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不機嫌な太陽その8 ドッコイ滅びぬ、ホッキョクグマ

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COP(地球温暖化締結国会議)か開かれるたびに、お決まりのように新聞はこのような詠嘆調の社説を書きます。 

「COPは先進諸国が、自国の利害だけ考えて失敗に終わった。南太平洋の島々が沈もうと、ホッキョクグマが絶滅しようとも、自分たちの国の経済が守れればいいのか」 

そして今に至るも、「ホッキョクグマが飢えのあまりコグマを食べた」という怪情報が飛び回ったりしていて、いっこうに下火になる様子もありません。 (※雄熊は繁殖期に雌が産んだ他の雄の小熊を殺すことがあります。)

「ニューズウィーク」最新号(12.17)でも、あの気候マフィアの頭目格ピーター・ワダムス教授が、「2015年には北極海の氷が皆溶ける」などとのたまうていました。 

おいおい、ワダムスさん、2015年というとあと実質1年ですが、むしろ北極圏の氷はこの1年で60%拡大しているのですが。これが皆溶けてなくなるとでも。 

先日来、北極には強烈な寒気団が鎮座して、エジプトやイスラエルにも雪を降らせました。(画像NASAによる) 

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地球温暖化の危機を叫ぶことと、事実かどうか疑わしい言説をその傍証に使うこととは、まったく別次元なはずです。 

私たち大部分の気象学の素人にとって、大気圏における二酸化炭素濃度と気温との相関関係、太陽の黒点変化と地球の気温変化との関連などと言われても、正直その気象データの読み方もよく分かりません。 

私たちが心動かされたのは、アル・ゴア氏が「不都合な真実」で紹介した北極で溺れるホッキョクグマの姿、北極の轟音をたてて大きく崩れる氷河、永久凍土の上で溶けて傾いだ家、毎年後退するキリマンジェロの冠雪などといったセンセーショナルで素人でも分かりやすい絵でした。 

これらの「不都合な真実」は、残念ながら前の回で触れたようにほぼすべて捏造か歪曲、ないしは誇張です。 

しかし、それを知ってか知らずか、マスメディアはその「」を煽りました。そして国際世論が出来上がっていったのです。このような手法を印象操作といいます。

論理ではなく、ぱっと見た目の分かりやすい画像をなどを使うことで、見る人を支配することです。

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さて、この写真はアル・ゴア氏の「不都合な真実」の中にある有名な写真です。 

アラスカ沖で砕氷船から撮られたもので、たぶんこのホッキョクグマの2頭の生存は厳しいだろうなと哀しい気持にさせられます。 

そしてこれがCO2の増大による地球温暖化説の証拠の一枚として人の心を大きく揺さぶりました。 

ゴア氏の「「不都合な真実」にはこうあります。 

「1970年代、北極の氷冠はかなりのスピードで縮小をし始めました。これは、ホッキョクグマにとっては悪い知らせです。ホッキョクグマはアザラシを追って氷盤から氷盤へと移っていきます。 

多くの氷が溶けてしまったために、クマたちはこれまでよりもずっと長い距離を泳がなくてはならなくなりました。

次の氷盤にたどりつく前に、おぼれ死んでしまうホッキョクグマもでてきたのです。こんなことはこれまでなかったことです」(「不都合な真実」P86:87) 

私は動物が好きなので、このテの報道には極端に弱いので、湾岸戦争時のイラク軍による原油の海への放出による原油まみれになった水鳥の写真には怒りがこみ上げてきました。 

許せん、イラク!こらフセイン、ここに来て座りなさい、という気分に「操作」されたのです。 

後にこの原油まみれの水鳥の写真は、湾岸戦争とはまったく関係のない画像であったことが後に分かってしまいます。 

それを仕掛けたのは、米国大手広告代理店で、米国政府から依頼されていました。世界の人たちに米国の戦争が正しいと分からせる決め手の一枚だったのです。 

この手法を米国政府中枢にいたゴア元副大統領が知らぬはずがありません。彼はこの分かりにくい地球温暖化説を、分かりやすい紙芝居にして見せたのです。 

ホッキョクグマという北極圏の帝王を使って、その絶滅を訴えることで地球温暖化を説いたわけです。まことに見事なプレゼンシーション戦略だといえるでしょう。ただしインチキの。 

これが皆んな溺れ死ぬとは尋常ではない。世界野生動物基金(WWF」も「ホッキョクグマは歴史上の動物になる」といい、英国「インデペンデント」紙も「ホッキョクグマは動物園でしかみられなくなる」と叫びました。 

わが国のメディアに至っては体質的調査能力欠如ですから、てもなく右へ倣えでした。 

かくして世界中でホッキョクグマは、地球温暖化の悲劇のシンボルに仕立て上げられてしまいました。 

結論からいいましょう、ご安心ください、絶滅してはいません 

まずはこの表をご覧下さい。(図 ビョルン・ロンボルグによる) 

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 表の左側の横軸の最初の起点には1980とありますが、これは1980年を表します。 

縦軸が頭数です。お分かりのとおり、1980年にはわずか500頭に過ぎず、乱獲により絶滅寸前であったということが見て取れます。 

ちなみに当時は海氷の融解は観測されていません。あくまで人為的な乱獲が原因です。 

これが保護政策の結果が出て、5年後にはハドソン湾だけで一気に1500頭まで回復していきます。 

以後1990年代からはほぼ横ばいという安定した状態が続いています。減少トレンドの線が引かれていますが、1980年代の絶滅の危機からは大幅に増加していると言っていいでしょう。 

今上げた2005年850頭という数字は、あくまでも北極圏のハドソン湾地域のみの数字です。他にいくつものホッキョクグマの棲息地があります。 

ホッキョクグマは餌を追ってかなり広範囲に移動します。 

ホッキョクグマの総個体数は、北極圏というそれでなくとも厳しい自然の中で、おまけに広域に拡がっているために諸説あるようですが、おおむね総数2万5千頭(坪田俊男・北海道大学院教授・クマ生態学)という説が妥当なようです。 

少なくとも絶滅しそうだというデーターはありません。そう言っているのはマスコミと一部の環境保護団体だけです。 

それはこの北極圏で生活し、猟をしているイヌイットが年間なんと400頭ものホッキョクグマを狩猟していることでもわかるでしょう。 

イヌイットは合衆国政府が禁猟方針を打ち出したことに強く反発しています。もし絶滅寸前ならば、年間400頭もの狩猟はできないはずですから。 

ホッキョクグマは泳ぎも達者で、ゴア氏の本の写真を撮った後に、たぶん水に飛び込んで泳ぎだしたはずです。 

なにせ、ホッキョクグマは4日間泳ぎ続けて平均154.2キロ泳いだという記録があるのですよ。 

ちなみに泳法は犬かきとか。150㎞というと、東京から越後湯沢まで泳いでいっちゃったことになります。(欄外参照) 

というわけで、みすみす溺れ死ぬようなやわなタマではありません(笑)。ホッキョクグマはヒグマの親戚、北極の帝王はタフなのです。 

保護することは充分に必要ですが、絶滅危惧せねばならないことはないのです。

 

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サイエンスポータル 

「調査はアラスカ北部の南ビューフォート海やチュクチ海にいるホッキョクグマのメス52頭に、GPS装置の付いた首輪をつけて移動の様子を追跡した。
その結果、2004年から2009年までに、20頭のホッキョクグマによる50回の遠泳が観測された。1回の遠泳日数は平均3.4日間で、平均距離は154.2キロメートル。ほとんどが休息なしで移動したとみられ、中には9.7日間かけて687.1キロメートルも泳いだホッキョクグマもいた。」
 

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コメント

素朴かつ単純な疑問だったんですが、ホッキョクグマがいなくなるくらいなら、その前にエサとなる氷上で休むアザラシやセイウチが消滅するはずですよね…。

近年、イヌイットの生活を追う番組で、海氷が減ってアザラシ漁に支障が…なんてドキュメントを何度か見ましたが、実際どの程度なんだか逆に疑問が湧きます。
生活は出来ているわけで。

投稿: 山形 | 2013年12月17日 (火) 06時27分

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