

なんと人として薄っぺらいことか。報道という仕事は、野党と同じではありません。現実の中で苦しみもがく人々を伝えることです。 

報道は正義の代弁者ですらありません。矛盾に満ちて、重く生きる人に寄り添うことがその仕事なのではないのでしょうか。 

これに対して知事は簡単にその手に乗るような純情なタマではありませんでした。シラっとして横にいた土木部長に話を振ります。 

県土木建築部長は淡々とした役人声で、「埋め立て申請のあった場所は当然県内でございます」。 

金平氏はこれを聞いて、得たりとばかりに長口舌を振るいます。 

かい摘んで書けば、「県内に埋め立を承認したということは、辺野古移設を認めたことだろう。参院選の時の公約違反だ」ということです。 

仲井真氏はたじろぐ様子も見せず、こう切り返します。 

「だから承認をしましたよ。これは法の手続きに従って承認をしたんです。それで、どこがどうだとおっしゃってるんですか。 ご質問の趣旨が。私もあなた同様に、日本語はあなた並みには持っているつもりですが、ちゃんと質問してください」 

今回の県知事の記者会見は、防衛省が3月22日に提出した公有水面埋立法(公水法)に則った沖縄県知事あて埋立承認申請願書の審査結果を発表しているだけです。 

公水法によれば、県が埋め立てを拒否できるのは、審査で書類の不備や環境保護など工法上の問題点が見つかった場合のみです。 

それ以上、金平氏は県知事になにを望んでいるのでしょうか。 

かつての太田昌秀知事のように米国に乗り込んで、政府頭越しの反戦県外交でもやってほしかったのですか。 

それとも大昔の飛鳥田横浜市長のように基地の前に座り込んでみろとでも。 

まぁ、もうこんなことをやる時代ではないと思いますが、仲井真氏ではなく伊波洋一氏のようなゴリゴリの反基地運動家が当選していたら、そのていどのことはパーフォーマンスでやったでしょうね。 

そしてまったく普天間問題の解決は見えなくなり、永遠に普天間は宅地のど真ん中に存続し続けるのです。 

なんと不毛な!馬鹿な意地の張り合い。 

そして後年、イデオロギーの狭間に落ちた「普天間の悲劇」として22世紀の歴史書に記述されるのかもしれません。 

県知事がする「審査」は、それが知事の政治信条に合致しているかいないかではなく、あくまで申請書類に誤りや偽りがあるか、ないかという行政責任者としての仕事だけです 

どうしてこんな県の書類手続き上の審査に、「政治」を持ち込むことを望むのでしょうか。 

県知事は淡々と書類に偽りがないか、環境保護が適切になされているかを「審査」するだけで、それ以上の権限は与えられてはいないのです。 

仮に、この行政官としての仕事に私情を持ち込むことができるなら、移設容認派知事ならば書類がデタラメで、環境保護も杜撰であっても承認できてしまうわけです。 

そんな恣意的なことで法律を運用されたら困るのは県民です。 

次に仲井真氏は、普天間基地の5年以内の撤去の確約を政府から得たことを高く評価してこう述べています。 

普天間基地がそのまま宜野湾の真ん中にあり続けるということに問題がある。危険だから、日米両政府にも前からそう言ってきて、この危険を減らす、ゼロにするということで安倍晋三首相も菅義偉官房長官と共有できた 

ここで知事は普天間の危険の除去がもっとも大きな政府との確約だったと述べています。これが仲井真氏にとって政府との交渉の最大の収穫だったはずです。 

あの安倍首相との会談のあとに、沖縄一のタフネゴシエーダーが「立派なものを頂いて」という声を発しました。 

安倍首相には普天間問題を解決する強烈な意志があり、最後の戦いと腹を据えた仲井真知事もまた解決の意志をもって会談に臨んだのです。 

このような状況を西欧では、「時の時」というそうです。 

さて、マスコミや野党は、3つの矛盾したことを言っています。 

①普天間は「世界一危険な基地」だから撤去せよ
②辺野古埋め立てに名護市民は反対しているから承認するな
③県外に移設しろ
 

この三つは相互に矛盾していますから、一挙に解決できるような魔法はこの世に存在しません。 

②を拒否すると①が不可能になり、③はどん詰まりの袋小路ですから、①②も同時に不可能になって、結局①が永久固定化するだけです。 

普天間基地のみを切り離して県外に移設することは海兵隊が陸海空の統合運用で成り立つ特殊な部隊編成をしている以上物理的に不可能です。 

普天間飛行場を移設するなら、兵員の駐屯地であるキャンプハンセン、揚陸艦港であるブルービーチ、そして北部訓練場まで一括して移設せねばなりません。 

そんなことが到底無理なのことは、かつて自民党政権時に14年間、そして鳩山政権時にもたっぷりおさらいしたことではありませんか。 

鳩山政権の時の官房長官だった平野氏が「九州ならば可能だ」などと言っているようですが、それが可能だったならばあなたが政権中枢にいた時におやりなさい。 

平野さん、あなたがたの政権の時に北九州だ、いや徳之島だ、いややっぱり辺野古だとさんざん大迷走したあげく、日米関係を破壊し、そのたびごとに仲井真知事に迷惑をかけたのはどこの誰だったのですか。 

もう一回続けます。 

                  .。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。. 

沖縄県知事が埋め立て承認
12月27日 NHKニュース (冒頭写真も同じ)
 

アメリカ軍普天間基地の移設問題を巡って、沖縄県の仲井真知事は、環境保全に万全を期すよう求めたうえで、政府が申請した名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認し、沖縄防衛局に通知しました。 

アメリカ軍普天間基地の移設問題を巡って、沖縄県の仲井真知事は、政府が日米合意に基づいて申請した名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認し、27日午前、沖縄防衛局に通知しました。 

この中で仲井真知事は、埋め立てる沿岸部の環境保全を巡って、有識者から成る環境監視委員会を設けるとともに、外来生物の侵入を防ぐ対策や、ジュゴン、ウミガメなどの海洋生物の保護に万全を期すことなどを求めたうえで、承認するとしています。 

そして仲井真知事は、計画に反対している地元・名護市の稲嶺市長に埋め立てを承認したことを電話で伝えたのに対し、稲嶺市長は「非常に残念だ」と述べたということです。 

仲井真知事は午後3時から記者会見を開き、埋め立てを承認した理由について、申請内容に法律上の不備が見つからなかったうえ、25日の安倍総理大臣との会談で、普天間基地が移設されるまでの間も政府が責任を持って危険性の除去に取り組むことが確認できたなどと、説明するものとみられます。 

その一方で仲井真知事は、地元の反対が根強いなか、計画を予定どおり進めるのは困難だという認識に変わりはないとして、県外への移設は求め続ける方針も併せて示し、県民に理解を求めることにしています。 

移転推進派が知事の承認支持 

沖縄県の仲井真知事が埋め立て申請を承認したことを受けて、普天間基地の名護市辺野古への移設推進を訴える沖縄選出の国会議員や企業などで作るグループが、27日、沖縄県庁で記者会見を開きました。 

この中で、グループの中地昌平会長は「今の日本には日米同盟が必要だ。同盟を維持するためには、両政府が合意した辺野古への移設を進める必要がある」と述べ、仲井真知事の承認の判断を支持し、基地の早期移設を実現すべきだと訴えました。 

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コメント

もう…
金平も、あの仲井真知事に禅問答しかけて言いくるめられるつもりだったのかっての。

質問になっていないあたりも、先日のホワイトハウスの韓国記者のようなしつこさでしたね。

仲井真知事、身体悪そうだけどあちこちから叩かれて大変だなあ。他人にとやかく言われなくても、ご本人が「苦渋の決断」だったと最も感じているはずでしょう。

共産党からは札びらで叩かれたとか、鳩山からは「民意への裏切り」だとか…鳩山よ、どんだけデカいギロチンブーメランを投げているんだ(苦笑)

テレビを見ていて、仲井真知事の切り返しの巧みに感心しました。
そもそも、ジャーナリストごときが、知事に向かって「日本語が分かるなら・・・」的な発言自体失礼にもほどがあります。

今回の事も、民主党の耳触りの良い事を言ったツケが回ってきたにすぎません。
最低でも県外・・・の期待が大きかっただけに、影響はこれからも継続するのでしょう。
鳩・管の名前を見たり聞いたりするだけで、腹が立つ人は少なくないと思います。


コメント欄をお借りして・・・・
管理人様、今年も様々な情報を頂き感謝申し上げます。
継続は力なり・・とは言え、継続と共に毎回深い内容で読み解くのに苦労させられますが、その御苦労は並々ならぬものがあると思います。今だ無くならない風評被害との戦いの中で、本当にお疲れ様でした。

今年もいよいよ1.5日を残すところとなりました。
お身体御自愛頂き、来年もよろしくお願いします。

2013年1月1日~12月31日、沖縄タイムスのオピニオン面に掲載された一般投稿は計2323本(「主張、意見」1557本、「論壇、寄稿」409本、「茶のみ話」357本)です。

投稿者年齢別の投稿数
10代  29  1.2%
20代  25  1.1%
30代 127  5.5%
40代 238 10.2%
50代 216  9.3%
60代 730 31.4%
70代 710 30.6%
80代以上 239 10.3%
記載なし    9  0.4%

平均年齢は63.8歳、中央値は68歳、標準偏差は15.1。
10回以上掲載された人は、54人です。

掲載回数の多い方(敬称略)
第1位 渡真利善朋(45)豊見城市 41回
第2位 高安哲夫 (41)那覇市  38回
第3位 知念勇一 (72)嘉手納町 36回
第4位 仲村直樹 (42)宜野湾市 34回
第5位 阿部仁  (31)大阪市  33回
第6位 比嘉寛  (83)那覇市  32回
第7位 岸本定政 (66)糸満市  30回
第8位 幸地忍  (69)八重瀬町 28回
第8位 町田宗順 (72)沖縄市  28回
第10位 山根光正(69)那覇市  27回
第11位 池辺賢児(36)宜野座村 25回
第11位 上治修 (50)福岡市  25回
第11位 鳩間用吉(75)那覇市  25回
第14位 大嶺よし子(69)豊見城市24回
第15位 長濱清信(76)うるま市 23回
第16位 前田孝信(77)那覇市  22回
第17位 瀬良垣宏明(73)那覇市 21回
第17位 知念正行(75)伊江村  21回
第19位 田場ヨシ子(70)那覇市 19回
第19位 長浜ヨシ(86)読谷村  19回
第19位 宮平亀一(94)西原町  19回


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