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2013年12月20日 (金)

不機嫌な太陽その11 限りなくクロに近いグレイ・クライゲート事件

049
やや憂鬱ですが、やはり地球温暖化問題を語る時にはクライメートゲート事件に触れないわけにはいかないでしょう。

実を言うと、この事件の醜悪な科学界の内幕を見て、私はもう地球温暖化問題には触れまい内心思っていました。

今回、太陽黒点活動がいよいよ衰え、本格的に寒冷化が危惧される事態にならなければ、私はこの問題を封印したままだったと思います。

皆さん、クライメートゲート事件をご存じでしょうか?

おそらくもはや忘れ去られているか、そもそもそのような事件があったことすらわが国の人間は知らないかもしれません。

欧米では特番ができるような大事件であったにもかかわらず、わが国マスコミは完璧にスルーしました。

ところで、私はIPCCは、「科学界の革命政権」のようなものだと思っています。

それまでの科学界では、気候変動には自然的原因の周期があり、温暖化と寒冷化を繰り返しているのが共通認識でした。

それを彼らは一挙に、そして徹底的にひっくり返し、人為的炭酸ガスのみが気候変動の主犯であるという革命宣言を行いました。

今まで副次的要因と見られてきた人為的二酸化炭素を、一挙にそれこそが主要原因であって、他は無視してかまわないとまで主張しました。

今まで最大の気候変動の要因と考えられてきた太陽活動すらも、「二酸化炭素ガスの7%ていどの効果しかない」とまで切り捨てられたのです。

この説を裏付けたのが、マイクル・マンの有名なホッケースティック曲線です。

下の流出したジョーンズ教授のメールで、Dear Mikeと呼びかけているのがこの人です。

彼が作ったこのグラフは、薄青部分までが統計における解析誤差範囲なのですが、そのように一般国民には説明されていませんでした。

そのために現在このグラフは大きな批判を受けて、多数のラインがスパデッティ状のものにものに変更されています。PhotoIPCCはつまるところ、この疑似科学まがいの曲線を護持するための盟約集団のようなものです。

そして二酸化炭素を削減しなければ100年先まで気温上昇はとどまることなく進行し続け、ハルマゲドンのような破局をもたらすという革命綱領を全人類に押しつけました

「押しつけた」という言い方が穏当でないなら、同調圧力で浸透させたとでもいったらいいのでしょうか。わが国は福島事故が起きるまで、環境問題といえばこれ一色でした。

当時、地球温暖化に懐疑的意見を述べるとなんと言われたかご存じですか?

なんと懐疑論者は、「人類の敵」「石油資本の手先」「陰謀論者」呼ばわりされたのです。これではまるで中世の異端審問です!

事実、後に暴露されるジョーンズ教授のメールには、たとえば異説の論文に対して査読を自説関係者で固めて落とす、気象専門誌に自説のスタッフを送り込むなどのあからさまな異説に対する妨害行為がいくつもでてきます。

それに危機感を感じた科学者やジャーナリストは多数いて、米国では懐疑派のネットワークが存在して活発に活動していました。

そのひとりの米国在住のある国立研究機関の科学者から、私はそうとうに突っ込んだ情報を得ていました。まるで地下抵抗運動のようです。

そのような状況の中で、人為説的温暖化派に決定的ダメージを与える爆弾としてこのクライメート事件が発生したのです。

おそらくは、この異説を一切許さないIPCCの一元支配に怒りを感じた者の行為であったと思われます。

当時私は、この事件がきっかけで、温暖化論者と懐疑派の科学者との公開討論が行われることを望んでいましたが、甘かったようです。

もし、IPCCが公正な科学者集団ならば、多数存在する自然変動系の科学者と、公に開かれた場所で討論をするべきでした。

米国3大ネットは何回もこの事件を大々的に取り上げていましたから、喜んで場を提供したでしょう。

もちろんIPCCは、そのようなものの開催は念頭にもよぎらず、いまや各国政府を動かせるほど強大化した全政治力を動員して疑惑の消火につとめました。

この事件にたじろいだIPCCは、一時的混乱からすぐさま立ち直ると、既に巨額の予算が執行されている二酸化炭素削減事業を中止するわけにはいかない英国政府下院といくつかの大学に調査を依頼し報告書を作成しました。

これでは利害関係者の仲間うちで調査をしたことになります。

そして調査委はこう述べています。

「CRUの科学研究には不正は認められない。事件に関して不当な批判が寄せられているとし、パネルは批判者を逆に批判した。」(Wikipedia)

まるで、尖閣中国船衝突事件で、当時の民主党政権の仙石官房長官が、あたかも悪者は流出させた者の方で、犯人を草の根を分けても探し出すと、なにが問題の本質なのかわからないことをのたまうたのと酷似しています。

まさに絵に描いたような、うんざりする政治的幕引きというやつです。

さて、もう少し事件の中身を見てみましょう。

この事件は、2009年11月にIPCCの総本山とでも言うべきイースト・アングリア大学のCRU(気象リサーチ・ユニット)から、大量にデーターやメール類が流出しネット上にながれたことから始まりました。

その中には、IPCCの評価報告書の気象変動の執筆者であるフィル・ジョーンズ教授のメールが大量に含まれていたために大騒ぎになりました。

内容は驚くべきことには、IPCCの中心的教授が気象データを、温暖化説にとって都合よく改竄していたというものでした。

その内容は、ジョーンズ教授たちかデータを改竄して、寒冷化に向うデータを削除していたことを疑わせるものでした。(欄外資料2参照)

このメールの中でジョーンズ教授は、こう言っています。

adding in the real temps to each series for the last 20 years (ie from 1981 onwards) amd from 1961 for Keith's to hide the decline.

「1981年からの過去20年間と、キースの1961年以降の20年間のものに、実測気温に加味して降下を隠す処理をやっとやり遂げたよ

なぜかこの事件の検証報告書ではtrickという言葉ばかりにばかり焦点が当てられ、この文の後段にある「(気温)効果を隠す処理」という部分にはなぜかメスが入りませんでした。

しかし、言うのも愚かですが、このメールの肝はtrickにあるのではなく、データ改竄をしたことをほのめかす部分にあります。

trickが科学者仲間のスラングであろうとなかろうとどうでもいいことです。

その上、大量に流出したメールの中には、データ改竄処理を行ったプログラムのスクリプトまでがあるのです。 

yrloc=[1400,findgen(19)*5.+1904]
valadj=[0.,0.,0.,0.,0.,-0.1,-0.25,-0.3,0.,-0.1,0.3,0.8,1.2,1.7,2.5,2.6,2.6,2.6,2.6,2.6]*0.75
 

これはこのジョーンズ教授の流出メールにも登場するCRU副所長キース・バリッファ教授が20世紀の気温をグラフ化する際に使っていたスクリプトの一部です。

これを分析した専門家によれば、以下のデータ改竄をしています。

・ 1行目で1904~94年を5年ずつに区切り、各区間の気温(実測値)に2行目の数字を加算

・1904~24年は加算なし
・1929~49年は温暖期なので
温度を差し引いて低く見せる
・その後は徐々に気温を底上げする
・1979年以降は1.95度も加算している

この流出したメールには、イースト・アングリア大学のプログラマー「ハリー氏」の悲鳴に似た叫びが残されています。

彼は、尊敬するジョーンズ先生の言われるままにデータをインプットしている途中でとんでもないことに気がついてしまったようです。

「何てこった!(CRUの)データーベースには何百というダミーの気象観測ステーションが登録されている。しかも同じステーションのデータがあちこちに何度もコピーされている。ファック!」

そしてこのハリー氏(たぶん大学院生だと思われます)がプログラミングしていた気象観測データを提供していた出所のひとつが、アメリカ海洋大気圏局(NOAA)という世界最大の気象観測機関だったことから、いっそう事は重大になってきました。

英国のジョーンズ教授が、米国NOAAのデータを管理できるのは、彼がNOAAの「データ保管・公開に関する常置委員会」の委員だったからです。

つまりこのハリー氏は、NOAAが偽物の気象観測ステーションを登録したり、同じ観測ステーションのデータをコピーして使い回ししたりしている改竄を知ってしまったことになります。

NOAAは、米国のみならず、世界各地に気象観測ステーションを持っており、地球規模の気象観測データを収拾していました。

とすると、私達は恐ろしい想像に行き着きます。

もし仮に世界の気象の原データが改竄されているおり、なおかつ、それを下に気象変動を分析していたイギリスのCRUが更に地球温暖化説を証明するために、データを切り刻んでいたとするのならば・・・。

これらを根拠として書かれたIPCCの評価報告書にある地球規模の温暖化は偽りであった可能性が出るのです。

ジョーンズ教授は、情報公開法でデータを開示するくらいてら廃棄すると脅し、現に流出が発覚するやいなや原データを廃棄してしまったのですから。

いずれにしても、事件の多くはもはや闇の中です。IPCCの護教は勝利したかにみえます。

しかし、彼らのふるまいにもかかわらず、21世紀に入って世界の気象は上昇しておらず、太陽黒点活動は活動が非常に弱まっています。

したがって、あと数年の気象を見れば、なにが正しかったのか自ずと分るはずです。

               。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚

■資料1 Wikipedia「気候研究ユニット・メール流出事件」より引用

2010年3月、英国議会庶民院(下院)は調査報告書を発表した。メールに見られたtrickなどの口語は事実を歪めるような企みを意味するものでは無く、またジョーンズが査読プロセスの妨害を図る内容も無かったと指摘している。
またジョーンズが当初データの開示要求を中傷と見なし、開示を拒んだことは理解できると指摘する一方、UEAが事態の収束のためにより速やかに公開を進めるべきであったとも指摘している。
またデータそのものの正当性の判断に関して、報告書は下述のOxburgh卿の率いる評価パネルに判断を委ねた。

2010年4月14日、Ronald Oxburgh卿の率いる科学評価パネルは、CRUの科学研究には不正は認められないと報告した。同時に、事件に関して不当な批判が寄せられているとし、パネルは批判者を逆に批判した。

※このWikipedia記事は中立を装っていますが、あきらかに温暖化説論者が執筆したもので、公正性に疑問があります。

■資料2 流出したメールの一部

From: Phil Jones
To: ray bradley ,mann@virginia.edu, mhughes@ltrr.arizona.edu
Subject: Diagram for WMO Statement
Date: Tue, 16 Nov 1999 13:31:15 +0000
Cc: k.briffa@uea.ac.uk,t.osborn@uea.ac.uk

Dear Ray, Mike and Malcolm,
Once Tim's got a diagram here we'll send that either later today or first thing tomorrow. I've just completed Mike's Nature trick of adding in the real temps to each series for the last 20 years (ie from 1981 onwards) amd from 1961 for Keith's to hide the decline. Mike's series got the annual land and marine values while the other two got April-Sept for NH land N of 20N. The latter two are real for 1999, while the estimate for 1999 for NH combined is +0.44C wrt 61-90. The Global estimate for 1999 with data through Oct is +0.35C cf. 0.57 for 1998. Thanks for the comments, Ray.

Cheers
Phil

マイクが「ネーチャー」(※科学誌)に出したものに1981年からの過去20年間と、キースの1961年以降の20年間のものに、実測気温に加味して降下を隠す処理をやっとやり遂げたよ。
マイクのは北半球の年間の陸地と海洋の数値で、ほかの2つは北半球の北緯20度までの陸地。後者2つは1999年が実測、対して1999年の北半球の合算推定値は61年から90年を参照してプラス0.44度。1999年の10月までの通しの北半球推定気温は1998年の0.57度を参照してプラス0.35度になった。

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