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2013年12月 3日 (火)

もっとも有望なロシアからの天然ガスの行方

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天然ガスは、液化する手間とコストがいらず、搬送にも有利であるのですが、産出国とパイプラインがないと供給してもらえません

世界最大の産出国はダントツでロシアで、海を隔ててシベリアやサハリンという大産地がありますが、海底パイプラインという難点があります。

そして何より今までロシア(旧ソ連)とのパイプライン敷設が遅れていたのは、政治的問題です。

はっきり言って、近現代史の中でロシアは一貫してわが国の脅威でした。

そして悪いことには、ロシアはエネルギーを外交戦略に使うことで有名なのだから困ったものです。

不用意に依存度が高くなるといったん政治的にもめると、「じゃあ、パイプラインのコック締めるからね」と言う国なのです。

現に2009年1月、ロシアは領土紛争が起きたウクライナ相手にパイプライン閉鎖をやっていますので油断なりません。

この時は、ウクライナ経由で貰っていた先のヨーロッパ諸国まで止まったために大騒ぎになりました。

「紛争は長期にわたり、供給が完全に止まった国は東・南欧7ヵ国、供給減少を含め被害を受けた国は計17ヵ国と、過去に例を見ない大騒動に発展した。」(週刊ダイヤモンド09年1月26日)http://diamond.jp/articles/-/5825

こんなこともあって、東欧圏などは、エネルギーをロシアに依存するのがイヤだからあえて原発を選択するという国も多いのです。

しかし近年、プーチン大統領は欧州市場の手詰まりと、米国のシェールガス革命を受けてアジアへの原油輸出を拡大する大号令をかけました。(資料4参照)

足元を見たドイツは真っ先にロシアをねぎり倒しました。あの国もやりますなぁ。

日本にも積極的売り込みをかけており、かつての冷戦期と違い政治的にも国防・外務の2+2会談が開かれるなど良好な二国間関係に向っていますから、あんがい新展開もありえるかもしれない情勢です。

その場合、サハリンからは直接に北海道北部へ東シベリアからは新潟に海底パイプラインを敷設することが想定されています。(下図 資源エネルギー庁)

Photo_4

現在、ロシア産原油・天然ガスは中国・韓国との競合関係にあります。下図をみれば、残念ながら、ロシアの天然ガスパイプラインは西へ西へとしか向いていないのがわかりますね。

「化学業界の話題」(12年12月27日)によれば(上図同じ 欄外資料2参照)、このような状況のようです。

・東シベリア産の原油を極東に輸送する東シベリア太平洋石油パイプライン(ESPO)全長4740キロメートルの施設が完成した。これの主要供給先は中国である。

・中国は2009年2月、ロシアとの間で政府間協定を結んだ。中国開発銀行はロシア国営石油会社 Rosneft に150億ドル融資し、見返りにRosneft は2011年から20年間、毎年15百万トンの原油の供給を行い、東シベリア太平洋パイプラインを中国に延長する。

・CNPC(中国石油天然気集団※参照)、ロシアからの原油用に遼陽市の製油所を拡大。

一方わが国は、JOGMEC (独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が2010年10月、ロシアのイルクーツク石油と共同でセベロ・モジンスキー鉱区で可採埋蔵量が1億1000万バレルと想定される大規模油田の試掘に成功したと発表しました。
(欄外資料3参照)

これを読む限りわが国も一角に食い込もうと苦労しているのですが、中国に周回で負けています。

古澤襄元共同通信記者によれば、その遠因のひとつに田中角栄氏の勘違いがあると言われています。

病的親中派だった角栄さんは、中国に入れ込むあまり、「ロシア原油は硫黄分が多くて使い物にならない。これからは低硫黄で品質が高い中国原油の時代だ」という情報を流しました。

それを当時の自民党最大派閥の田中派が、多くの新聞やテレビに耳打ちし、日本での定説になってしまったそうです。

もちろんこれは田中氏が中国側要人から言われたことをおうむ返ししただけのことて、いっさいの科学的根拠はなく、実際にソ連崩壊後にシベリアのタイシェットなどの鉱区を米国石油企業が調査したところ良質な低硫黄品質だったそうです。

なんのことはない角栄派閥が流したこのロシア油田の風評は、大慶油田を日本に売り込みもうとした中国の謀略にまんまと引っかかっただけというのが真相のようです。

この角栄氏のミスリードのためにわが国は十数年にわたって、ロシア産原油・天然ガス取引が遅れてしまったそうです。

それはさておき、北方四島問題を、天然ガス油田などのシベリア開発と外交パッケーシで解決できれば、わが国にとっても意味がある話です。

佐藤優氏によれば、ロシア外交は、ひとつひとつの案件を個別に交渉するより、ドンっとまとめて一括交渉するほうが有利だとのことです。

つまり、北方四島などは、言ってはナンですが、もう何十年も交渉しても進展がないわけです。

少し進んだと思うと、ロシアや日本の政権が替わっただけでふん詰まるということを何度も続けてきました。

ならば、珍しくもロシア側から秋波を送り、日本も政権が安定している今が懸案解決の潮目ではないかというわけです。

この時に北方四島一括返還という原則ばかり言っていてもしかたがないので、領有権だけはキッチリ全島にあることを認めさせた上で二分割で施政権返還をしてもらうほうがいいのではないかというのが佐藤氏の意見のようです。

そして天然ガス開発や、パイプライン事業については、シベリア開発とパッケージで協力していくという考えです。

特に、今後おそらくは5年以上かけても、原発は3.11前の半数の稼働が精一杯だと思われます。

だとするなら、その間いかに代替エネルギーを確保するのか具体的に回答を与える必要があります。

おそらく政府は、ロシアの天然ガスパイプライン計画を真剣に検討していると思われます。

中国石油天然気集団公司
中華人民共和国の国有企業であり、原油天然ガスの生産と供給、および石油化学工業製品の生産・販売において中国最大の規模を誇る会社である。新セブンシスターズの一社でもある。(Wikipedia)

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■資料1 東シベリア原油パイプラインが全線で開通
日経新聞 12年12月25日
 

【モスクワ=金子夏樹】ロシアは日本などアジア・太平洋諸国への原油輸出を拡大する。25日、東シベリア太平洋石油パイプライン(ESPO)が極東ナホトカ近郊までの全線で稼働した。年間の輸送能力は従来の鉄道輸送に比べ2倍の3000万トンとなる。アジアでの需要拡大をにらみ、中期的に5000万トンまで増やす計画だ。 

 プーチン大統領は25日「ロシア極東のインフラが持つ可能性を飛躍的に高める」と語り、アジアへの原油輸出を拡大する方針を強調した。

 東シベリア産の原油を極東に輸送するESPOは全長4740キロメートル。東シベリアのタイシェトと中間地点のスコボロジノをつなぐ区間が2009年末に稼働し、原油輸送を開始。このほどスコボロジノとコズミノ港を結ぶ第2期工事が完了し、25日に稼働した。 

輸出ターミナルとなるナホトカ近郊のコズミノ港では、タンカーへの原油積み替え設備などを備えた埠頭を整備した。 

 東シベリア産原油は低硫黄で品質が高く、アジアや米国で需要が高まっている。コズミノ港からの今年の輸出量は、輸出能力最大の1600万トンに達する見通し。輸出先では日本がシェア首位の3割を占め、中国などが続く。日本の輸入量は東日本大震災で減少した昨年から一転、昨年比5割増の450万トンを上回る可能性が高い。 

 日本の原油輸入の中東依存率は約8割と依然として高く、調達先の多様化が急務となっている。ロシアからの輸入比率は約7%にとどまり、拡大の余地がある。 

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は6月、東シベリアの油田をロシア国営石油大手ガスプロムネフチと共同開発することで合意した。10年代後半からの生産を見込み、ESPO経由で原油を日本に輸出する検討を進める。 

 債務危機などで欧州向けの資源輸出は減少しており、ロシアは輸出先としてアジアを重視している。ロシアは9月、極東ウラジオストクでアジア太平洋経済協力会議(APEC)を開催し、アジアシフトの姿勢を鮮明にした。コズミノ港から3000万トンの輸出が始まれば、ロシア全体の輸出量の約1割を占める。

■資料2 「化学業界の話題」(12年12月27日)
http://blog.knak.jp/2012/12/post-1185.html

東シベリア産の原油を極東に輸送する東シベリア太平洋石油パイプライン(ESPO)は全長4740キロメートル。

東シベリアのタイシェトと中間地点のスコヴォロディノをつなぐ区間が先に完成したが、ここから中国の大慶を結ぶパイプラインが2009年末に完成し、2011年1月1日から、同パイプラインを通して年間1500万トンの原油がロシアから中国に供給されている。

中国は2009年2月、ロシアとの間で政府間協定を結んだ。

中国開発銀行がロシア国営石油会社 Rosneft に150億ドル、東シベリア太平洋パイプラインを運営するTransneftに100億ドルを低利で融資する見返りに、Rosneft は2011年から20年間、毎年15百万トンの原油の供給を行い、Transneftはパイプラインを中国に延長する。

CNPCは2009年7月、ロシアからの原油処理のため、遼陽市の製油所の拡大(11%) を開始したと発表した。2009/7/22  CNPC、ロシアからの原油用に遼陽市の製油所を拡大

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は2010年10月、ロシアのイルクーツク石油と共同で探鉱調査を行っているイルクーツク州北部のセベロ・モグジンスキー(Severo-Mogdinsky) 鉱区で可採埋蔵量が1億1000万バレルと想定される大規模油田の試掘に成功したと発表した。

■資料3 「化学業界の話題」(2010年10月25日)
石油天然ガス・金属鉱物資源機構、東シベリアで大規模油田を確認

JOGMECは2012年6月、東シベリアの油田を、ガスプロム・ネフチと共同開発すると発表した。イルクーツク州北部に位置するイグニャリンスキー鉱区で、埋蔵量1億バレル級の中規模油田。2013年末までに地質調査や試掘などを行い、2010年代後半から日量数万バレルの生産を見込んでいる。将来的に日本企業が49%の権益を獲得する。

同油田から採掘した原油は、東シベリア太平洋石油パイプラインでコズミノまで運び、日本に輸送する。

■資料4 ロシア下院、LNG輸出自由化法案を承認
ロイター 2013年 11月 16日

[モスクワ 15日 ロイター] - ロシア下院は15日、液化天然ガス(LNG)輸出自由化法案を賛成多数で承認した。同案は今後、速やかに議会を通過する見通し、プーチン大統領の署名を経て、来年1月にも成立する可能性がある。

法案が成立すれば、これまでLNG輸出を独占したきた政府系のガスプロム だけでなく、独立系のノバテク や国営ロスネフチ にもLNG輸出が認められる。ただしタンカーで輸送される過冷却LNGが対象となる。

米国ではシェールガス生産の拡大で天然ガス価格が下落しており、ロシアの天然ガス会社はより高価格での販売が見込める日本などへの輸出拡大を目指している。

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