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2013年12月27日 (金)

不機嫌な太陽その12 地球温度の今後を占うグリーンランド海域

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地球の気象は複雑な要因で変動しています。

私は人為的二酸化炭素説もまったくの間違いだとは思いませんが、それ以上に大きく地球気候に影響するのは、太陽黒点活動、宇宙線、ミランコビッチ・サイクル、そして海流と大気との関係などだと思っています。

海流や太陽黒点、宇宙線といった自然環境的の要素と人為的だとされる炭酸ガスの温室効果との綱引きで、地球気温は決定されているのではないでしょうか。

ところがIPCCがなにかにつけ二酸化炭酸ガスのことしか言わなかったり、自然的要因を「二酸化炭素のわずか7%ていどの影響しかない」というような過少評価するのが問題だと思っています。 

ところが、地球学の本をひもとけば分かるように、大気、海流、海氷の変化・変動は周期的に起きています。 

特に世界の海の温度を決定しているのは、北大西洋北部・グりーンランド近辺の水温なのです。
(図 独立行政法人海洋研究開発機構 ・JAMSTEC 中村元隆「北半球の気候変動要因の解明 グリーンランド海の急激な変化がもたらした北半球の気候変化」より)

グリーンランド海は北極海に最も近い海

上の図はプレスリリース版のジュニア版でたいへん分かりやすいので、こちらを転移させていただきましたが、これをみると大西洋からの温かいメキシコ湾流が北上して、グリーンランド東側のフラム海峡から北極海に流れ込んでいるのが分かります。 

このグリーンランド海は、世界の海の温度の大元締めです。ここから流れ出た海流がぐるりと地球全体を循環して、地球全体の海水温を決定するのです。 

専門用語で「全地球規模熱塩(ねつえん)循環流」という長い名前がついています。 

この全地球規模熱塩循環流は、熱帯、亜熱帯の温かいメキシコ湾流が、グリーンランド海から北極海に行く間に急激に冷やされて深層に沈みこみます。 

そしてそのまま、海底付近を這うようにして大西洋を南下し、今度は南極付近の海の深層流と合流して、インド洋と太平洋に流れ込むそうです。(図 同)

大西洋を起源とする全球規模の熱塩循環流

この地球規模の海流の循環で、地球気象で重要なのは「大西洋熱塩循環還流」といって、グリーンランド海とラブラドル海で沈みこんだ後に低緯度に向かって進み熱帯・亜熱帯域でわきあがる大西洋だけの流れです。 

上の図の中央左の青線です。 

これが30年から40年ごとに寒冷化と温暖化を繰り返す「振動」と呼ばれる自然現象を引き起こしています。 

この場合の振動とは、私達が使う地震などの震動ではなく、周期的な海流の方向、風の流れ、温度などの繰り返しのことだそうで、「大西洋数十年規模振動」というこれまた長い名前がついています。 

この周期に従って、北半球では1940~70年代が寒冷期、1980年代から2010年代までが温暖期となっています。 

ということは1980年代を起点とする温暖期は既に30年以上経過しており、寒冷期に向かわねばならないことになります。 

この周期的な「大西洋数十年規模振動」の動向が分かれば、今後の気温変動を予測することが可能なわけです。 

この大西洋振動以外にも、気象、気候には多くの「振動」的現象があります。 

太平洋のエル・ニーニョ現象、ラ・ニーニャ現象、北極振動、そして「北大西洋振動」などがあります。 

ゴア氏の「不都合な真実」が評判だった時によく言われた北極海の氷が解けだす現象も、、赤祖父俊一氏などの手練の北極圏観測者にいわせれば、このよう振動、あるいは準振動による変化の範囲内だそうです。 

長くなりましたので明日に続けます。

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コメント

図表でわかるように、海流大循環は、まさに地球の大動脈の如しですね。
15年も前のNスペ年間シリーズ「海」で、すでに詳しく解説されていたのに、「温暖化」「CO2削減」の大合唱の中で埋もれていきました。

東北に住む私個人の感想としても、79~80年の豪雪(川崎市さんからブル31台もの支援を受けました)の後、大概は暖冬続きで「あれぇ、子供の頃みたいに大雪積もらないねえ」と。
冬場は工事がストップするので除雪が生業になる地元土建屋が困ってしまい、除雪車出動基準を自治体が半分に下げたほど。

ところがここ3年ほどは凄い呆れるようなドカ雪続きです。
しかも90年代後半から今世紀にかけての公共工事の急激な削減で廃業した中小業者が多い上に震災で応援に出ているので、圧倒的にマンパワーも機材も足りない。その間に過疎化と高齢化は進むばかりで…。

というのが実態です。

全てが海流や太陽活動の低下だなどとは申しませんが、寒冷化の兆候ではないのか?と。

逆に夏場はこのところ異常に暑いんですが…。これも海流大循環の影響でほぼ説明がつくのではと。

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