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2013年12月25日 (水)

地球温暖化 大絶叫するな、NHK!

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地球温暖化・人為的二酸化炭酸ガス説ほど使い勝手のいい学説はありませんでした。 

保守サイドの産経、読売の原発推進派は、地球温暖化というカードを使って原発の増設のための世論形成をし、左翼サイドの朝日、毎日は地球環境保護というリベラル好みの看板を掲げることができました。 

この左右どちらの陣営も利用でき、「地球のために」という誰しも反対できない大義を持ち、その魔法の棒をかざせば国や企業が喜んで金を出してくれるという現代の錬金術が、この地球温暖化人為説でした。 

だからかくも、急速に全世界に流布したわけです。  

さて下はNHKスベシャルを単行本化したものですが、帯には「もう手遅れなのか」ですよ。

表紙は真っ赤に染まった暑苦しそうな地球です。もう手遅れなら、そもそもこんな番組なんか作る必要もないだろうにね。

Photo1

公共放送が、こんなに大絶叫していいのでしょうか?地球温暖化CO2説はあくまで未だ科学的な「仮説」にすぎません。異論も多々存在します。  

しかし、NHKは異説を一切ないもののように扱います。地球上の科学者が、皆声を揃えて同意見であるかのように編集しています。  

しかも、視聴者にコンピュータ・シミュレーションでこれでもかというあざとい映像をお茶の間に見せていきます。 

大洪水、天変地異、飢餓、疫病・・・しかしこれはあくまでコンピュータ上で予測された、しかも100年先の「最悪の予測」でしかないのです。  

もちろんNHKのことですから、周到にナレーションでそのような説明はしていますが、現実に番組をリアルタイムで見ていた私に印象されたのは上のようなカタストロフ(破局)のシーンでした。 

たぶん皆さんも見ていたのなら、同じ感想をもたれたのではないでしょうか。 

このようなやり方を、「印象操作」といいます。強烈な印象のシーンをぶつけて屈伏させ、見る人の意識を情報を流す側の思うがままの一定の方向に誘導する報道手法です。 

報道としてやってはならない反則技で古典的な方法ですが、それが故に効果バツグンです。 

よく共産党政権下の宣伝部がやった方法で、まともな報道機関が、ましてや公共放送がやっていいことではありません。 

上のような映像が流れたとして、それを検証しようと思う視聴者が実際何%いるのでしょうか? 

たぶん番組を見たまま、その説明を忘れてショッキングな映像のみで地球温暖化問題を「理解」します。 

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(上図 NHKスペシャル・地球温暖化のためにNYにカテゴリー4のハリケーンが来襲 ) 

だいたいビデオにとって、繰り返し見るようなことをしない限りそれがあたりまえなのです。しかし、しっかりと番組の「地球温暖化は大破局を近い将来に招く」という制作意図は伝わったのです。 

このようにして多くの明らかな誤りの情報がマスコミから流れていきました。 

TBSは100年後に6.4度の温度上昇があると、IPCCの1.8度から4度という予測より大幅に大きな数字を流しました。完全な誤報です。 

また、読売新聞も100年先と注釈せずに、「地球温暖化が進めば、日本の9割の砂浜がなくなり、渡り鳥の干潟もなくなる。農漁業に大きな影響が出る」と報道しました。 

この1m海面上昇の根拠は、先にも書きましたが仮説の最大値58㎝に高潮時を足したというような数字なのです。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-2a8d.html
 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-8371.html 

しかもくどいでようですが、100年先の!第一、IPCCの予測値は平均38.5㎝なのです。 

他にもこのシリーズで検証したツバルや北極の氷河崩落、ホッキョクグマ絶滅など、この地球温暖化問題はまさに誤報と過剰な破局を煽った報道の宝庫と言えます。  

なぜマスコミは誤情報に振り回されるのでしょうか。いや、それどころか社会に混乱を与えかねない煽り的情報を流すのでしょうか?  

この原因は簡単です。不勉強。そして付和雷同。長いものには巻かれろ 

そして足を使わない報道です。歩いて、観測所のひとつも回ればなにか掴めるのに、IPCCの言う通りの取材しかしないからなにも見えません。 

私は、霞ヶ浦の環境保全運動をしていた時に何回かマスコミの取材を受けました。 

あらかじめ勉強をして来た者など皆無です。 だから、質問が皆ピントはずれでおざなりでした。 

次に、勉強の替わりに初めから「結論」らしきものがあります。その意図でシナリオが書いてあるのですから後は「絵」をはめ込めば出来上がりです。  

ピッタリと自分の制作意図に合う「絵」。 

仮に記者がツバルに行ったとしても、現地の海面水位専門家から「いや、あれはツバルが沈んでいるんで、水面が上がったんじゃないんだよ。ほらこの資料を上げよう」などと言われても、おいそれと「ハイ、そうですか」と帰って来れないでしょう。 

デスクの怒った顔が目に浮かぶ。で、しかたがないので沈下した家屋の前に少年を写しこんで「環境難民の島」という記事にしてしまうわけです。哀しいマスコミ心理ですね。  

こんな調子で官民、公共放送から民報まで、産経から朝日までが煽りまくってこのていたらくです。 

ビョルン・ロンボルグではありませんが、「地球と一緒に頭を冷やせ」とマスコミに言ってやるべきでしょう。 

お願いです、マスコミ、状況を煽らないで下さい。煽れば煽るほど本質が見えなくなるのですから。

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コメント

Nスペは、一方で「全球凍結」なんて過去の氷河期の解明とかもやってたり…
結局はその場かぎりで視聴者に丸投げなんですけどね。

今回のはあくまでシミュレーションで、拡大解釈して「もう手遅れなのか」とか言われてもなあ。あからさまな印象操作ですね。
確かに出来た当時の最速スパコン「地球シミュレーター」は、このために作られたようなもんですが、入力データ次第で計算結果が丸で変わってきますから、最も極端なものだけ取り上げても何の意味もありません。

なかなかコメントできませんが、ずっと読んで勉強させてもらっています。
ここのところ、放射線、温暖化、秘密保護とそれぞれ独立したような話が出てきますが、全体を通して見れば「煽るな」ということに尽きますね。どこまでが事実で、どこからが推測なのか、は初歩中の初歩だと思いますが、ごっちゃにして誤解を招いているのだと思います。管理人さんが整理して下さっているので、とてもいい頭の整理になりますし、後世の検証にも役立つと思います。
「煽る」ことは学問でもないし、報道でもない。政治活動の戦術(いわゆるプロパガンダ)としてはアリだと思いますが、それが学問や報道の仮面を被っていたら危険極まりないですね。
もう一点は、「見えないものは怖い」という恐怖心に付け込まれているのかと思います。放射線、温暖化はもとより、秘密保護も「何でも秘密になる~」的な話に本能的に恐怖を覚える人も多いかと思います。そういった点を可視化して下さっている点でも、管理人さんに感謝です。

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